ハンビットユビキタスエンターテインメント(HUE)は2016年8月20日,同社が開発中のスマートフォン向けアプリ
「はがねオーケストラ」(
iOS /
Android)の
“試験走行会”を,東京都内で開催した。
今回のイベントでは,体験プレイを通じて各種ゲームシステムが明らかになったほか,開発スタッフによってコンセプトや世界観なども紹介された。数多くの新情報が得られたイベントをレポートしよう。
本作のゲームシステムがついに明らかに
ロボットの“ハガネ”に間接的に指示を与えて攻略するSLG
はがねオーケストラの製作発表は2015年6月に行われているが,(意外なことに)ゲームの基本システムが今まで明かされていなかった。そういったなか開催された今回の試験走行会では,フリープレイの時間がたっぷり設けられ,各種システムやゲームの全体像がついに明らかになったのだ。
それでは,体験プレイで分かったゲームシステムなどを説明していこう。
本作は,
“ハガネ”と呼ばれるロボットを収集/カスタマイズして,ステージを攻略していくシミュレーションゲームである。
各ステージでは,レーダーによる
“指揮画面”と,TPSっぽい見た目の
“進軍画面”を交互に切り替えながらゲームを進めていく。指揮画面でハガネの移動経路を指定し,その後に進軍画面に切り替えると,経路にそって自動で進んでいく。また進軍中のハガネが敵と遭遇すると,攻撃も自動で行ってくれる。
そうしてプレイヤーは進軍画面を見ながら,状況に応じて指揮画面に随時切り替え,指示を与え直すのだ。
【指揮画面】ハガネの経路を指定するときは,画面のタップで直線,またはスワイプで曲線を描いて行う。障害物を避け,地形効果を利用するように進めるのが基本だ
![画像集 No.040のサムネイル画像 / HUEの「はがねオーケストラ」が一般プレイヤー向けの“試験走行会”を開催。ロボットによる戦術やカスタマイズなどのゲームシステムが明らかに](/games/307/G030794/20160824011/TN/040.jpg) |
【進軍画面】画面を見る限りTPS風だが,この際のハガネの進軍/攻撃は自動で行われている。ハガネの足元に引かれている線が,プレイヤーが指揮画面で指定した移動経路だ
![画像集 No.039のサムネイル画像 / HUEの「はがねオーケストラ」が一般プレイヤー向けの“試験走行会”を開催。ロボットによる戦術やカスタマイズなどのゲームシステムが明らかに](/games/307/G030794/20160824011/TN/039.jpg) |
もうひとつの特徴といえるのは,進軍画面ではゲーム内の時間がリアルタイムで進むが,指揮画面に切り替えている間は一時停止状態になること。進軍画面のスクリーンショットを見る限りだと,「World of Tanks」などの(リアルタイム形式の)TPSをイメージするかもしれないが,どちらかというとシミュレーションゲーム寄りといえる。急かされずにプレイできるので,画面の小さなスマホ端末でもプレイしやすそうだ。
![画像集 No.041のサムネイル画像 / HUEの「はがねオーケストラ」が一般プレイヤー向けの“試験走行会”を開催。ロボットによる戦術やカスタマイズなどのゲームシステムが明らかに](/games/307/G030794/20160824011/TN/041.jpg) 敵と遭遇したときの攻撃AIは,“移動しながら攻撃/停止して攻撃/距離を保ちつつ攻撃/攻撃しない”の中から選択できる。ハガネのカスタマイズ(後述)や戦局に応じて使い分けよう |
![画像集 No.042のサムネイル画像 / HUEの「はがねオーケストラ」が一般プレイヤー向けの“試験走行会”を開催。ロボットによる戦術やカスタマイズなどのゲームシステムが明らかに](/games/307/G030794/20160824011/TN/042.jpg) ハガネには視界の概念もあり,索敵範囲内にいなければ敵を視認できない。また敵と遭遇した際は,障害物を間に挟むように位置取りを行えば壁として利用可能だ |
![画像集 No.043のサムネイル画像 / HUEの「はがねオーケストラ」が一般プレイヤー向けの“試験走行会”を開催。ロボットによる戦術やカスタマイズなどのゲームシステムが明らかに](/games/307/G030794/20160824011/TN/043.jpg) ステージ内の各所に,バフ(特殊効果)を得られるエリアも用意されている。それにより移動/旋回スピードが上昇したり,大ジャンプなどを行えたりするのだ |
![画像集 No.044のサムネイル画像 / HUEの「はがねオーケストラ」が一般プレイヤー向けの“試験走行会”を開催。ロボットによる戦術やカスタマイズなどのゲームシステムが明らかに](/games/307/G030794/20160824011/TN/044.jpg) 進軍画面の右下にあるレーダーをタップすると,いつでも指揮画面に切り替えられる。敵と鉢合わせしたり,戦局が急変したときなど,何はともあれ指揮画面に切り替えて,落ち着いて考えよう |
ハガネのカスタマイズ要素もたっぷり
昔ながらのロボット/メカ好きは要注目
ハガネは
「火器」「胴部」「脚部」の3部位に分かれており,ステージクリアなどを通じて各パーツを入手することでカスタマイズを行える。カスタマイズの幅は思いのほか広く,ハガネを言い表す言葉としては,“戦車”より
“ロボット/メカ”が適切だろう。
カスタマイズを具体的に紹介すると,火器は,戦車ライクな大砲だけでなく,遠距離攻撃用のロケットランチャーや,近接攻撃用の巨大ナイフなども用意されている。たとえば巨大ナイフを搭載したハガネは,砲撃ではなく
敵に接近して直接斬りかかる形で攻撃するのだが,この際は脚部パーツに
“二足歩行タイプ”などをチョイスすると,その高い機動力と相まって効果的に戦える。
ロケットランチャーなどの高火力兵器は総じて重く,二足歩行タイプではなかなか載せることができない。そんなときは,移動スピードは遅いものの積載量が多い
“多脚タイプ”を合わせるのがよい。このようにして全体のバランスを考えながら,自分専用のハガネを造り上げていくプロセスはとても楽しかった。
複数のプレイヤーが協力してボス敵に挑むコンテンツにも挑戦。近接戦闘タイプのハガネが索敵をしつつ,その視界を共有した仲間が遠距離スナイプを行うなどコンビネーションを満喫できた
![画像集 No.037のサムネイル画像 / HUEの「はがねオーケストラ」が一般プレイヤー向けの“試験走行会”を開催。ロボットによる戦術やカスタマイズなどのゲームシステムが明らかに](/games/307/G030794/20160824011/TN/037.jpg) |
上記はほんの一例で,プレイヤーの工夫次第で,オーソドックスな戦車タイプのみならず,一撃必殺のスナイプを狙ったり,イノシシのように突進しまくったりと,さまざまな個性を実現できる。ハガネのグラフィックスも,
昔ながらの泥くさいロボット/メカを強く意識しているとのことで,この点も含め刺さる人は多いかもしれない。
ハガネのカスタマイズに関連した話としては,プレイヤーは手持ちのキャラクターの中から,3名をハガネに搭乗させられる。3名はそれぞれ
車長/砲手/操手の役割を担っており,また進軍画面を通じてアククティブスキルを発動可能だ。
また,ステージの合間には,コミカルなキャラによる寸劇が“劇アニメ”として盛り込まれており,殺伐としたハガネの世界に彩りを添えている。スタッフによると,こう見えてキャラクターに関しては,ある意味ハガネ以上に力を注いで開発しているとのことだ。
独特のゲームコンセプトや世界観などをスライドで紹介
フリープレイを終えた後は,開発スタッフにより本作のコンセプトや世界観,そして今後の展望などが語られた。この際,かなりの量のスライドが公開されたので,キャプションと合わせて紹介していこう。
同社によると,昨今のスマホアプリではストーリーが軽視されるなどといったさまざまな“常識”があり,それらに対して疑問を抱いているとのこと。本作の開発を通じて“常識”を打ち破り,パイオニアを目指していく心構えだ
![画像集 No.003のサムネイル画像 / HUEの「はがねオーケストラ」が一般プレイヤー向けの“試験走行会”を開催。ロボットによる戦術やカスタマイズなどのゲームシステムが明らかに](/games/307/G030794/20160824011/TN/003.jpg) |
![画像集 No.005のサムネイル画像 / HUEの「はがねオーケストラ」が一般プレイヤー向けの“試験走行会”を開催。ロボットによる戦術やカスタマイズなどのゲームシステムが明らかに](/games/307/G030794/20160824011/TN/005.jpg) |
本作のキャラクターにもレアリティの概念は存在するが,これが高ければ単純に強いというわけではない。たとえレアリティが低いキャラでも,コツコツ使い込むことで,同水準の強さに達するとのこと
![画像集 No.006のサムネイル画像 / HUEの「はがねオーケストラ」が一般プレイヤー向けの“試験走行会”を開催。ロボットによる戦術やカスタマイズなどのゲームシステムが明らかに](/games/307/G030794/20160824011/TN/006.jpg) |
![画像集 No.007のサムネイル画像 / HUEの「はがねオーケストラ」が一般プレイヤー向けの“試験走行会”を開催。ロボットによる戦術やカスタマイズなどのゲームシステムが明らかに](/games/307/G030794/20160824011/TN/007.jpg) |
音声合成ソフト「VOICEROID+」とのコラボを行っており,ゲーム内には“結月ゆかり”と“弦巻マキ”も登場。またVOICEROID+を手がけるボカロマケッツさんとAHSさんも,今回の体験会に参加していた。ほかのタイトルのコラボで見かける「ただ絵を借りる」ではなく,よりゲームに密接した形で,さまざまな展開を予定しているそうだ
![画像集 No.010のサムネイル画像 / HUEの「はがねオーケストラ」が一般プレイヤー向けの“試験走行会”を開催。ロボットによる戦術やカスタマイズなどのゲームシステムが明らかに](/games/307/G030794/20160824011/TN/010.jpg) |
