プレイレポート
「Fallout」シリーズと世界観を共有するスマホ向けSLG「Fallout Shelter」のプレイレポートをお届け。核シェルターの監督官になり健全な施設運営を目指そう
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本作でのプレイヤーは,ウェイストランドと呼ばれる地に設けられた核シェルター「Vault」の監督官として,住人達を生存/繁栄させるために尽力することになる。
ゲームを始める際,まずはプレイヤーが管理するVaultにナンバーを割り振ることになる。ほかのゲームでいえば,街やキャラクターに名前をつけるようなものと考えるといい。
ちなみにFalloutシリーズ本編でも,ゲーム世界の各地にVaultが設置されており,それぞれに番号が付けられ管理されている。「Fallout 3」(PC / PlayStation 3 / Xbox 360)で,「Vault 101」を巣立った主人公が外の世界を冒険するという物語が描かれていたように,Vaultのナンバーはシリーズを語るうえで欠かせない要素になっているのだ。
Vaultの管理は多忙の一言に尽きる
命に関わる電力/食糧/水の確保を最優先すべし
Vaultの運営でとくに重要になるのが,画面上部に表示される電力(POWER),食糧(FOOD),水(WATER)という3つのパラメータだ。これらは時間経過によって減少していき,電力が不足すると施設を稼働できず,食糧や水が不足すると住人達の体力や幸福度が下がってしまう。
そういった事態を防ぐために,「POWER GENERATOR」「DINER」「WATER TREATMENT」と呼ばれる施設が必要になる。これらは一定時間ごとに電力,食糧,水を生み出し,資源(RESOURCE)として確保できるようになるのだ。建設方法は簡単で,画面右上にあるハンマーのアイコンをタップして,設置したい場所を選ぶだけでOK。もちろんタダではなく,キャップ(お金)が必要なので,よく考えてから実行しよう。
なお,追加でキャップを支払うことで施設をアップグレードできるほか,同じレベルの施設を隣接させることで最大3フロアに拡張できる。通常の施設は定員が2人までとなるが,2フロアなら4人,3フロアなら6人の住人を配置できる。
筆者が試した限りでは,1フロアの施設を別々に作るよりも,2フロア分の施設を1つ作ったほうが圧倒的に効率が良かった。ただしフロアを拡張しても,人員が少ないままだと資源を生産するのに時間がかかってしまうので,なるべく定員を満たすことを心がけよう。
ちなみに住人達には,「Strength」「Perception」「Endurance」「Charisma」「Intelligence」「Agility」「Luck」の頭文字をとって「S.P.E.C.I.A.L」と呼ばれるパラメータが設定されている。POWER GENERATORならS,DINERならAといった具合に,施設にもこれら7つのアルファベットのうち,1つが割り当てられているので,可能な限り適材適所を心がけよう。仕事を割り振るには,住人をドラッグして任意の施設まで持って行き指を離せばいい。施設上にドラッグすると,その住人を配置することでどの程度効果が上がるのかが数字で表示されるので参考にするといい。
人手が足りないなら子供を作ればいいじゃない
ぶっ飛んだカップリングシステムに注目
ゲーム序盤は次々と移住希望者がやって来るが,12人を超えたあたりでパッタリと来なくなってしまう。住人が増えなければVaultの拡張もままならない。そこで出番になるのがズバリ「住人達をカップリングして子供を産ませる」システムだ。
ゲーム開始時から建設可能な施設の中に,「LIVING QUARTERS」と呼ばれる居住スペースがある。これを設置後,男女をペアで配置しておけば,そのうち“愛の営み”が行われ,女性が妊娠するのだ。妊婦は数時間が経過すると出産し,住人が一人増えるというわけ。もちろん,産まれた子供はいずれ成人し,貴重な労働力になってくれる。
LIVING QUARTERSではC(Charisma)の適正が求められる。居住スペースはVaultの最大収容人数にも関わる大切な施設なのだ |
Falloutの世界では妊婦も労働力として機能させられる。物資も労働力も足りない世界とはいえ,あまりに過酷だ |
