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温かみのある調べが中野サンプラザを包み込んだ。伊藤賢治氏プロデュースによる「聖剣伝説」ライブをレポート
1991年にゲームボーイ用ソフトとして発売された,「聖剣伝説 -ファイナルファンタジー外伝-」の楽曲を,作曲者である伊藤賢治氏自らがアレンジ&バンド演奏。さらに,現在もさまざまな形で展開されている「聖剣伝説」シリーズに深い関わりを持つキーマンによるトークも繰り広げられるなど,25周年にふさわしい内容となっていた。開催から少々時間が経ってしまったが,そんなイベントの模様をレポートしよう。
中野駅前のランドマークにして,数々の有名アーティスト達がステージに立った中野サンプラザホール。伊藤氏は数年前からこの場所でのライブ開催を望んでいたので,今回はそれが実現された形となった |
物販コーナーは開場前の事前販売時から大行列。会場限定発売のロゴ付きのTシャツや,マナの樹が描かれたマフラータオルといったライブオフィシャルグッズが,飛ぶように売れていた |
SQUARE ENIX Presents 聖剣伝説LIVE 〜Echoes of Mana〜 Produced by Kenji Ito公式サイト
「聖剣伝説 -ファイナルファンタジー外伝-」公式サイト
4Gamerでは,開場前に行われた最終リハーサルの様子も取材した。事前に数日間のスタジオリハーサルが行われたとあって,ミュージシャン達の息はピッタリであったが,ステージ上でしか分からない照明や微妙なタイミングの調整が時間ギリギリまで行われていた。
印象的だったのが,伊藤氏が“ある曲”について「映像のタイミングがおかしい」と指摘し,その場で急きょタイミングの調整を行ったという点。それがどの曲であるかは後述するが,伊藤氏が並々ならぬ思い入れでこのライブに挑んでいることを感じさせ,またこのライブの成功が間違いないと筆者に確信させた瞬間であった。
ここからは,ライブ本編の模様をお届けしていく。2000人を超えるキャパシティを持つ中野サンプラザホールだが,その座席はほぼ満席状態。中には早くもオフィシャルグッズを身に着ける人もおり,開演前から熱気が充満していた。なお,今回のバンドを編成するミュージシャンは以下のとおり(敬称略)。
伊藤賢治(ピアノ,キーボード) |
上倉紀行(キーボード,ギター) |
太田光宏(ギター) |
吉池千秋(ベース) |
滝山清貴(ドラム) |
Stereophonik:牛山玲名,須原杏(ヴァイオリン),梶谷裕子(ヴィオラ),越川和音(チェロ) |
客席の照明が落ちると,大きな拍手に迎えられつつミュージシャン達がステージに登場。中央に陣取った伊藤氏の指揮振りでスタートしたのは,ゲームのメインテーマである「Rising Sun」だ。少し物悲しくも温かみのあるメロディに観客は静かに耳を澄ませ,聖剣伝説の世界に浸っている様子であった。
曲が終わり拍手に包まれたステージ上で伊藤氏は,聖剣伝説25周年の年にライブが行えることに感謝を述べ,また初めて一人でサウンドを担当したタイトルであるだけに格別の思い入れがあるとコメント。「今日はたぶん,俺も泣く」と早くも胸がいっぱいであることを告げていた。
続いて演奏されたのは,物語冒頭でヒーローと瀕死のウィリーによる会話シーンで流れる「Requiem〜果てしなき戦場」のメドレー。別れのシーンにマッチした物悲しいメロディから一転して,ゲーム前半のメインフィールドを飾る勇壮な楽曲が流れるという構成はなんとも感動的で,しかもヴァイオリンが奏でる新メロディが加わった完全版とでもいうべきアレンジとなっていた。
さて,勘の鋭い方はここまで読んでお気付きかもしれないが,この日のセットリストはゲームの展開をなぞる形で構築。当時ゲームを遊んでいた人は,よりその思い出を噛み締めながら楽しめるというウレシイ構成となっていたわけだ。
