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「星界神話」声優オーディションを主催した代々木アニメーション学院の声優タレント科とは? グランプリを獲得した「こと」さんのコメントも
昨今,キャラクターの声優をオーディションで決めることは珍しくないが,ゲームのキャラクターを声優の専門学校生から選ぶといった企画というのは,ちょっと聞いたことがない。そこで,今回は代アニとX-LEGENDの両担当に同企画を実施した理由,そして代アニに,「そもそも声優タレント科では何を教えているのか?」といった話を伺ってきた。
オーディションのグランプリ受賞である“こと”さんのキャラクターボイス収録現場にお邪魔する機会も得られたので,彼女から聞くことのできたオーディションの感想や収録後の気持ちも紹介している。声優界隈には興味がないという読者もいると思うが,昨今ではゲーム業界と切っても切れない関係となった声優とその世界について,少しでも参考になれば幸いだ。
「星界神話」の声優オーディションを主催した代々木アニメーション学院とは
●代々木アニメーション学院は“株式会社”として運営される教育施設
1978年に日本初のアニメーションスクールとして登場した“代々木アニメーション学院”は,アニメーターや声優,マンガ家を目指す人を育成するための教育施設だ。ただし,正式名称となる“株式会社 代々木アニメーション学院”の名が示す通り,学校教育法上の学校法人ではなく会社として運営している。
これは,“年間の教育計画”を提出しなければならない学校にしてしまうと,変化の早いエンタメ業界への対応ができなくなってしまうことを危惧してのこと。臨機応変に業界の流れに対応することが可能というのは興味深い話だ。
もちろんデメリットもあり,その例として入学を希望する人の親からは“短大・各種専門学校の卒業資格”を得られないことに対して,いろいろとマイナス面の質問を受けることも多いという。業界自体は学歴重視ではない世界とはいえ,もしものことを考えると,取れる資格は持っておいてほしいと思うのが,当たり前の親心なのだろう。なお,同学院に入学してくる人の多くは,一般的な専門学校と同様に,高校を卒業したあたりの10代後半から20代前半だ。
同学院には高等部があり,こちらではアニメやイラスト、マンガや声優業界などを目指す授業を受けながら,高校の卒業資格も取得できる。現在の制服は,人気イラストレーターである岸田メルさんがデザインしているそうなので,気になる人はチェックしておこう。
●一日の授業時間は3時間。実践を重視する学習内容と自主性が試される自由さ
専門学校ではないと聞くと,授業ではどのような指導を行っているのかが気になるところ。一般的なコースや学科では,平日の月曜日から金曜日(場合によっては土曜日も)に,1日90分の授業を2つ受けるとのこと。合計で180分と短く感じるかもしれないが,カリキュラムには専門学校にあるような一般教科がなく,発声やオーディション対策,アフレコなどの専門的な内容のみで構成されているので,卒業までの2年間で声優に必要なものを十分に学ぶことができる。1日の授業時間が凝縮されている分、空いた時間は自己の鍛錬やアルバイトに費やす生徒が多いらしい。
授業内容だが,先ほど述べたほかに,録音スタジオでの立ち居振る舞いやマナーなどを学ぶスタジオ・マイクワークや、演じるキャラクターの感情をくみ取り再現するキャラクター読解・感情解放などがある。舞台やナレーションを想定した授業もあり,卒業後はアニメ声優としてだけでなく,声や演技を活かしてさまざまな分野への可能性を広げている。
●声優の世界は芸能界。事務所への所属は代アニのサポートも
2年間の学習期間を終えると通常の専門学校と同様に卒業となる。一般的な業種の場合,卒業前に就職活動を行うことになるが,声優の場合は,声優や芸能関係の事務所・養成所に所属することが多い。所属の方法や待遇は事務所によって異なるほか,養成所では仕事やオーディションの斡旋を受けられたり,レッスン費などを免除されることもある。
各事務所では,スターの卵となる新しい人材を常に欲しているそうで,きちんと学び,ある程度の素質さえ持っていれば“所属”することは十分ありうる。しかし,所属したからといって毎月給料が支払われるわけではないので,生活ができるような活躍を目指すために,その後も努力や研鑽,そして少しばかりの運と縁が必要となる。
