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「jubeat」×「消滅都市」は音楽がつないだ“愛ある”コラボ。奇跡のコラボクエストが生まれた経緯をJAEPO2015会場でキーマン二人に聞いてみた
「jubeat plus」では「消滅都市」の楽曲がプレイでき,「消滅都市」では「jubeat plus」のキャラクターが登場するコラボクエストが配信されているというのがこのコラボのあらましだが,先日開催されたジャパン アミューズメント エキスポ2015(以下,JAEPO2015)では,本日(2月20日)稼働開始となるアーケード最新作「jubeat prop」においても,「消滅都市」とのコラボが行われることが明らかとなった。
リズムゲームである「jubeat」と,アクションゲームである「消滅都市」。一見するとつながりの薄いように見える両タイトルが,どのような経緯でコラボに至ったのか。JAEPO2015の会場で,「jubeat」シリーズのプロデューサー・増田寛之氏と,「消滅都市」のゲームデザイナーである吉川 毅氏に話を聞いてみた。両作の今後についてなどもうかがっているので,「jubeat」ファン,「消滅都市」ファンはお見逃しなく。
「jubeat prop」公式サイト
「jubeat plus」公式サイト
「消滅都市」公式サイト
音楽がつないだコラボ――「消滅都市」と「jubeat」
4Gamer:
今回のコラボはどちらから持ちかけたものなのでしょうか。
弊社から声をかけさせていただきました。実はKONAMIさんに最初にお話したのは,「消滅都市」の配信が始まった2014年の6月頃で。だから,ようやく実現したというのが本当のところなんです。
4Gamer:
ということは,ほぼ一年越しの企画というわけですね。では,コラボ先としてなぜ「jubeat」を選ばれたのですか?
吉川氏:
「消滅都市」は音楽の面でもプレイヤーの皆さんから高い評価をいただいていましたので,リズムゲームとコラボしたらすごく面白いんじゃないかと考えたんです。リズムゲームと言えばKONAMIさんですし,プログラマーがjubeatファンだったこともあって,そこはすんなり決まりましたね。
増田寛之氏(以下,増田氏):
お話をいただいた時は,「(スマホゲームなのに)音楽がウリってどういうことだろう?」って思っていたんですが,いざ聴いてみると,これがjubeatに合いそうなすごくイイ曲なんですよ。だから,最初はスマホ版の「jubeat plus」とのコラボというお話で,2014年秋には実施する予定で進めていたんです。でも,どうせならjubeatシリーズ全体でコラボしようということになって,「jubeat prop」が稼働開始するこのタイミングでの実施となりました。
4Gamer:
なるほど。ということは,アーケード版でも「消滅都市」の楽曲がプレイできるようになる?
増田氏:
はい。現時点では「I miss you baby / Wizard」と「You and Me / Punk」の2曲が「jubeat plus」に配信されていますが,まもなく稼働するアーケード版「jubeat prop」では,これに加えてさらに2曲が遊べるようになります。
4Gamer:
おお! それは楽しみです。ちなみに収録楽曲の選定は,ライトフライヤースタジオとKONAMIのどちらで行われたのでしょうか。ゲームのBGMとはいっても,リズムゲーム向きのものと,そうでないものはあると思うのですが。
増田氏:
ライトフライヤースタジオさんに何曲か候補をいただいた中から,jubeatに合ったものをKONAMI側で選ぶ,といった感じですね。リズムゲームとしての向き不向きはもちろんあるんですけど,今回のコラボではほとんど苦労はなかったです。音もjubeat向きだったので,すんなり進みました。
吉川氏:
結果として「消滅都市」のプレイヤーが一番耳にするバトルBGMから,代表的なもの2曲をチョイスしていただいた形です。アレンジも,リテイク無しの一発OKでした。
4Gamer:
アレンジもKONAMI側で作業を?
