インタビュー
通勤中もゾンビを狩れる。PS Vita版「バイオハザード リベレーションズ2」のキーマン2人にインタビュー。最新作「アンブレラコア」への言及も
本作は,サバイバルホラーの金字塔として国内外で根強い人気を誇るバイオハザードシリーズの原点とも言える“恐怖”に強くこだわり,「バイオハザード5」と「6」の間に起きた事件を描く作品だ。2月25日にリリースされた据え置き機版(PC / PlayStation 4 / PlayStation 3 / Xbox One / Xbox 360)は,全4章のエピソードを毎週1本ずつ配信するエピソディック形式を採用するという,斬新な挑戦を行ったことでも記憶に新しい。
そんな本作の発売に合わせて,今回4Gamerでは,バイオハザードシリーズのプロデューサーを務める川田将央氏と,PS Vita版「バイオハザード リベレーションズ2」のプロデューサー ジェームズ・バンス氏のお二人に,PS Vita版ならではの魅力や,据え置き機版で実施したエピソディック形式の配信にまつわるエピソードを聞いてきた。
加えて,9月15日に発表されたばかりのシリーズ最新作「バイオハザード アンブレラコア」(PC / PS4)についても話を聞くことができた。2016年3月22日にシリーズ20周年を迎えるにあたり,お祭り的な位置付けとして企画がスタートしたそうだが,どうやらユニークかつ極めて本格的なシューターになりつつあるようだ。
「バイオハザード リベレーションズ2」公式サイト
「バイオハザード アンブレラコア」公式サイト
通勤中もゾンビを狩れ!
PS Vita版リベレーションズ2の魅力とは
4Gamer:
本日はよろしくお願いします。
さっそくですが,「バイオハザード リベレーションズ2」(以下,リベレーションズ2)のPS Vita版を発売することになった経緯を教えていただけますか。
今回,据え置き機版ではエピソディック形式の配信を採用したのですが,2〜3時間程度でクリアできるエピソードによって構成されています。それなら携帯機であるPS Vitaにも向いているだろう,とのことで企画がスタートしました。ありがたいことに,SCEA(Sony Computer Entertainment America)さんが積極的にこの話を進めてくださいまして,海外ではカプコンではなくSCEAさんが直接販売するタイトルになります。
これまで,PS Vitaで「バイオハザード」を展開するというチャレンジはできていませんでしたが,今回はそれがかなり理想的な形で商品化できたと思っています。本当に挑戦しがいのある作品でした。据え置き機版におけるエピソディック形式は相当難しかったんですけど(笑)。
ジェームズ・バンス氏(以下,バンス氏):
PS Vita版では最初からすべてのコンテンツを収録しているのですが(関連記事),それらを段階的に配信していく据え置き機版はかなり大変だったんですよ。
川田氏:
実は,据え置き機版の発売前からPS Vita版の構想自体はありました。据え置き機版の開発がある程度進んだ段階で移植作業に着手したのですが,当初の予定よりも遅くなってしまいました。
バンス氏:
PS Vita版のテーマは「妥協しないこと」でした。いたって簡単な発想ですが,ゲーム性を変更せず,そのままPS Vitaに移植しましょうと。最近では,携帯ゲーム機のためにアレンジを施して制作されている作品が主流だと思うのですが,リベレーションズ2は据え置き機版のゲームがそのまま遊べるようになっています。そのため,移植にも相当な時間がかかりました。
4Gamer:
想定よりも移植作業に時間がかかったというのは,どのあたりで苦労されたのでしょうか。
たとえば据え置き機と携帯機では,ボタンの数が違うといった問題があります。そのあたりの落とし込みが大変だったとか。
バンス氏:
それも調整が必要な箇所ではありますが,決して大変ではありませんでした。開発チームの提案に対して,みんなで試しながら「この操作にしたほうが自然じゃないか」といったやりとりの結果,タッチスクリーンを活用してスムーズに操作できるようになりましたからね。
川田氏:
グラフィックスの面でも携帯機は画面が小さいぶん,画素の密度が高く,見た目のうえでも体感でもほとんど遜色はありません。しっかりと仕上がっていると思いますよ。
4Gamer:
PSプラットフォーム同士ということで,スムーズに移植できたと?
川田氏:
いや,そんなにスムーズではなかったです(苦笑)。
そうですね。リベレーションズ2では,それぞれのプラットフォームの性能を高水準で引き出したという自信はありますが,PS Vita版に関して言えば,最も調整が必要だったのはライティングです。
4Gamer:
と言いますと?
