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日本一ソフトウェアの人気タイトルの楽曲がお披露目された「魔女と百騎兵コンサート 魔女たちの幻奏夜会」をレポート
コンサート本編は「魔女と百騎兵」シリーズの楽曲に始まり,「ルフランの地下迷宮と魔女ノ旅団」「ディスガイア」シリーズの演奏を経て,再び「魔女と百騎兵」シリーズに回帰するという構成。弦楽四重奏とアコースティックギター,ピアノ,そしてアコーディオンが各タイトルの持つ妖しさや切なさ,壮大さやコミカルな部分を再現していった。
●「魔女と百騎兵コンサート 魔女たちの幻奏夜会」
<出演> ※敬称略
QUARTET PAPAS(1st Violin:粟津 惇,2nd Violin:青山英里香,Viola:武田麻耶,Cello:奥村 景)
Guitar:太田光宏
Piano:鶴田もこ
Accordion:大塚雄一
Percussion:渡辺庸介
セットリスト
<第一部>
「魔女と百騎兵」シリーズより
1.Chelka
2.Magical House〜ウィッチカクテル
3.Moon Wars
4.Regret
「ルフランの地下迷宮と魔女ノ旅団」より
5.Draw Near
6.Green Blood
7.A the ha lluri da
<第二部>
「魔界戦記ディスガイア」シリーズより
8.ラハール様の賛美歌
9.Lieze Lullaby
10.Sparkling
11.カナリア航海
「魔女と百騎兵」シリーズより
12.百輪の薔薇
13.Romantica
14.Say Good-by
<アンコール>
「魔女と百騎兵」シリーズより
15.マギアージュ
演奏の合間には,日本一ソフトウェアの代表取締役社長を務める新川宗平氏と,同社ゲームタイトルの楽曲を手がける佐藤天平氏が登壇し,今回のコンサートにまつわるトークを披露した。
新川氏は,今回のコンサートで演奏された楽曲について「ゲームの中では何度も聴いていますが,新たなアレンジを施され,また生の音で聴けるということで,やっぱり新鮮です」と感想を述べていた。
また佐藤氏は,「魔女と百騎兵」シリーズの楽曲について,“何でもあり”の世界観を持つ「ディスガイア」シリーズと比較すると,凝縮した内容になるよう心がけているとし,具体的には民族音楽調で官能的なサウンドメイキングをしていると説明。
さらに佐藤氏は,そうした音楽をコンサートで再現するには優秀な演奏者が必要だとし,バンドマスター兼アレンジャーを務めたギタリストの太田光宏さんとは,綿密な打ち合わせを行ったという。
その発言を受けた太田さんは,「『魔女と百騎兵』だけのコンサートであれば,民族音楽専門の演奏者を選べばよかった。でも今回は『ディスガイア』も『ルフラン』もあるので,クラシカルな美しさも求められます。それを両立させる演奏者はいるだろうかとかなり悩みました」とコメント。その結果,クラシックだけでなくさまざまなジャンルの演奏を手がける弦楽四重奏ユニットのQUARTET PAPASに声をかけたそうだ。
もちろん,ほかの演奏者も同じように太田さんがチョイスしたわけだが,佐藤氏は「最初のリハーサルで演奏者の皆さんが集まって『ドンッ!』と音が出た瞬間,このコンサートは絶対成功すると確信しました」と語っていた。
話題は,新川氏が初めて佐藤氏に楽曲の制作を依頼した当時のことにもおよんだ。その頃の日本一ソフトウェアはPlayStation向けにパズルや麻雀などのゲームを開発していたのだが,新川氏によるとセールスは奮わなかったという。そんな中,1998年12月にミュージカルをモチーフとしたPlayStation用RPG「マール王国の人形姫」がリリースされたことにより,同社は転機を迎えるのだが,新川氏は1998年9月までに楽曲のデモが一つしかなく,開発現場は大ピンチだったことを明かした。
そこで白羽の矢が立ったのが,舞台やミュージカルの音楽を手がけていた佐藤氏である。佐藤氏は「よくぞ見つけてくださった!」と思ったそうで,新川氏との最初の打ち合わせを終えたあとは,早く作曲に取りかかりたくて飛び跳ねるように帰宅したと話す。
また「ディスガイア」シリーズの楽曲が演奏される前には,新川氏がシリーズのそもそもの始まりについて言及。その当時は,どんなゲームが求められているのか皆目見当もつかない状態に陥っていたとのことで,「どうせ分からないなら好きなものを作ろう」「魔界を舞台にすればなら“何でもあり”が許されるだろう」と,新川氏を含めた3人のスタッフが“魔界”というテーマだけを決めて各々勝手に企画を進めていったという。そして各企画がある程度進んだところで,1つにまとめてみたところ,なぜかうまくいってしまったのがシリーズ1作めの「魔界戦記ディスガイア」だったそうだ。
それ以来,14年以上続くシリーズの発端とは思えない破天荒なエピソードではあるが,「『ディスガイア』は自由奔放なので,作曲もすごく楽しかったです」と佐藤氏がコメントすると,新川氏も「当時は本当に楽しかったですね」と同意していた。
コンサートの終盤では,新川氏が今回の演奏について「今日だけのためにアレンジされた曲を聴けるのは,非常に贅沢」とあらためて感想を述べ,「ぜひほかの曲もこういったアレンジで聴きたい。さらに夜空の下でワインを楽しみながら,なんてことができると,皆さんともっと楽しい時間を共有できるのでは」と展望を語った。
そして佐藤氏による「やはり今日は『魔女と百騎兵』の催しですから」という紹介のもと,アンコールにて「魔女と百騎兵」を象徴する曲として「マギアージュ」が演奏され,コンサートは幕を閉じた。
「魔女と百騎兵2」公式サイト
- 関連タイトル:
魔女と百騎兵2
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