なお,卒業後の話を聞いていた際に,「芸能界」といった言葉が何度か出ていた。先に“アニメ”や“声優”“学院”といったワードが頭にあったため,アニメ業界に進みたい学生向けの専門学校といったイメージでいたのだが,その言葉によって,ここ代々木アニメーション学院は「タレント養成所」でもあることに今更ながら気が付いた。そう,声優もアイドルやお笑いと同じ芸能人であると。
「代々木アニメーション学院」公式サイト
●2020年4月にはゲームクリエイター科やYouTuber科などが新設
現在はアニメや声優,漫画家を目指す人に向けた学科が多い代アニだが,東京オリンピックが開催される来年2020年の4月からはゲームに関する学科が設立される。すでに公式サイトでは発表されているが,
- ゲームクリエイター科
- ゲームプログラミング科
- ゲームキャラクターデザイン科
- ゲームビジネス科
- ゲームプランナー科
また,エンタメ系のコースになるが,YouTuber科の準備も進めているそうで,こちらではYouTuberとしての活動方法の指南だけではなく,必要な機材やその使い方といった基本的な知識も学んでいける。
ゲームやYouTuber関連の学科とあれば,4Gamerとして気にかけないわけにはいかない。まだ先の話になるが,機会があればまた,詳しく話を聞いてみたい。
新キャラクター「星霊・ちえ」のオーディションの詳細とグランプリに輝いた“こと”さん
2019年3月から4月にかけて実施された,新キャラクターの声優抜擢オーディション。「星界神話 -ASTRAL TALE-」に登場する新キャラクター「星霊・ちえ」の担当声優を決めるもので,予選と決勝を経たのち,最終ボイス審査にてグランプリが決定した。選ばれた“こと”さんは,すでに東京にある某スタジオにて収録を実施,その現場に立ち会わせていただいたので,同企画の担当者とグランプリ受賞者のことさんにお話を伺ってきた。
・企画のスタートは代アニから
声優抜擢オーディションだが,代アニからX-LEGENDに企画を持ち込む形でスタートが切られたそうだ。オファーの理由は,授業の一環や卒業後を視野に入れた生徒の実績作りのためで,生徒がプロの現場を体験できるように,さまざまな企業に声をかけているとのこと。
X-LEGEND側としては,4月のアップデートで配役に適した新キャラクター(今回実装された「星霊・ちえ」)の実装を予定していたが,収録などの時期を考えるとスケジュール的にはかなり苦しく,代アニに無理を飲み込む形での進行をお願いしたようだ。また,本作で有名な声優を多く起用している点や,今回の声優がキャラクターにマッチするかどうかなどを考慮して,クオリティ向上を目指した企画の修正もお願いしている。単純な企画としての実装ではなく,遊んでいるユーザーに納得してもらえるような配慮でもあり,結果として,予想以上にレベルの高い参加者が集い,ことさんの収録内容も十分に満足できるものであったと話している。
・オーディションの参加者と選考基準
オーディションには,代アニの各声優科から計31人の生徒が参加した。予選は仮想ライブ空間のSHOWROOMを使用し,視聴者から多くのポイントを獲得した上位10名が決勝へ進む形となっており,参加者は自身で配信時間や内容を決めながら,ファンの獲得に勤しんだのだ。SHOWROOMでの人気と声優としての実力はどれほど関係あるのかという疑問について伺ったところ,最近の声優は個人の力でファンを獲得するといった能力が求められる事も多く,このようなチャレンジは声優としてひとり立ちするために非常に重要との答えを頂いた。
「SHOWROOM(ショールーム)」
決勝では,SHOWROOMの上位2名と審査スタッフが選出した特別枠の2名の計4名が最終ボイス審査へと進むことになった。特別枠は,声優としての力を重視したものだ。配信については,どの参加者も学生とは思えない番組クオリティで,非常に面白い内容だったとのこと。
配信者のなかには,羊毛フェルトで物を作ったり料理をしたり,時間いっぱい視聴者からの演技指導に応え続ける人などもおり,思いもよらないファンサービスの形に驚くこともあったようだ。
