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「STELLA GLOW」は原点に立ち戻って,作り込んだシミュレーションRPG。水谷英之氏が目指した「見て聴いて楽しい,感じるSRPG」とは
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印刷2015/06/01 12:00

インタビュー

「STELLA GLOW」は原点に立ち戻って,作り込んだシミュレーションRPG。水谷英之氏が目指した「見て聴いて楽しい,感じるSRPG」とは

画像集 No.005のサムネイル画像 / 「STELLA GLOW」は原点に立ち戻って,作り込んだシミュレーションRPG。水谷英之氏が目指した「見て聴いて楽しい,感じるSRPG」とは
 セガゲームスは,ニンテンドー3DS用ソフト「STELLA GLOW」(ステラ グロウ)の発売を2015年6月4日に予定している。イメージエポックが企画・開発を手がけた本作は,剣と魔法のファンタジー世界を舞台に,歌を魔法に変えて戦う“魔女”の物語を描いたシミュレーションRPGだ。

 発売日が間近に迫っているなか,今回4Gamerでは,「STELLA GLOW」のプロデューサーを務める水谷英之氏にインタビューを実施した。ゲームのコンセプトや開発時のエピソード,セガゲームスが販売を担当するに至った経緯など,さまざまな話を聞いてきたので,ぜひ目を通してほしい。

画像集 No.023のサムネイル画像 / 「STELLA GLOW」は原点に立ち戻って,作り込んだシミュレーションRPG。水谷英之氏が目指した「見て聴いて楽しい,感じるSRPG」とは
「STELLA GLOW」プロデューサー 水谷英之氏。主な代表作は「ルミナスアーク」シリーズや「Fate extra」シリーズ,「アークライズ ファンタジア」など。マーベラスエンターテイメント,マーベラスAQL(共に現・マーベラス),イメージエポックを経て,現在は制作会社イルカに所属

「STELLA GLOW」公式サイト



2014年11月にマスターアップを迎え

あとはリリースを待つだけの状態だった


4Gamer:
 本日はよろしくお願いします。
 今回,お話をうかがう「STELLA GLOW」は,イメージエポックから2014年10月に発表されたタイトルですが,その後,しばらく続報が途絶え,2015年3月に販売元がセガゲームスになると発表されました。当初,予定されていた発売時期はもっと早かったと思うのですが,これまでの経緯を教えていただけますか。

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水谷英之氏(以下,水谷氏):
 もともと,「STELLA GLOW」はイメージエポック10周年記念作品として立ち上げた新規IPでした。10年の節目に,ゲームファンが面白いと思える家庭用ゲームを作ろうという,スタッフ一同の思いから始まりました。なので,開発から宣伝に至るまで,スタッフは全力で盛り上げようとしていたんです。開発は予定どおりに進み,2014年11月には「STELLA GLOW」本編はもちろん,体験版のマスターアップも済んでいました。

4Gamer:
 2014年11月には,すでに開発自体は完了していたのですね。

水谷氏:
 はい。ただ,イメージエポックが自社で流通するにあたって,クリアしなければならない課題が発生しました。そこで以前からお付き合いがあり,実際にイメージエポックのタイトルを流通していただいていたセガゲームスさんにパブリッシングをお願いすることにしたんです。暖かく引き受けていただき,感謝の気持ちでいっぱいです。

※編集部注:帝国データバンクの発表によると,2014年11月時点でイメージエポックの資金繰りが相当悪化していた模様。2015年5月7日には,イメージエポックおよび関係会社のスマイルオンラインゲームが東京地裁より破産手続き開始決定を受けている関連記事

4Gamer:
 なるほど。発売時期の遅れや販売元の変更といった諸々の出来事が,ゲームのクオリティに影響しているのではないかと心配していたのですが,その点は大丈夫ということですね。

水谷氏:
 しっかりとチューニングに時間をかけて,最後まで完成させています。イメージエポックとしては,マスターアップ直後の2014年12月から本格的なプロモーションを予定していたのですが,それが流れてしまったことで,ご期待いただいている皆さんにはご心配をおかけしてしまいました。


