プレイレポート
スクエニの新作タクティカルRPG「HEAVENSTRIKE RIVALS」(ヘブンストライク ライバルズ)はどのようなゲームなのか。先行配信されている海外版のインプレッションを掲載
スクエニの新作という時点で興味をひかれる人も多いだろうが,本作は,シナリオ/世界観監修をベニー松山氏(代表作:小説「隣り合わせの灰と青春」),キャラクターデザインを伊藤龍馬氏(代表作:「ファイナルファンタジー タクティクス アドバンス」)が手がけているというのだから,日本版への期待もグッと高まるというもの。今回,本作の海外版をプレイする機会が得られたので,それをもとに,HEAVENSTRIKE RIVALSの概要や見どころを,日本版の配信に先駆けて紹介しよう。
1ターンは2つのフェーズに大きく分けられている。1つめは,プレイヤーの操作でユニットの配備,配備済みユニットのレーン切り替え(縦方向への移動)などを行うフェーズ。それらを終えて画面右下の“PLAY”ボタンを押すと,味方ユニットの進軍(横方向への移動),目の前の敵への攻撃が自動で行われる。これを両キャプテンが交互に繰り返していく形で,バトルが進行するのだ。
ユニットの主なパラメータは,HP(ヒットポイント)とATK(攻撃力)の2つ。それぞれの数値は基本的に一桁で,たった1度の攻撃でユニットがやられてしまうことも珍しくない。画面写真を見て,シンプルでお手軽なゲーム内容をイメージする人もいるだろうが,実際にプレイすると,そういった印象は一瞬で覆るはずだ。
6種類があるクラスの使い分けが勝利への第一歩
強力なユニットはコストも高いのが悩みどころ
本作のユニットは,すべて6種類の“クラス”に属している。クラスによってHP/ATKの傾向が異なるほか,それぞれクラス専用のスキルを使用可能だ。これらの違いをしっかりと把握することが,常勝への第一歩となる。以下に,クラスごとの特徴をざっくりと紹介しておこう。
- ファイター (HP:★★/ATK:最初は★/移動力:2/攻撃射程:1)
クラススキル「暴怒」:攻撃を行う毎にATKが1ずつ上昇する
配備直後の戦闘力は高くないが,攻撃回数を積み重ねていくと大半のユニットを一撃で葬れるようになる。相手にとっては,そうなる前に確実に仕留めておきたいクラスだ。
- ディフェンダー (HP:★★★/ATK:★/移動力2/攻撃射程:1)
クラススキル「挑発」:攻撃を受けたユニットは2ターンの間,レーンの切り替え(縦方向の移動)が行えない
HPが高いタンク役。その後ろにメイジやプリーストを配置すれば,お互いの持ち味を発揮しやすい。敵ディフェンダーに狙われると,思わぬ足止めをくらうこともある。
- スカウト (HP:★/ATK:★★/移動力:3/攻撃射程:1)
クラススキル「2連撃」:1ターンに2回攻撃できる
スカウトの実質的な攻撃力は,クラススキルによって“ATK×2”の値に近くなる。移動力が3と高いため,敵が配備したばかりのユニットの出鼻をくじくことも得意。全体的に使い勝手の良いアタッカーだ。
- メイジ (HP:★/ATK:★★★/移動力:1/攻撃射程:3)
クラススキル「爆破」:攻撃対象に隣接しているユニットにも半分のダメージを与える
攻撃力は滅法高いが,HPは低く,敵から攻撃を受けると多くの場合即死してしまう。運用するときは,迎撃されずに一方的に攻撃できる状況を考えたい。
- ガンナー (HP:★★/ATK力:★★/移動力:1/攻撃射程:3)
クラススキル「貫通弾」:同じレーン(横方向)にいる敵ユニットに貫通ダメージを与える
攻撃範囲が3マスと広く,敵が横方向に並んでいる状況では大活躍のチャンス。たとえば敵ディフェンダーの後ろにメイジなどが控えていても,ガンナーなら直接狙えるのだ。
- プリースト (HP:★★/攻撃力:★★/移動力:1/攻撃射程:2)
クラススキル「巡回治療」:ターン開始時,仲間のHPを2回復する
