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[E3 2015]「WORLD OF FINAL FANTASY」は,SFC時代のFFをベースにアレンジを加えた意欲作。ディレクターの千葉広樹氏にコンセプトを聞いてみた
ただ,先日掲載した記事を見て,ぼんやりと輪郭が見えてきた人も多いのではないだろうか。
今回4Gamerは,WoFFのディレクターを務める千葉広樹氏にインタビューする機会を得た。まだまだ不明なところの多い本作について,開発の経緯からコンセプトまで幅広く聞いてみたので,その模様をお届けする。
「WORLD OF FINAL FANTASY」公式サイト
落書きから生まれた新システム“ノセノセ”
4Gamer:
本日は,よろしくお願いします。本作のPVをはじめて見たとき一番印象的だったのが,キャラクターが頭の上にモンスターを乗せて戦っているシーンでした。
千葉広樹氏(以下,千葉氏):
本作は,FFシリーズに登場するモンスターを集めて戦うというコンセプトを持ったRPGです。バトルでは,モンスターを頭の上に積み上げてタワーを作り,その状態で戦うという新しいものになっています。ちなみに,積みあげることを“ノセノセ”と呼んでいます。
4Gamer:
タワーを組むとどのような効果があるのでしょうか?
千葉氏:
組み合わせるモンスターによって,アビリティやステータスに変化が起きます。主人公であるレェンとラァンは,それぞれ2匹ずつモンスターを載せらるのですが,載せた分だけ最大HPが増えますし,全員がファイアを覚えていれば,ファイガが使えるといった感じです。
4Gamer:
では,乗っていないときは?
千葉氏:
タワーをしていない場合は,2人と4匹でいわゆる6人パーティの状態になります。
4Gamer:
FFIVより多いですね……。公開されたスクリーンショットには,主人公達がモンスターに乗っているイメージもありましたが,これもノセノセした状態ですか?
千葉氏:
主人公は小さなプリメロの姿と,大きなオオビトの姿を自由に切り替えられます。そうすることで,大きい姿で小さなモンスターを乗せたり,逆に小さくなって大きなモンスターに乗ったりできます。
4Gamer:
なるほど。戦闘はATB(Active Time Battle)になるのでしょうか?
千葉氏:
はい。戦闘はSFC時代のATBをベースにしています。そこに,タワーシステムを入れることで,より戦略的で奥深いバトルが楽しめるようになっています。また,コマンドの選択を直感的にできるようにするなど,今までのFFのバトルを知らない人でもお手軽に遊べるように工夫もしています。
4Gamer:
そもそもなのですが,本作の開発はどういう経緯からスタートしたのでしょうか。
千葉氏:
FFのモンスターを集めて戦うというコンセプト自体は,橋本(真司氏)がずっと前から温めていたものでした。それがいいタイミングで僕のところに話が来まして,自分でもちょっと遊んでみたいと思い,企画をまとめて橋本と話し始めました。そして野村(哲也氏)と泉沢(康久氏)を巻き込んで形にした感じです。
4Gamer:
ずいぶん巻き込みましたね!
千葉氏:
ええ(笑)。泉沢は,FFクリスタルクロニクルでアートをやっていて,彼が本作のプリメロキャラクターや,モンスターを描いてくれました。野村には,FFの新しい主人公がほしいと相談して,オオビトのアートをデザインしてもらいました。
4Gamer:
では,ノセノセというアイデアはどこから生まれて来たのでしょうか。
千葉氏:
魔導アーマーに二頭身のキャラクターが乗っているという絵があったのですが,そのキャラクターの頭上に,泉沢がほかのキャラクターを落書きしていたのがそもそものきっかけです。それを見て「このままシステムにしたらどうだろう」と考えた結果,できあがったのがノセノセなんです。
4Gamer:
落書きから生まれたんですか? ……ゲームのアイデアは,どこに転がっているか分からないものですね。
ファンのために作られた,新しいFF世界
4Gamer:
本作の世界観やストーリーについても聞かせてください。先日公開されたPVでは,「クラウド」や「ウォーリア・オブ・ライト 」の姿が確認できましたが,本作はパラレルワールド的な世界なのでしょうか。
千葉氏:
パラレルワールドというよりも,まったく新しい別の世界というのが正しいです。舞台となる「グリモワル」には,FFのキャラクター達がプリメロとして暮らしているのです。
4Gamer:
ゲーム自体は,ストーリー主導のリニア形式で進むのですか?
千葉氏:
はい。基本的には,FF10以前のプレイスタイルをベースにおいているので,昔のFFのような感覚で,ストーリーを進めるたびに世界が広がっていきます。
4Gamer:
歴代のFF作品には,相当な数のモンスターが存在していますが,本作にはどれくらいのモンスターが登場するのでしょうか。
千葉氏:
できるだけ入れたいと思って開発を進めているのですが,ゲームバランス的に見ても,初期の「ドラゴンクエストモンスターズ」くらいの数は最低限必要だと考えています。あとはどれだけ時間がかけられるかという,スタッフ達の戦い方次第です(笑)。
4Gamer:
詰められるだけ詰め込んでやると(笑)。では,音楽はどうでしょうか。FFといえばBGMも欠かせない要素の1つだと思うのですが。
千葉氏:
今回公開したPVは,浜渦(正志氏)に頼んで作ってもらいました。本作用に新たな楽曲を作るのと同時に,既存曲のアレンジ監修も担当してもらっています。やっぱりチョコボに乗った時にはチョコボのテーマ曲がほしいですし,ファンファーレのイメージもなるべく崩したくないですから。ギルガメッシュが出てきたら「ビッグブリッヂの死闘」が流れてほしいですよね?
4Gamer:
もちろん!
千葉氏:
そんな感じで,シリーズファンに喜んでもらえるエッセンスとして,既存のBGMも入れていきたいと思っています。
4Gamer:
最初にWORLD OF FINAL FANTASYというタイトルを聞いたときは,随分と大きく出たなと思ってしまいましたが,そういうコンセプトがあったのですね。
千葉氏:
ナンバリング作品と顔を並べられるような,ボリュームのある作品になるよう開発に取り組んでいますので,ぜひ期待していただければと。
4Gamer:
実際に手にとって遊べる日が待ち遠しいです。本日はありがとうございました。
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(C)2016 SQUARE ENIX CO., LTD. All Rights Reserved. CHARACTER DESIGN:TETSUYA NOMURA/YASUHISA IZUMISAWA
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