イベント
「Star Wars バトルフロント」の発売迫る! ゲームのまとめと,クリエイティブディレクターへのインタビューをお届け
「Star Wars バトルフロント」公式サイト
映画「スター・ウォーズ」の世界観をテーマにしたゲーム作品は枚挙にいとまがないが,映画の見どころの1つである大規模戦闘にフォーカスした作品としては,2005年にリリースされた「Star Wars Battlefront II」以来,久々の新作となる。しかも,開発するのは「バトルフィールド」シリーズでコアなゲーマーの間で評価の高いDICEであり,同社が開発したゲームエンジン「Frostbite 3」が描き出すハイレベルなグラフィックスと,最大40人のプレイヤーが参加する壮大なバトルが楽しめる新作タイトルとして,老若男女を虜にしそうな気配だ。
12月には最新作「スター・ウォーズ/フォースの覚醒」の劇場公開が予定されていることもあり,世間の「スター・ウォーズ」熱も高まりつつある。1970年〜1980年代に「スター・ウォーズ」を見た世代が,自分の子供達を連れて映画館に行き,さらに子供達と一緒に「Star Wars バトルフロント」へ参戦するというのが,あるべきマニアの姿だろう。
本作は,映画のエピソード4〜6にあたる,いわゆるオリジナル三部作の時代を描いているので,お父さんが「あのマップの“サンドクロウラー”ってのは,ジャワ達がスクラップの再生工場に使っている移動式住居だけど,もともとはシス戦争の時代に持ち込まれた帝国軍の運搬車両だったんだ」などとウンチクを語ると,おそらく子供達の尊敬を一身に集めるはずだ。
……余談が過ぎたが,というわけで,ここではイベントで公開された「Star Wars バトルフロント」の情報をまとめつつ,DICEで本作のクリエイティブディレクターを担当したニクラス・ファグレアス(Niklas Fegraeus)氏へのインタビューを合わせてお届けしたい。
シングルキャンペーンはないが,1人でも楽しめる
ご存じの人も多いとは思うが,本作にはシングルキャンペーンは用意されていない。つまりプレイヤーがルーク・スカイウォーカーやボバ・フェット,あるいは無名の戦士に“なりきって”ストーリーを進めていくようなタイプのゲームではないのだ。
ではマルチプレイ専用なのかというと,必ずしもそうではない。ゲームには「マルチプレイヤー」と「ミッション」の2つが用意されており,このミッションがシングルキャンペーンの代わりになっているのだ。
ミッションを選択すると,さらに「チュートリアル」「バトル」,そして「サバイバル」の3つのセクションが出てくる。これらは(チュートリアルを除いて),オンラインもしくは分割スクリーンを使って,もう1人のプレイヤーとの対戦や,協力プレイが可能だ。それぞれに背景となるストーリーがあるものの,前後のつながりのようなものはなく,どの順番でも好きに遊べる。
「チュートリアル」は,乗り物に特化してゲームの基本操作を学ぶものだ。注目したいのが「Endor’s Chase」というミッションで,プレイヤーはストーム・トルーパーとしてスピーダーバイクに乗り,同じくスピーダーバイクを駆って逃げる反乱同盟軍の兵士達を追うことになる。森の月(Forest Moon)として知られるエンドアの深い森を高速で駆け抜けていくスピード感は非常に爽快で,できれば,ほかのモードでも試してみたいほどだ。
「バトル」は,反乱同盟軍と帝国軍に分かれて戦うミッションで,さまざまなマップでフレンドもしくはAIに操作された敵を相手に戦うことが可能だ。先に100キルしたほうが勝利になるというルールだが,周囲には常に同じ側のAI兵士達が多数いる。1ミッションには10分もかからないという手軽さで,おそらく他人と戦ったほうが楽しいが,ソロプレイもそれなりに面白い。歩兵の使い方に慣れるためのチュートリアルとして活用することもできるだろう。
βテストでも公開されていた「サバイバル」は,製品版ではβテストのように6波ではなく,15波にもわたって攻撃を仕掛けてくる敵勢力と戦うモードになっていた。こちらもAI兵士と共にソロプレイも可能だが,基本はオンラインもしくはスプリットスクリーンでのCo-opとなる。
多彩なマルチプレイモードで遊び込め
「Star Wars バトルフロント」の要は,やはりマルチプレイモードだ。製品版では,オリジナル三部作で描かれていたタトゥイーン,ホス,エンドア,そして映画には登場したことがないサラストという4つの惑星が舞台になる。12月に無料配信される予定のDLC「Battle of Jakku」に収録される砂の惑星ジャクー(「スター・ウォーズ/フォースの覚醒」の舞台)を含めて,5つの惑星から計12種類のマップが用意されるとのこと。
マルチプレイの特徴は,マップに点在する「パワーアップ」を手に入れることで,さまざまなアイテムやビークルが利用できる。「AT-ST」や「オービタル・ストライク」(空爆要請)など,戦況を一転させるようなパワーアップが,ランダムにポップアップするのだ。