水谷氏が目指した

「見て聴いて楽しい,感じるシミュレーションRPG」


4Gamer:
 「STELLA GLOW」の内容についてお聞きしたいのですが,本作では“魔女”というものをメインテーマに据えていることから,これまでに水谷さんが手がけてきた「ルミナスアーク」シリーズと共通する要素が多いという印象を受けました。

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水谷氏:
 「ルミナスアーク」シリーズと同じシミュレーションRPGというジャンルを選択したのは,イメージエポックとして原点に返ることを意識したからです。新しい挑戦をしていく前提には,10年の時間をかけてスタッフも会社も成長してきた土壌がありました。
 そういった意味では,「ルミナスアーク」シリーズや「アークライズ ファンタジア」での経験が肥やしとなり,そのうえで花開いた“新しさ”を表現しているのが「STELLA GLOW」と言えます。
 「なぜ魔女なのか」と問われれば,RPGにふさわしい光と影の物語を背負える魅力的なモチーフだからです。魔女は,まだまだ無数の物語を秘めていると思います。原点回帰の新規IPとして,自分達の10年間の成果をお見せするためにも,再度トライしたいモチーフだと思いました。

4Gamer:
 なるほど。それでは,どのようなコンセプトを掲げて開発をスタートしたのでしょうか。

水谷氏:
 シミュレーションRPGと聞くと,「難しそう」「面倒そう」といった印象を抱く人は少なくないでしょう。しかし,そういった弱みをクリアできれば,ジャンル自体の可能性を広げることにつながっていきます。
 そこで「STELLA GLOW」では,「見て聴いて楽しい,感じるシミュレーションRPG」を目指しました。

4Gamer:
 「見て聴いて楽しい」といったところを,もう少し詳しく教えてください。

水谷氏:
 「聴いて楽しい」という部分に関しては,“歌”にこだわりました。それが本作のシステムの根幹を成す「歌魔法」です。単にキャラクターソングが流れるものではありません。それぞれの魔女の個性が,ゲームの戦略性や心の物語として絡み合うことで,シミュレーションRPGの新たな可能性に挑戦したいと思いました。

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 さらに,BGMにもこだわっています。音楽はゲームの世界観に広がりを持たせる重要な要素です。自分が手がけてきたタイトルは,プロキオン・スタジオの光田康典さん,土屋俊輔さんに楽曲をお願いしてきましたが,2人が生み出す音楽は繊細で美しいのに,その中に強さを秘めているような雰囲気がある。それは,旅をしたり,世界と向き合うようなRPGにとても合うと思っています。ですから,「STELLA GLOW」のBGMをほかの人に頼むことは考えられませんでした。

4Gamer:
 ちなみに,歌魔法やBGMは何曲収録されているのでしょうか。

水谷氏:
 歌魔法は「ソロ」と「合奏」(アンサンブル)を合わせて20曲以上です。BGMとしての楽曲や歌楽曲も含めると,70曲以上の楽曲を用意しました。

4Gamer:
 それは大ボリュームですね。

水谷氏:
 さらに,声優さんのボイスの量もスゴイですよ。たくさんの声優さんに参加していただき,1万5000ワード以上の音声が入っています。イベントシーンに彩りを添え,より感情を喚起するドラマを生み出していただきました。

※編集部注:1ワードは,会話画面の1ウィンドウぶんのセリフに相当する

4Gamer:
 なるほど。
 それでは「見て楽しい」という部分は,どのように表現されているのでしょうか。

水谷氏:
 今回は,3Dのチビキャラによるバトルを採用し,テンポよく,カッコいい動きを表現しました。
 通常の立ち絵は頭身の高い2Dイラスト,バトルでは3Dのチビキャラになっているので,演出面でメリハリが生まれています。各キャラクターを多角的に表現できるので,プレイヤーにはさまざまな刺激を感じてもらえるのではないでしょうか。
 各キャラクターのスキルも豊富に用意しました。スタッフの頑張りで,当初の予定よりもスキルの数が増えているんです。“ののか”のスキルモーションを初めて見たとき,「やりすぎでしょ,これ」と感動したことを覚えています(笑)。

