インタビュー
宿敵との最終決戦に向けて盛り上がる「Dragon’s Dogma Online」アップデート「シーズン3.4」インタビュー。すべての竜の力が今集結する
4Gamerでは,シーズン3.4の概要をプロデューサーの松川美苗氏とディレクターの木下研人氏に伺ったので,その内容をお伝えしたい。
「Dragon’s Dogma Online」公式サイト
闇に墜ちたレオの再登場。そして,状況の揺らぎを楽しむ「暗黒の大竜晶破壊戦」
4Gamer:
本日はよろしくお願いします。「シーズン3.4」について,いろいろとお話いただければと思います。公開されているティザームービーでは,かつての仲間だった覚者・レオが敵に回るといった内容で話題になりました。
姿を消したレオは独自に動いていて,その運命は再び覚者たちと交わることとなります。シーズン3.4では,レオと覚者たちが織りなすドラマがストーリー面での見どころとなります。
木下研人氏(以下,木下氏):
レオと戦うような局面もありますので,楽しみにしていてください。
4Gamer:
レオとは久しぶりの再会になりますが,これまでのストーリーをおさらいしておきたいですね。
松川氏:
ユーザーさんの声にお応えして,これまでのイベントを振り返る機能を実装しました。8月のオフラインイベント「3周年記念パーティー」でユーザーさんたちから直接要望をいただいたこともあり,スタッフががんばってくれました。
4Gamer:
それではシーズン3.4における新コンテンツについて聞かせてください。
コンテンツとして「暗黒の大竜晶破壊戦」と,新ボス「アバドーン」「バフォメット」「黒騎士」「黒竜」を実装しました。ほかにも,やや上級者向けの「ワイルドハント」と「黒呪の迷宮」の新ルート「黒呪の迷宮 深淵」,初心者から上級者まで楽しめる「リワードミッション」など,さまざまなレベル帯のプレイヤーに楽しんでいただけるものを用意しています。
4Gamer:
メジャーアップデートと言っていいほどの物量ですね。それでは1つずつ概要を教えてください。
木下氏:
リワードミッションは,最前線にたどり着いていないプレイヤー向けのコンテンツになります。毎日簡単なお題をクリアするだけでさまざまな報酬がプレゼントされます。
4Gamer:
レベル帯に関係なくお得なコンテンツになりそうです。では,上級者向けというワイルドハントは,どういったものになりますか。
木下氏:
通常ではあり得ないほど巨大なモンスターなど,ユニークな敵と戦えます。クリアすると多くのプレイポイントがもらえますので,70レベル以降の強化が楽になると思います。
4Gamer:
プレイポイントについては,ユーザーから「レベルキャップ以降に稼ぎにくくなるからどうにかして欲しい」という要望がありました。これに対して一定の回答が示されるわけですね。次に暗黒の大竜晶破壊戦についても教えてください。
木下氏:
暗黒の大竜晶破壊戦では,回復アイテムを現地調達しつつ,ランダムでミッションが発生するダンジョンを攻略していきます。ミッションを連続で解決すると「チェイン」をつなげられるのですが,5チェインでボスの部屋が開き,10チェインと15チェインでクリア時の宝箱の数が追加されます。
4Gamer:
回復アイテムを持ち込むことができないというのは変わった趣向ですね。
木下氏:
残りの回復アイテムやパーティメンバーの戦力といった攻略要素を考慮しつつ,より多くのチェインを狙うか否かという判断が要求されることになります。また,6チェインと11チェインの達成時は,それぞれダンジョン内の封鎖されたエリアが解放されます。
宝箱の封印を解く条件を達成すると本コンテンツ専用のタリスマンを入手できます。攻撃力が大きくアップするタリスマンも存在するので,ボスに使って一気に倒すか,後半のミッションに備えるかなど,攻略のポイントになると思います。10チェインまでは比較的簡単に達成できますので,腕に自信のあるプレイヤーは15チェインを目指してがんばってほしいですね。
松川氏:
また,ダンジョンでは発生するミッションだけでなく,登場するボスもランダムになっています。中には新ボス「ゴルゴーン」「ダゴン」が登場する場面もあります。
4Gamer:
回復アイテムとタリスマンの残量というリソース管理に,ランダムで選ばれるボスとイベントという揺らぎが加わるわけですね。毎回状況が変化する,スリリングなコンテンツになりそうです。
木下氏:
インスタンスダンジョンの攻略サイクルにマンネリ感が出ていたので,毎回異なった展開を楽しめる新ルールで楽しんでいただけるようにしました。
4Gamer:
発生するイベントの内容はどんなものになるのでしょうか。
木下氏:
