プレイレポート
「Pokémon GO」,大型アップデートでジムが生まれ変わる。レイドバトルも披露されたプレス向けデモツアーをレポート
今回のデモツアーでは,Nianticの須賀健人氏とポケモンの遠藤憲司氏,寺田佑貴氏と実際に公園内を歩き,ジムの新仕様とレイドバトルの概要をレクチャーしてもらった。
こちらの記事でお伝えしたとおり,本作ではこの夏に“プレイヤーが協力して遊べる新たな機能”の実装を予定しているとアナウンスされていた。多人数によるPvPバトルか,それともレイドイベントの開催かと,プレイヤーのあいだでさまざまな憶測が飛び交っていたが,それが今回のプレス向けデモツアーで明らかとなったわけだ。
本稿では,デモプレイ中に判明したジムの新仕様とレイドバトルの詳細をまとめて紹介していこう。なお,開発中のバージョンで試遊を行っているため,実際のバージョンと異なる可能性がある点にご留意いただきたい。
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※画面はすべて開発中のものです。戦うだけがジムじゃない
よりチームでのメンテナンスが重要に
まずは6月19日より実装予定のジムの新仕様についてまとめよう。新仕様といっても,バトル自体が大きく変わるわけではなく,バトルの仕組みや内包する機能の変更と「やる気」システムの実装がメインとなる。
ジムの新要素について須賀氏は,これまでのジムはハイレベルなトレーナーと高CPのポケモンに埋め尽くされ,プレイヤーの中には近寄りがたさを感じている状況があったと振り返り,より多くの方々にジムに訪れてほしい想いがあったと大型アップデートの趣旨を説明していた。
このコメントからも分かるとおり,より多くのプレイヤーにジムを訪れてもらうための改修であり,コアプレイヤーから始めたばかりの人まで,何かしらの形でジムに立ち寄る意味が加わったイメージだ。
以下に,ジムに追加される新要素をまとめたのでトピックごとに紹介していこう。
- ジムにポケストップ機能を内包
- 初めて訪れたジムからジムバッジを取得できる
- 名声,ジムレベル,トレーニングを廃止
- 新たにやる気システムを導入
- ジムには同種のポケモンを配置できない (最大,6人のプレイヤーで6種類のポケモンを配置する形に)
- ジムでレイドバトルが発生
■ジムにポケストップ機能を内包
これまでジムは,他チームのポケモンとバトルするためだけの場所であったが,アップデート後はポケストップ機能が内包され,「モンスターボール」や「キズぐすり」といった道具などを入手できるようになる。
加えて,初めて訪れるジムで道具を収集すると,初回訪問時のみジムバッジを得られる。ジムバッジは各ジム固有のものとなっており,たくさんのジムを訪問すれば,さまざまな種類のバッジを集められるというもの。これはプレイヤーのコレクション欲をくすぐる要素となるだろう。
■名声システムを廃止し,ポケモンにやる気を導入
ジムには「名声」と呼ばれるHPのような数値が設けられていて,バトルで名声をゼロにして中立の状態にする,というのがこれまでの仕様だったが,やる気システムの導入に伴い名声システムが廃止されることとなった。
やる気システムは,ジムに配置したポケモンに「やる気」が表示され,その残量に応じてポケモンのCPが変動するというもの。ポケモンを配置したときはやる気が満タンだが,バトルをするたびにやる気が低下する。また,やる気は時間経過でも低下する仕組みになっており,高CPのポケモンほど低下するスピードが速い。
ポケモンの上に表示されているハートマークがやる気を示すゲージだ。配置されているポケモンに個別で設定されている |
バトルを挑む順番にも変更が加えられ,低CPのポケモンからではなく,配置した順番が古いものから順にバトルを行う。連戦するか否かも選択できる模様だ |
低下したやる気は“きのみ”(種類は問わない)を与えると回復し,CPも元の値に戻る。同チームのプレイヤーであれば,自分で配置したポケモン以外にもきのみを与えられるため,バトルが苦手なプレイヤーもジム防衛に貢献できるというわけだ。
なお,やる気がゼロの状態でバトルに負けると,そのポケモンはジムからはじき出される。ジムが中立状態になったあとは,前に配置していたプレイヤーがすぐにポケモンを再配置できないようクールダウンタイムが設けられる。
これまでのように高CPのポケモンばかり配置してしまうと,時間経過によるやる気の低下が著しくなり,こまめなメンテナンスが必要になってしまうだろう。さらに,配置できるポケモンは1種類につき1匹ずつという新ルールが導入されるので,例えばカイリューだけで固められたジムが生まれなくなる。これらの仕様から考えると,実装後はジムに配置されるポケモンの新陳代謝が活発になり,さまざまな種類のポケモンの活躍が見込めそうだ。
ジムから獲得できる「ジムバッジ」は,ジムバトルに勝利したり,ジム防衛に貢献したりするとバッジポイントが得られバッジランクが上昇する。もちろん,同じチームのポケモンにきのみを与えてやる気を回復することでも,ポイントがもらえる親切設計だ。ジムを他チームに奪われてしまっても手に入れたバッジはそのまま手元に残り,ジムで活躍すればその分のポイントが蓄積されていく。
ジムの防衛報酬の内容と受け取り方法にも変更が加えられる予定だ。ジムを21時間防衛することで報酬を得られるのではなく,配置していたジムからポケモンが手元に戻ってきたときに,防衛した時間に応じた報酬を得られる仕組みのほうがユーザーフレンドリーなのではないかと,調整が行われているとのこと。
レイドバトルには,いずれ伝説ポケモンが登場するかも?