最終ボイス審査は,参加者に台本を渡してからのボイスサンプル提出をお願いし,それを参考にX-LEGENDの「星界神話」運営プロデューサーが決定した。決勝を通過した4名は誰もが高い実力を持っていたそうで,悩むところもあったようだが,“「星霊・ちえ」らしさ”を重視した評価で,先述の“こと”さんがグランプリとして選出されたのだ。
【プロフィール】
誕生日:12月1日
趣味:食べること
特技:お味噌汁を作ること
好きな物:トマトとねこ
性格:ポジティブ
【コメント】
オーディションに参加した理由:
きっかけは,キャラクターのビジュアルや設定を見て「演じてみたいな。」と思ったからなのですが,これまで応援してくれている人達からも「絶対受かるからやってみなよ!」と声をかけてもらったことで応募に踏み切りました。春休み中で,SHOWROOMの出演や練習の時間が取りやすかったのも理由になります。
オーデイション中に意識していたこと:
とにかく楽しく! です。ちえちゃんがとても元気な女の子なので,そのイメージと“地声が大人しいかったり真面目に聞こえてしまう”自分が表に出ないように楽しく,そして明るくなるように心がけました。
グランプリに選ばれたときの気持ち:
連絡を受けたときは座っていたのですが,思わず立ち上がって喜びました(笑)。取材があるかもしれないとの話を聞いて,これを機会に顔出しをする覚悟も決めました。声優として活動するのであれば,表に出るのも必要なのかなと思ったので。
「星霊・ちえ」を演じるにあたって:
いままでは,大人しかったり寒色系が似合う女の子キャラクターを演じることが多かったので,ピンクの可愛らしい衣装を着た元気いっぱいの小さな女の子は初めてです。挑戦の意味合いも込めてオーディションに参加したのですが,新たな自分を表現できたのではないかなと感じてます。自分にも意外な面があるんだなと思って,楽しかったです。
収録を終えて:
授業ではない本当の収録自体が初めてで緊張しました。座った姿勢でブースに1人きりという状況も今まで経験したことがなかったので。音響さんからの的確な指示にもびっくりで,それに応えられたのか心配でもあるのですが,自分としては十分に力を出し切って,そして大きな成長もできたと思っています。
「星界神話 -ASTRAL TALE-」,ことさん演じる「星霊・ちえ」は4月23日のアップデートで登場
2015年11月17日から正式サービスを開始した「星界神話 -ASTRAL TALE-」は,台湾のデベロッパ“X-LEGEND Entertainment”が開発するMMORPGだ。日本では,同社の日本法人であるX-LEGEND ENTERTAINMENT JAPANが運営しており,クライアントインストール型の基本プレイ料金無料タイトルとして遊ぶことができる。
MMORPGとしてはオーソドックスな作りになっており,自分好みの容姿を作成できるキャラクターで,オンライン上に用意された広大なファンタジーの世界で気の合う仲間たちとの冒険が楽しめる。奥深い物語や,育成・アイテム収集にも役立つクエスト,さらには装備の合成・強化といったMMORPG定番のコンテンツがしっかりと用意されているので,ひとりでじっくり遊びたい人にもおすすめだ。
キャラクターの職業が自由に転職できる「クロスジョブシステム」が本作の一番の特徴で、ソードマスターや魔導士,レンジャーといった13種類の職業をシーンに合わせて攻撃役や回復役などを自在に切り替えることも。装備は全職業で共通になっているので,ストレスなく気軽に楽しめる。
新ダンジョンや物語などを追加するアップデートも積極的に行われているので,長い期間遊んでいても飽きるといった心配もないだろう。4月23日には「星霊・ちえ」を仲間にできるクエストも配信,星霊★6ランクの開放や特定時間に出現する“世界ボス”の追加なども実施されたので,さらに遊びの幅が広がった。
●冒険のパートナー「星霊」のCVは声優の高橋李依さんや田中理恵さんなどが担当
ユーザーが冒険を進めるうえで重要なパートナー「星霊」は,かわいらしい,もしくは美しい女性やイケメン男性の姿で登場する。現在は「ちえ」を含めた40体以上が実装されており,そのすべてにキャラクターボイスが用意されている。表情豊かなキャラクターたちのカットシーンも豊富で、アニメの世界に入ったかのような感覚で物語を楽しめる。ここでは,ルナ役の高橋李依さんやレイラ役の田中理恵さん,ベル役の東山奈央さんなど,人気声優も数多く出演している「星霊」たちの一部を紹介していく。
ボイスが聞ける「星界神話」星霊紹介ページ
