プレイレポート
「セブンスドラゴンIII code:VFD」のプレイレポートを掲載。懐かしくて新しくて,戦略性バツグンのRPGの魅力に迫る
本作の発売前に,序盤の第3章までをプレイすることができたので,プレイレポートをお届けしよう。
「セブンスドラゴンIII code:VFD」公式サイト
人類と竜の最終決戦が描かれるシリーズ最新作
2009年に第1作が発売された「セブンスドラゴン」シリーズの世界では,強大な力を持つ竜(ドラゴン)が星々を巡り,そこに住まう人々や文明を喰らっている。標的とされた星には,その前触れとなる不気味な花「フロワロ」が咲き乱れ,その毒気によって生物が生きていけなくなるのだ。
シリーズ第4作となる「セブンスドラゴンIII」の舞台は,前作「セブンスドラゴン2020-II」の約80年後にあたるUE77年の東京だ。主人公はバーチャルゲーム「セブンスエンカウント」で竜を狩る異能力を見出され,竜の来襲に備えるという謎のゲームメーカー「ノーデンス・エンタープライゼス」にスカウトされることになる。
同じ目的を持つ国際自衛軍「ISDF」のメンバーと協力し合いながら,現代だけでなく,過去の世界「アトランティス」や,現代とは異なる時間軸に存在する未来の世界「エデン」をも渡り歩き,恐ろしいドラゴンやその上位の存在たる「帝竜」と戦い,最強の「真竜」を倒すための力を蓄えていく。
外見32種×ボイス40種×職業8種
多彩なキャラクターメイキングが可能
プレイヤーが操作する主人公は,キャラクターメイキングによって外見や声をカスタマイズできる。
外見はゲーム開始時点で8タイプから選択可能だが,1つのタイプにつき,2種類のフェイス,3種類のカラーバリエーションが用意されている。さらに物語が進むと,シリーズではお馴染みのネコ耳種族「ルシェ」を思わせる「アトランティススタイル」,第1作を彷彿とさせる「エデンスタイル」などのタイプが加わっていき,最終的には16タイプから選べるようになる。
キャラクターボイスは,男女合わせて40人分のバリエーションが用意されている。男性,女性ともに人気,実力を兼ね備えた声優陣がラインナップされているので,この選択には大いに頭を悩ませることになるだろう。
シリーズならではの個性的な職業が揃う
「セブンスドラゴン」シリーズならではの個性的な職業を見てみよう。
ゲーム開始時に選択できるのは,「サムライ」「エージェント」「ゴッドハンド」「デュエリスト」の4種類。物語を進めていくと「ルーンナイト」と「フォーチュナー」,そして「メイジ」「バニッシャー」が追加となり,計8種類となる。
それぞれの職業は異なる特徴を持っているが,戦闘後に経験値とともに獲得できる「SP」を使って,新たなスキルを習得することで,同じ職業であってもさまざまな成長を遂げていく。プレイヤーによって,異なる個性のキャラクターが誕生するというわけだ。
今回は,第3章の途中までで選択可能となった6種類(メイジとバニッシャーを除く)の職業を紹介しよう。
●サムライ
刀で相手を斬る和の戦士。自分のLF(体力)を回復する「錬気手当」や,自分の攻撃力や防御力をターン経過時にアップさせるバフスキルを持つオールラウンダーだ。
大型の刀を一振り持つ「一刀」と,小ぶりの刀による二刀流「双剣」からスタイルを選ぶことができ,それぞれ武器や使えるスキルが異なる。
一刀は,敵単体への攻撃力が高いスキルを使える「居合い」と,敵全体にダメージを与えられるスキルが使える「抜刀」という2つの構えを切り換えられる。構えの切り換え自体もスキル扱いとなっており,バトルの状況に応じて使い分けていく柔軟さが求められるだろう。一方,手数が多い双剣は,空中の相手に大ダメージを与えられる「飛天斬り」などのスキルがあり,攻撃に特化している印象だ。
●エージェント
二丁拳銃を携え,「ハッキング」や罠を設置するスキルを得意とするトリッキーな特殊工作員。敵に対してハッキングに成功すると,同士討ちを誘う「マッドストライフ.x」,ダメージを与えたうえにマナを吸い取る「スケイプゴート.x」,能力値を下げつつ大ダメージを与える「ロストパワー.x」など,強力なハッキング系スキルが使えるようになる。
また,トラップはセットした後,自分を含むパーティが特定の属性攻撃を仕掛けると発動し,敵に追い討ちをかけるという風変わりな仕組み。仲間の攻撃に属性を付与するルーンナイトなどとコンビネーションを図ると,より効果を発揮できるだろう。
さらに味方が使う回復アイテムの効果を上げる「トリックハンド」といったスキルもあり,パーティ内の連携が重要な職業という印象だ。
●ゴッドハンド
医療に精通した格闘家。ナックルを使った強力な攻撃スキルに加え,仲間を回復したり,パワーアップしたりするスキルを兼ね備える。攻撃と治療,どちらのスキルを成長させるかがテーマとなりそうだ。