これは今回の大型アップデートで実装される機能ではないが,今後追加される要素として「レイドバトル」が紹介された。レイドバトルは,ジムで発生するボス戦のようなもので,所属チームを問わず共闘できる多人数参加型のコンテンツだ。
レイドバトルの発生場所として選ばれたジムには,まず大きなタマゴが登場する。そして一定時間が経過するとタマゴがかえってボスポケモンが出現する。あくまで一例だが,ヒトカゲやゲンガー,バンギラスといったポケモンがボスポケモンとして登場するのだが,タマゴがかえるまで何が出現するかは分からない。出現するポケモンの種類によって攻略難度やCPも変動する仕様だ。ちなみに,タマゴがかえりレイドバトルが発生しているあいだは,ジムバトルはお休みになるそうだ。
レイドバトルに参戦するには「レイドパス」と呼ばれる道具が必要で,1バトルにつき1枚使用し,そのバトルに勝てるまで適用される。1日1枚レイドパスを取得できるが,複数枚は所持できない。1日に複数回レイドバトルに参加するなら,ポケコインをプレミアムレイドパスに交換する必要がある。
レイドバトルに挑むと,ほかの参加プレイヤーと合流するロビー画面へ変遷し,バトルに参加させるポケモン6匹を選択することになる。ロビーの制限時間内に他プレイヤーが同じレイドバトルに参加すると,そのまま共闘できる仕組みだ。グループコード入力にも対応しており,顔見知りのプレイヤーとも合流しやすい。なお,1つのグループに参加できるのは最大20人までだが,レイドバトル自体に参加人数の制限はない。
バトル待機画面 |
バトル中の操作はジムバトルと同様だ。バトル開始から3分間戦い続けられ,手持ちのポケモンがすべて負けてしまっても,時間が残っていれば道具で回復させて再戦できる |
ボスポケモンに勝つと,わざマシン(ノーマル/スペシャル)やふしぎなアメ,きんのズリのみといったレイドバトル限定の道具を入手できるほか,バトルでの貢献度に応じて「プレミアボール」が付与される。プレミアボールはボスポケモン勝利後の「ゲットチャレンジ」でのみ使用できる特別なモンスターボールで,バトルで貢献するほどボスポケモンを捕まえられるチャンスが増える。
ゲットチャレンジ中にポケモンが逃げることはないが,プレミアボールが尽きてしまうと終了となる。デモツアーでは,戦ったゲンガーが高CPだったこともあり,プレミアボールだけでは捕まえにくい印象だった。レイドバトル報酬として得られる「きんのズリのみ」(ズリのみよりも効果が高い)の出番かもしれない。
レイドバトルについて須賀氏は,「レイドバトルだけでしか出現しないポケモンもいるかもしれませんし,伝説のポケモンも出るかもしれない」とコメントしていた。また,どのプレイヤーでも参加できる通常のレイドバトルのほか,レイドバトルに積極的に参加して“特別なレイドパス”を獲得したプレイヤーしか挑めない特別なレイドバトルの存在も示唆していた。特別なレイドバトルにはより珍しいポケモンが出現する可能性が高いという。
気になる実装時期については,対象となるプレイヤーやジムを絞ってテストを行い範囲を広げていくとし,目安としては2017年夏(近日中)を予定しているとのこと。
以上が,大型アップデートで実装されるジムの新機能と,今後の追加が予定されているレイドバトルの概要だ。たくさんの人がジムを訪れ,共闘し,ポケモンを捕まえながら現実世界を楽しむ……Nianticが掲げる「ともに自らの足で歩いて冒険をしよう」というコンセプトが今回の大型アップデートによって,より強まった印象だ。ジムバトル実装後の反応が,いちプレイヤーとして非常に楽しみである。
こちらでもお伝えしたが本作の今後の施策として,2017年7月22日にアメリカ・イリノイ州でリアルイベント「Pokémon GO Fest シカゴ」が開催予定だ。国内では8月9日から15日まで横浜にて開催される「ピカチュウだけじゃない ピカチュウ大量発生チュウ!」で「Pokémon GO」に関連するイベントが検討されている。さらなる盛り上がりが期待される「Pokémon GO」から目が離せない。
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