このシステムには,シリーズ本編で悪逆非道の限りを尽くしてきた筆者も軽く驚かされたが,さらに衝撃的なのが,本作には婚姻制度と呼べそうなものがない点だ。つまり,一組の男女が子供を作ったら,男性の元に別の女性をあてがい……なんてこともできるのだ。この無秩序っぷりに唖然とさせられる人もいるだろうが,このカオスこそが「Fallout」シリーズ最大の魅力であり,シリーズファンが求めている(?)要素なのではないだろうか。
資金や資源不足に,ならず者の襲撃などトラブルは盛りだくさん
生きるというのはこんなにも難しい
施設を建設したり,アップグレードしたりするために必要なキャップは利用価値の高いリソースだが,後先考えずに使ってしまうとすぐに底をついてしまうだろう。いくつか金策があるので,以下にそれを紹介したい。
■住人をレベルアップさせる
住人にはそれぞれレベルがあり,仕事で得られる経験値が一定値に到達するとレベルアップする。このときに,わずかながらキャップを獲得できる。ちなみに,シェルター内で産まれた子供はレベル1なので,成人したら施設に配置して,どんどんレベルを上げていこう。
■RUSHを成功させて報酬を得る
POWER GENERATORやDINERといった一部施設では「RUSH」というコマンドを利用できる。通常は一定時間待たなければ資源が生産されないが,RUSHを成功させるとすぐに資源を獲得でき,経験値やキャップも得られる。ただし,「INCIDENT」という項目のパーセンテージが高いほど失敗しやすくなる点に注意してほしい。失敗するとトラブルが発生し,住人の幸福度が下がってしまうことがある。
■ウェイストランドを探検させる
Vaultの住人を外界にドラッグすると,探検に向かわせることができる。この最中にキャップを発見することがあるのだが,外界ではクリーチャーや危険人物と遭遇することもあるので,武器や防具を与えたり,スティムパック(回復アイテム)を持たせたりと,十分に準備してから向かわせたい。なお,いつでも帰還命令を出せるが,Vaultに戻ってくるには多少の時間を要する。
上記以外にも,探索などで入手できる装備品を売却したり,目標を達成したときに報酬として得たり,有料アイテム「ランチボックス」からランダムで入手したりと,キャップを稼ぐ方法はいくつもある。いろいろ試してみよう。
レイダーはいかにもワルそうな世紀末ルックをしている。彼らとのバトルはオートなので,プレイヤーがすべきことは武装した住人を送り込むことぐらいだ |
ラッドローチは外からではなく,施設の床を破って侵入してくる。レイダーよりは弱いが数が多く厄介 |
問題発生中は資源の生産がストップしてしまうため,できる限り早急に対応したいところ。襲撃者には,銃火器を装備した住人や,腕っ節の強い(Strengthが高い)住人が力を発揮してくれるので,敵の元に派遣してやるといい。なお,Vaultの出入り口に住人を配置しておけば,レイダーと真っ先に戦ってくれる。手持ちぶさたな住人がいるなら門番として活用しよう。
火事の場合は延焼する危険性があるので,火元に住人を送り込み,消火作業の人手を増やし鎮火に努めたほうがいい。
ファンにはたまらない要素も満載
最新作までの繋ぎとしては十二分のボリューム
Vaultの監督官として住人の生活をコントロールする楽しさを味わえる本作。登場する住人がVault-Boy風のデザインだったり,探検中のログに「フェラル・グール」「ヤオ・グアイ」などクリーチャーの名前が表示されたり,ランチボックスで「モイラ」「スリードッグ」といった「Fallout 3」でおなじみのキャラクターを獲得できたりと,本編を遊んだことがある人なら,思わずニヤリとしてしまう要素が盛りだくさんだ。
もちろん,運営シミュレーションゲームとしても堅実な作りになっているので,Falloutシリーズに対する知識がなくても十分楽しめる。これをきっかけに本編を楽しんでみるのもいいだろうし,2015年冬に日本語版が発売予定の「Fallout 4」(PC / PlayStaiton 4 / Xbox One)のつなぎとして遊んでみてもいいだろう。今後はバージョンアップも行われるようなので,こちらの内容にも期待したいところだ。
それでは皆様,核の脅威にも十分に耐えうる安心安全なVault-Tecの地下シェルターで,ご家族と素敵な未来をお過ごしください!
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