攻撃面では,「ジャブ」などのスキルで敵に「ゴッド深度」を付着させることがポイントとなる。ゴッド深度は,同じスキルを繰り返し使うことで深度1,2,3……と蓄積されていく。ジャブの場合,深度1で「正拳突き」,深度2になると「ダブルフック」や「スピネイジブロウ」,深度3では「ドリルクロウラー」といったように,深度が上がるにつれて,より強力なスキルが使用可能になる。強力なスキルほどゴッド深度を付着させるための準備時間が長くなるが,その間にも仲間が傷ついていくのが悩ましい。
●デュエリスト
「カードデッキで戦う」という,ホビー系アニメの主人公を彷彿とさせる職業。ほかの職業にはない「カード」という要素があり,引いたカードによって使えるスキルが変化するのが特徴だ。
カードには「炎」「雷」「氷」の3種類があり,バトルではターン開始時にいずれか1枚がランダムで補充される。カードゲームにおけるドローのイメージだ。デュエリストのスキルには,それぞれに「スキルを使うために必要なカード」が設定されており,強力なスキルほど,カードを多く必要とする仕組みになっている。
たとえば,初歩的なスキル「召喚:炎のマモノ」は炎1枚が必要だが,上位のスキル「召喚:炎のマジュウ」になると炎3枚が必要になる。当然,手持ちのカードが足りない,種類が違うといった場合は,スキルが使えないというわけだ。
●ルーンナイト
最高の防御力を持ち,さまざまな属性攻撃を使いこなせる職業。パーティの仲間を守ったり,強化したりと,攻守に優れているのが特徴だ。
仲間の攻撃に属性を付与する「エンチャント」系スキルは,相手の弱点属性を理解したうえで使うと効果を発揮する。属性攻撃に連動して,敵に追い打ちをかけるエージェントの罠系スキルとの相性もいい。
そのうえ,敵の攻撃を引きつけたり,味方を回復したりできるスキルも使えるので,攻防両面において隙が見当たらない。
さらに味方が倒れたり,自分のLFが極めて少なくなったりといった状況に陥ると戦闘能力が上昇するという,逆境における強さも魅力だ。
●フォーチュナー
状態異常攻撃や,仲間の援護を得意とする占星術師。睡眠や出血,毒などの状態異常を付与する「レベレーション」系スキルや,状態異常に陥った相手を攻撃するとLFを吸い取る「オラクル」系スキルで敵を翻弄しながら戦える。
また,ターンの経過時や終了時に仲間のパラメータを回復するスキルによる援護能力も見逃せない。さらに,次に行動する仲間のMN(※)消費をゼロにする「マナフローター」により,強力なスキルを効率的に使えるようになるなど,戦略性の高さも際立っている。
※MN=マナ。スキル使用時に消費するパラメータのこと。
最大9人のキャラクターによる総力戦
戦略性が高く,遊び応えのあるバトル
フィールドの移動は,見下ろし型の2Dマップというスタンダードなシステムが採用されており,下画面でオートマッピングが行われる。
冒頭でも触れたとおり,敵とのバトルはターン制のコマンド選択型だが,さまざまな要素が盛り込まれている。
1つのパーティは最大3人のキャラクターで編成される。人数が少ないため,ボスクラスの敵と戦うときには,1人のキャラクターがさまざまな役割をこなさなくてはならない。役割を分担して同じコマンドを繰り返していればいいというわけではないのだ。
例えばゴッドハンドの場合,敵への攻撃と仲間の回復という攻守両面の活躍が求められる。多人数のパーティなら回復に専念できるだろうが,3人しかいないのでそうもいかず,なかなかに絶妙な人数設定といえる。
ボスクラス以上の敵とのバトルでは,さまざまなスキルによる状態異常やトラップによる追加攻撃が勝敗の鍵を握る。もちろんスキル使用時に消費するMNには限りがあり,かつ3人パーティということで,1回のコマンドが持つ意味は大きい。ムダな行動を選ぶ余裕はないのだ。
とくにデュエリストやエージェントが使える罠は,知識と工夫次第で大きな効果を発揮でき,非常に面白い要素となっている。
例えばデュエリストのスキル「トラップ:鉄条網」では,敵が近接攻撃をしてきたときに発動するトラップを仕掛けられる。そのため,近接攻撃がメインとなる敵,なかでもドラゴンのように1ターンに2回行動する相手であれば,繰り返しトラップに引っかかり,非常に効果的だ。しかし,敵の魔法攻撃に対しては何の効果も発揮できない。敵の行動パターンを理解したうえで,仕掛けていく必要があるのだ。
また,エージェントのスキル「アイス:TROY」は,仲間が氷属性攻撃をすると発動し,敵に追加ダメージを与える罠を仕掛ける。逆に言えば,せっかく罠を仕掛けても,仲間が氷属性攻撃を繰り出せなければまったく意味がない。
ここでルーンナイトの「エンチャントアイス」を使うと,味方全員の攻撃に氷属性が付与されるため,攻撃のたびに罠による追加ダメージが発生することになる。仲間同士の連携により,その効果を最大限に発揮できるのだ。
