ミュージック フロム ゲームワールド：Track 170 「英雄伝説 閃の軌跡IV -THE END OF SAGA-」「レイジングループ」

Illustration by しなぷう

　今回紹介している「レイジングループ」のサントラをきっかけに，遅ればせながらゲームのほうも遊び始めました。感想は面白いの一言……。テキストの魔力にグイグイ引き込まれていきます。これは，アドベンチャーゲーム好きな人ならプレイ必須です。未プレイの人は，この機会にぜひ遊んでみてください。

　ということで，今週の「ミュージック フロム ゲームワールド」では，そんな「レイジングループ」と「英雄伝説 閃の軌跡IV -THE END OF SAGA-」のサントラの2枚をご紹介します！

Falcom jdk BANDのライブで盛り上がりそうな新曲が多数！

「英雄伝説 閃の軌跡IV -THE END OF SAGA- オリジナルサウンドトラック」

タイトル	英雄伝説 閃の軌跡IV -THE END OF SAGA- オリジナルサウンドトラック	→Amazon.co.jpで購入
発売日	2018年12月13日
価格	3400円（税抜）
発売元	日本ファルコム
コピーライト	（C）Nihon Falcom Corp. All rights reserved.

　今週の1枚めは，「閃の軌跡」シリーズ最新作「英雄伝説 閃の軌跡IV -THE END OF SAGA-」の楽曲をCD3枚組に収録した，「英雄伝説 閃の軌跡IV -THE END OF SAGA- オリジナルサウンドトラック」をご紹介。ボーカル曲のほか，Falcom jdk BANDのライブでも盛り上がりそうなギターインストなども網羅した，大ボリュームのサントラです。

　DISC1は主題歌の「明日への軌跡」でスタート。荒ぶるリズムとヘヴィなギターリフが絡む，ズシリと重いハードロックチューン。佐坂めぐみのボーカルが演奏に負けず，強い存在感を発揮している点もポイントです。
　美しいメロディを堪能できる10曲めの「Burning Throb」は個人的な推し曲。ギタープレイが牽引する，クラシカルなメロディラインがたまりません。21曲めとなる「Intuition and Insight」はスウィングを取り入れたジャズテイストの演奏がオシャレ。

　続いてDISC2へ。タイトル画面で流れる2曲め「縁 -つなぐもの-」はしっとりとしたバラードで始まり，後半は破壊的なリズムパートを交えたアレンジへと展開。単調なままで終わらない，インパクトのある曲に仕上がっています。16曲めの「Neck or Nothing」は，オーケストラサウンドの迫力に圧倒されるアグレッシブなナンバー。厚みのあるコーラスとストリングスの演奏が，全方位から迫ってくる感覚に襲われます。

　DISC3の1曲め「幾千万の夜を越えて」は，牧歌的な雰囲気とノスタルジックなメロディが心地よい曲。18曲めの「愛の詩」は末廣優里が歌う，通常エンディングのボーカル曲です。ストレートに愛を歌ったミディアムバラードのラブソングで，感情がダイレクトに伝わってくる情熱的なボーカルが熱い！　ラストを飾る21曲めの「終曲 -Radiant Hope-」は，真のエンディングで流れる曲。エピローグに相応しい，優しいメロディのインスト曲です。

　ファルコムサウンドのクオリティの高さを充分に発揮し，音楽面でもファンの期待にしっかりと応えた「英雄伝説 閃の軌跡IV -THE END OF SAGA-」。このサントラで，「閃の軌跡」シリーズ完結編となる本作の楽曲をじっくりと味わってください！

「英雄伝説 閃の軌跡IV -THE END OF SAGA-」公式サイト

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ケムコの人気アドベンチャーゲームが待望のサントラ化！

「レイジングループ オリジナルサウンドトラック」

タイトル	レイジングループ オリジナルサウンドトラック	→Amazon.co.jpで購入
発売日	2018年12月21日
価格	3000円（税抜）
発売元	SweepRecord
コピーライト	（C）2015-2018 KEMCO （C）2015-2018 dwango

　今週の2枚めは，ケムコのアドベンチャーゲーム「レイジングループ」（PS4 / PS Vita / Nintendo Switch / PC / iOS / Android）の楽曲を収録した，「レイジングループ オリジナルサウンドトラック」を紹介します。2015年にスマホ用ゲームとしてリリースされて好評を博し，2017年に全編フルボイスとなって家庭用ゲーム機やPCへと移植。今回のサントラは，スマホ版のリリースから3年を経て発売された，待ちに待った1枚です。

　作・編曲はSTUDIO CARNAVALの乃々都氏を中心に，amphibian氏やドワンゴも担当。アドベンチャーゲームらしい平穏な日常曲や，不安や絶望を煽る曲，登場キャラの心情や状況を表現する曲など，多彩な楽曲が並びます。
　1曲めは，奏瀬いちこ，稲月琴海，田辺千香子の3人によるユニット，D-LU-PSが歌うオープニング曲「キリノネガイ」。アシッドな雰囲気のドラムンベースで，間奏に挿入されるモノローグも含めて，聴き手をゲームの世界へと誘います。

　2曲めの「平穏」と3曲めの「夕餉の後」は落ち着いた感じの日常曲。まずは様子見といったところですが，4曲めの「心のひび」，5曲めの「惨劇の朝」あたりから不穏な空気が漂い始め，そのまま一気に本作のディープな側面に突入します。
　9曲めの「策謀の宴」はゆったりとしたテンポに不協和音を織り交ぜた，狂気的な曲。12曲めの「禁忌は霧の彼方」は美しいシリンダーオルゴールの音色が，どこか不安にさせるメロディを奏でます。

　サントラ後半に収録された「しんないもうで」は3種類のインストバージョンに加え，独唱や斉唱バージョンも収録。とくに手毬歌風の2つの独唱バージョンはインパクト大です。ラストの「仏舎利ロック」はお経とロックが融合した，「レイジングループ」の名物ソング。しかも，本サントラのために新規録音を行うというこだわりっぷり！

　全体的に雰囲気を重視したBGMが多いので，ぜひゲームをプレイしたうえで楽しみたいところ。ジャケットもサントラ用に描き下ろされた，ファン必携の1枚となっています。

「レイジングループ」公式サイト

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■■風のイオナ■■ マーベルランド産まれのフェアリーランドで育ちで現在はNEO TOKYO在住のフリーライター＆編集者。将来はモタビア星に移住して積みゲーを消化しまくるのが夢。ゲーム＆ゲーム音楽に加えて邦楽インディーロック＆サブカルアイドル追跡，自転車旅行，広島東洋カープの応援などが趣味。地下アイドルグループ，DORCA（ドルカ）のプロデュースと，同じく地下アイドルグループ，遊星ギミックのディレクターもやっています。