このパワーアップの最大の効果が,ヒーロー/ヴィランに変身できることであるのは,βテストをプレイした人ならよくご存じのはず。反乱同盟軍では,「ルーク・スカイウォーカー」「レイア・オーガナ」「ハン・ソロ」,また帝国軍では「ダース・ベイダー」「パルパティーン皇帝」「ボバ・フェット」のいずれかに変身することができる。そんなキャラクターに(運が良ければ)誰でもなれるというのは,本作の大きな魅力だろう。
さらに反乱同盟軍では「ミレニアム・ファルコン」,そして帝国軍では「スレイヴI」がスポーンするパワーアップがあるので,それぞれのパワーを活かし,戦場の主役になろう。
メニューの「マルチプレイヤー」から選択できるゲームモードは,すでに公表されているように9つが用意されている。簡単に紹介してみよう。
スプレマシー |
カーゴ |
ドロイド・ラン |
ウォーカー・アサルト |
ブラスト |
ドロップ・ゾーン |
ファイター・スコードロン |
ヒーロー vs. ヴィラン |
ヒーロー・ハント |
マッチをプレイし終わると,戦闘記録や目標の遂行,各種アワードやボーナスによって経験値が加算されていき,合計された経験値の10分の1が「ポイント」に変換される。このポイントを使って「カード」が購入でき,カード3枚で構成された「ハンド」というデッキを作ることで,グレネードやジェットパックなど,プレイヤーに個性を与えるアイテムが利用できるようになるのだ。
経験値によって,プレイヤーのレベルも上昇し,最大はレベル50となっている。各レベルで,購入できるカードが異なり,また“ブラスター”という呼び名で統一された11種類の武器がアンロックされていくという仕掛けだ。
以上,簡単だが,今回のイベントで分かったことを中心に情報をまとめてみた。続いては,冒頭にも書いたように,本作のクリエイティブディレクター,ニクラス・ファグレアス氏のインタビューをお届けしよう。
ディレクターのニクラス・ファグレアス氏にインタビュー:このゲームにおける最も重要な要素は「バトル」だ
4Gamer:
いよいよ「Star Wars バトルフロント」が発売されるわけですが,今の気持ちを聞かせてください。
ニクラス・ファグレアス氏(以下,ファグレアス氏):
それは緊張していますよ。計画や準備はしっかりしたつもりですが,ちょっとしたきっかけでゲーマーや「スター・ウォーズ」のファンの不興を買ってしまう可能性がありますからね。
4Gamer:
ファグレアスさんの役職は「クリエイティブディレクター」だそうですが,その立場で,「スター・ウォーズ」という,世界で最も有名なIPの1つをゲームにするというのは,どのような体験でしたか。
ファグレアス氏:
“クリエイティブ”という意味からは,すでに確立された世界観を持つ「スター・ウォーズ」をゲームに仕立て上げるのは,大きなチャレンジでした。どんなゲームプレイにするのか,どんなゲームモードを用意するのか,プレイヤーの人数はどれくらいか,レーザー銃を撃った感触はどうすればいいのかといった,さまざまな面で満足できるものにしなければなりませんでした。
4Gamer:
本作には,ストーリーに沿ったキャンペーンがありません。これはなぜでしょう。
ファグレアス氏:
2004年にリリースされた「スター・ウォーズ バトルフロント」同様,このゲームにおける最も重要な要素は「バトル」であり,最新ゲームエンジンを使った壮大な戦場に身を置くことこそが,多くの「スター・ウォーズ」のファンの夢であると判断したからです。
「スター・ウォーズ」の世界には,映画以外にもさまざまなストーリーが生まれており,ファンの皆さんもそれらを楽しんでいることと思います。「Star Wars バトルフロント」を,ファンの皆さんの印象に残るものにするためには何が必要なのかを熟考した結果が,最大40人のバトルになったわけです。
4Gamer:
それをさらに高めているのが,「バトル」や「サバイバル」に用意された豊富なゲームモードなのでしょうね。ところで,本作にはサーバーブラウザ機能もありませんが,その理由を教えてください。
ファグレアス氏:
まず懸念したのが,コアゲーマーだけでなく,「スター・ウォーズ」が大好きだけど,これまでマルチプレイFPSを体験したことがない人達も数多くゲームに参加してくるだろうということでした。
スキルや経験などが大きく違う,多数の人々がアクセスしてくることを想定した場合,自分好みのマッチを選択するといったタイプのブラウザでは,特定のプレイヤーグループが初心者を餌食にしてしまいかねない,偏ったマッチになる可能性が考えられます。より公平なマッチメイキングにするためには,サーバーブラウザ機能は必要ないと判断したのです。
ゲームタイプやマップなどは選べますので,サーバーブラウザ機能がないことは,それほど気にせずプレイできると思いますよ。
4Gamer:
今回のイベントでは,参加者が2日間にわたって総計10時間ほどプレイして,だいたいレベル10から12にレベルアップしたと思います。製品でも,このようなペースになりますか。
ファグレアス氏:
そうですね。うまいプレイヤーとそうでないプレイヤーでは得られる経験値は異なりますが,その前後が想定している範囲です。もちろん,レベルが上がるに従って,経験値を得ることが大変になり,レベルアップのスピードは少しずつ遅くなりますが,そのへんは,ほかのオンラインFPSとあまり違わない調整になっています。