ゲーム内で唯一,仲間のHPを回復できるクラス。この回復によって,HPの初期値以上のHPを得られるので,あらゆるユニットとの相性が良いクラスだ。
なお一部のユニットは,クラススキルとは別に“専用スキル”を習得している。専用スキルの効果は,「味方ユニットのATKを+1」「敵ユニットに1のダメージ」「2ターンの間,味方ユニットの被ダメージを2減少」などさまざまな種類があり,うまく使えば強敵とのバトルを有利に進められる。
こういった専用スキルの有無や,HP/ATKの値に応じて,各ユニットにはノーマル/レア/スーパーレア/レジェンダリーの4段階のグレード(レアリティ)に分けられている。
ただし,HP/ATK性能の高いユニットは,配備時により多くのマナが必要となる。マナの蓄積ペースはかなり遅く,バトル中はカツカツになるケースが多いため,マナ消費の高いユニットばかりのデッキ構成では,臨機応変に対応することが難しい。大切なのはデッキ内におけるクラスとマナ消費のバランスなのだ。バトルの結果を踏まえてデッキ構成を最適化していく作業は,本作の醍醐味と言ってもいいだろう。
TCGに近いプレイ感覚と奥深さが魅力
終盤にかけての粘り強い展開がアツい!
HPやATKといったユニットのパラメータは,たとえばノーマルユニットだと1〜6程度で,体感としてはかなり少めに設定されている。プレイ中は,「味方のATKがあと“1”高ければ,あの敵ユニットを倒せるのに……」などといったギリギリの状況に直面することも多い。本作は,その“1”をどうやって捻出するかを悩み抜き,そして一喜一憂するゲームと言えるかもしれない。
掲載したスクリーンショットを見て,国産のシミュレーションRPGをシンプルにしたゲーム内容を連想する人もいるだろう。しかし,ユニット同士の駆け引きの本質は,どちらかというと「Hearthstone: Heroes of Warcraft」や良質のカードゲームに通じるものがある。
そしてもう一つ,本作の面白さの要だと感じたのが,「ユニットが倒されると,その配備時と同量のマナが補充される」というルールだ。このため,押されている側のキャプテンは新たなユニットを配備して対抗しやすく,ワンサイドゲームになりにくいのだ。
しかも対戦相手のデッキ構成は見えないため,そのバトルでどのようなユニットを繰り出してくるかを読み切ることは難しい。ATKが二桁に達したファイターを最深部まで進軍させ,「次のターンでキャプテンを一撃で葬ってやるぜ!」と息巻いていたら,新たな敵ユニットの固有スキルで防御ダウンのデバフ(弱体化)を受けたうえ,新たに配備されたスカウトによって瞬殺された……なんてこともある。勝敗の行方が終盤まで分からないところも,本作をプレイしていて面白い部分だ。
想像以上に奥深いが気軽に遊べる良作
日本版の配信にも期待が高まる
本作の開発作業を手がけたのは,イギリスのMediatonicというゲームメーカーである。Mediatonicが生み出したゲームバランスからは,どちらかというと(当然かもしれないが)洋ゲーの香りがするのだが,一方でグラフィックスやBGM,世界観などは,スクエニお得意の良質な“王道”テイストでまとめられている。本作における協業は,「プレイのハードルは低いが奥は深い」というゲームをリリースできた時点で,すでに成功しているのではないだろうか。
ともあれ本作は,一本の良質なタクティカルRPGとして,ゲーム性を重視するプレイヤーへ声を大にしてオススメできるタイトルである。こちらの記事でもお伝えしたように,現在日本版の事前登録受付が行われているので,興味がわいたという人は忘れないうちに登録を済ませ,日本版の正式リリース(近日配信予定)を楽しみに待とう。
「HEAVENSTRIKE RIVALS」公式サイト
「HEAVENSTRIKE RIVALS」事前登録キャンペーンページ
- 関連タイトル:
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