プレイレポート
Webブラウザでできる横スクロールアクション「三国戦紀WEB」とはどんなゲームか。台湾IGS本社に行っていろいろ聞いてきた
最近では日本以外でアーケードゲームの開発を行っている企業はほとんどないのだが,実はそのうちの一社がIGSである。PS4版の三国戦紀ももとはアーケードゲームであり,アーケードゲームでは「ジグゾーワールド アリーナ」「怒首領蜂II」などで日本市場にも進出したことがある。
5月15日には,ライオンズフィルムによって三国戦紀のブラウザ版となる「三国戦紀WEB」の日本サービスが発表された(関連記事)。同社のオンラインゲームの日本進出については,以前からその意向はあったようだが,実際にサービスが決まったのは今回が初となる。
三国戦紀WEBとはどんなゲームか
プレイヤーが選択できるキャラクターは,趙雲,貂蝉,孔明,黄芸,関羽,張飛の6種類だ。イラストを見る限り,少なくとも2キャラクターは追加されそうな気配ではある。ちなみに,黄芸というのはオリジナルキャラクターなので三国志に登場する人物ではない。
趙雲は槍を使い,中短距離に強い,初心者にも扱いやすいキャラとなっているという。貂蝉は,両手にダガーを持ち,近距離で爆発的な攻撃力を発揮するが,上級者向けのキャラという設定だ。孔明は奇門遁甲に通じた軍師という設定で,遠距離広範囲の攻撃を得意とし,初心者にも扱いやすいキャラとのこと。黄芸は弓を使うが遠距離と近距離をともにこなすキャラのようだ。攻撃のノックバック効果が強く,上級者向けのキャラクターである。関羽はオールレンジで隙なく戦える初心者にもお勧めのキャラクター,張飛は非常に強力なダッシュ攻撃を誇るものの使い手を選ぶ上級者向けのキャラだと資料には書いてあるのだが,実は「扱いやすい」と台湾では人気とのこと(結局よく分からない)。
「三国志モノなのに6キャラしか出ないの?」と思う人もいるかもしれない。三国戦紀では,プレイヤーキャラクター以外にAI動作のNPC武将を召喚でき,70人以上の英雄のなかから最大3人のNPCを引き連れてのプレイが可能になっている。パーティプレイ時は4人パーティなので,画面に4キャラクター+敵が登場すると思っておけばいいだろう。
キャラクターによって,「縦攻撃に強い」「横に攻撃できる」などの特徴があり,組み合わせを考えながらチームを組んでステージを攻略していくことになる。現時点で200以上のマップが実装されているとのこと。
ゲームの雰囲気については,ムービーを見てもらうのが早いだろう。
3人のNPCを率いて迫りくる敵を迎撃しているのが分かるだろう。ステージ終了後に別のマップに移っていたのが確認できると思うが,これは「密室」と呼ばれるもので,ステージ中に「50連撃」などの目標をクリアした際に現れるボーナスステージだ。
日本展開に当たっては,ゲーム内のボイス量を拡大し,ゲームコントローラに対応するなどの改善が行われている。システム的にも,課金した額によって特典のつくVIPシステムは廃止し,新たにガチャを導入する,オート機能は外すなど,日本市場に合わせた変更が加えられたという。今後は,日本版に日本オリジナルのプレイヤーキャラクターを追加する予定もあるようだ。
IGS社内フォトレポート
では,IGS訪問の際に撮影した各種施設を写真を中心に紹介していきたい。写真撮影ができないところもあったので,そこは文章でカバーしつついってみよう。
社屋の1階部分は工場になっており,実際にアーケードゲーム基板などが作られていた。写真撮影はできなかったので文章で説明するが,厳重に閉じられた扉の向こうでは基板のアセンブルやテストなどが行われていた。
倉庫は完全にロボット化されており,上下左右に動くアームが指定したコンテナを自動で取ってくるシステムだったのだが,組み立て部門の各机には半田ごての煙を排出するダクトが配備されており,製造工程自体は手作業が中心のようだった。ゲームセンター自体が台湾で2000店ほどとのことなので,そこまで大量に生産することもないのだろう。そのほか,長時間動作テストや入力配線など動作チェックを行う部署もあった。PC用マザーボードのもっと大掛かりな生産ラインを見たことはあるのだが,そういうオートメーション化されたライン以外で,手作業では取り付けできないBGAパッケージを取り外しする機械を見たのは初めてだった。
製造されている基板を見ると,基板上にSSDモジュールが載っているところを除けば,PC用のマザーボードとほとんど変わらない感じだ。動作している状態を見てもPC用の電源やIOパネルなどなどがそのまま使われていた。ただ,インタフェースとはJAMMAハーネスらしきもので接続されるところがアーケードゲーム機らしい部分といえるだろうか。
設置されていたアーケードゲームは大型筐体のものが多く,特殊なコントローラなどを使ったゲームセンターでないと味わえない楽しみを追求されているようだ。モーションセンサーなど,部分的には日本のアーケードゲームよりも進んだ技術が導入されている気配もある。
実際に売れているものにはそれ以外にギャンブル系のものも多いようで,中国,台湾,イタリアで多くの売り上げをあげているという。「なんでイタリア?」という感じだが,ゲームセンターの設置規制が緩い地域だとかで,ヨーロッパではダントツということのようだった。アーケードゲームメーカーが元気だというのは日本ではちょっとうらやましい状況だ。
「三国戦紀WEB」公式サイト
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