連載
ミュージック フロム ゲームワールド:Track 53 「ストリートファイターV」「【18】キミト ツナガル パズル(エイティーン)」
2015年4月10日に始まったこの連載も1周年を迎えました。2年めも魅力的な新作ゲームサントラをガンガン紹介していきますので,よろしくお願いします!
さて,この1年連載を続けてきて感じるのは,スマホゲーやブラウザゲーなどのサントラが増えたということです。それらを若い世代のゲームファンが聴いているのをSNSなどで知り,嬉しく思うのと同時に時代の変化も感じます。それでは,幅広い世代に向けて,2年めに突入した「ミュージック フロム ゲームワールド」スタートです!
対戦格闘ゲームの王者の風格漂う重厚なサウンド
「ストリートファイターV オリジナル・サウンドトラック」
タイトル | ストリートファイターV オリジナル・サウンドトラック | |
発売日 | 2016年3月9日 | |
価格 | 3000円(税抜) | |
発売元 | カプコン セルピュータ | |
コピーライト | (C)CAPCOM U.S.A., INC. 2016 ALL RIGHTS RESERVED. |
1991年にアーケードゲームとして登場した「ストリートファイターII」で,対戦格闘ゲームの一大ブームを作り上げた「ストリートファイター」シリーズ。最新作の「ストリートファイターV」はPCとPlayStation 4のみでのリリースという初の試みで話題になりましたが,シリーズを重ねるごとに音楽も格段にパワーアップしている点にも要注目です。ということで,今週の1枚めは早くもリリースされた「ストリートファイターV オリジナル・サウンドトラック」を紹介します!
参加コンポーザーとして,青木征洋氏,深澤秀行氏,小林啓樹氏,若林タカツグ氏,ザック・ジンガー氏といったメンバーが集結し,重厚なギターサウンドを軸にしたロックインストを中心に,テクノやオーケストラを導入したサウンドが楽しめます。とにかく「重厚で熱い」アルバムに仕上がっているのが特徴です。
まずは,導入部の哀愁漂うアコギのフレーズから,重厚なギターロックサウンドに変化していく「Rise Up -Opening-」「Street Fighter V」の2曲で,聴き手を一気に「ストV」の世界に引き込みます。続く「Main Menu」と「Character Select」は対戦開始前の曲ながら,クライマックス感が半端じゃないドラマティックなメロディが満載で,とくに後者での速弾きギターソロはバトル前の格闘ゲーマーの血を沸騰させるのに十分!
アルバム後半に配置された各キャラクターのテーマ曲も最高に熱いもの揃いで,勇敢な物語性を放っているリュウの「Theme of Ryu」を始め,このアルバムのメインディッシュとも言うべき曲が怒涛の連発。お約束のインド音階を取り入れたダルシムの新曲「Theme of Dhalsim」も,相変わらずカレーが食べたくなる味わい深さがたまりません。
ラストは5分におよぶロックバラード「Credit Title of Street Fighter V」。目を閉じて楽曲に集中していると,荒野で佇む格闘家達の勇姿が浮かんでくる――そんな,アルバムを締めくくるのにふさわしい1曲です。格闘ゲームの王者の風格を音楽面でも漂わせているこのサントラ。2016年のゲーム音楽シーンを語るうえで外せない1枚だと断言しておきます。
イーカプコン「ストリートファイターV オリジナル・サウンドトラック」
アレンジによって音楽作品としてのクオリティを高めた1枚
「【18】キミト ツナガル パズル(エイティーン) オリジナルサウンドトラック」
タイトル | 【18】キミト ツナガル パズル(エイティーン) オリジナルサウンドトラック | |
発売日 | 2016年3月16日 | |
価格 | 2600円(税抜) | |
発売元 | エグジットチューンズ | |
コピーライト | (C)mobcast Inc.(C)EXIT TUNES |
モブキャストからリリースされ,180万ダウンロードを突破している人気のスマホ用パズルゲーム「【18】キミト ツナガル パズル(エイティーン)」(iOS/Android)。多彩で軽快なBGMはゲームと同様に人気が高く,このたび待望のサントラ化が実現しました! 今週の2枚めはこの「【18】キミト ツナガル パズル(エイティーン)オリジナルサウンドトラック」を紹介します。
サントラ化にあたって,佐久間音哉氏がサウンドプロデュースとアレンジを行った楽曲を多数収録。ゲームで使用された原曲の作曲には,石田貴子氏をメインに,一木裕樹氏,川崎 恵氏,BambooHorseChildといったメンバーが名を連ね,クリエイター陣の個性とスキルを前面に出した,作家性の高い楽曲が楽しめるのも特徴です。ゲームに合わせて作られた劇伴的なBGMとは違い,各曲が強力に主張してくる濃厚な1枚になっています。
1曲めの「New World」は全編英語詞でクラブサウンド寄りのポップナンバー。ストレートな歌声と高い歌唱力を持つBambooHorseChildによるボーカルと,さまざまな音を加えながら変化していく曲展開が強烈。ちなみにBambooHorseChildによるボーカル曲は,「Game of Love」「Last Dnace」「Final Hour」でも聴くことができます。
2曲めの「Shake it!」と9曲めの「Fly more higher!」は,フュージョン要素の強い1980年代のゲームミュージックが好きな人にぴったりなアレンジ。まるで「ドラゴンスピリット」を思わせる爽快なフレーズに,テンションアップせざるを得ない曲です。シンプルで落ち着いた「今宵、女神の祝福を」からは「真・女神転生」っぽい雰囲気が感じられますが,曲名からして意図的に狙っている……というのは考えすぎでしょうか。
10曲めの「Guilty Pleasure」はポルカを取り入れた異色の1曲。ダークで悲壮感漂う,夕暮れどきの情景が思い浮かぶ展開は,このサントラのなかでも一際印象に残ります。12曲めの「夢の終わり、旅の終わり」は日本人の心に染みる上品な和風クラシック。ビートの無いアレンジと美しいメロディは,京都の「哲学の道」あたりでいっぱいの桜が舞い散る幻想的なシーンを連想させます。
アレンジによって楽曲としての完成度が高められ,非常に音楽性の高い仕上がりになっているこのサントラ。「何か,いいゲーム音楽ない?」と聞かれたら,迷わずこれをお勧めしたい,この春イチ推しの1枚です!
エグジットチューンズ「【18】キミト ツナガル パズル(エイティーン) オリジナルサウンドトラック」
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