アコースティックギターの伴奏に,伊藤氏が弾く鍵盤ハーモニカのメロディが加わってスタートしたのが「村〜王宮のテーマ」メドレー。前半は素朴な音色でほっこりとさせ,後半は打って変わって弦楽器が主役を飾る優雅なアレンジ。ゲームで聴いた楽曲のイメージをそのままにパワーアップさせたアレンジは,見事というほかない。
「小学生の頃にマトックだけでゴーレムを倒した」とゲームボーイ版の思い出を語った“ファンキー”上倉氏を含むバンドメンバーの紹介をはさみ,ここからは聖剣伝説シリーズの歴代コンポーザーをゲストに招いてのトークコーナーがスタート。
ステージに残った伊藤氏に,「聖剣伝説 LEGEND OF MANA」「聖剣伝説 HEROES of MANA」で楽曲を担当した下村陽子さんと,「聖剣伝説2」「聖剣伝説3」の楽曲を担当したと菊田裕樹氏が加わり,スクウェア在籍時代の思い出話に華を咲かせた。
伊藤氏は,当時二人だけだったサウンドチームで上司にあたる植松伸夫氏に「聖剣伝説2と(ロマンシング)サガどっちがやりたい?」と聞かれ「(初の単独仕事が聖剣伝説だったので,その続編の)聖剣伝説2がいい」と答えたものの,なぜか翌日には「イトケンは甘いところがあるから河津(秋敏)さんに揉まれてこい」とサガ担当を任命されてビックリしたというエピソードを披露。
そして伊藤氏から引き継ぐ形で聖剣伝説2を担当することになった菊田氏は,「若かっただけに不安があった。当時のスクウェアは挫折を経て入ってきた人がけっこう多くて,そのコンプレックスをバネにしてなにかを成すぞいう意識が強かったのだと思う」と,当時の心境を振り返っていた。
下村氏は,聖剣伝説シリーズの生みの親である石井浩一氏から,「新しい聖剣伝説(LEGEND OF MANA)の楽曲をどのスタッフにお願いしたらいいか」という相談メールが届き,それに返信した数日後に「キミに担当してもらうことになったから」というメールがあったという思い出話を披露。
突然担当者が決まるのが聖剣伝説なのかしら,と会場の笑いを誘いつつも,数年越しの念願だった家庭用ファンタジーRPGの楽曲を手がけることができて,プレッシャーもありつつ嬉しかったと振り返っていた。また,ボス曲の参考用として「出社したら机にヘビーメタルやプロレステーマ曲集のCDが山積みにされていて驚いた」とも語っていた。
トークのまとめとして伊藤氏は,「せっかく3人がそろっているので,タイミングがあえば合同コンサートができたらいいですね」と語ると菊田氏,下村氏は同意を示し,観客も割れんばかりの拍手でそれを後押しした。歴代コンポーザーが集結する“聖剣伝説シリーズコンサート”など,夢が膨らむばかりだ。
ゲストボーカルの藤本記子さんを迎えて演奏されたのは「マナの使命」と「哀しみのなかで〜想いは調べにのせて」。ヒーローがジェマの騎士としての使命を授かるシーン,そしてアマンダ・レスター姉弟とのエピソードを彩る曲として,いずれもゲーム中の印象的なシーンで流れる楽曲だが,ライブでは藤本さんがスキャットで歌い上げる切ないメロディと伊藤氏のピアノ演奏とが会場を静かに包み込んでいった。
とくに,「想いは調べにのせて」は,映像でレスターがハープを奏で始めるのとタイミングを合わせて伊藤氏が演奏をスタートさせる(リハーサルでのタイミング調整はココ)という,ゲームをプレイしたことがある人なら感動必至の演出がなされていただけに,演奏後にはひときわ盛大な拍手がステージへと送られていた。
しんみりとしたムードを残したまま,ステージは再度トークコーナーに。聖剣伝説シリーズの生みの親である石井浩一氏(現グレッゾ代表)と,2月4日に配信がスタートとなったiOS / Android / PlayStation Vitaでのリメイク版のプロデューサーを務めるスクウェア・エニックスの小山田将氏を招いて,開発時のエピソードが披露された。
第一声で「呼んでくれてありがとう」と伊藤氏に語りかけた石井氏は,ゲームボーイ版の制作時を振り返り,「作りたかったアクションRPG。悲しいストーリーを作ろうとしたときに(スタッフは)初めての人間ばかり。当時は作れるのかな? と不安もあったけど,今思えば誰一人欠けても第1作は完成しなかったと断言できる」と,噛みしめるようにコメント。「イトケンには何回かボツを出させてもらったけど,求めていた切ない曲をあげてきてくれたことが懐かしい思い出」と,当時を懐かしんでいた。