吉川氏:
はい。「消滅都市」では,ステージの最後に警告音と共にボスが出てきてBGMが変わる演出があるんですけど,これをうまく取り入れていただきました。ただの楽曲アレンジというわけでなく,通常のバトルBGMからボス戦の曲に切り替わるんですよ。
4Gamer:
「消滅都市」のプレイヤーなら,普段遊んでいるときの気分が追体験できる仕掛けですね。「jubeat prop」の新コラボ楽曲についても,期待できそうです。
「fulfill」と「prop」の間をつなぐ,“スミス愛”あふれるコラボクエスト
4Gamer:
一方で「消滅都市」側では,jubeatシリーズとのコラボクエストが配信されているとのこと。これはどんな内容なんでしょうか。
「消滅都市」はアクションゲームではありますが,音楽と同じくらいドラマ性――とくにキャラクターを大事にしているゲームでもあるんです。なので,最初にKONAMIさんにお願いしたのは,キャラクターをお借りできないか,ということでした。
4Gamer:
なるほど。それでスミスとコンシェルジュですか。
吉川氏:
ええ。KONAMIさんから候補としていただいたキャラクターの中にその2キャラクターがいまして,今回のコラボクエストに登場しています。スミスはコラボクエストの主人公ですし,コンシェルジュはコラボクエストの「超上級」にのみ登場するレアキャラクターという位置づけになっています。
4Gamer:
スミスが主人公なんですね(笑)。いったいどんなストーリーなんでしょうか。
吉川氏:
記憶を失ったスミスが少しずつ楽しい思い出を取り戻していくという内容なんですが……実は「jubeat saucer fulfill」の期間限定イベント「スミスの想いで」※を見て思いついたストーリーなんですよ。「スミスの想いで」で記憶を取り戻したスミスが,再び記憶を失って「消滅都市」の世界に迷い込むという……。
※2014年10月から2015年2月にかけて開催された期間限定イベント。牛に轢かれて(?)記憶喪失となったスミスが,思い出の写真(アルバム画像)を探しながら記憶を取り戻していく。全体を通して,「jubeat saucer fulfill」の歴史を振り返る内容となっている。
4Gamer:
またですか!
吉川氏:
またなんです(笑)。「消滅都市」の設定として,この世界に来たというとことは元の世界から一度消滅してしまったってことなんですよ。でもスミスはjubeatのプレイヤーを愛しているので,jubeatの世界に帰りたい。でも帰る場所がない,というところで新作「jubeat prop」が稼働して,新しいpropの世界に帰って行く……みたいな感じだとすごく綺麗なんじゃないかって。半ば妄想混じりで書いたストーリーをKONAMIさんにお見せしたところ……。
増田氏:
いや,すごくいいじゃないですか! キャラクターがただ出てくるだけじゃなく,ちゃんとストーリーがあるのがいい。スミスが「消滅都市」のキャラクターと掛け合うシーンもあるんですけど,セリフのテキストも一発OKが出せるくらいのクオリティでした。jubeatチームのこだわりは,社内でも有名なくらいで,一発OKってなかなかないんですけどね。
吉川氏:
「jubeat saucer fulfill」と「jubeat prop」の間をつなぐようなことがやりたかったんですよね。これまでにもコラボはいろいろありましたが,他社さんのキャラクターと会話で絡むのは「消滅都市」としても初めての試みです。
増田氏:
いや,スミスだって初めてですよ(笑)。「消滅都市」で活き活きとしているスミスを見て,「ああ,スミスはこんなにも成長したんだな。あっちの世界で頑張ってるんだな」って感慨深かったですから。コンシェルジュも愛のある使い方をしていただいて,嬉しい限りです。
4Gamer:
キャラクター同士の掛け合いなんかはどちらのプレイヤーにとっても嬉しいでしょうし,理想的なコラボだと思います。実際のプレイヤーの反応はいかがでしたか?
