インタビュー
[TGS 2015]「アルスラーン戦記×無双」プロデューサーの中臺重人氏にインタビュー。発売を目前に控える現在の心境やこれまでの歩みを聞いた
4Gamer:
本日はよろしくお願いします。
まずは,発売を目前に控えた現在の心境をお願いします。
実は,ギリギリまで不具合などがあったのですが,最終的にはしっかりとすべて解消して,マスターを出せましたので,今はホッとしているところです。会場に出展している試遊台にも,多くの方に足を運んでいただけているようで,その点でも安心しています。
4Gamer:
「アルスラーン戦記×無双」の開発が本格的にスタートしたのは,いつ頃だったのでしょうか。
中臺氏:
本格的ということになると,今年に入ってからですね。1月にスタッフの数が一気に増えて,具体的な作業が始まりました。もちろん,その以前から長い期間にわたって,企画を練る段階はありました。
4Gamer:
実質,約8か月といったところですか。PlayStation 4のタイトルとしては,ハイペースなほうですね。
中臺氏:
そう思います(笑)。その点につきましては,アニメ版「アルスラーン戦記」の制作会社や制作委員会の皆さんに,多大な協力をいただきまして,ようやくここまでこぎつけたという感じですね。
4Gamer:
以前のインタビューで,ゲームではアニメ版の第一話から最終話(※)に至るまで,すべてカバーしているとお聞きしました。これに加えて,さらにエピソードが収録されるそうですが,それはどのような内容なのでしょうか。
※9月27日に放映予定。ただし,地域によって異なる。
中臺氏:
アニメ版では描かれなかった原作や漫画版のエピソードが存在しますので,それらを拾い上げ,ゲームなりに肉付けをして,「外伝シナリオ」という形で用意しています。
「アルスラーン戦記×無双」は,アニメとしっかりとコラボすることをコンセプトにした作品です。そのため,ゲーム独自のシナリオ展開というのはありません。
4Gamer:
あくまでも,アニメ版との統一感を大事にされたというわけですね。
中臺氏:
今回のコラボが決まったときから,アニメ版をご覧になっているファンの方に楽しんでもらえるゲームでなければダメだと考えていました。ですから,「アニメを追体験」というキャッチコピーも使っています。アニメ版の素材をそのまま使っているのも,そのためです。
4Gamer:
本作は,無双シリーズの新作という位置付けではありますが,トゥーンシェーディングを採用したアニメ調のグラフィックスにより,かなり従来作との印象が異なります。こうした表現手法については,以前から研究されていたのでしょうか。
これまでに弊社でも,アニメ調の表現を採り入れたタイトルというのはありましたが,それぞれのチーム独自で開発したエンジンを使っていました。しかし,今回の「アルスラーン戦記×無双」を機に,将来的にもこのような表現手法が必要になると考え,どのチームのタイトルであっても同じように使えるように,表現のレベルを一段階高めています。
「アルスラーン戦記」ならではの表現としては,トゥーンシェーディングだけでなく,影や輪郭線といったところも重視しています。弊社が持っていた従来の表現にプラスαをして,現在の形になったということです。
4Gamer:
なるほど。やはり,トゥーンシェーディングの採用は大きな挑戦だったと思うのですが,実際に「これはイケる」と手応えを感じたのはいつ頃でしたか。
中臺氏:
実は,現在のような画が出てきたのは,結構遅くて,4月頃だったでしょうか。そのあたりまでは「どうしようか」と考えていたんです。
4Gamer:
とはいえ,現在の表現を見ている立場からすると,トゥーンシェーディングなしには成立しなかったようにも思えます。
中臺氏:
そうですね。「一度,これでいこう」と決めてしまえば,もう退けないという思いがありました。ですが,チームのスタッフはそれぞれが強い責任感を持っていて,さらに「できます」という自信もみなぎらせていましたので,それを信じて任せることにしました。
4Gamer:
それでは,以前のインタビューでは時期尚早ということで,お答えいただけなかった質問がありますので,あらためてお聞きします。プレイアブルキャラクターは何体収録されているのでしょうか。
中臺氏:
今回はちゃんとお答えできます(笑)。「アルスラーン戦記×無双」のプレイアブルキャラクターは全部で15体。そのうち,アルスラーンの敵勢力に属するのは,ヒルメスとザンデの2体です。本編を進めていくことで,新たなキャラクターが追加されるようになっています。
4Gamer:
かなりボリュームがありそうですね。「オンラインモード」の内容についても説明をお願いします。
中臺氏:
オンラインでは,2人協力プレイが楽しめます。上手なプレイヤーの方が,初心者に手助けをして,ステージクリアに導くといったことができます。
さらにPS4版専用となりますが,ハードに搭載されているシェア機能による「ソーシャルフィードバックコマンド」に対応しています。ゲームプレイの映像をストリーミング配信し,視聴者に応援のコメントをもらうことで,キャラクターが強くなるというものですね。
4Gamer:
分かりました。それでは話題を変えまして,この会場に出展している試遊台についてお尋ねします。ここでは,どのような内容が遊べるのでしょうか。
中臺氏:
今回は「アルスラーン戦記」の物語が大きく動き出す「アトロパテネの会戦」が舞台のステージです。非常にマップが広大で,これまでの無双シリーズにはなかった新アクション「マルダーンラッシュ」を体験していただけるようになっています。
来場される方には,広い荒野を騎兵の大軍勢を率いて,駆けずり回ってもらいたいと思っています。
4Gamer:
先ほど試遊させていただきましたが,従来の無双シリーズを超えるスケールの大きなアクションですね。爽快感も抜群でした。
中臺氏:
ありがとうございます(笑)。それに対比する形になりますが,個のアクションも楽しんでいただけます。つまり,無双らしい「一騎当千」のアクションですね。
最初,大軍勢で戦うアルスラーン編を進めていくと,途中からダリューン編に切り替わり,個の戦いを遊んでもらえるという流れになっています。
4Gamer:
「アルスラーン戦記×無双」らしさと,無双シリーズらしさのどちらもが楽しめる内容になっているんですね。
中臺氏:
そのとおりです。製品版とはちょっと異なる,東京ゲームショウの会場でしか味わえないバージョンなので,ぜひ遊んでほしいです。
4Gamer:
最後になりますが,発売を待っている4Gamer読者に一言お願いできますか。
中臺氏:
「アルスラーン戦記×無双」は,コアな無双ファンの方に満足していただける“一騎当千感”はもちろん,新アクション「マルダーンラッシュ」も極めて爽快に仕上がっています。ライトユーザーからコアユーザーまで楽しめる作品になっていますので,新たな無双に触れていただきたいと思っています。
4Gamer:
ありがとうございました。
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(C)2015 荒川弘・田中芳樹・講談社/「アルスラーン戦記」製作委員会・MBS
(C)2015 コーエーテクモゲームス
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