「モンスターを全滅させる」「モンスターが守る暗黒の竜晶の破壊」「祝福の結晶を護衛する」といったものがあります。
4Gamer:
5チェインの時点でボスと戦えるということでしたが,チェイン数を伸ばしてからボスに挑むと,それだけ強くなるようなことはあるのでしょうか。チェインと聞くとタイムアタック的な要素があるのではないかとも思えるのですが。
木下氏:
チェインはボスの強さに影響を及ぼしませんし,制限時間やタイムアタック的な要素もありません。ですが,高チェインの宝箱ほど,良い報酬を手に入れる確率が上がります。攻略のポイントとなる情報ですが,5チェインの時点でボスを倒し,出口を確保した状態で進退を決めるようなこともできます。その後もチェインを重ねていけば,クリア時の報酬も増えていきますので,これが一番手堅いやり方だと思います。
4Gamer:
クリア時の報酬はボスを倒した時点で確定するのではなく,チェインが終わった時点で決まるわけですね。そのため,ボスを倒した後でチェインを伸ばすかどうかの判断もできると。パーティメンバーとの意思疎通も重要になりそうですね。
木下氏:
暗黒の大竜晶破壊戦は全部で4つのダンジョンを用意していまして,12月6日以降,2週間ごとに1つずつ配信されていきます。もちろん入れ替わり式ではなく,配信後は自由に選んでプレイしていただけますので,楽しみにしてください。
危険なボスとの死闘。覚者を助ける「ドラゴンアビリティ」でエモーショナルにアガる戦いを
4Gamer:
先ほど名前が挙がりましたが,新ボスについても聞かせてください。
木下氏:
虫を操る「アバドーン」,分身能力を持つ「バフォメット」,これまでよりもパワーアップした「黒騎士」,そして物語の最後を飾る「黒竜」の4種類となります。
4Gamer:
まずはアバドーンについて教えてください。
木下氏:
「アルベ」「キラーアルベ」という蟲を使役し,さまざまな攻撃を仕掛けてきます。本体が強力な攻撃を持つのに加え,「蟲塚」から無数のアルベが飛び出してきますし,キラーアルベは即死級のダメージを与えてくる,なかなかの強敵になっています。
4Gamer:
蟲塚のアルベはどういった攻撃を仕掛けてくるのでしょうか。
木下氏:
蟲塚から湧いてくる無数のアルベは,1体1体は非常に弱いのですが,「寄生毒」という特殊な状態異常攻撃を持っています。受けてしまうと時間で体力が減少するうえ,毒消しの薬など既存の手段では解毒できません。
4Gamer:
それは厄介ですね。寄生毒を逃れる手段はあるのでしょうか。
木下氏:
蟲塚を破壊すると,周囲に解毒作用のあるフィールドが発生します。寄生毒にかかるとカウントダウンが発生し,0になるまでに解毒しないと残り体力に関わらず死んでしまいますので,それまでにどの蟲塚を壊すか決めておき,集中攻撃を仕掛けて対応したいですね。
4Gamer:
仲間との連携が重要になりそうです。
木下氏:
アバドーンが口から吐き出すキラーアルベはもっと厄介で,ヒットすると即死してしまいます。しかも,ヘイトに関係なく,何人かの覚者を同時に狙うという性質を持っているんです。
4Gamer:
タンク役が注意を引いているからといって,安心できないと。
松川氏:
飛んでくる軌道も変則的ですから,“やるか,やられるか”の緊張感あふれる戦いになると思います。
4Gamer:
即死クラスの攻撃が2種類もあるというのは,かなり思い切ったボスに感じられます。今回のボスはすべて高難度のコンテンツになるのでしょうか。
木下氏:
いえ,そんなことはありません。アバドーン,バフォメット,黒騎士,黒竜の危険な攻撃は,新システムであるドラゴンアビリティで対抗できるようになっています。
4Gamer:
ドラゴンアビリティというからには,竜が関係してくるのでしょうか。
木下氏:
「全ての竜の力。今,ここに。」というシーズン3.4のキャッチコピーを体現するシステムで,これまでの物語に登場した精霊竜セシリー,火竜クレス,そして白竜が覚者に力を貸してくれます。
システム的には,アバドーン,バフォメット,黒騎士,黒竜戦で発動する,特殊なパッシブ効果の総称です。例えばアバドーンであれば,精霊竜セシリーのドラゴンアビリティが助けてくれます。キラーアルベのダメージを軽減する「精霊竜の抱擁」と,弱点に一定量のダメージを与えると追撃が発生する「ビーストスレイヤー」などが攻略を手助けしてくれます。
4Gamer:
PVの最後に一瞬だけ出ていた,竜の紋章が輝いていたシステムがドラゴンアビリティだったんですね。
木下氏:
