ミュージック フロム ゲームワールド：Track 143 「聖剣伝説 25th Anniversary Orchestra Concert CD」「ナムコサウンドミュージアム from X68000」

Illustration by しなぷう

　2018年3月9日に開催される「Music 4Gamer #2『ワンダと巨像』ピアノ＆オーケストラコンサート」を楽しみにしている人も多いのではないでしょうか。4Gamer主催の公演は「聖剣伝説」のオーケストラコンサートも「真・女神転生」のバンドライブも，どちらも素晴らしかったので，期待しないわけにはいきません！

　それでは，今週も「ミュージック フロム ゲームワールド」，始まりですよ。

伝説の一夜が蘇る「聖剣伝説」コンサートアルバム

「聖剣伝説 25th Anniversary Orchestra Concert CD」

タイトル	聖剣伝説 25th Anniversary Orchestra Concert CD	→Amazon.co.jpで購入
発売日	2018年1月24日
価格	3000円（税抜）
発売元	スクウェア・エニックス
コピーライト	（C）2017, 2018 SQUARE ENIX CO., LTD. All Rights Reserved.

　今週の1枚めは，2017年3月に開催された「聖剣伝説」シリーズ初のオフィシャルオーケストラコンサート「Music 4Gamer #1『聖剣伝説』25th Anniversary Concert supported by SQUARE ENIX」の模様を収録した，「聖剣伝説 25th Anniversary Orchestra Concert CD」を紹介します。渋谷のBunkamura オーチャードホールで開催され，大きな感動に包まれた一夜がこのCDで蘇ります。

　伊藤賢治氏，菊田裕樹氏，下村陽子氏が手掛けた「聖剣伝説」シリーズの楽曲に，山下康介氏，宮野幸子氏，亀岡夏海氏，岩城直也氏がオーケストラアレンジを施し，国内屈指のオーケストラ団体である東京交響楽団が演奏。そしてオペラや管弦楽などで活動している柴田真郁氏が指揮を担当しています。

　1曲めは「聖剣伝説」から「Rising Sun」。温かみのある前奏のフレーズに始まり，まるで太陽を呼び起こすかのようにメインメロディが姿を現していく展開が鳥肌モノ。優しく，そして壮大な演奏が聴き手を「聖剣伝説」の世界へと誘ってくれます。2曲めはフィールド曲メドレーの「果てしなき戦場〜少年は荒野をめざす〜Swivel」。冒険の旅に出る高揚感を，緩急織り交ぜた演奏が盛り上げていきます。

　4曲めは「Mana's Tale〜危機」。穏やかな曲調の「Mana's Tale」から一転してボス曲「危機」へとつながる展開はインパクトも抜群。6曲めの「滅びし煌めきの都市」はオリジナル版でもフィーチャーされていたピアノとバイオリンのコントラストはそのままに，よりリアルな情景を映し出すアレンジに仕上がっています。

　10曲めは「聖剣伝説2」のラスボス曲「子午線の祀り」。激情的なメロディを迫力のオーケストラ演奏が盛り立て，アルバムのクライマックスを華麗に飾っていきます。
　伝説のコンサートがこうしてCDで再び聴けるとは，ファンにとってこれほど嬉しいことはありません。すべての「聖剣伝説」ファン必聴の名盤です。

「聖剣伝説 25th Anniversary Orchestra Concert CD」特設サイト

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X68KのFM音源が奏でる，ノスタルジックなナムコサウンド

「ナムコサウンドミュージアム from X68000」

タイトル	ナムコサウンドミュージアム from X68000	→Amazon.co.jpで購入
発売日	2018年2月22日
価格	6800円（税抜）
発売元	SweepRecord
コピーライト	（C）BANDAI NAMCO Entertainment Inc.

　今週の2枚めは，X68000でリリースされたナムコタイトルの楽曲を収録したサントラ，「ナムコサウンドミュージアム from X68000」をご紹介。主に電波新聞社が移植を手掛けた，クオリティの高いサウンドをCD6枚組の大ボリュームで楽しめます。

　DISC1のトップを飾る「ボスコニアン」にまずは注目。アーケード版の移植に加え，X68000のオリジナルモードが追加された本作は，永田英哉氏と古代祐三氏による新BGMでも話題を呼んだ作品。広大な宇宙空間を演出する，キラメキのサウンドがゲームを盛り上げます。続く「スターラスター」はファミコン版のリメイクで，サウンドもゴージャスにパワーアップ！　最初に聴ける「ローディングBGM」に心躍ること間違いなし！

　続いてDISC2には「モトス」を収録。こちらも「ボスコニアン」同様，永田英哉氏による新BGMを追加した移植作。エキセントリックなサウンドのオリジナル版も懐かしいですが，アレンジ版のメロディアスなBGMも甲乙つけがたい出来栄え。また，X68000オリジナルのFM音源版に加え，2種類のMIDI音源版を同時収録しているのも嬉しいところです。

　DISC3とDISC4には，楽譜集「NAMCO VIDEO GAME MUSIC LIBRARY Vol.1」の付属フロッピーディスクに収録されていた音源を収録。「マッピー」や「スカイキッド」といった，X68000への移植が実現しなかったゲームのサウンドも多数楽しめます。また，DISC5には「VIDEO GAME ANTHOLOGY」シリーズのタイトルをメインに収録。「リブルラブル」や「ドラゴンバスター」といった音楽人気の高いゲームのサウンドが並びます。

　ラストとなるDISC6には，細江慎治氏による「ドラゴンスピリット」を収録。アーケード版では未使用だった「ローディングBGM」に始まり，X68000版のための新曲「深夜ローディングBGM」や，アーケード版では一部のメロディが未実装だった「エリア１」が，このX68000版でついに完成版として収録されるなど，「ドラスピ」ファンには見逃せないラインナップとなっています。

　X68000が鳴らすFM音源の魅力が，ナムコサウンドと共に蘇る本アルバム。あの時代をリアルタイムで体験したゲームファンにとって，まさに一生モノの1枚と言えるでしょう。SRIN-1168という品番や6800円＋税という価格など，X68000との関連付けにこだわり抜いた，愛にあふれた商品仕様も素敵です！

SweepRecord「ナムコサウンドミュージアム from X68000」

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■■風のイオナ■■ マーベルランド産まれのフェアリーランドで育ちで現在はNEO TOKYO在住のフリーライター＆編集者。将来はモタビア星に移住して隠居するのが夢。ゲーム＆ゲーム音楽に加えて邦楽インディーロック＆サブカルアイドル追跡，自転車旅行，広島東洋カープの応援などが趣味。世界の半分を手に入れることを目的にした限界地下アイドルグループ，DORCA（ドルカ）のプロデュースもまったりやっています。