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4Gamer:
 バトル以外の面ではいかがですか。

水谷氏:
 「STELLA GLOW」ではアドベンチャーパートの演出表現が,バリエーション豊かになっています。通常の立ち絵の会話,3Dチビキャラモデルの動きのあるイベント演出など,イベント画は100枚以上,さらに要所にはアニメ―ションを複数挿入しています。これにより,「感じる」表現ができたのではないかと思っています。
 作品の世界を彩る背景ビジュアルにも力を入れました。たとえば戦闘マップは50種以上,ADVシーンにおける背景画も100枚以上あり,立体視に対応した処理を行っています。奥行きを感じられる階層の立体視体験はなかなか素敵ですので,ぜひ見ていただければと思います。
 ちょっとした部分では,武器や装備品を変更するとキャラクターの見た目が変わります。少しでも見ていて楽しめて,驚きを感じられるようにしたかったんです。

4Gamer:
 今回,キャラクターデザインをideoloさんにお願いした理由を教えてください。

水谷氏:
 ideoloさんの独特の色彩なら,感情までも豊かに感じられるキャラクターを描けるのでは,と思ってお仕事をお願いしました。


“歌”を題材にする以上,中途半端なものにはできない


4Gamer:
 「STELLA GLOW」のストーリーを簡単に解説していただけますか。

“滅びの魔女”ヒルダ
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水谷氏:
 本作の世界は,“滅びの魔女”ヒルダの呪いの歌によって,結晶化が進んでいる状態にあります。その呪いを祓うためには,ほかの魔女が使う歌魔法の力が必要です。
 そこで,魔女の力を借りて呪いを祓おうとする「レグナント王立騎士団 第9小隊」と,彼らを阻止しようとするヒルダ率いる「福音使徒」との戦いが展開します。魔女を探す旅の最中,それぞれのキャラクターの思いが交錯し,そこからプレイヤーは「何が真実なのか」を見ていくことになります。
 仲間と旅をしたり,同じ時間を一緒に過ごしたりするといった要素がRPGの良さだと考えていますので,「STELLA GLOW」では仲間と共に冒険している感覚を大事にして物語を作りました。

4Gamer:
 魔女に限らず,ほかにも魅力的なキャラクターが登場しますね。
 
水谷氏:
 ありがとうございます。どうしても魔女に目がいきがちですが,女王アナスタシアを巡る物語もあれば,騎士団の物語もあります。男性キャラクターもそれぞれに個の物語を従え,矜持を胸に抱いています。敵となる福音使徒達との戦いを通じて,触れ合ってほしいと思います。

4Gamer:
 それでは,システムの特徴的な要素を教えてください。

水谷氏:
 歌魔法と,歌魔法を入手するための「調律システム」が本作の特徴です。魔女の心に巣食う「マモノ」を撃退して「歌魔法」を習得するのですが,それぞれの魔女が心に秘めた思いや不安といった個の物語が存在します。世界の危機という“全体”に向かい合い,魔女という“個”に向かい合うことで,奥行きのある物語を感じていただけるのではないかと思います。
 また,習得した歌魔法は魔女によって効果が異なります。リゼットは回復系,サクヤは攻撃強化で会心を付与,ポポは敵の行動を停止したり,モルディモルトは敵に睡眠をかけつつ味方のSP(スキルポイント)を回復したりします。

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 さらに,同じ魔女でも1人で歌うソロと,主人公が指揮する合奏とでは大きく効果が違います。
 歌魔法を使うためには,ゲージを溜める必要があります。ソロであればゲージの消費量が少ないので繰り返し使えますが,合奏はゲージを多く消費するので使いどころを考えなければならないでしょう。各々のプレイヤーが自由に戦略を立てられるゲームデザインになっています。
 やはり,歌を中心に据えるからには,中途半端な形ではなく,深くゲーム性に根付いてないといけないと考えました。

4Gamer:
 その歌魔法のアイデアは,どこから生まれたのでしょうか。

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水谷氏:
 昔から魔法という概念に興味があって「呪文とはなんだろう」「そもそも言葉とはなんだろう」といったことをよく考えていました。
 「はじめに言葉ありき」という有名な言葉がありますが,僕自身にも言霊信仰のようなものがあります。そんな世界の本質の一部かもしれないものを,ゲームの世界に組み込めないかと考えていました。「ルミナスアーク」でも「呪言システム」という,言葉を組み合わせてレアアイテムを錬成するシステムがありますが,それも根っこは同じところから派生しています(笑)。
 “魔法で使う呪文の詠唱は古代の歌詠みのようなもの”というイメージを,キャラクターやシステムに落とし込んだ結果生まれたのが,今回の歌魔法です。