また小山田氏から,音楽に伊藤氏を起用した理由を問われると,「当時は作曲家が2人しかいなかったけど,イトケンの曲はいいなと感じていた。それで,イトケンを使いたいんだけど……と植松さんに相談して」と,自らのリクエストであったことを明かしていた。
一方,ゲームボーイ版の当時は7歳だったという小山田氏は「25年を経てシリーズに関わらせてもらえるとは夢にも思わなかった。石井さんとは,携帯電話へと移植する際にいろいろと話をさせていただいたのですが,当時は実現できなかった石井さんの想いを今回のリメイク版では再現しています」と説明。これには伊藤氏も,「グラフィックスは綺麗になっているんだけどモンスターが同じ動きをしている!」と,懐かしくも好印象であることを語っていた。
また,石井氏からは「小山田くんは最初に手紙を送ってきたんだよね」と意外な初遭遇であったことを披露。小山田氏によると,当時の上司であった田畑(端)氏が「聖剣伝説をリメイクしたいんだったら,石井さんに感想文を出さないとダメだよ」と言われたため,熱意を込めた文章を送ったそう。そのかいあって石井氏は「自分が作ったものをこれだけ愛してくれて,作らせてくれって言われた気持ちがすごく嬉しいし,そういう人に作ってもらわないわけにはいかない」と,信頼関係が結ばれたことが明らかにされていた。
聖剣伝説シリーズの生みの親にして,スクウェアを代表する数々のゲームタイトル開発をしてきた石井氏。人と人との出会いと別れが織りなす機微を,聖剣伝説には込めたと語った |
近年の聖剣伝説シリーズのプロデューサーとして活躍する小山田氏。リメイク版はゲームに加えて,サウンドトラックCDが2016年3月30日に発売されることをアナウンスした |
この曲は,一度は冒険を続けることを諦めかけたヒーローが,自分の意思で再び立ち上がるゲーム後半からのメインフィールド曲にして,数あるBGMの中でもファンの多いナンバー。メロディには少し物悲しさもあるが,オクターブベースがフィールドをズンズンと歩んでいくような勇気を与える名曲だ。ギターソロ〜アウトロにかけて盛り上がる様もカッコよく,ゲーム以上にドラマチックな仕上がりとなっていた。
立て続けに演奏されたのはボス曲「戦闘1」。成田氏のソロプレイをきっかけに,まるでバンドメンバー同士がバトルしているかのような激しい演奏を繰り広げ,客席の温度を高めていた。ちなみにこの戦闘1という曲名,植松氏の命名法にならってシンプルなものにしたそうだが,「今思えばもっと考えたタイトルにすればよかった」と伊藤氏はコメントしていた。
次に演奏されたナンバーは「マナの神殿」。曲だけ聴くととても静かで神秘的とさえ思える調べだが,ゲームを遊んだことがある人ならご存じのとおり,これはラストダンジョンのBGM。もう引き返せないゲーム進行とあわせて,プレイヤーの記憶に深く刻まれた一曲。「スクリーンに目を向けるとジーンとしてしまいそうで見れない」と伊藤氏も語っていたことからも,その印象深さがわかる。
ラストダンジョンの曲が演奏されたということは,いよいよライブはクライマックスに突入。「戦闘2-勇気と誇りを胸に-」「最後の決戦」と,ボス曲とラスボス曲が立て続けに演奏される。原曲からしてハイテンポな激しさの中にメロディアスな響きを含む,これぞ“イトケン節”な両曲だが,ライブではアコースティックギターやヴァイオリンが激しい掛け合いを見せるという,興奮度マックスのアレンジに。誰もがマナの樹の元での最終決戦を思い描いていたに違いない。
そしていよいよ,エンディング曲である「伝説よ永遠に」へ。原曲同様に,伊藤氏が奏でるピアノの3和音から演奏がスタートし,気付けばそこに弦楽器やアコギ,ウッドベースが加わっていき,温かみのあるアンサンブルを形成していく。スクリーンにはオリジナル版のエンディングのシーンが流され,来場者は耳と目とで思い出のシーンを再体験することとなり,感動に包まれていた。