4Gamer:
コントローラに触っていないと,自動的に起動するスクリーンセイバー風の画面がありますね。
ファグレアス氏:
はい。レストモードと呼んでいます。
4Gamer:
そこにC-3POとR2-D2が出ているのを見ましたが,彼らはゲームに登場しますか。
ファグレアス氏:
残念ながらゲーム中には登場しません。イウォークやジャワといった,ゲーム中のNPCのように動き回っているキャラクターはいますが。でも,C-3POとR2-D2の場合は画面に表示されるコミュニケーションウインドウに出てきますよ。
4Gamer:
あっ,そうなんですか。そういえば,ジャワつながりでお聞きするのですが,「Jawa Refuge」というマップがありまして,徒歩で戦う砦のマップと,「ファイター・スコードロン」向けの広大なマップの双方で,同じ名前になっていましたね。
ファグレアス氏:
そうなんです。面白いでしょ。いずれもタトゥイーンをベースにしたマップなんですが,「ファイター・スコードロン」で戦闘機を操縦していると,渓谷の中央に砦が見えたはずです。あれが砦のマップになります。「ファイター・スコードロン」向けのマップでは,その砦をスケールダウンさせたうえで,周囲も描いているというわけなのです。
4Gamer:
それは確かに面白いですね。ところで,ハン・ソロなどのヒーローキャラクターの声は,本人のもののように聞こえましたが,実際にハリソン・フォードさんの声を収録したり,ルーカスフィルムから過去作品の音声データを提供してもらったりしたのですか。
ファグレアス氏:
いえ,あれはそっくりさんに演じてもらっているんです(笑)。ゲームのために本人の声を収録したのは,ボバ・フェットとC-3POだけで,あとは全部そっくりさんなんですよ。
4Gamer:
BGMも,映画では聞いたことのないものもありました。
ファグレアス氏:
ええ。BGMについては,メインテーマなどの一部は,ジョン・ウィリアムス氏による映画オリジナルを提供してもらいましたが,ほかは「Star Wars: The Old Republic」などで我々と一緒に仕事をした作曲家の作品なんです。ウィリアムス氏のスタジオに出入りしている,ゴーディ・ハーブ(Gordy Haab)という人なのですが,彼の作った楽曲も,「スター・ウォーズ」シリーズの雰囲気を最大限に引き出してくれていると思います。
4Gamer:
今後はDLC開発に入っていくのだと思いますが,具体的にはどういう方向性ですか。
ファグレアス氏:
もちろん,いろいろ計画はしていますが,今はようやく本編の開発が終わったところです。発売後にファンの意見を取り入れつつ,彼らが求めているものを提供していこうと思っています。
4Gamer:
新しいマップやヒーローキャラクター,ゲームモードなどでしょうか。
ファグレアス氏:
たぶん,そんな感じでしょうね。
4Gamer:
少し意地悪な質問になりますが,シーズンパスはDLC4本で49.99ドルという,やや割高な設定になっています。そのあたりついては,いかがですか。
ファグレアス氏:
まず,我々DICEは,ほかのタイトルのように1年ではなく1年半という期間,ゲームをサポートしていくことを忘れないでください。
我々としても,価格に見合うだけのコンテンツを作らなければならないというプレッシャーを受けており,ファンの皆さんが本当に欲しがっているコンテンツを提供していくつもりでいます。そのうえで,それらが本当に割高なのか,フェアに判断してもらえればと願っています。
4Gamer:
分かりました。本日はありがとうございました。
「Star Wars バトルフロント」公式サイト
繰り返すが,「Star Wars バトルフロント」の日本での発売は2015年11月19日だ。今回のイベントでは,「スプレマシー」や「ウォーカーアサルト」など,DICEらしい作風の壮大なバトルが体験できたうえに,「ヒーローハント」や「ヒーロー vs. ヴィラン」のようなユニークなゲームモードも楽しめた。詳しいプレイフィールについては,ローンチ前にはお伝えする予定なので,ぜひ楽しみに待っていてほしい。
- 関連タイトル:
Star Wars バトルフロント
- 関連タイトル:
Star Wars バトルフロント
- 関連タイトル:
Star Wars バトルフロント
- この記事のURL:
キーワード
(C)2015 Lucasfilm Ltd. All rights reserved. Underlying technology and game design(C)EA. All rights reserved.
(C)2015 Lucasfilm Ltd. All rights reserved. Underlying technology and game design(C)EA. All rights reserved.
(C)2015 Lucasfilm Ltd. All rights reserved. Underlying technology and game design(C)EA. All rights reserved.