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印刷2016/03/28 11:30

プレイレポート

奇想天外なコースを超高速でぶっ飛ばすシリーズ最新作,「トラックマニア ターボ」のプレイレポートをお届け

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 スタートからゴールまで,誰よりも速くコース(トラック)を駆け抜けることを目指す「トラックマニア」シリーズ。時速400kmオーバーでのドリフトあり,飛んだ先のコースがどこにあるのか分からないほどの大ジャンプあり,真っ逆さまのループありと,奇想天外なコースを舞台にしたハチャメチャなレースが繰り広げられる人気シリーズだが,その最新作となる「トラックマニア ターボ」PlayStation 4/Xbox One)が2016年3月24日,ユービーアイソフトから発売された。というわけで,そのプレイレポートをお届けしたい。

普通のレースゲームが可愛く思えるほどのトリッキーなコースを爆走するシリーズ最新作,「トラックマニア ターボ」。ハチャメチャレースを楽しもう
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空間識失調になるほど天地が入れ替わるコースばかりが登場。瞬きもできないほどのハイスピードレースは酔う暇さえない
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速度が低ければ到達できず,挙動を乱せば着地でクラッシュ。背中がゾワッとするような大ジャンプも当たり前だ

「トラックマニア ターボ」公式サイト



奇想天外な200コースでゴールドメダルを目指せ



 本作のゲームモードとしては,さまざまなパーツを組み合わせてオリジナルコースを作成し,オンラインで世界中のプレイヤーと共有できる「トラックビルダー」(TRACKBUILDER),自分でトーナメントを作成してほかのプレイヤーとタイムを競う「オンラインレーシング」(ONLINE RACING),奇想天外なコースを走破しまくる「キャンペーン」(CAMPAIGN),そして「マルチプレイヤー」(MULTIPLAYER)が用意されている。

 本作のメインとなるのがシングルプレイのキャンペーンだ。ホワイトグリーンブルーレッドブラックと呼ばれる5つのシリーズが用意されており,コースの攻略難度が一番低いホワイトシリーズから始めて,最高難度のブラックシリーズを目指す。これは,これまでのトラックマニアシリーズと同様だ。

キャニオン グランド ドリフトでは,ドリフトをしやすい車が使われ,またドリフト向きのコースレイアウトにもなっているため,コーナーからコーナーへ思う存分にドリフト走行を楽しめる
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 それぞれのシリーズは,グランド・キャニオンを思わせる渓谷地帯を舞台とした「キャニオン グランド ドリフト」(CANYON GRAND DRIFT),森林地帯や山岳地帯を走り抜ける「ダウン&ダーティ バレー」(DOWN&DIRTY VALLEY),ジェットコースターのようなループやコークスクリューを多用した「ローラーコースター ラグーン」(ROLLERCOASTER LAGOON),そして日本を含めた世界各国の未来都市が舞台になる「インターナショナル スタジアム」(INTERNATIONAL STADIUM)という4つコンセプトに分かれており,それぞれのコンセプトに10コース用意されている。

インターナショナル スタジアムには,日本を含め世界各国の看板やオブジェクトが多数配置されており,かなり賑やか
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 最初にプレイできるのは,ホワイトシリーズのキャニオン グランド ドリフトの10コースのみで,走破タイムにより,ブロンズ,シルバー,ゴールド,トラックマスターのメダルが与えられ,そのメダルの獲得数の合計により,次のシリーズやコンセプトがアンロックされていくという仕組みだ。

 これまでトラックマニアシリーズはすべてプレイしてきた,まさに“トラックマニア・マニア”と呼ばれても差し支えない筆者だが,ホワイトシリーズとグリーンシリーズで,アンロックに必要なシルバーメダルがどうしても取れないコースがあり,今のところブルーシリーズをプレイできていない。ちなみにブラックシリーズをプレイするには,ホワイトシリーズからレッドシリーズまでの,すべてのコースでゴールドメダルを獲ることが必要となり,200コースすべてをプレイしたければ,全コースでのゴールドメダルの獲得が必要となる。
 高難度のコースを走れるが難しくて手も足も出ない,というゲームもあるが,本作ではそれなりの腕がないと次へ進めず,そのへんが辛いところだ。とほほ。

時速600kmオーバーでは小さなジャンプすら恐ろしく,着地でバランスを崩さないことを祈るしかない
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すべてのコースでゴールドメダル獲得を目指そう。ゴールドのさらに上のトラックマスターメダルも狙いたい
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 車の操作はハンドルとアクセル,ブレーキだけでよく,ラジコンカー並の簡単さだ。4つのコンセプトごとに使用できる車が決められており,とくにセッティングなどはできないので,用意された車でいかに速く走破できるかが求められる。
 どの車もオープンホイールで,インターナショナル スタジアムのみ,タイヤのグリップ力が高いフォーミュラーカーのような車だが,ほかのコンセプトではバギーカーのような車を使用する。車ごとに挙動の違いがあり,舗装路ではグリップ力があってコントロールしやすいが非舗装路ではわずかな操作ミスで挙動を乱す車や,舗装路でも非舗装路でも挙動変化が唐突で扱いにくい車などもあり,状況に応じて車をコントロールしなければならない。