静かな調べとともにライブは終了……というわけもなく,演奏終了後から鳴り止まぬ拍手はいつしかアンコールを求めるものとなり,それに促されるようにバンドメンバーが再登場。会場は,ひときわ大きな拍手に包まれた。
待望のアンコールは,再び登場した成田氏と,ここからのゲストであるボイスパフォーマーの岸川恭子さんを加えて,聖剣伝説シリーズ作品からのラインナップに。「聖剣伝説DS Children of Mana」の「マナの嬰児」は,オルガンの音色が印象的なプログレッシブな一曲。「聖剣伝説 RISE OF MANA」の「汝、彼の使いの恐怖を知るや」は,岸川さんのパワフルな歌声が全体をグイグイと引っ張るハードロック調な仕上がり。伊藤氏に促されて立ち上がった観客達も,大きな手拍子で熱いパフォーマンスに応えていた。
続いてのナンバーはライブでは2013年に開催された「One Night Re:Birth」(関連記事)で披露して以来というレアトラック,「聖剣伝説4」から「愚者の舞」。アコースティックギターと岸川さんのボーカルが情熱的に絡みあうスパニッシュテイストな一曲に,来場者はうっとり聴き入るほかはなかった。
トリを飾ったのは,聖剣伝説4より「終わりなき愛」。「Re:Birth/聖剣伝説 伊藤賢治アレンジアルバム」に収録されたこの曲は,ボーカルも務める藤本さんによる歌詞が加えられているのだが,作詩のためダンボール2箱分もの資料を読み込んで作ったというだけに,ゲームのイメージとピッタリあったもの。透き通るような藤本さんの澄んだ歌声もあって,美しい思い出が広がるような空気が,じっくり,しっとりと客席へと伝わっていった。
これにてライブは閉幕――かと思いきや,「こっからはオマケ!」と告げた伊藤氏だけがステージにカムバック。上倉氏を招き入れてのサプライズ(下記参照)をはさみ,「2001年2月にフリーになって以来15年,いいことも悪いこともあったけど,いろいろなご縁があってこのステージに立たせてもらったことがとても幸せです」と感謝の言葉を述べた。
そして,ピアノに向かい奏で始めたのはRising Sun。“はじまりの曲”であるその調べを,静かに,しかし力強く弾いていく伊藤氏の姿に観客全員が引き込まれていった。最後のフレーズが鳴り終わると同時に,会場全体からは鳴り止むことない拍手が響いたのであった。
●SQUARE ENIX Presents 聖剣伝説LIVE 〜Echoes of Mana〜 Produced by Kenji Ito セットリスト
M01 Rising Sun(以下,聖剣伝説 -ファイナルファンタジー外伝-)
M02 Requiem〜果てしなき戦場
M03 村〜王宮のテーマ
M04 マナの使命
M05 哀しみのなかで〜想いは調べにのせて
M06 聖剣を求めて
M07 戦闘1
M08 マナの神殿
M09 戦闘2-勇気と誇りを胸に-
M10 最後の決戦
M11 伝説よ永遠に
※アンコール
EC1 マナの嬰児(聖剣伝説DS Children of Mana)
EC2 汝、彼の使いの恐怖を知るや(聖剣伝説 RISE of MANA)
EC3 愚者の舞(聖剣伝説4)
EC4 終わりなき愛(聖剣伝説4)
EC5 Rising Sun(ピアノソロ)
ライブ後の伊藤氏と小山田プロデューサーと一問一答
伊藤氏:
聖剣伝説というサガとは違ったタイトルであることも含めて,1曲目からお客さんからのジワーッとした温かいオーラがあって,こちらが引き込まれそうでしたね。でもこちらがリードをしないといけないなという意識で,踏ん張りながら演っていました。
小山田氏:
本当はダメなんですけど,ファン目線に戻ってウルッとくるものがありました。サガの熱狂ぶりとはちがったしんみりした雰囲気がとても良かったですね。
伊藤氏:
菊田さん,下村さんの音楽的な世界観はまた違うので,それはまた別に展開できれば楽しみですね。
小山田氏:
ぜひ3人の共演を見てみたいです。スクウェア・エニックスだけでなく,イトケンさん楽曲だけのお祭りみたいなのもいいですよね!