バンス氏:
単純に負荷が高いですから。PS4やXbox Oneでは複雑なライティングを利用した雰囲気作りが可能ですが,同じことをPS Vitaでやるとアクションゲームとしては動作が重たくなります。そこで,別の手法を用いて同じ演出効果を実現しなければならなかったんです。その調整に時間がかかりましたね。
しかし,その甲斐もあって,かなり高水準のグラフィックスを実現できたと思います。ほかの移植作品と比較しても,高いレベルで据え置き機版を再現していますよ。
4Gamer:
今回は企画段階からSCEAの全面協力があったとのことですが,これはとても珍しいのではないでしょうか。
川田氏:
ええ,珍しいケースだと思います。元々,いろいろなSKU(※1)を出していきましょう,という話がありまして――これは本当に大変だったのですが――そこに乗ってもらえたのが大きかったのかなと。
※1 SKU=Stock Keeping Unitの略で在庫管理の単位を指す。ここでは,ざっくりといえば製品ラインナップといった意味。
4Gamer:
とくにPS Vita版で協力を受けた理由はなんでしょうか。
川田氏:
我々と同様,SCEJAさんにPS Vitaを盛り上げたいという気持ちがあったということでしょうね。その流れで海外展開を視野に入れて,SCEAさんの協力を受けることができました。
4Gamer:
なるほど。
それでは,PS Vita版ならではのセールスポイントを挙げていただけますでしょうか。
バンス氏:
据え置き機版を遊んでいただいた方はご存じかと思いますが,5〜10分程度で1つのミッションをクリアできる「レイドモード」との相性は抜群です。通勤や通学,移動などの隙間時間に1〜2回プレイするといったような,PS Vitaならではのプレイスタイルに合っています。ただ,「ストーリーモード」のほうも,一つ一つのエピソードはコンパクトにまとまっているので遊びやすいですよ。
川田氏:
新幹線ならストーリーモード,在来線だったらレイドモードがピッタリでしょう(笑)。
バンス氏:
最近は据え置き機にもスリープモードが搭載されていますが,やはり携帯ゲーム機のほうが手軽に遊べますよね。リベレーションズ2は,そういう利便性にハマる作品になっています。
4Gamer:
ちなみに,レイドモードのCo-opプレイはアドホックとインターネットのどちらにも対応していますか。
バンス氏:
はい。アドホックはパッチ配信による対応となりますが,どちらでも発売日からオンラインCo-opプレイをお楽しみいただけます。
エピソディック形式への挑戦
4Gamer:
ここからはPS Vita版に限らず,据え置き機版を含むリベレーションズ2の話をお聞きしたいと思います。まずはエピソディック形式の配信について,どのようなフィードバックが寄せられていますか。
これは,日本での反応がすごく良かったです。「次回はどうなるんだろう」というプレイヤーさんの期待感を,我々もリアルタイムで感じられて,ゲームの盛り上がり,楽しみに貢献できる売り方が提案できたと思っています。その反面,パッケージ版の発売を待たれる方も多く,今後の展開を考えるうえでは,そうした傾向も考慮しなくてはいけないなと。
4Gamer:
予想以上にパッケージ版の発売を待った人が多かったということですか。
川田氏:
ええ。すごくありがたい話ではあるのですが,パッケージ版とダウンロード版を両方販売する場合,どちらかに振り切って強く推したほうがいいかもしれないと考えさせられるくらいでした。
4Gamer:
日本では,まだダウンロード購入に対するハードルが高かったと?