タイムの短縮には,ゴーストカーと同時走行して技を盗むことが大事だ。ゴーストカーが邪魔なら,表示させないようにすることもできる
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 個人的にはキャニオン グランド ドリフトの車は長時間のドリフトが気持ち良いが,ダウン&ダーティ バレーの車はクイックすぎて苦手だったりする。したがって,筆者は一番簡単なブロンズメダルでさえ“やっと”というコースが山ほどあってションボリしており,すべてのコースでゴールドメダルを獲得するのはいつのことになるか,想像もできない。

 ゲームでは,ブロンズ,シルバー,ゴールド,さらに自分の最速タイムのゴーストと同時に走ることが可能なので,ゴーストカーのライン取りなどを参考にタイムを刻んでいけば良さそうだ。

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コース数は無限大
オリジナルコースを作って世界に配信しよう


 トラックマニアの魅力の1つは,コースバラエティの豊富さにある。1周30秒程度で走り抜けられる手軽なコースや,数分かかるロングコースなど,いずれもトリッキーでアクロバティックなデザインになっている。レコードラインを淡々とトレースできるコースはなく,スタートからゴールまで全神経を操作に集中しなければ,ノーミスでゴールするのは不可能だ。同じように走っているつもりでも,自分のゴーストカーに引き離され,どうやってそのタイムを出したのか自分でも分からないということさえあるから困ってしまう。

トラックマニアシリーズならではのぶっ飛びコース。並行するコースへジャンプ! 射出速度と角度がタイムに大きく影響し,届かなかったり,飛びすぎたりもする。こんなレースゲーム,ほかにあるだろうか
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コースを3周するマルチラップコースには,鬼門となる意地悪ポイントが必ずある
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 とくにローラーコースター ラグーンのコースの多くは,文字どおりジェットコースターを思わせるものばかりで,宙返りループ,ねじれて宙返りするバレルロール,90°回転して真横を向いて走るバンクなど,ハイスピードで目まぐるしく天地が入れ替わるコースが登場する。
 プレイすれば分かるが,収録されているコースのレイアウトは緻密に計算されており,かなり手強い。道路上にあるターボパネルを通過すると強烈に加速できるが,スピードが速いぶん,車の操作は難しくなり,ふらついて逆にタイムロスしたり,走行ラインを外して車が跳ね,コースアウトなんてことも普通に起きるのだ。
 ハイスピードで針の穴を通すようなところが何度やっても通過できず,やっと通り抜けたと思ったら次のコーナーでミスしてスピン……再び狭いところを通過するのに苦戦するといったことは当たり前で,攻略の奥は深い。

自分がいったいどこを走っているのか,コースがどうつながっているのか,もはや分からない
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 それだけに,数々の難所を切り抜けてメダルを獲得したときや,タイムが上がったときの喜びはひとしおで,この喜びがトラックマニアの面白さとなるだろう。ちなみに,コース途中にあるチェックポイントからの再開(リスポーン)もできるが,これはタイムに大きく影響を及ぼすので,コースを覚えるために完走したいときなどに利用するのが良さそうだ。

 さて,キャンペーンで登場するコースは200種類だが,オリジナルのコースを作成してオンラインで共有できるため,コースの数は事実上,無限といえる。

(左)個人的には,トラックビルダーのノーマルモードがインタフェースを含めて使いやすい。テスト走行を繰り返して完成させ,世界に配信しよう。(右)コースや環境オブジェクトをすべて自由に配置できる,アドバンスモードの画面。インタフェースはちょっと分かりにくく,慣れが必要になりそうだ
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 コース作成はトラックビルダーモードから行えるが,コースレイアウトから看板などの景観パーツまで自動で生成してくれる「ランダムジェネレータ」,最小限のコースパーツを配置して手軽にオリジナルコースを作成できる「初心者モード」,初心者モードよりも扱えるパーツが増える「ノーマルモード」,そして,すべてのコースパーツや景観パーツを自由に配置できる「アドバンスモード」が用意されている。
 ちょっと遊びたいときは全自動のランダムジェネレータや初心者モードを使い,世界中の人がアッと驚くような手の込んだコースを目指すなら,ノーマルモードやアドバンスモードでじっくり時間をかけて作りたいところ。

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 たとえアドバンスモードでも作成作業そのものは非常に簡単なのだが,作成したコースが面白いかどうかはセンスの問題だ。試走を繰り返しながらオリジナルコースを煮詰める必要があるが,キャンペーンモードに収録されたコースレイアウトがお手本になるので,ここにターボパネルを置いて,ここにカーブを配置……など,まずは既存コースのアレンジからスタートしてみよう。