――ステージでも語られてましたが,あらためて開発をしていた25年前の心境を振り返ってお聞かせください
伊藤氏:
当時は23歳で,初めて一人でサウンドを任されたプロジェクト。植松さんの足を引っ張ってはいけないと,自分なりにあがいていましたね。その上で自分らしさを出そうと好きなようにやらせてもらったので,今でもほとんどの楽曲を暗譜(譜面を記憶して)で弾けるくらいまで昇華しているところがあります。そういった意味では,サガとは違った思い入れがあるタイトルですね。
それと担当するまでの流れは,てっきり植松さんが忙しいから僕に回ってきたのかと思ったら,石井さんが僕を抜擢してくれたことを25年経った今日始めて知りました(笑)。
――今回のライブはゲームの展開を追っていく構成でしたが,そのアイデアは?
伊藤氏:
そこはすごくこだわりましたね。当時を思い出しながら。当時からインパクトのあるストーリー性を持ったタイトルで,思い入れのある人が多いでしょうから,だったらちゃんとオープニングからエンディングまでを順番どおりにやろうというのは,最初から決めていました。
――25年の年月を経て自分の曲と向き合っていかがでしたか?
伊藤氏:
シンプルだなって。いろんな小細工を使わず,当時としての自分の技を出し尽くしたな,みたいな。その分(アレンジや演奏を)やりやすくはあったんですけど,今ならこんな“どシンプル”な曲は書けないとも思うので,そこで25年が経ったんだなと分かりましたね。
――中野サンプラザホールで演奏をした感想は?
伊藤氏:
やっと夢がかないましたね! いろんなアーティストが音が素晴らしいと話していて「一度は実感したいな」と思っていたのですが,実際にステージに立ってみると音の返りや拍手の鳴りが素晴らしかったです。山下達郎さんや佐野元春さんは,この音を聞いていたんだなと思うと感慨深いものがありました。
伊藤氏:
最後にもピアノで弾いたRising Sunですね。最初はただのタイトル曲でしかなかったのですが,その後にヒーローとヒロインが別れるシーンで,僕から当時ゲームデザイン&シナリオ担当だった北瀬佳範さんに「ここでRising Sunをもう一度かけてほしいんです,このゲームのメインテーマ曲とするために!」と掛け合ったんです。「お前,新曲書きたくないんじゃないの?」と冗談半分に言われましたけど(笑)。
でも,そうして組み込んだものを(発売前にゲームを試す)モニターの方がプレイしたら,エンディング前のそのシーンでみんなが感動して泣いていたんです。この曲があってこそ聖剣伝説という存在感までを持たせてくれた一曲ですね。
小山田氏:
自分も本当はRising Sunなんですが,イトケンさんの語りは超えられないので(笑)。アレンジとしては聖剣を求めてがグッときていて,チョコボが自分の身を傷つけながらも助けたヒーローが冒険に出て行くという場面転換のシーンだったので,リメイク版でもこだわってイベントを作りこみました。
――最後に,2月4日配信のリメイク版を楽しみに待つファンの方に向けてメッセージをお願いします
小山田氏:
当時のイメージを保ちつつ,当時石井さん達が容量の問題もあって掘り下げきれなかった部分を汲みとって表現できていると思うので,過去にプレイした人もまた遊んでほしいと思います。
伊藤氏:
こういう仕事をしていながら,僕はゲームをほとんどしない人間なんですけど,それでもちょっとやってみたいと思っています。オリジナルの謎解きは全部覚えているので,懐かしみつつもまた新たな気持ちで楽しめそうですね。
レポート中に頻発した“温かみ”という言葉がこのライブを通してのテーマであったように筆者は思う。それは,聖剣伝説というゲームに込められた想いもそうだし,それを構成するべく作られた楽曲もそう。さらに言うなら,仲間の結婚をステージで祝い,人と人との“ご縁”を大切にする伊藤賢治という人物の持つパーソナリティも,この言葉に集約されるのではないだろうか。そうしたご縁が,この先どんな道へとつながっていくのか,引き続きこの目で確かめたいと思わせるイベントであった。
なお4Gamerでは,伊藤賢治氏やプロデューサーの小山田将氏らに,聖剣伝説 -ファイナルファンタジー外伝-のサウンドについて取材済みだ。そちらは近日掲載する予定なので,ぜひお楽しみに。
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