ミュージック フロム ゲームワールド：Track 230 「新すばらしきこのせかい」「チェルノブ」

Illustration by しなぷう

　今回の連載では，データイーストの異色作「チェルノブ」のサントラを取り上げていますが，思い入れのあるメガドライブ作品のサントラ化は個人的に大歓迎！　今後も通好みなタイトルが続いてくれると嬉しいですね。とくに，「ランドストーカー 〜皇帝の財宝〜」のサントラはずっと待っています！

　ということで，今週の「ミュージック フロム ゲームワールド」は，「新すばらしきこのせかい」のサントラと，アーケード＆メガドライブ版「チェルノブ」の新録サントラの2枚を紹介します。

ほとばしるロックサウンドを体感せよ！

「新すばらしきこのせかい オリジナル・サウンドトラック」

タイトル	新すばらしきこのせかい オリジナル・サウンドトラック	→Amazon.co.jpで購入
発売日	2021年8月4日
価格	3850円（税込）
発売元	スクウェア・エニックス
コピーライト	（C）2021 SQUARE ENIX CO., LTD. All Rights Reserved. CHARACTER DESIGN:TETSUYA NOMURA & GEN KOBAYASHI & MIKI YAMASHITA

　今週の1枚めは，「新すばらしきこのせかい」（PS4 / Switch / PC）の楽曲をCD3枚組に収録した，「新すばらしきこのせかい オリジナル・サウンドトラック」をご紹介。作曲は，音楽面でも高い評価を得た前作「すばらしきこのせかい」に続いて，石元丈晴氏が担当しています。

　DISC1の1曲めは，ゆったりとしたテンポのロックチューン「Wander Around Shibuya」。ファンキーなギタープレイと爽やかなフレーズが交錯する，不思議な魅力を持つ曲です。続く2曲めの「NEW GAME」はハードコアにラップを取り入れるという，THE MAD CAPSULE MARKETSを思い起こさせるミクスチャーロック。4曲めの「Your Ocean」は女性ボーカルをフィーチャーした，エモーショナルなオルタナティブロックとなっています。

　DISC2には，浮遊感のあるサウンドに軽快なラップを取り入れた10曲め「オーパーツ -NEO MIX-」や，アコースティックな演奏に癒される13曲め「peaceful day」といった曲を収録。ハードなロックサウンドだけに留まらない，魅力的な楽曲が並びます。

　DISC3の1曲め「DIVIDE」はミステリアスなメロディで進行するボーカル曲で，本作の人気曲の1つになりそう。そしてラストは澄み渡るような女性ボーカルが清々しいバラードの「LITTLE THINGS」で締めくくりです。

　全編を通して，ほとばしるロックサウンドが炸裂する本作。新規楽曲はもちろん，人気曲の新規アレンジも余さず収録されているので，「すばせか」シリーズのファンはぜひチェックしておきましょう！

「新すばらしきこのせかい」公式サイト

「新すばらしきこのせかい オリジナル・サウンドトラック」公式サイト

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MD版「チェルノブ」が待望の初サントラ化！

「チェルノブ オリジナル・サウンドトラック」

タイトル	チェルノブ オリジナル・サウンドトラック	→Amazon.co.jpで購入
発売日	2021年7月21日
価格	3630円（税込）
発売元	CINEMA-KAN Label
コピーライト	distributed by diskunion （C）PAON DP INC. DATA EAST and DATA EAST logo(s) are trademarks in United States and other countries or registered trademarks in European Union and Japan of G-MODE Corporation.

　今週の2枚めは，データイーストの強制横スクロールアクション「チェルノブ」の楽曲を収録した，「チェルノブ オリジナル・サウンドトラック」をご紹介。サントラには，1988年のアーケード版と，1992年に移植されたメガドライブ版，両方の新録音源が収録されています。

　アーケード版は過去に何度かサントラ化されているものの，メガドライブ版は今回が初めて。「なぜ，今このタイミングで……？」と思わずにいられませんが，邦画やゲームなど，過去の名盤を復刻させるディスクユニオンの「CINEMA-KAN Label」からのリリースということで納得です。

　サントラ前半には，MAROこと吉田博昭氏が手がけたアーケード版「チェルノブ」のBGMを収録。2曲めの「チェルノブ・テーマ」は力強いメロディとベースラインが印象的なテーマ曲です。続く3曲めの「デス・ロック」は淡々としたリズムが緊迫感を生み出すボス曲で，この曲を聴いているとゲームセンターでプレイしていた記憶が蘇ります。

　後半9曲めからはお待ちかね，メガドライブ版「チェルノブ」のBGMを収録。こちらは原曲のアレンジと，追加曲の作曲をKOREMASAこと岩崎正明氏が担当しています。10曲めの「ゾーン1/チェルノブ・テーマ」は原曲と比べてキーやテンポが変わっており，なかなか新鮮です。

　また，「ゾーン2」から続くメガドライブ版オリジナルのステージ曲はエスニックな曲調が目立つのも特徴で，これはメガドライブ版のステージ構成が古代文明の遺跡のような場所がメインに変更されたことの影響と言えそう。初のサントラ化で，これらの楽曲を気軽に繰り返し聴けるようになったのは嬉しい限りです。さらにブックレットには，吉田氏，岩崎氏両名へのインタビューが掲載されているのも見逃せません！

　すでにコアなファンから大きな注目を集めている「CINEMA-KAN Label」。まずはこの「チェルノブ」サントラを楽しみながら，次の復刻リリース作品にも期待しましょう！

CINEMA-KAN Label「チェルノブ オリジナル・サウンドトラック」

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■■風のイオナ■■ マーベルランド産まれのフェアリーランドで育ちで現在はNEO TOKYO在住のフリーライター＆編集者。将来は惑星あくあに移住してサイキックと共存しながら最新ゲームで遊びまくるのが夢。ゲーム＆ゲーム音楽に加えて邦楽インディーロック＆サブカルアイドル追跡，自転車旅行，広島東洋カープの応援などが趣味。地下アイドルグループ，あまりりすのプロデュース＆運営も手掛けています。