ミュージック フロム ゲームワールド：Track 86 「8BIT MUSIC POWER」「ラングリッサー リインカーネーション-転生-」

Illustration by しなぷう

　2016年も残すところ3週間。そこで，今年遊んで面白かったゲームを振り返ってみようと思います。まずは「いけにえと雪のセツナ」（PS4/PS Vita）。スーファミ時代を思い出させる懐かしいテイストのRPGで，ピアノメインのBGMも独特で良かったです。続いて「ディスクリーチャーズ」。初代「ポケモン」リスペクトなゲームボーイ風グラフィックスに感動。シナリオのクリア後もクリーチャー育成が楽しいRPGです。最後は，今年Wii U本体と同時に購入した「幻影異聞録♯FE」。異色コラボ大好き！　ちなみに，年末年始は「FINAL FANTASY XV」（PS4/Xbox One）を遊びたいと思います。
　それでは，今週も「ミュージック フロム ゲームワールド」で最新のゲーム音楽をお届け！

レトロだけど新しい──8bitサウンドの魅力が詰まった1枚

「8BIT MUSIC POWER」

タイトル	8BIT MUSIC POWER	→Amazon.co.jpで購入
発売日	2016年11月23日
価格	1800円（税抜）
発売元	日本コロムビア

　今週の1枚めは，実機で8bitサウンドを楽しむことで話題になったファミコン用ソフト「8BIT MUSIC POWER」を音楽CD化した同名サントラ，「8BIT MUSIC POWER」をご紹介！ ソフトを買ったものの，ファミコン本体を実家に置きっぱなしで聴けなかった筆者のような人にとっても嬉しい1枚です。

　参加アーティストは，チップチューンアーティストのhally氏やサカモト教授を始め，「ディグダグ」や「ゼビウス」の楽曲を手がけた慶野由利子氏，「スターソルジャー」や「迷宮組曲」等の作曲を担当した国本剛章氏，「サマーカーニバル’92 烈火」のBGMを作曲した塩田信之氏など全11人。

　収録曲のほうも個性的な曲ばかり。まずは8bit音源がジャムセッションするかのように展開する「BLACK CARTRIDGE」がオープニングを飾ります。リフやメロディが次々となだれ込んでくる，スリリングなハイテンポナンバー「CIRCUS GAME」や，曲タイトルを体現したようなお気楽感あふれる「NARU YONI NARU」の緩い感じも魅力的です。
　そして，筆者のイチオシはサウンドだけでなく曲調も1980年代風ファンタジーな「ORIENTAL MYSTIQUE」。ドット絵で描かれた異世界を冒険しているシーンがまぶたに浮かぶこと間違いなし！

　ファミコン世代にとっては懐かしく，若い人にはむしろ新鮮に聴こえるのが8bitサウンドの面白いところ。現在の邦楽シーンで活躍するアーティストの中にも，8bitサウンドを新しい音，オシャレな音と捉えてアレンジに加える例が増えています。この「8BIT MUSIC POWER」も，8bitサウンドの楽しさを幅広い世代で共有できる1枚です。

「8BIT MUSIC POWER」公式サイト

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17年ぶりの最新作を彩る重厚なオーケストラサウンド！

「ラングリッサー リインカーネーション-転生-サウンドトラック PLUS」

タイトル	ラングリッサー リインカーネーション-転生-サウンドトラック PLUS	→Amazon.co.jpで購入
発売日	2016年11月26日
価格	3500円（税抜）
発売元	SweepRecord
コピーライト	（C）extreme

　今週の2枚めは，エクストリームから発売中のニンテンドー3DS用ソフト「ラングリッサー リインカーネーション-転生-」の楽曲をCD4枚組に収録した，「ラングリッサー リインカーネーション-転生-サウンドトラック PLUS」を紹介します。「ラングリッサー」と聞くと，メガドライブのFM音源サウンドが頭の中で鳴り始めてしまう人も多いのではないでしょうか。

　17年ぶりのシリーズ最新作となる本作ですが，作曲は歴代作品の音楽を手がけてきた岩垂徳行氏をはじめ，福田康文氏，大井定光氏が担当。過去にFM音源で鳴っていた王道ファンタジーサウンドが，最新のオーケストラサウンドに昇華されている点にも要注目です。
　DISC1の3曲め，壮大なドラマ感のある「章ストーリー」では，新しい「ラングリッサー」の幕開けを感じられます。また，メジャー感あふれる爽快な「光輝軍のテーマ」や，ダークさが垣間見える「闇の勢力のテーマ」等，各勢力の雰囲気を再現した楽曲も聴きどころ。

　個人的なオススメは，バトル曲のような格好良さと長めの構成で迫る「ステージリザルト」。曲に引き込まれて，プレイ中に思わず手が止まってしまうタイプの曲です。「エンディング」と「スタッフロール」の2曲は，岩垂氏らしい広がりのある，明るいポップチューン。こちらも繰り返し聴きたくなる素敵な仕上がりです。

　DISC3の中盤以降は，1990年代シンセサウンドが懐かしいPC-FX版「デア ラングリッサーFX」のBGMを収録。こちらは，PlayStationやセガサターンと共に当時の次世代機ブームが盛り上がっていた頃を思い出しながら聴きたいところ。最新作のサウンドを堪能しつつ，旧作のサウンドも味わえるという，「ラングリッサー」ファン必聴の1枚です。

「ラングリッサー リインカーネーション-転生-サウンドトラック PLUS」公式サイト

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■■風のイオナ■■ マーベルランドで産まれ，フェアリーランドで育ち，さざなみの島で一攫千金を夢見るも，バビリム王国に連れ去られて塔建設の奴隷として働く。巨大宇宙船に密航して惑星あくあへ逃亡後，仕事の都合でモタビア星に移住し，ハンターとして惑星ラグオルの調査をして生計を立てていたが，現在はNEO TOKYOを拠点に活動中。ゲーム＆ゲーム音楽に加えて邦楽インディーロック＆サブカルアイドル追跡，自転車旅行，広島東洋カープの応援などが趣味。2016年で編集＆ライター生活20周年を迎えてしまいました。