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「ドラゴンクエスト新作発表会」詳報。「ドラゴンクエストXI 過ぎ去りし時を求めて」をはじめとする新作の数々を堀井雄二氏が解説
「ドラゴンクエストXI 過ぎ去りし時を求めて」や「ドラゴンクエスト モンスターバトルスキャナー」などが公開された新作発表会まとめ
30周年を目前に,好調なスマートフォン向けタイトルの状況が報告
ゲームのパッケージだけでも,全世界でシリーズ累計6600万本の出荷を記録しているとのことで,三宅氏は今後も老若男女や洋の東西を問わず,誰もが楽しめるゲームとして「ドラゴンクエスト」を提供していくとともに,時代に即した新しい遊びの創造にチャレンジしていくとした。
そうした「ドラゴンクエスト」シリーズの中でも,最近急成長しているのがスマートフォン向けのタイトルである。なかでも「ドラゴンクエストモンスターズ スーパーライト」(iOS / Android)は1400万ダウンロードを記録するほどの人気ぶりで,今後は公式大会やオフラインイベント,コラボレーションなどを展開していくという。
6月に配信を開始した「ドラゴンクエスト どこでもモンスターパレード」(iOS / Android)も,すでに200万ダウンロードを突破するなど好調とのこと。また,先日発表された「星のドラゴンクエスト」(iOS / Android)については,2015年秋頃の配信開始を目指していると明かされた。
これらスマートフォン向けタイトルを含めた「ドラゴンクエスト」シリーズの最新情報が,「ドラゴンクエスト ポータルアプリ」(iOS / Android)にて公開されていることも紹介された。こちらは500万ダウンロードを突破したとのことで,その記念としてスマートフォン版「ドラゴンクエストIII」(iOS / Android)が8月10日まで,30%オフの840円で提供されている。
「ドラゴンクエストVIII 空と海と大地と呪われし姫君」
ここで,シリーズの生みの親である堀井雄二氏がステージに登場。主にコンシューマゲーム機向け「ドラゴンクエスト」シリーズ各タイトルの最新情報が公開された。
さらに,本作はイベントシーンのボイスや,新キャラクター,シナリオおよびイベントが追加されたほか,楽曲にオーケストラ音源が採用されるなど,完全リメイクタイトルとして開発されたことがアピールされた。
パッケージ版の初回生産特典またはダウンロード版の早期購入特典として,ゲーム内で「いにしえのロトの剣」を先行入手できるプレゼントコードが付与されることも紹介されている。
「ドラゴンクエストビルダーズ アレフガルドを復活せよ」
新ジャンル「ブロックメイクRPG」を掲げた「ドラゴンクエストビルダーズ アレフガルドを復活せよ」(PS4 / PS3 / PS Vita)は,初代「ドラゴンクエスト」の終盤で,世界の半分をやろうという「りゅうおう」からの誘いに,勇者が「はい」と答えてしまったあとの世界が舞台となる。
りゅうおうに支配され,闇に包まれたアレフガルドに1人の若者が現れ,荒廃した街などを復活させ,世界を奪還していく姿を描く本作の最終目標は,もちろんりゅうおうの討伐だ。
会場では,プレイヤーが道具を使ってフィールドを開拓し,素材を入手するところや,それらの素材を加工してアイテムを作ったり,街並みを整えたりする様子が紹介された。もちろんフィールドではモンスターと遭遇することもあり,バトルでは自分の作った武器やトラップを駆使して戦うこととなるようだ。
会場では,初公開となる実機プレイ動画も披露され,ベッドや看板を設置して,シリーズではお馴染みの宿屋を作る様子や,バトルのアクションなどが紹介された。
こうしたクラフト要素のあるゲームには,プレイヤーにかなりのクリエイティビティを要求するものが多いが,堀井氏によると,本作では,例えば城を作るにしても,壊れかけのものを修理するような形で作れたり,設計図のようなものが用意されていたりと,あまり難しく考えずともプレイできるよう配慮されているとのことだ。
「ドラゴンクエストヒーローズII 双子の王と予言の終わり」
副題が発表され,正式名称が決まった「ドラゴンクエストヒーローズII 双子の王と予言の終わり」(PS4 / PS3 / PS VIta)は,「新たな世界・物語・主人公」で展開されるほか,前作のプレイヤーから寄せられたリクエストをもとに「新たな歴代シリーズキャラ登場」「最大4人のマルチプレイに対応」といったパワーアップが施される。
