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東京レトロゲームショウ2015:第25回 ホラーRPGの名作「ラプラスの魔」で,名状しがたきものに立ち向かえ!
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印刷2015/10/29 12:00

連載

東京レトロゲームショウ2015:第25回 ホラーRPGの名作「ラプラスの魔」で,名状しがたきものに立ち向かえ!

画像集 No.001のサムネイル画像 / 東京レトロゲームショウ2015:第25回 ホラーRPGの名作「ラプラスの魔」で,名状しがたきものに立ち向かえ!

今週のテーマ:ふんぐるい むぐるうなふ(以下略)

 今回の「東京レトロゲームショウ2015」で紹介する「ラプラスの魔」は,1987年にハミングバードソフトから発売されたホラーRPGだ。ゲームの舞台は1920年代のアメリカ東部。マサチューセッツ州の外れ,ニューカムの街に建つウェザートップ館では奇怪な事件が相次ぎ,呪われた館とウワサされていた。プレイヤーはそんな幽霊屋敷にやって来たゴーストハンターとなり,狂気に満ちた館の謎を探ることになる。

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 探索や謎解きをメインにしたホラーアドベンチャーは数多いが,RPGにおいては何と言ってもファンタジーやSFが主流であり,純粋なホラーをテーマにしたものは珍しい。もしかしたら筆者が知らないだけなのかもしれないが,パッと思いつくのは本作と「スウィートホーム」くらいだ。何かほかに,有名な作品はあったかしら?

ここがニューカムの街。ところで,ラプラスとラブプラスって何となく似てると思いません?
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 そして,ホラーを題材にしたゲームの中でも,とくに人気の高いテーマがH・P・ラヴクラフトによって生み出された「クトゥルー神話」だろう。本作もクトゥルー神話をモチーフとしており,グループSNEの安田 均氏が原作を手掛けている点が見どころの1つ。1994年には続編の「パラケルススの魔剣」が発売されており,こちらも安田氏が原作を務めている。現在はどちらも,D4エンタープライズが運営する「プロジェクトEGG」で配信されているので,ぜひ遊んでみよう。

館の中は3Dダンジョンになっている。もちろんオートマッピングはない
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プロジェクトEGG「ラプラスの魔」(PC-8801版)

(C)2014 グループSNE
(C)2014 D4Enterprise Co.,Ltd. / (C)2014 MSX Licensing Corporation.


 さて,話を戻すと,本作では最大4人のパーティで呪われた館の探索に乗り出すことになるのだが,そこで選べる職業がまず個性的だ。ゲームには,探偵,霊能者,ジャーナリスト,科学者,ディレッタントという5つの職業が登場し,習得できるスキルやステータスなどに差があるので,バランスのいいパーティを組みたいところ。

 ぶっちゃけ,字面からは何ができる職業なのかが想像しにくいが,詳しく書くとキリがないので思い切って省略して,ディレッタントについてのみ補足しておくと,これは要するにアマチュアのオカルト研究家のこと。豊富な知識を生かした情報収集や,後述する精神力の回復などを得意としている。

初期ステータスにボーナスポイントを割り振ってキャラメイクする。この時に年齢を進めると,ランダムでステータスが上がったり下がったり,スキルを覚えたりするが,高齢になりすぎると冒険に出かける前にぽっくり死んでしまう。うへえ
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 いざパーティを組んで館に乗り込むと,背後で扉が閉まり,外に出られなくなってしまう。そこで,まずは館から脱出する方法を探らなければならないという,ホラーものではおなじみの展開が待っている。
 館の中にはさまざまなモンスターが徘徊しているが,注意すべき点はモンスターをいくら倒してもお金が手に入らないというところ。お金はモンスターの写真を撮って,街で売ることで入手できるので,写真撮影が得意なジャーナリストは必ずパーティに加えておこう。

扉を開く方法を見つけない限り,街に戻れない。まずは館を探索して手がかりを探そう
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 戦闘時には体力(HP)だけでなく精神力(MP)のパラメータにも気を配る必要がある。本作には,物理攻撃と精神攻撃の2種類の攻撃方法があり,前者の攻撃を受けるとHPが,後者だとMPが減少する。HPがゼロになったキャラクターは当然ながら死亡するが,MPが尽きた場合は発狂し,操作不能になってしまう。まあ,クトゥルー的にはよくある話だ。窓に! 窓に!

序盤の強敵,グール。体力が高いうえに,精神攻撃まで繰り出してくる
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 職業別に見てみると,例えば探偵はHPが高く,物理攻撃に長けているので頼りになるが,意外と豆腐メンタルなのかMPは少なく,精神攻撃が弱点。また,敵の中には精神攻撃でしか倒せないものも存在するので,それを得意とする霊能者や,機械を使って精神攻撃できる科学者も,ぜひパーティに入れておきたい。いったい,どんな機械だろう?

モンスターと遭遇したら忘れずに撮影しよう。うーん,ちょっと表情が硬いかなー。骨だけに
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 このほかにも,本作にはさまざまな面白い要素があり,必ずしも敵を倒さなくても経験値が手に入るというのもその1つ。館の中の罠を解除したり,戦闘中にモンスターを撮影したり,降伏してきた敵を尋問したり,極端な話,戦わずに逃げてしまったりしても経験値がもらえる。ちなみに,戦闘から逃亡した場合,フロア内のランダムの場所に移動してしまうのだが,よほど必死に逃げたに違いないと思うと,何だか同情してしまう。分かるわー,その気持ち。

敵と出会っても,ただ戦うばかりではない。交渉に成功すると,情報が得られることも
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 本作では,ただ単に敵が強いだけでなく,謎解きも難しく,全体的なゲーム難度はかなり高い。適当に作ったパーティで館をうろうろしていると,あっという間に全滅してしまうこと間違いなしだ。しかし,不気味な館の謎を1つずつ解き明かしながら探索していくホラーな雰囲気は抜群で,世界観と絶妙にマッチしたゲームシステムも見事。
 ゲームの後半は館を離れ,さらに手ごわいダンジョンが待ち構えているので,ぜひじっくりと腰を据えてチャレンジしてほしい。オススメです。

あちこちでアドベンチャーゲーム的な調査パートがある。館の謎を解き明かすのだ
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プロジェクトEGG「ラプラスの魔」(PC-8801版)

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