川田氏:
いえいえ,PS4やXbox Oneではダウンロード版の購入率,その後の接続率ともに高かったようです。ただ,日本には小売店に行ってゲームを購入する,パッケージを含めて大切に持っておきたいという方が多くいらっしゃいました。
4Gamer:
なるほど。
それでは,一つの作品を複数のエピソードに分けて配信していくという手法を,リベレーションズ2でチャレンジした理由とは何でしょうか。
川田氏:
やはり面白く売っていきたい,挑戦したいという気持ちが大きかったからですね。カプコンにはパッケージを販売していくノウハウがありますが,エピソード配信の経験はまだ浅い。だからこそ,定期配信という形で期待感を煽り,みんなで盛り上げていく売り方は挑戦する価値があるものだったんです。ある程度の結果も残せました。
ただ,その挑戦の結果,いろいろな課題も見えてきました。今後はそれをどうやって乗り越えていくのか,もっとプレイヤーさんに楽しんでもらいつつ,ビジネス形態をどう考えていくか,そういうノウハウを蓄えていきたいと思っています。……なんだかプロデューサーっぽい話で,つまらないかもしれませんけど(笑)。
4Gamer:
そんなことありませんよ(笑)。
リベレーションズ2では,TV番組のような感覚をやってみたかったんです。たとえば,海外で「ゲーム・オブ・スローンズ」(※2)が放送された日のTwitterでは,みんながその話題で持ちきりになる。それと同じ効果を狙って,リベレーションズ2ではエピソディック形式ならではの“クリフハンガー”(※3)をしっかりと物語に組み込みました。
これを通常のパッケージで販売していたら,人によってゲームを始める時間も進行速度も異なりますから,先行するプレイヤーの感想やコメントなどが目に入って,話題性がなくなってしまっていた可能性があります。その点,エピソード配信の場合,あらゆるプレイヤーが同じ時系列で遊ぶため,より自然に盛り上がることができた。そこは狙いどおりにいったので,すごく良かったと思います。
※2 ゲーム・オブ・スローンズ=ジョージ・R・R・マーティン著のファンタジー小説シリーズ「氷と炎の歌」を原作としたアメリカ,HBOのテレビドラマ。
※3 クリフハンガー=作劇技法の一種。エピソードの終盤,次回の山場となるシーンや突然ハプニングに見舞われる主人公を見せて,“つづく”とするような,あえて中途半端な終わり方をすることで視聴者の興味を惹く技法。
4Gamer:
前作「バイオハザード リベレーションズ」では,次回予告やこれまでのストーリーをダイジェストで振り返るというTVドラマ的な演出がありました。それがすごく好きだったので,リベレーションズ2でも健在だったことがとても嬉しかったです。
川田氏:
リベレーションズ2でエピソディック形式を採用したきっかけは,まさにそれです。前作では海外ドラマ風の演出を取り入れるというコンセプトがありましたが,もう言ってしまえば雰囲気だけでした。リベレーションズ2では,さらに物語への没入感を高めていきたいとの意図があったんです。ただ,そのぶん,開発はかなり苦労しましたが……。
4Gamer:
それは,どういったところで?
川田氏:
やはりクリフハンガーの部分ですね。そのために,丸ごとネタを変更したエピソードもありました。
リベレーションズ2のエピソードは,「ここで終わり」となる部分に対して,かなり厳しくプロデューサーのチェックが入っています。「ここはもっと盛り上がりがほしい」ということで,一度作ったものが作り直しになったこともあります。そうしたエピソードの作り方は初めてでしたので,かなり苦労したポイントと言えます。
バンス氏:
どんなものを作っていても,その最中にはどんな反応が返ってくるのか,不安になることはあると思います。たとえば,リベレーションズ2ではクレア編とバリー編がありますので,クリフハンガーが合計7回あり,エンディングは1回です。その構成だけを聞いたときは,「なるほど。これはウケそうだ!」と自信を持ったのですが,実際にどんな反応があるのかは不安だらけでした。今回は,それが1週間ごとにやってきたので,心労が絶えなかったです(苦笑)。
川田氏:
それから,「バイオハザード5」の発売前は積極的に情報を公開して盛り上げていくという手法を取ったのですが,リベレーションズ2ではエピソディック形式ということで,あまり情報を出さないようにしました。かなり抑えていますので,情報公開が難しかったですね。おかげでノウハウは溜まったので,また同様の形式を企画するのであれば,もっとうまくやれると思います。
4Gamer:
話は変わりますが,リベレーションズ2ではパッケージ版に加え,各エピソードのダウンロード版の配信があり,シーズンパスやオールコンテンツパックなどもありました。さらに,ダウンロード版はオンラインストアや店舗でコードを購入できるなど,選択肢が多すぎた印象があります。
川田氏:
多少,混乱されましたか。
4Gamer:
ええ。
川田氏:
その点については,まず我々の側から積極的に「おすすめ」を提案すべきだったかなと思っています。実際には,そのつもりだったのですが,伝わり切らなかったかもしれません。
バンス氏:
そうですね。実際にラインナップを見ると,迷ってしまう状態だったのかなと。
4Gamer:
また,据え置き機版のリベレーションズ2はプラットフォームが5つ,かつ4週連続配信を行ったということで,プラットフォームホルダーへの申請が単純計算で20回になります。そのあたりの苦労はどうでしたか。単純に作業量が20倍になるという話かもしれませんが。
川田氏:
いや,その程度ではないですよ。それぞれSKUが細かく分かれてますから,その5倍くらいは作業が増えたのではないでしょうか。
日本版,北米版,欧州版……。しっかりとした管理がどれだけ重要かというのが明らかになりましたね。
川田氏:
今回は,その管理を担当する人間が経験豊富で優秀だったので,短い期間でもちゃんと販売にこぎ着けられました。これが未経験の人間だったら,どんなことになっていたのか……。
4Gamer:
それでは,同様の形式でもう一度という可能性も?