また,前作に引き続き,マスコットキャラとして「ホミロン」が登場し,プレイヤーにテクニックを伝授する「鬼教官」の役割を務めるとのこと。今回のホミロンは帽子を被っているが,こちらは前作の王冠同様にゲーム内で重要な意味を持っているようだ。
本作の発売は,2016年春を予定しており,続報は9月の東京ゲームショウ2015あたりで発表されるとのこと。堀井氏は「サブタイトルから感じられるかと思いますが,ドラマチックな展開ですので,ぜひ注目してほしいです」とアピールした。
「ドラゴンクエストモンスターズ ジョーカー3」
先日発表されたニンテンドー3DS用ソフト「ドラゴンクエストモンスターズ ジョーカー3」からは,鳥山 明氏描き下ろしという主人公のビジュアルが披露された。なお,耳に付けているアイテムは,何やら重要な役割を担っているそうだが,詳細は後日公開とのこと。また主人公の隣に描かれたモンスター風のキャラクターも,ストーリーの展開に大きく関わってくるそうだ。
会場では1点だけだが,画面写真も公開された。ここでは,「ひくいどり」に乗っている主人公の姿が確認できるが,本作ではすべてのモンスターに乗れるようになっているとのこと。スライムナイトのような,すでに“乗った形”になっているキャラクターに,どうやって主人公が乗るのかにも注目してほしいそうだ。
なお,登壇したプロデューサーの犬塚太一氏によると,本作の発売時期は「ドラゴンクエストビルダーズ」よりも後の予定だが,それほど待たせないとのことである。
「ドラゴンクエスト モンスターバトルスキャナー」
「ドラゴンクエスト モンスターバトルスキャナー」は,「ドラゴンクエスト モンスターバトルロード」シリーズに続く,アーケード向け「ドラゴンクエスト」新作タイトルだ。プロデューサーを務める市村龍太郎氏によると「兄弟タイトル」とのことで,「モンスターバトルロード」と同じく,キッズに「ドラゴンクエスト」の世界観を知ってもらうことを目的の一つとした内容となる。
会場では,カードからモンスターを召喚して戦うというゲームの仕組みをイメージしたイラストが公開された。なお,中央に配置された主人公の右手にはドラゴンを模したアイテムが見られるが,堀井氏および市村氏のコメントによると,どうやら筐体のデザインの一部のようである。
また本作は,キッズ向けアーケードゲームに実績のあるマーベラスと共同開発を進めているという。稼働時期は2016年を予定。
「ドラゴンクエストX オンライン」
「ドラゴンクエストX オンライン」の紹介では,まず8月1日開催のイベント「ドラゴンクエスト夏祭り2015」の告知が行われた。すでに招待者の抽選は終わっているが,200〜300名分の当日席を用意できる見込みが立ったという。こちらは当日の抽選となるが,誰でも入場可能な物販・飲食コーナーを会場に設けるとのことだ。
またニンテンドー3DS版の無料体験版が,7月29日12:00より配信されることもアナウンスされた。この体験版はプレイ時間が限定されているが,期間利用権を購入すれば引き続き製品版として遊べる内容になっているという。
公式サイトでダウンロード番号が配布されるが,既存のプレイヤーに影響を与えないようにするため,同時接続者数などの状況によっては,番号の配布を一時中止することもあるとのことだ。
加えて,PS4版の開発がスタートしたことも明かされた。こちらのリリース時期は未定となっている。
「ドラゴンクエストXI 過ぎ去りし時を求めて」
会場で最後に発表されたのが,ナンバリング最新タイトルとなる「ドラゴンクエストXI 過ぎ去りし時を求めて」だ。プロデューサーを務めるのは,「ドラゴンクエストX」でもおなじみの齊籐陽介氏。
最初に公開された情報は,プラットフォームがPlayStation 4およびニンテンドー3DSの2機種になること。来場者を驚かせたこの決定について,堀井氏は,「いろんな人に遊んでほしかった」「それぞれのハードの特徴を最大限に活かしたものになる」と語った。
サブタイトルには30周年を迎える思いが込められており,ストーリーも「時」をモチーフにしたものになるという。タイトルロゴは初代「ドラゴンクエスト」のものを反転させたデザインを取り入れ,「原点回帰しつつ進化している」ことを表現したそうだ。なお齊藤氏によると,本作はMMORPGの「ドラゴンクエストX」とは異なり,1人でじっくり遊べる形になっているという。
