テストレポート
HW短評:Tul「AXR9 390X 8GBD5-ADHE」(2)3DベンチマークでR9 390Xの性能を探る
→短評(1)
そのテスト環境は表のとおりだ。ただし,AXR9 390X 8GBD5-ADHEはメーカーレベルのクロックアップモデルであるため,今回はカード定格の動作クロックに加えて,MSI製のオーバークロックツール「Afterburner」(Version 4.1.1)を用いて,動作クロックをリファレンスレベルにまで落とした状態(以下,R9 390 ref.)でのテストも実施することにした。比較対象としては,事実上の“リネーム元”である「Radeon R9 290X」(以下,R9 290X)のリファレンスカードも加えている。
カード側の背面は補強用兼放熱用と思われる金属板で覆われていた |
外部出力インタフェースはDisplayPort |
というわけでテスト結果はグラフ1〜5のとおりだ。R9 390X ref.のスコアはR9 290X比で8〜12%程度高い。さらに,AXR9 390X 8GBD5-ADHEはR9 390X ref.から最大でスコアを約4%伸ばしており,クロックアップの効果自体も確認できている。
消費電力の計測結果はグラフ6にまとめたが,アイドル時,各アプリケーション実行時ともに,AXR9 390X 8GBD5-ADHEのそれはR9 290Xよりかなり高い。クロックアップ引き上げの代償は相応に高価というわけである。
というわけで,R9 390Xは,消費電力の増大と引き替えに,性能面では確実に進歩したGPUとまとめられるだろう。AXR9 390X 8GBD5-ADHEに関し,短評第1回のテスト結果も踏まえて述べるならば,取り回し面では弱点のあるハイブリッドクーラーをあえて採用することで,GPU温度や静音性の点で,R9 390Xを扱いやすくした製品と言うことができそうだ。
ざっくり8万円前後という実勢価格(※2015年9月24日現在)は悩ましいが……。
AXR9 390X 8GBD5-ADHEをAmazon.co.jpで購入する(Amazonアソシエイト)
PowerColor公式Webサイト
※HW短評に関する注意
- HW短評(ハードウェア短評)は,各執筆者が,テスト経過時点でのインプレッションをまとめたものです。最終的な評価の掲載を目的とするわけではないため,次回以降のHW短評,もしくは別途掲載されるレビュー記事などとは異なる評価が掲載されることもあります
- HW短評について,お気づきの点や,「こんな追加テストをしてほしい」という要望があれば,問い合わせフォームの「記事について(掲載情報の間違いや修正依頼など)」からお伝えいただければ幸いです。ただし,ご要望にお応えできない場合もありますので,この点はご容赦ください
- 関連タイトル:
Radeon R9 300
- この記事のURL: