連載
ミュージック フロム ゲームワールド:Track 11
6月も下旬に差し掛かり,夏もそこまで来ていることを感じさせる昨今です。さて,夏といえば海! プール! 水着! だが,ゲーマーたるものそんなことには惑わされずに,部屋に引きこもってゲームに没頭するのが大正義。ということで今年の夏を先取りするべく,「夏色ハイスクル★青春白書(略)」(PS4/PS3)をプレイし始めました!
とある島で夏の3か月間,女子高生に囲まれながら高校生活を満喫する青春ストーリー。もう,これ1本あれば今年の夏は乗り切れそうな気持ちでいっぱいです。そして,めぐ&たまき(三上枝織&洲崎 綾)の歌う主題歌「夏色バタフライ☆」が最高……! あふれんばかりの眩しさを放つキラキラな青春ポップスに気分は早くも夏本番! ちなみにこの「夏色バタフライ☆」とエンディング曲「記憶の中のリグレット」の2曲を収録したシングルCDもゲームと同時発売されたので,速攻でゲットしました。
私もこんな高校生活が送りたかったぜ……と,クラスに男子しかいない工業高校時代を思い出したりしましたが,気を取り直して今週も「ミュージック フロム ゲームワールド」へ行ってみよー!
SFC時代のくにおくんサウンドを収録した1枚
「熱血高校サウンド部SFC編」
タイトル | 熱血高校サウンド部SFC編 | |
発売日 | 2015年5月30日 | |
価格 | 3700円(税抜) | |
発売元 | クラリスディスク | |
コピーライト | (C)Million Co.,Ltd. |
ゲーム好きのキッズと不良の溜まり場だった1980年代のゲームセンターに颯爽と登場し,そのどちらも虜にするほどのブームを巻き起こした“くにおくん”。その後,ファミコンでもシリーズ展開されたことで,幅広い世代に愛される人気キャラの地位を確立していきました。今週の1枚めは,そんなくにおくん人気を不動のものとした,スーファミ時代のタイトル5作の楽曲を収録したサントラをご紹介!
記念すべきスーファミ1作め「初代熱血硬派くにおくん」の音楽は井上 晃氏が担当。アーケード第1弾の「熱血硬派くにおくん」と同様の頭身に戻ったこともあり,音楽もそのテイストを継承しているのが嬉しいところ。「プラットホーム」「心斎橋」「難波」等,1980年代の不良テイストとロックンロールを融合させたビートとリズムは,今聴くと逆に新鮮で,大阪人情のノリを地で行く演歌調の曲「恵美須町」もゲーム音楽ではなかなか聴けないタイプの曲です。
「くにおくんのドッジボールだよ全員集合!」からは,お約束とも言えるチャイナテイストの「ちゅうごく」や,聴いているとカレーが食べたくなってくる「いんど」等,各国をイメージしつつも,くにおくんの世界に落とし込まれたBGMが楽しめます。それに続く「ダウンタウン熱血べーすぼーる物語」は野球ゲームだけに,「巨人の星」のメロディを匂わせる「タイトル」や,「熱血高校」に代表される,硬派な漢の背中を感じさせる各対戦高校のBGMといった個性的な曲が並びます。
さらに,落ち物パズル「くにおのおでん」では,リズムの裏打ちが特徴のスカを取り入れた軽快な「SU・KA・TA・KO」や,ラテンのテイストが気持ちいい「こんにゃくマンボ」等,“おでんの具+音楽ジャンル”で表現されたメインBGMが秀逸。そして,「初代熱血硬派くにおくん」の続編とも言える「新・熱血硬派くにおたちの挽歌」の楽曲は,シリアスなストーリーと相まって,BGMもゲーム展開を盛り上げるスリリングな曲が多く揃っています。
波乱含みの展開を予感させる「タイトル」の高揚感ある展開は,これぞ“くにおくんサウンド”と言えるほか,任侠映画の1シーンを思い浮かべてしまう「決戦場への道」等,音楽面でもくにおくんワールドをよりディープに掘り下げており,サントラを聴いているだけでくにおくんが活躍する姿が目に浮かんできます。
誰もが愛したスーファミ時代のくにおくんサウンドを今後の世代へも引き継いでもらうべく,くにおくんを愛するすべての人の愛聴盤にしてほしい1枚です。
クラリスショップ「熱血高校サウンド部SFC編」
遊郭で生きる男女の狭間で流れる音
「男遊郭〜徒桜〜 主題歌+サウンドトラックCD」
タイトル | 男遊郭〜徒桜〜 主題歌+サウンドトラックCD | |
発売日 | 2015年4月28日 | |
価格 | 1500円(税抜) | |
発売元 | ディースリー・パブリッシャー | |
コピーライト | (C)2015 Hituzigumo (C)2015 VRIDGE INC. (C)2015 D3 PUBLISHER |
遊郭とは,男性が女性と2人だけの時間を楽しむ,大人の娯楽場のこと。その関係はほんのひと時。本気で愛し合った気になってみても,遊郭を出ればお互い他人同士。いつの時代も男と女の関係は変わることなく浮世の夢。切なくも儚いものです。
さて今週2枚めは,男女の立場が逆転した吉原の遊郭を舞台にしたPS Vita向け乙女ゲーム「男遊郭」のサントラを紹介。スマホでは「逆転吉原」のタイトルでヒットを記録し,その人気を受けてPS Vitaに移植されています。
オープニングを飾る「徒桜」は久野 藍が切なく情緒的に歌い上げる,疾走感のある和ロックナンバー。男女の揺れる思いを歌詞にして「男遊郭」で描かれる物語を断片的にイメージさせてくれる1曲です。しかし,乙女ゲーでありながら主題歌が女性ボーカルなのが気になるところ。その心は,どんなに入れ込んでも本物の愛は手に入らないことを知るプレイヤーの気持ちを同性の立場から代弁しつつ,現実に引き戻してくれる効果があるからではないでしょうか。
佐野広明氏と浅乃 一氏の2人が手掛けた和テイストで統一されたBGMも美しく,三味線の音が宴会気分を盛り上げる「うたげ」や,現代風ポップスな曲調に琴の音色が重なる「吉原の遣い」等,和楽器を取り入れた魅力的な楽曲が満載です。個人的に最も強烈に刺さった1曲が「散りゆく桜」。琴が奏でる悲哀に満ちたメロディと中盤の壮大な展開へと発展していく流れには,自分の中の女の涙(?)があふれ出す思いを感じました。
そして沈んだ気持ちを,最後を締める「天晴」がきれいに吹き飛ばして笑顔にしてくれます。やっぱり女性は笑顔が一番だよね。この曲を聴きながら,すべての女性が笑顔でいられたらいいな,と願わずにいられませんでした。命短し恋せよ乙女,「男遊郭」の音楽に触れて涙のあとには笑顔が待ってることを思い出してみてはいかがでしょうか。
「男遊郭」公式サイト
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(C) Million Co.,Ltd. / ARC SYSTEM WORKS
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