さて,気になるのはPS4版と3DS版との内容の違いだが,シナリオは堀井氏が書いた同じ内容になるとのこと。
開発体制については,ディレクターなどのコアスタッフはスクウェア・エニックス社内のスタッフおよび堀井氏という共通の構成だが,PS4版にはオルカ,3DS版にはトイロジックが開発に参加しているという。なおPS4版に関しては,開発エンジンにUnreal Engine 4を採用しており,ハードのスペックを最大限引き出すことに努めているそうだ。
発表会では両プラットフォーム版の実機デモも披露された。最初はPS4版のデモで,堀井氏は,主人公の表情や肌の質感,髪の毛の揺れなど,数々のこだわりを紹介し「ここまでアップに耐えられるのはすごい」と語った。
デモの舞台となったのは,ゲーム中に登場する王国の裏通り。建物の中にはシリーズお馴染みのタンスや壺などが配置されていて,今回披露はされなかったが,もちろんそれぞれを調べることができるそうだ。高さや奥行きもしっかりと表現されており,かなりの高所まで登ったり,遠くで手を振っている人を見つけたりといったシーンが紹介された。
加えて主人公のモーションには,ジャンプや,上層からの飛び降りといったものが用意されている。また今回は諸事情から披露できないということだったが,実際のゲームでは,ハシゴの上り下りや,バランスを取りながら狭い足場を歩くといったものも用意されるそうだ。
フィールドは空気感を重視しているとのことで,水面に反射する日光や,岩の質感,洞窟を抜けた広がりなどの風景も披露された。またモンスターとのバトルはシンボルエンカウント形式で,モンスターがフィールド上を動き回っている様子が確認できた。
フィールドには今回紹介された草原のほかにも,荒野や雪山などが用意されるとのこと。ダンジョンにも洞窟,塔,山道などのバリエーションがあり,さらにさまざまなギミックが用意されるようだ。
3DS版の特徴は,一つの場面を,上画面では3Dグラフィックス,下画面ではドットグラフィックスで表示させるというもの。会話などのメッセージウィンドウは3DS本体のスライドパッドで操作すると上画面に,十字キーで操作すると下画面に表示されるようになっている。
もちろんイベントシーンも上下画面で連動し,同じシーンを2Dと3Dそれぞれの演出で楽しめる。一度見たイベントは繰り返し見られるとのことで,どちらを見るべきか悩むことも少なくなりそうだ。
また,バトルはPS4版と同様にコマンド選択形式だが,エンカウント方式はシンボルエンカウントとランダムエンカウントを選択できるとのことだ。
これらのシステムには,30年続いたシリーズの歴史を踏まえ,プレイヤーに自分の好きな「ドラゴンクエスト」を体験してもらうという意図があるとのこと。ファミコンやスーパーファミコン時代のシリーズが好きな人であれば3DS版を選んで,主に下画面でプレイすればいいし,最新ゲーム機のパワーを存分に使った「ドラゴンクエスト」が遊びたければPS4版を選べばいいというわけである。
リリース時期は,齊藤氏によると「30周年内」を目指しているとのこと。初代「ドラゴンクエスト」の発売は1986年5月27日なので,開発が順調に進めば2016年5月27日から1年の間に発売ということになる。今後の情報公開にも期待が高まるところだ。
会場の興奮が冷めやらぬ中,集英社 Vジャンプ編集部 編集長 伊能昭夫氏が登壇し,自身が担当責任者を務める鳥山 明氏からのメッセージをを読み上げた。鳥山氏は,30年間シリーズが継続したことへの喜びを語ると同時に,それだけ長く続いたからこそ,新しいアイデアを出すのは苦労が伴うとし,それでも堀井氏と一緒に「これが最後」というくらいのつもりで,頑張ったとのことだ。
発表会のエンディングでは,齊藤氏が1日も早く「ドラゴンクエストXI」を届けたいとメッセージを贈るとともに,同作および「ドラゴンクエストX」が任天堂の次世代ゲームプラットフォームであるNX(開発コード)でのリリースを予定していることも明かされた。
また堀井氏は「まさか30周年を迎えられるとは思っていなかった」と感慨深げに話し,シリーズの30周年記念ロゴが紹介されるとともに,30周年に向けたイベントを企画していることを紹介し,発表会を締めくくった。
ドラゴンクエストシリーズ公式サイト
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