![画像集 No.011のサムネイル画像 / HUEの「はがねオーケストラ」が一般プレイヤー向けの“試験走行会”を開催。ロボットによる戦術やカスタマイズなどのゲームシステムが明らかに](/games/307/G030794/20160824011/TN/011.jpg) |
開発スタッフによると,この日本で“メカ”と聞くと,某国民的ロボットアニメを連想する人が多いそうだ。それに対し本作では,あたかも硝煙の匂いが漂ってきそうな,泥臭いロボットを目指しているとのこと。武器の種別によって被弾音が変わるなど,サウンドにも拘っているそうだ
![画像集 No.016のサムネイル画像 / HUEの「はがねオーケストラ」が一般プレイヤー向けの“試験走行会”を開催。ロボットによる戦術やカスタマイズなどのゲームシステムが明らかに](/games/307/G030794/20160824011/TN/016.jpg) |
![画像集 No.017のサムネイル画像 / HUEの「はがねオーケストラ」が一般プレイヤー向けの“試験走行会”を開催。ロボットによる戦術やカスタマイズなどのゲームシステムが明らかに](/games/307/G030794/20160824011/TN/017.jpg) |
このゲームの舞台となる世界では,何かしらの事情により人類の大半が滅びてしまっている。砂漠,密林,雪原など,人が住むには過酷な世界で,そんななか残された人々は,各地に小さな集落を築いている
![画像集 No.019のサムネイル画像 / HUEの「はがねオーケストラ」が一般プレイヤー向けの“試験走行会”を開催。ロボットによる戦術やカスタマイズなどのゲームシステムが明らかに](/games/307/G030794/20160824011/TN/019.jpg) |
![画像集 No.020のサムネイル画像 / HUEの「はがねオーケストラ」が一般プレイヤー向けの“試験走行会”を開催。ロボットによる戦術やカスタマイズなどのゲームシステムが明らかに](/games/307/G030794/20160824011/TN/020.jpg) |
本作ではこう見えて,ハガネ以上にキャラの可愛らしさを追求しているそうだ。これらのコミカルなキャラは,ゲーム内の“劇アニメ”などでたっぷり堪能できる
![画像集 No.023のサムネイル画像 / HUEの「はがねオーケストラ」が一般プレイヤー向けの“試験走行会”を開催。ロボットによる戦術やカスタマイズなどのゲームシステムが明らかに](/games/307/G030794/20160824011/TN/023.jpg) |
![画像集 No.024のサムネイル画像 / HUEの「はがねオーケストラ」が一般プレイヤー向けの“試験走行会”を開催。ロボットによる戦術やカスタマイズなどのゲームシステムが明らかに](/games/307/G030794/20160824011/TN/024.jpg) |
![画像集 No.025のサムネイル画像 / HUEの「はがねオーケストラ」が一般プレイヤー向けの“試験走行会”を開催。ロボットによる戦術やカスタマイズなどのゲームシステムが明らかに](/games/307/G030794/20160824011/TN/025.jpg) |
ハガネや着物などは,現在のゲーム内世界では創りだすことができない“遺物”として扱われている。この設定により,古今東西のさまざまなカルチャーを違和感なく取り込めるそうだ
![画像集 No.028のサムネイル画像 / HUEの「はがねオーケストラ」が一般プレイヤー向けの“試験走行会”を開催。ロボットによる戦術やカスタマイズなどのゲームシステムが明らかに](/games/307/G030794/20160824011/TN/028.jpg) |
![画像集 No.029のサムネイル画像 / HUEの「はがねオーケストラ」が一般プレイヤー向けの“試験走行会”を開催。ロボットによる戦術やカスタマイズなどのゲームシステムが明らかに](/games/307/G030794/20160824011/TN/029.jpg) |
そのほか興味深い話としては,本作は当初,2015年内のリリースが予定されていたのだが,一旦仕切り直しが行われている。現在はHUEの社内で再開発が行われているとのことだ。
同社はこれまでのPC向けオンラインゲームの運営を通じて,プレイヤーからのフィードバックを吸収/反映させる作業は手慣れているが,純粋な“開発”に関しては,やや経験が浅い部分があるとのこと。そこで,正式サービスの開始前に,
アーリーアクセス版の公開を検討しているそうだ。
本作はハガネによる戦術やカスタマイズ,そしてコミカルなキャラクターなど,HUEらしい意欲的な試みが随所に見受けられるタイトルである。
公式Twitterでも新情報が随時公開されているので,興味を持った人はこちらをフォローしつつ今後の展開に期待しよう。
スクリーンショット集