キャンペーンモードのコースは,オリジナルコース作成のいいお手本になる
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 アップロードした自分のコースをほかのプレイヤーが評価してくれるシステムになっているので,コースビルダーとしての血が騒ぐはず。ぜひ,世界中のプレイヤーが熱中してプレイしてくれるようなコースを作り上げてほしい。


充実のローカル&オンラインマルチプレイモードで
ライバルと競え


 本作は複数のプレイヤーが同じディスプレイを眺めながらレースを楽しむローカルのマルチプレイモードも充実している。面白いのが,キャンペーンモードにある「ダブルドライバー」(DOUBLE DRIVER)で,ゲームの流れはソロキャンペーンと同じようにホワイトシリーズのキャニオン グランド ドリフトから順に進めていくのだが,大きく異なるのが,2人のプレイヤーで1つの車を操作するところだ。

2人のドライバーが息を合わせて車をコントロールするダブルドライバーが斬新だ。操作が一致したときのみ車がコントロールできる。繰り返し挑戦すればタイムも上がり,かなり楽しめるので,家族や友達などと一緒に挑戦しよう
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 といっても,1人がハンドルを操作し,もう1人がアクセルとブレーキを操作するといった感じではなく,2人がそれぞれコントローラを持ち,同じようにプレイすることで車をコントロールする仕掛けだ。同じタイミングで同じ操作をしないと曲がってくれなかったりするので,ピッタリ息を合わせる必要があるわけだ。

 筆者は家族とやってみたが,ハンドルを切るタイミングも,ブレーキのタイミングもそれぞれ違うし,コース攻略のスタイルも異なるため,最初はなかなか思うようには走れない。しかし,だんだん慣れてコツをつかんだら,ドリフトなども綺麗に決まって非常に面白くなる。本当に気の合った相手とペアを組まないと喧嘩になりそうな印象もあるが,これまでのレースゲームにはなかった試みなので,多くの人にぜひとも挑戦してほしいゲームモードだ。

オンラインマルチプレイでは,最大100人のプレイヤーとの同時走行が可能だ。当たり判定のないゴーストカーと同じ扱いだが,画面内はカオス状態
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 このほか,最大16人のプレイヤーが交代で同じコースを走る「ホットシート」(HOT SEAT),複数のプレイヤーと3回のチャレンジで最速タイムを競う「アーケード」(ARCADE),画面分割で同時に2〜4人で走行する「スプリットスクリーン」(SPLIT SCREEN)が用意されている。ホットシートとアーケードは,ダブルドライバーで挑戦することも可能で,プレイ人数が多いとかなり盛り上がりそうだ。

 オンラインマルチプレイモードについては,3月18日から21日まで行われたオープンβテストに参加したので,ここで簡単に触れておきたい。
好みの環境や設定を確認してルームに飛び込めば,最大100人のオンラインプレイが楽しめる。鍵をかけたプライベートルームを自分で立ち上げることも可能だ
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 オンラインマルチプレイでは,自分がホストとしてルームを立ち上げてプレイヤーを募ったり,立ち上がっているルームに飛び込んだりできる。最大100人のプレイヤーと同時に走ることが可能で,ゲームモードとしては,タイムアタックラウンドラップ,コース長としてはミニショートノーマルロングなどが用意されていた。

 レースを始めると,ゲームに参加しているプレイヤーがゴーストカーのようにコース内を走り回っており,多いときには100人近いプレイヤーと一緒に走るため,かなりカオスな雰囲気だ。当たり判定がないとはいえ,周りの車が気になって,良いタイムを出すのが難しい。ゲーム終了後にはトップ3が表彰されるのだが,テスト中,プレイヤーの腕が上がり,筆者はトップ3に入るのがどんどん厳しくなってしまった。

1つのコントローラを使って交代しながらタイムを競うことが可能。ダブルドライバーでのプレイもできる
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2人〜4人での画面分割プレイ。大型テレビも普及しており,最近は画面分割プレイもしやすい。家族や友達とワイワイと盛り上がろう
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 本作は,ライバルと抜きつ抜かれつしながら順位を競うものではなく,あり得ないほどトリッキーでアクロバティックなコースを,悲鳴を上げながら走るというゲームだ。とはいえ,必ずしもカジュアルではなく,きわめようとすればかなり奥が深い。
 最新作となり,奇想天外なコースも一段とパワーアップされた印象で,これまでシリーズを通してプレイしてきたファンも熱くなれるだろう。ヒマなときにサクッと遊べるところもいいし,走るだけではなく,いかれたコースを作る楽しみも味わえる。トラックマニアシリーズを遊んだ経験のある人はもちろん,初挑戦という人も,叫び声を上げながら挑戦してほしい。

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