増田氏:
かなりの好評をいただいています。リズムゲームだとストーリーを語りにくい面があるので,そこを広げてもらえて,すごくありがたいです。
吉川氏:
jubeatファンの皆さんは,コラボが発表されたその日から万端の準備をしてくれていたみたいです。コラボクエストが配信されたら,会話シーンのスクリーンショットが次々にTwitterにアップロードされていって。想像以上の反響で,皆さんのスミス愛を感じましたね。
4Gamer:
両作のファン層が似かよっているっている部分があるのかもしれません。jubeatはBEMANIシリーズの中では比較的低年齢層にも人気のタイトルですし,「消滅都市」も年齢層は幅広いですよね。
増田氏:
ええ。なので,コラボクエストをクリアしたら終わりではなく,どちらも楽しんでくれている人が多いと感じます。もちろん「消滅都市」のプレイヤーも,jubeatに興味を持って遊んでくれているみたいです。
いよいよ稼働を開始する「jubeat prop」と,新章を迎える「消滅都市」
4Gamer:
それぞれのタイトルの今後についてお聞かせください。まずjubeatは,先ほども話題に上がった最新作「jubeat prop」が間もなく稼働※となるとのこと。
※2015年2月20日に稼働開始であることが後日発表された。
はい。今までのjubeatは“光るところをタッチする”のが基本でしたが,propでは「ホールドマーカー」という“押しっぱなしにする”という操作が増え,長く伸びる音を表現できるようになりました。かといって難しくなるわけではないので,そこはご安心を。広がった音楽の表現を楽しんでいただければと思っています。
4Gamer:
音楽の表現,というと?
増田氏:
音楽は単音だけではないので,タッチ操作だけでは楽曲の良さを表現しきれない面がありました。今回はホールド操作を導入したことで,譜面と曲のシンクロ率が向上しています。もちろん難しくするためのホールドというのもありなんですが,とくに低難度の曲でそれが顕著にあらわれています。
4Gamer:
ああ,なるほど。
増田氏:
そのほかにも,「エンブレム」という新要素が加わっています。マッチング時に出てくるマーカーをエディットして,パーソナルエンブレムを作れるんです。パーツはプレイを通して手に入れられるので,これで存分に自己主張していただければと(笑)。
稼働前なのであまり多くは語れませんが,イベントも色々と仕込んでいますので,楽しみにしていてください。
吉川氏:
「消滅都市」では,メインストーリーの第5章を近々発表する予定です。新章となれば新曲も追加されますので,音楽にもご期待いただければと。またjubeatとのコラボでは,我々もヒントをたくさんもらいました。キャラクターを絡めたコラボを今後も続けていきたいと思っていますので,こちらもご期待ください。スタッフもすごくやる気になっていますので。
4Gamer:
jubeatから消滅都市に迷い込むキャラクターが,さらに出てきたりとか?
吉川氏:
かも知れないです(笑)。タクヤやユキも,ほかの世界のキャラクターと絡むことで,また違った魅力が見えてくると思うんです。それによってストーリーが広がっていくと面白いかなと。
増田氏:
すごく楽しみです。いや,ここでまた新しいコラボしますって言ってしまうと,やらないわけにはいかなくなりますけど(笑)。
吉川氏:
でもスミスが進化するのとか,面白くないですか? スタッフ内ではスミスを進化させたいって声が結構あるんですよ。
4Gamer:
じゃあ,プレイヤーの皆さんの声次第では,という感じにしておきましょうか。個人的には,進化したスミスがjubeatに出てくるのも見てみたいです(笑)。では,4Gamerの読者に向け,最後にお二方からメッセージをいただけますか。
増田氏:
はい。「jubeat prop」では,単に楽曲が増えるだけでなく,色々と新しいモノがどんどんと登場する予定です。もちろんjubeatだけじゃなく,BEMANIシリーズの今後にも期待していただけると嬉しいです。
吉川氏:
jubeatさんとのコラボでは,目標としていた“一味違うコラボ”ができたと思っています。こうしたコラボは,これからも続けたいと思っていますのでご期待ください。あとコラボ相手も募集中ですので,よろしくお願いします(笑)。
増田氏:
二番煎じはつまらないので,コラボでも常に新しいことに挑戦したいですよね。
吉川氏:
ええ。あと「消滅都市」が目指しているのって,スーパーファミコンの時代にあったような「ちゃんとしたストーリーがあり,キャラクターの成長要素があり,そしてボスが強い」っていうゲームなんですよ。だからそういうタイトルを求めている人は,ぜひ一度遊んでもらえたら嬉しいです。
4Gamer:
本日はありがとうございました。
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