※新約聖書「ヨハネによる福音書」第1章にある文言

4Gamer:
 分かりました。
 歌魔法の楽曲を制作したときのエピソードがあれば教えてください。

水谷氏:
 歌魔法は,魔女の個性や心情と強くリンクしているものなので,楽曲の制作や歌をお願いしたスタッフの方々にはシナリオや各キャラクターを深く理解していただく必要がありました。
 また,バトル中に流れる楽曲ですから,鳴り出しや展開などはある程度までフォーマットが固定化されます。そうした枠組みの中で個性を出すという取り組みは初めてだったので,試行錯誤を繰り返すことになりました。
 実際に曲とムービーを合わせてみたら,尺が長く感じられたり,微妙なズレがあったり。それらに対して都度修正をかけ,歌楽曲の制作スタッフやモーションスタッフの頑張りにより,歌魔法は磨かれていきました。
 歌手の皆さんも素晴らしかったです。ゲームの映像を見ながら,シーンとの相乗効果が得られるようなアドリブも生かした収録現場で,歌に命が吹き込まれていきましたね。




ゲームを構成する「自由時間」と「作戦時間」


4Gamer:
 「STELLA GLOW」のシステムについて,さらに詳しくお聞きします。まずは,ゲームを構成する2つのパートである「自由時間」と「作戦時間」の特徴を教えていただけますか。

水谷氏:
 自由時間は,プレイヤーが一定の回数まで自由に行動できる“アドベンチャーパート”です。仲間の好感度を高める「シンクシステム」,魔女に歌魔法を習得させる「調律ノ館」,お宝を発見できるかもしれない「探索」,お金や消費アイテム,割引チケットなどがもらえる「アルバイト」が選べます。

4Gamer:
 シンクシステムで仲間の好感度を上げると,どのようなメリットがあるのでしょうか。

水谷氏:
 仲間となったキャラクターの物語や特別なエピソードが体験できます。さらに好感度が上がると,シンクスキルを獲得できます。これは,戦闘で役立つスキルが揃っています。「コイツの力をもっと引き出したい」と思ったら,積極的に活用してください。

4Gamer:
 調律ノ館ではどのようにして歌魔法を習得させるのでしょうか。

水谷氏:
 魔女の好感度が一定に達すると,それぞれが抱いている悩みや不安が噴出することがあります。魔女の心は鎖で閉ざされてしまいますが,調律ノ館では魔女の精神世界へと入っていくことができます。そこで,魔女が抱えている不安(マモノ)を払ってください。そのとき,魔女が隠していた秘められた思いが語られます。

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4Gamer:
 サブシナリオのような位置付けになっているんですね。つまり,習得できる歌魔法の数だけ調律する機会があるということでしょうか。

水谷氏:
 はい。調律をすべて極めた最終段階では,自分の心に向き合い続けた魔女が「女神」として覚醒し,自分の潜在能力を解放できるようになります。

4Gamer:
 魔女が女神として覚醒していない状態では,エンディングを迎えるのは難しいのでしょうか。

水谷氏:
 そのようなゲームバランスではありません。ですが,作り手としては,ぜひ魔女の覚醒を目指して,多くの歌魔法を楽しんでほしいと思います。
 もちろん,縛りプレイの一つとして「歌魔法を一切使わないでクリアする」といった遊び方もアリです。

4Gamer:
 ちなみにゲームのエンディングを迎えるまでに,複数の魔女を覚醒させることは可能でしょうか。

水谷氏:
 うまくやれば可能だと思います。

4Gamer:
 分かりました。
 続いて,もう1つのパートである作戦時間について教えてください。

水谷氏:
 作戦時間では,ワールドマップを移動するとイベントや戦闘が発生します。また,経験値やお金を獲得するために「フリーミッション」を選ぶことも可能です。

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4Gamer:
 戦闘に突入すると,どのくらいの頻度で歌魔法が使えるのでしょうか。

