イベント
[gamescom]PS4版「ライズ オブ ザ トゥームレイダー」が新搭載するVRモードとCo-opモードを体験してみた
先行発売されたPC / Xbox One / Xbox 360版ではDLCとして提供されたコンテンツも収録するという,いわゆる“完全版”だが,それがすべてではない。PS4版には,VRモードやCo-opモードといった新要素も取り入れられている。
とはいえ,「VRに対応したトゥームレイダー」と言われても,それがどんなゲームになっているのかは想像しづらい。むしろ「それって本当に面白いの?」「VRにする意味ってあるの?」といった疑問を感じる人もいるだろう。
というわけで,本作をgamescom会場で実際に体験してみたので,その模様をレポートしよう。
アクション性が排除されたVRモード
まずはVRモードから。ここでは当然ながらPS VRを利用し,ララ・クロフトの視点(つまり一人称視点)でゲームを楽しむ。
プレイヤーはコントローラを使ってララを操作するが,今回のデモでは操作方法が2タイプに分かれていて,筆者はその1つ「Comfort」モードでプレイした。
Comfortモードでは,プレイヤーは基本的にテレポートで移動していく。移動先をポインティングし(VR空間に対して,コントローラで「場所を指し示す」感覚),ボタンを押せば指定した場所にテレポートするという感じだ。
「基本的に」と前述した通り,それ以外の方法でも移動は可能。1つは方向キーを使う方法,もう1つは(短い距離に限られるが)実際にプレイヤーが現実空間を移動する方法だ。
後者の移動方法は,実は非常に重要だ。
それは,VRモードにアクション性がなく,物語と謎解きだけを楽しむ作品となっていることと関係がある。
VRモードはいわゆる脱出ゲーム的なゲームデザインで,「あの箱をもっとよく調べてみたい」「あの暖炉に近づいてみたい」という状況がしばしば発生する。だが,テレポート移動した結果,箱や暖炉にアクセスできる距離から「ちょっと遠い」「少しずれている」となることが多いのだ。そんなとき,数歩移動して箱や暖炉にアクセスできるというのは,没入感が得られるだけでなく,ユーザーインタフェースとしてもストレスが少ない。
もちろんこれはこれで問題もあって,ケーブルの長さの限界であったり,ケーブルの巻き付きであったりといった「よくあるトラブル」が発生しうる。が,このあたりは本作に限った問題でもないので,ここで議論するのは避けたい。
なお,もう1つの操作タイプは,椅子に座ってのプレイを前提にしているということなので,部屋に足の踏み場もないようなプレイヤーでも,安心して楽しめそうだ。
ほどよいボリュームが好印象のCo-opモード
Co-opモードは,PC / Xbox One / Xbox 360版のDLCとして提供された「エンデュランスモード」を,オンラインマルチプレイに対応させたもの。ゲームの主な目的は,資源や食料を集めながらの生存と,遺跡の探索だ。
もともとのエンデュランスモードがそうであるように,クリアのための条件が設けられている。高いスコアを残すためには,遺跡に潜ってアーティファクトを回収したうえで,その条件を満たさなければならない。
手に入れたものはプレイヤー間で自動的に共有されるので,「自分はもう木材はいらないが,仲間は欲しがっている」といった状況でも,自分が採取してしまえばOKという親切設計だ。
Co-opモードの1セッションクリアにかかる時間は,最短で45分程度ということだ(もちろん,あえて長時間遊びたいならそれも可能ということだが)。
個人的には,サバイバルがテーマとなったオンラインCo-opゲームの1セッションとしてはなかなか程よい規模であり,「ちょっと遊んでみようよ」と気楽に声をかけられるボリュームだと感じる。無論,コツを掴むまでは15分程度で全滅することもあり得るだろうが。
このように,一見するとよくある“完全版”にも思えるPS4版「ライズ オブ ザ トゥームレイダー」だが,そこではシリーズ20周年にふさわしい,新たな挑戦が始められている。
特に,VRモードにおいては,シリーズの核であるはずのアクション性が排除されていることに驚いた。このモードにおいて最も重視されているのは「物語の追体験」だと思われる。
この挑戦がどういう形で次につながっていくのか,非常に気になるが,まずは10月13日に日本で発売予定となっている本作をじっくりと楽しみたいところだ。
「ライズ オブ ザ トゥームレイダー」公式サイト
- 関連タイトル:
ライズ オブ ザ トゥームレイダー
- この記事のURL:
キーワード
Tomb Raider(C)Square Enix Ltd. 2016. Published by Square Enix Co., Ltd.