仲間のサポートを受け,強敵に挑む
物語が進むと,第2,第3の控えユニット(パーティ)を連れていけるようになる。つまり,最終的には「3人×3組」の総勢9人という大所帯になるのだが,あくまで戦うのは「1stユニット」のみ。バトルに突入するとユニットやメンバーの入れ替えはできないが,控えユニットのメンバーも経験値を獲得できる。
バディは,1stユニットのメンバー1人と控えメンバー1人による連携技だ。1stユニットのメンバーの行動に合わせて,控えメンバーが攻撃を仕掛け,敵にかかっている攻撃力アップなどのバフを消去,さらに各職業の特殊効果が発動する。例えば,控えメンバーがサムライであれば敵の攻撃力ダウン,ゴッドハンドならLFを回復するといった効果があり,1stユニットのキャラクターがどんな行動をとっていてもいいため,なかなか便利だ。
サポートでは,控えメンバー全員で1stユニットを援護する。こちらは攻撃ではなく各職業で異なるサポートスキルが発動し,フォーチュナーは戦闘不能となった仲間を復活させる,デュエリストは全員の状態異常を回復させるといった具合で,一気に窮地を脱したいときに重宝する。
バトルが長引くとそれだけスタンバイゲージが溜まるため,バディやサポートを繰り返し選べるようになる。つまり,強敵とのバトルでは1stユニットだけではなく,控えを含む総力戦の様相を呈していく。前述した「3人だからこその緊張感」はそのまま,最大9人のキャラクターを操る戦略性も楽しめるので,これはかなり面白いシステムだろう。
恐るべきドラゴン達
「セブンスドラゴン」シリーズ最大の脅威といえば,やはりドラゴンだ。通常のモンスターとは比べものにならないほどの攻撃力と耐久力を持ち,さらには1ターンで2回行動が可能。フィールドによっては頻繁に戦うことになるので,十分な対策が欠かせない。
通常のモンスターはフィールド上に姿を見せない(ランダムエンカウント)が,ドラゴンはシンボルとして鎮座している |
マップ上に表示される紫色の点がドラゴン達だ |
ただでさえ,恐ろしい存在だというのに,ほかのモンスターとの戦闘中にドラゴンが乱入してくることもある。ドラゴンが乱入する前には,その接近を知らせる警告のメッセージが表示されるのだが,思わず焦ってしまうことだろう。
ドラゴンは強敵であるだけに,苦労して倒したときの見返りは大きい。大量の経験値はもちろん,ドラゴン撃破時にのみ獲得できる「Dz」も魅力だ。Dzは,拠点となるノーデンス・エンタープライゼスの改修やグレードアップに必要なポイントで,「マイルーム」や「資料室」「スカイラウンジ」などの施設を作れるようになる。そのほか,新スキルや装備品の開発も可能になるため,ドラゴン狩りのモチベーションが高まるというわけだ。
デートで深まるキャラクター達の絆
ノーデンス・エンタープライゼスでは,人々の日常を守るためのクエストを受けることができる。さまざまなトラブルや悩み相談を解決するべく,フィールドでアイテムを探したり,特定の敵を倒したり,資料室で歴史を調べたりと,クエストのバリエーションは豊富だ。報酬の中には,スキルのレベルを上げるために必要なSPを増やすアイテムもあり,こまめにクリアしたいところ。
ドラゴンとの戦いの中で,主人公は多くの仲間達と出会うことになる。その絆が深まり,特別な感情が芽生えると,さまざまな場所でデートイベントを発生させることが可能だ。デートイベントは主人公と仲間のキャラクターに限らず,自分で作成したキャラクター同士や,同性のキャラクター同士でも発生する。
父親を捜す病身の少女ミオやノーデンス・エンタープライゼスの社員でオネエ系のジュリエッタ,ISDFの主力メンバーだが何やら秘密を抱えているらしいユウマなど,個性的なNPCとの親密な時間を楽しもう。
ターン制コマンド選択型というクラシカルなスタイルをベースにしている「セブンスドラゴンIII」だが,デュエリストやエージェントといったライトノベル風の個性的な職業,控えユニットが戦闘に参加できるシステムの採用により,懐かしくも新しいプレイフィールのバトルを体験することができた。
今回はプレイ時間の関係で紹介できなかったものの,9人同時攻撃「ユニゾン」をはじめ,メイジやバニッシャーといった職業など,さらにバトルに奥深さと遊びごたえをもたらす要素もあり,これから物語を進めていくのが楽しみになってくる。
なお,すでにお伝えしているとおり,本作の第0章から第1章の序盤までをプレイできる体験版が配信中(関連記事)。そのセーブデータを製品版に引き継ぐと,特典アイテムも入手できるので,気になる人はさっそくチェックしてみよう。
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