川田氏:
もう1回やりたいかと聞かれたら,今すぐにはやりたくない(苦笑)。少なくともSKUは,もうちょっと整理しないといけませんね。
バンス氏:
そのほうがプレイヤーにも分かりやすいでしょうから。私も選択肢が多いほうが良いと考えていましたが,今後はちょっと絞ってやりましょう(笑)。
川田氏:
プラットフォームホルダーの皆さんにも大変ご迷惑をおかけしました。
4Gamer:
あらためて,リベレーションズ2に対するお二人の評価を教えてください。
川田氏:
シナリオが良かったと思います。エピソディック形式にするうえで,すごく力を入れたところです。人間関係が複雑に入り組んで,さまざまな視点からストーリーや登場人物を描くことができました。
キャラクターの“らしさ”が出せたところも良かったですね。クレアやバリーといったおなじみの顔もいますが,やはり今回スポットを当てたかったのはモイラです。新世代のバイオハザードをしっかり描けたところも,すごく気に入っていますね。
バンス氏:
クレア編とバリー編,それぞれに異なるゲーム性があるところがいいですね。「脱出」と「救出」という2つの目的があり,キャラクターの立ち位置が違います。クレアとモイラは常に追い詰められ,どうにかして生き延びようという気持ちをプレイヤーに抱かせます。一方,バリーは逆に攻める姿勢が前面に出ています。
あとは,それぞれのパートナーの特徴ですね。もう少し複雑なものにしたほうがいいんじゃないか,との意見もあったんですよ。ナタリアに対して,ポイントを選択してそこに行くように指示を出すとか。ただ,それではほかのゲームと同じになってしまうので,あえてシンプルなものになりました。その点については,迷いがあったのですが,できあがってみればすごく面白かった。私にとって,それは発見でした。
川田氏:
細かいところですが,SEにも注目してほしいですね。最近のシリーズの中でも生々しくて,非常にいい音が作れました。それが恐怖の演出につながっていると思います。
4Gamer:
レイドモードはいかがでしょうか。前作と比べてステージ数が多くなり,ボリュームが増しています。その反面,バリエーションややり込みがいに乏しいという意見も見られます。
川田氏:
非常に期待されている,ということをヒシヒシと感じました。開発中,ディレクターは「これだけのボリュームのものを作る」と言って,一切妥協しませんでした。スケジュール的に厳しいと思っていたのですが,最後まで作り切ってくれましたので,その意気込みはすごく評価しています。
ただ,レイドモードだけにスケジュールと人員を投入するのは難しかったんです。もはや単体のゲームと変わらない規模になることを危惧していました。むしろ,それが望まれているんでしょうか(笑)。
バンス氏:
レイドモードは,リベレーションズ2の大きな魅力になっていますね。プレイヤーによっては,レイドモードを中心に遊ぶ人もいるでしょう。繰り返し遊べる要素だと思いますので,ぜひPS Vita版でもやり込んでほしいです。
本格的なコンペティティブシューターを目指す
「バイオハザード アンブレラコア」
4Gamer:
シリーズ全体のお話もうかがいたいと思います。まず発表されたばかりの「バイオハザード アンブレラコア」(以下,アンブレラコア)は,そもそもどのように企画が立ち上がったのでしょうか。
シンプルな言い方をしますと,バイオハザードファンの中にも一定のシューターファンがいるからです。「もっとバイオハザードの世界でシューターを突き詰めて遊びたい」という意見をいただいていました。ですから,今回はシューターの要素だけをすごく作り込むことにしたんです。シナリオはばっさりカットするくらいのつもりで,対戦をメインに遊んでもらうためのゲームとしました。開発自体は約1年前にスタートしていますね。
4Gamer:
なるほど。
川田氏:
今回は並行世界ではない,バイオハザード正史に則ったシューターを開発することにしたんです。2012年に発売した「バイオハザード オペレーション・ラクーンシティ」は,バイオハザードの世界にシューターの要素を盛り込んだらどうなるか,という作り方でした。アンブレラコアはその逆で,シューターをしっかりと作る。そのうえで,バイオハザードの世界を入れていくという発想で開発しています。
4Gamer:
シナリオをカットするということは,オフラインのシングルプレイは搭載されないのでしょうか。