アリス(CV:相坂優歌) 女神・アイナに助けてもらったメイドさん。アイナのためだったらなんだってしちゃう女の子。 |
リタにゃん(CV:優木かな) 魔法学園のアイドル。そしてニャンニャン冒険団の団長でもある元気な子。猫のミカに乗って冒険するのが大好き。 |
さくら(CV:橋本ちなみ) 双子巫女の姉として有名な星霊。踊りが得意でみんなに披露しています。悪者にさらわれた妹のあずさを探している。 |
ルーク(CV:河西健吾) 大剣を振りかざすイケメン星霊。クールな態度に星界の女の子たちはもうメロメロ。 |
小春(CV:井口裕香) 天真爛漫な幻狐族の王女。寂しくなると、自分の尻尾を抱いて眠る甘えん坊。 |
レイラ(CV:田中理恵) 氷雪の地を総べる女王。冷淡な態度とは裏腹に、外の世界の友人が欲しいと秘かに願っている。 |
メロディー(CV:小倉 唯) 星界きってのハープ弾き。彼女の奏でる音色は多くの人々を魅了する。 |
ナタリア(CV:日笠陽子) 人々を守ることを使命としているナタリア。みんなの笑顔で満ちた世界を目指すべく今日も弓を射る。 |
ルナ(CV:高橋李依) 眠っていることが大半だが、本気を出したときの実力は未知数。大事なペットのジータとはいつも一緒。 |
ベル(CV:東山奈央) 可憐な見た目で美しい声を持つ少女。スイーツへの想いは人一倍で、いつもティータイムのお菓子を気にしている。 |
アイフロート(CV:内山昂輝) 腕自慢のトレジャーハンター。群れることをよしとせず、孤独を好む。 |
マロン(CV:戸田めぐみ) たくさん食べてたくさん遊ぶ成長盛りの赤ちゃん星霊。まわりのみんなは将来を心配している模様… |
メイプル(CV:丹下 桜) 普段は臆病で頼りないが、いざという時には力を発揮する女の子。なぜかたくさんの爆弾を持ち歩いている。 |
ローラ(CV:大久保瑠美) 生まれ持った才能から、天才とも呼び声高い魔法使い。実は努力家であることを、彼女の先生は知っている。 |
ティア(CV:矢野亜沙美) 海からやってきた癒し系のお姉さん。慈しみの心が深すぎるだけに害意を持つ人には悲しい気持ちになる。 |
ミルフィ(CV:田中美海) お菓子作りに対する熱意が誰よりも強い女の子。作ったスイーツを残されると激怒する怖い一面も持つ。 |
アカネ(CV:阿東せれな) みんなが平和に過ごせることを望み、どんな苦難も乗り越えようと頑張る女の子。でも、生まじめすぎるかも… |
ノルン(CV:北川里奈) 困っている人たちを見過ごせない優しい星霊。悪者に対しては楽しそうに攻撃をしかける目撃情報も… |
エリー(CV:近藤佳奈子) 構ってあげないと拗ねてしまう女の子。感情の浮き沈みが激しく、怒るととても怖いので、慎重に接しよう。 |
ユイ(CV:伊藤美来) みんなに笑顔を届けたい一心で一生懸命に歌うアイドルの女の子。日々ファンを増やすための努力を欠かさない。 |
サンドラ(CV:近藤 唯) 海賊の被害に悩む人々を守るため、日夜、海をパトロールしている軍人。悪は絶対許さないまっすぐな人。 |
ミント(CV:西田望見) フィギュアスケートの演技で感動してもらえるようになるため、普段の努力を怠らない頑張り屋さん。 |
ヤマト(CV:野上 翔) 何事に対しても面倒くさがる武士。しかし、やるときはやるタイプなので、なんだかんだでいい奴と周りからは思われている。 |
スズ(CV:佳村はるか) いつも明るく、ムードメーカーな忍者。忍者として生きることの厳しさを知っているが故、明るく振る舞っているようだ。 |
メイリーン(CV:野口瑠璃子) 星界のパン屋さんの一人娘。今回はパン屋を荒らしたいたずら小僧たちをこらしめるため、自慢のフェンシングで突きまくる。 |
凜(CV:島田紗希) 古くから伝わる民族の生まれ。刀が嫌いだが、生き抜くのに必要なため妖刀に依存している。妖刀・伊邪那岐はよきパートナーのようだ。 |
ココ(CV:佐藤 舞) 天然で明るく元気な子狐。幼い外見とは裏腹に長い時を生きている。好物のお酒と串団子を堪能するひとときが好き。 |
ちえ(CV:こと) 小さい頃からお菓子やパンを作るのが大好きな女の子。好奇心旺盛でなんでも試したがるが、ちょっぴり不器用なので失敗することもしばしば… |
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