水谷氏:
 レベルの高い歌魔法は,相応のゲージを溜めなくてはならないので,1回の戦闘につき1〜2回といったところでしょう。逆にレベルの低い歌魔法であれば,もっと多くの機会で使うことが可能です。

4Gamer:
 合奏の場合は,主人公が指揮者となって魔女が歌うとのことですが,どのような使用条件になっているのでしょうか。

水谷氏:
 合奏は,ゲージが溜まっている状態で,主人公と魔女が隣接しているときに使用可能です。フィールド全体や味方ユニットに強力な効果を与えますが,魔女が歌い続けている間は無防備になりますので,主人公を含むユニットで守る必要があります。

4Gamer:
 なるほど。
 ちなみに「ルミナスアーク」シリーズは,周回プレイによって達成度を高めていくような内容でしたが,「STELLA GLOW」も同様でしょうか。

水谷氏:
 はい。各キャラクターの個別エンディングを用意していますし,物語の本編にもノーマルエンドとトゥルーエンドがあります。実際にプレイして,そのあたりをじっくりと楽しんでいただければと思います。
 周回プレイでは,お金などのいくつかの要素が引き継げます。さらに,自由行動時の行動回数が増えます。初回はまず,いろいろと悩みながらプレイしていただいて,周回プレイでは自由に遊んでもらいたいですね。

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シミュレーションRPGに盛り込みたいアイデアは尽きない


4Gamer:
 水谷さん自身の今後の活動についてもお聞きしたいのですが,たとえば「STELLA GLOW」の次回作の構想はありますか。

水谷氏:
 気の早い質問ですね(笑)。でも,そう聞いていただけて嬉しく思います。
 「STELLA GLOW」では,いろいろなことがありましたが,開発スタッフをはじめ,周囲の皆さんのおかげでようやく発売に漕ぎ着けることができました。多くの人にプレイしていただき,次につながるならば,そんなに嬉しいことはありません。

4Gamer:
 ここまでお話を聞いて,「STELLA GLOW」で“やり切った感”があるのではないかとも思ったのですが……。

水谷氏:
 いえいえ,そんなことはないですよ。まだまだシミュレーションRPGには可能性があります。
 「STELLA GLOW」では魔女や歌をメインテーマにしましたが,そこからさらにアレンジして新しい世界が構築できるのではないかと。たとえば「魔女=悪魔の歌をダウンロードして戦う少女」という設定にすれば,また新しいドラマが生まれるでしょう。僕個人の趣味で言えば,もっとジト目の魔女を出したいかな(笑)。そのほかにも,「“声霊”を召喚する」なんてシステムも考えられそうです。

4Gamer:
 アイデアは尽きないようですね。

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水谷氏:
 はい。サブシステムの要素も,もっと作り込みたいですね。たとえば,魔女と“猫の使い魔”の組み合わせを常々構想しているのですが,なかなか実現しないんです。僕は猫が好き過ぎるので,中途半端なものは作れないなと。たとえば猫と仲良くなると,のぞき見ポイントに連れて行ってもらえるとか,そういったどうでもいいところにこだわりたいですね(笑)。

4Gamer:
 シミュレーションRPG以外のジャンルへの意欲はいかがでしょうか。

水谷氏:
 RPGが好きなので,シミュレーションRPGであれ,オープンワールドのRPGであれ,ネットワークを生かしたスマホのRPGであれ,RPGと名の付くジャンルなら何でもやってみたいです。
 ここまで来たら,“魔女ゲー”も極めてみたいとも思います! 新たな魔女の物語に挑戦してみたいですね。

4Gamer:
 最後に,4Gamer読者へのメッセージをお願いします。

水谷氏:
 本作は,たくさんの方々のバトンリレーによって,発売に至りました。最後のバトンを受け取るのはプレイヤーの皆さんです。「STELLA GLOW」を最後まで遊んでください! そのとき,本作は本当の意味で完成します。
 そして,いろいろな意見や感想をぜひお願いします。さらなる挑戦に生かしたいと思います。

4Gamer:
 ありがとうございました。

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