現時点では,シングルプレイを搭載するのかどうかは明言できません。ただ,基本的にはインターネットに接続して,オンラインで遊んでいただくタイトルになると思います。
まだテストの段階ですが,今,最も手応えを感じているのは,3人対3人の小規模なチーム戦です。また,バイオハザードの世界観を盛り込んだことで,1対1の駆け引きも面白くなりました。どこにいるか分からない相手を探しながら戦う,そんな想定外の面白さがまさに今,生まれつつある感じです。
4Gamer:
比較的,小規模なマルチプレイになるようですが,最大参加人数はどうなりますか。
川田氏:
まだ調整中です。ただ,マッチングしやすさを含めて,快適に遊んでいただくことを最優先に考えているので,あまり多人数のマルチプレイは想定していません。
4Gamer:
PCとPS4はクロスプラットフォームになるのでしょうか。
川田氏:
それは別々にする予定です。
4Gamer:
「コンペティティブシューター」というキャッチコピーからも,e-Sportsを意識していることがうかがえます。
川田氏:
ええ。当初はバイオハザードシリーズ20周年に合わせて,もっとお祭り的な作品にしようと思っていたんですが,シューター要素を突き詰めることでどんどんストイックな内容になっています。近接戦闘の面白さをじっくり味わってもらえる,ユニークなタイトルに仕上がってきていますよ。
4Gamer:
閉鎖された空間における近接戦闘をフィーチャーしたタイトル,というイメージで合っていますか。
川田氏:
そうですね。その閉鎖された空間,というのがバイオハザードらしさとマッチしています。どこから敵が現れるか分からない,全方位を警戒しながら進まなくてはならないゲームになっています。ホラーとはまた違う不安や恐怖,そして緊張感に満ちています。
4Gamer:
ゾンビはどのような存在でしょうか。
川田氏:
プレイヤーはゾンビを操作することはありません。いわゆる第3の敵とでもいったところです。
ほかのゲームにはないゾンビの使い方になると思いますよ。プレイヤーはゾンビの感覚をマヒさせるアイテム「ゾンビジャマー」を装備していれば襲われません。それが正常に動作している間は,こちらから攻撃を仕掛けなければ安全です。
4Gamer:
ということは,攻撃すると?
川田氏:
もちろん,襲ってきますよ。
したがって,ゾンビの近くを通ったり,ゾンビの群れを利用して待ち伏せしたりといった作戦が考えられます。相手のゾンビジャマーを壊してゾンビに襲わせるのも,アンブレラコアならではの醍醐味ですね。
バンス氏:
テンポの速いゲームになっていますよ。また,フィールドがかなり複雑な構成になっているので,プレイヤーができる選択肢が多く,どこから相手が襲ってくるか分からない。そこで,ゾンビを活用するというわけです。
曲がり角の先にゾンビの群れがいる。その中にプレイヤーが潜んでいるなんてこともあるでしょう。「ベイトガード」という装備にゾンビを咬みつかせれば,ゾンビを盾代わりにすることもできます。
川田氏:
匍匐前進もゆっくりではなく,かなりのスピードで動き回れます。移動面では有利ですが,その状態だと背中のゾンビジャマーが狙われやすいので悩みどころですね。とにかくバランスを第一に考えていて,有利なものには相応のリスクがあるといったように,極めて公平なゲームを目指しています。その意味では,競技性の高いゲームと言えるでしょう。
4Gamer:
そのほかには,どんな要素がありますか。
川田氏:
……今,お話できるのはこれくらいです(笑)。
4Gamer:
なんと,それは残念です。
最後に,シリーズ20周年に向けて今後の展開を教えてください。
川田氏:
我々が本当にやりたいこと,やるべきことは,バイオハザードであればサバイバルホラーだと思っています。それと同時にシューター作品であるアンブレラコア,リマスター作品となる「バイオハザード0 HDリマスター」も含めて,いろいろな方向性でシリーズ20周年を盛り上げていきたいと考えています。
4Gamer:
あくまでもサバイバルホラーが主軸にあるということですね。それでは,来年3月に晴れて20周年を迎えた暁には大きな発表を期待しても……。
川田氏:
20周年ですから,やらないといけませんよね(笑)。
4Gamer:
本当に楽しみです。本日はありがとうございました。
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