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“神話災害”に立ち向かうTRPG風リアル謎解き。「リアル冒険ゲーム 神話創世RPG アマデウス」先行体験会レポート
一般向けには,2016年2月20日と21日に開催される予定で,今回はいわばそのプレ公演のような立ち位置の開催となる。筆者も参加してきたので,本稿ではその模様を感想を交えながらレポートしてみたい。なお,当然だが肝となる“謎”の部分はお伝えすることができないので,そこはどうかご了承いただければ幸いだ。
記事の後半にはテーブルトークRPG「神話創世RPG アマデウス」(以下,アマデウス)のデザイナーでもある河嶋陶一朗氏へのインタビューも掲載しているので,同作のファンはぜひご一読を。
「神話創世RPG アマデウス」公式サイト
予言書の謎を解き,神話災害に立ち向かえ
今回の“リアル冒険ゲーム”は,そのアマデウスの世界観をベースとした謎解きイベントになっており,用意された謎にも,そのエッセンスが散りばめられていた。まず,今回のイベントの背景として語られたのが,参加者達が直面する神話災害であり,プレイヤー達はこの解決を目指して謎に挑む,という仕組みである。
イベントは司会者によって本作のストーリーが語られるところからスタートした。今回の冒険ゲームの舞台となるのは,豪華客船の「ドラゴンブック号」。数百名の乗客が乗り合わせているこの船が,とある怪物の力により邪心の都「ルルイエ」そのものへと変化しつつあるという。神子となった参加者達は,この異常事態=神話災害を解決しなくてはならない。
ただし,テーブルトークRPG版とは違い,新米の神子であるイベントの参加者達は,神の力を自由に操ることができない。そのため事件を解決するには,神々が残した予言を解読する必要が生じる。具体的には,プレイヤー達に最初に配られた数枚の「予言書」に従い,また会場のあちこちに掲示された文言と組み合わせることで,この豪華客船を救う「予言」を完成させるのが,ゲームの目的であることが提示された。
世界観はテーブルトークRPG版のアマデウスがベースになってはいるものの,上記のとおり謎解きそのものに原作を理解している必要はなく,極論すればまったく知らなくてもゲームの進行には支障がない。ただ,予言書などにはアマデウスに登場する神々のイラストが散りばめられていたりなど,原作を知っていればクスりとできる要素もあるので,ファンならより楽しめるというのも確かだろう。
また参加者は5〜6名で1グループを作り,一つのテーブルを囲みながら進んでいくので,テーブルトークRPGのコンベンション的な雰囲気もある。先行体験会の場合は制限時間が80分に設定されていて長いように思えるかもしれないが,提示される謎はかなり歯ごたえがあり,実際に体験してみるとあっという間だったというのが正直なところ。協力プレイの醍醐味を味わえるので,仲の良い友達を誘って,あるいは現地で即席のグループを作って,参加してみたらどうだろう。
ちなみに筆者が参加したグループはというと,残念ながら最後までクリアすることはできなかった。最後に主催者側から謎の種明かしがあり,その後にクリアに至ったグループが発表されたのが,今回の参加7チームのうち4チームはクリア失敗となったようである。謎解きゲームの経験者が多かった先行体験会でこれなのだから,その難度は推して知るべし。2月20日と21日に行われる本公演に参加する人には,ぜひ気を引き締めて挑んでもらえたら幸いだ。
アマデウスファンに喜んでもらえるリアル冒険ゲームを――河嶋陶一朗氏インタビュー
今回の先行体験会後に収録した,冒険企画局の河嶋陶一朗氏のインタビューをお届けして本稿の締めくくりとしよう。同氏は今回のリアル冒険ゲームの企画者の一人であり,またテーブルトークRPG版アマデウスのゲームデザイナーでもある。
4Gamer:
先行体験会が無事終了した今回のリアル冒険ゲームですが,今の手ごたえはいかがでしょうか。
正直,先行体験会をやって良かったと思っています(苦笑)。意外と難しかったみたいで,本公演ではより皆さんの楽しめる形にできればと。
4Gamer:
今回の先行体験会を踏まえて,本公演では難度調整が入ることもありえるのでしょうか。
河嶋氏:
ありますね。ただ,単純に簡単にするというより,より納得のいくような形にするという方向です。もちろんテストプレイは冒険企画局の内部でも行ったのですが,その時はこうした謎解きイベントの上級者グループが,ものすごく速いスピードで謎を解いてしまいました。その結果を見て調整したのですが,ちょっと問題を増やしすぎちゃったかもしれません。
4Gamer:
この手の謎解きは,難度の設定がポイントですよね。上級者に合わせるべきなのか,あるいは初心者に合わせるべきなのか。
河嶋氏:
正直,かなり難しいですね。ただ,難度だけでなく,原作のアマデウスファンが楽しめるような要素を増やしたり,体験型イベントとしてのリッチさ,といった部分にもまだ手を入れようと思っていますので,ご期待ください。
4Gamer:
原作ファン向け,あるいは謎解きゲーム好き向けの仕掛けが用意されるということでしょうか。それは楽しみですね。ところで,テーブルトークRPGのアマデウスについて,なにか教えていただける情報はありますか。今後の展開についてですとか。
河嶋氏:
サプリメントやリプレイといった,従来どおりの展開はもちろん続きますが,iOSアプリ「アマデウスツールキット」のアップデートを近々予定しています(※2月3日に配信済)。プレイヤーの皆さんの声を反映し,追加ボイスを収録したり,ダイスロールの後に,表を参照するところまでアプリ内で完結するようになったりと,かなり使いやすくなります。
4Gamer:
ああ,それはプレイヤーにとってありがたいですね。
河嶋氏:
あと,セッションの中で神様の存在感を演出できるよう,ゲームマスター用の「ボイスリストモード」というのが追加されます。アマデウスには,ダイスの出目に応じて神様がセリフをしゃべるというのがあるんですが,これを使えばそのセリフを声優さんが読み上げてくれます。それから,特殊な必殺技を撃つ時などは必殺技ボイスを再生できたりと,いろいろ工夫できるようになっていますよ。
4Gamer:
このアプリや今回のリアル冒険ゲームもそうですが,アマデウスではこれまでにない試みを精力的に展開しているのが特徴的ですね。
河嶋氏:
ええ。自分が地方出身ということで,イベントなんかで盛り上がっているのは都会の方ばかり,という状況をうらやましく感じていた過去があるんです(笑)。今はインターネットを通じてプレイヤーの皆さんの声を直接聞くことができますし,テストデータの配布も気軽にできる。そういったものを反映しながら,コンテンツを育てて行けたらと思っています。無料の体験版もあるので,ぜひ遊んでみてください。もし,地方でイベントやって欲しいなどの声があれば,それも教えていただけると嬉しいです!
4Gamer:
最後にファンに向けたメッセージをいただけますか。
河嶋氏:
今回のリアル冒険ゲームの制作にあたって色々と悩んだのですが,アマデウスファンの人達に喜んでもらえるものが一番だと考え,そうした要素をたくさん盛り込みました。一般的な体験型謎解きイベントに慣れていない人でも楽しめるよう調整を重ねていきたいと思っているので,本公演にぜひ,遊びに来てください。
4Gamer:
本日はありがとうございました。
「リアル冒険ゲーム 神話創世RPG アマデウス」の本公演は,先にもお伝えしたとおり2月20日と21日に開催される。参加の申込などの詳細な情報は,本作の公式サイトにてまもなく告知されるとのことなので,ファンは見逃さないようにチェックしておこう。
「神話創世RPG アマデウス」公式サイト
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神話創世RPG アマデウス
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