シーズン3.4の新ボスは厄介な攻撃をしてくるものが多いですが,ドラゴンアビリティは劣勢になると思われるところで発動してくれます。“戦っている覚者たちが一丸となって,テンションが上がる瞬間を作りたい”“パーティの気持ちを1つにして,気持ちよく戦ってもらいたい”というコンセプトで作っています。
松川氏:
ピンチをチャンスに変えるのがドラゴンアビリティです。危険な攻撃もありますが,「ドラゴンアビリティで逆転タイムが来ますよ」といった感じで,気楽に構えていただきたいですね。
4Gamer:
精霊竜セシリー,火竜クレス,白竜と3系列のドラゴンアビリティを一度に実装した理由は何でしょう。こういった新システムは小出しに追加されていくものというイメージがありますが。
木下氏:
“黒竜との戦いで,各大陸の竜が力を貸してくれる”という,物語の盛り上がりを重視するために一気に実装しました。宿敵との最終決戦で仲間たちの力を結集するというのは燃える展開ですから。
4Gamer:
危地を脱して逆転する,盛り上がりのあるエモーショナルな戦いということですね。ドラゴンアビリティはどのようにして手に入れるのでしょうか。
木下氏:
ドラゴンアビリティ値が付与された「竜防具」が必要になります。暗黒の大竜晶破壊戦や,新しいエクストリームミッションで入手でき,ドラゴンアビリティ値の合計が高いほど,高レベルの効果が発揮される仕組みです。
4Gamer:
どのドラゴンアビリティが発動するかはパーティメンバーそれぞれで異なるんでしょうか。
木下氏:
パーティメンバーやポーン全員のドラゴンアビリティ値が合算されて発動します。つまり,誰かが強力な竜防具を装備していれば,全員が恩恵を受けられます。シーズン3.4からは,ソロプレイできるエクストリームミッションに,サポートポーンを連れて行けるようになるので,ドラゴンアビリティ値の高い竜防具を装備したサポートポーンを貸し借りするのもいいと思います。発動時にはそれぞれの竜の咆哮も響きますので,こちらにも注目してください。
松川氏:
ドラゴンアビリティを合算するという仕様から,「パーティ推奨なのかな?」と思われるかも知れませんが,そんなことはありません。DDONはソロでコンテンツを楽しまれているプレイヤーも多いですし,すべてのプレイヤーが楽しめるバランス調整になってますから,その点は安心してください。
4Gamer:
竜防具を手に入れる難度はどれくらいでしょうか。
木下氏:
暗黒の大竜晶破壊戦を2〜3回遊んでいただければ,その先にいる新ボスと戦えるくらいの竜防具が手に入るというイメージです。もちろん,高難度の新ボスには高いドラゴンアビリティ値が求められますが,ノーマル難度をくり返し遊んでもらっても装備は集められるようになっています。
4Gamer:
ドラゴンアビリティ無しで新ボスと戦えるのでしょうか。
木下氏:
そうですね……。強力な装備をそろえて,しっかりとビルドを組み立てた覚者さんであれば勝てる可能性はある,とだけ言っておきます。おそらく,かなりの縛りプレイになるとは思います。
松川氏:
また,こういうことをいうと覚者さんが張り切ってしまいそうですよね(笑)。「木下からの挑戦だ! やってやるぜ!」って。オンラインゲームのユーザーさんは常に開発の想定を上回ってきますし,とくにDDONはやり込んでいる覚者さんが多いですから。
4Gamer:
ベテランの覚者さんはプレイヤースキルが高いので,案外さっくりと達成される可能性もありそうですね。では,2体目の新ボス,バフォメットはどんな敵なのでしょうか。
木下氏:
腕に闇炎(やみほのお)を宿したモンスターで,最大3体に分身して波状攻撃を仕掛けてきます。
4Gamer:
分身となると,忙しい戦いになりそうですね。
木下氏:
単にバフォメットが増えるだけではなく,それぞれに個性を持っており,物理攻撃に優れた分身,魔法攻撃を仕掛けてくる分身,闇炎を使う本体で行動パターンが違っています。ただ,分身には気絶などの状態異常が効きやすいので,効果的に活用すれば爽快な戦いを楽しめると思います。
松川氏:
3体のバフォメットが俊敏に戦場を跳ね回る,DDONらしいアクションバトルを楽しんでもらいたいですね。
木下氏:
闇炎の攻撃を受けると,体力が減り続け,行動速度が落ちる特殊な状態異常にかかるのですが,ネド王子の火竜クレスのドラゴンアビリティ「火竜の浄化」が発動することで,状態異常の時間が短縮されます。闇炎の状態異常時間は短く,ストレスを感じずに攻略してもらえると考えています。
4Gamer:
今回は“最終決戦”と銘打たれていますが,黒騎士との決着もつくのでしょうか。
松川氏:
もちろんです。黒騎士も今まで以上に本気になってこちらを倒しにかかってきます。
木下氏:
黒騎士もパワーアップしていて,スタミナを一気に奪う「闇牢」(あんろう)の状態異常や,防御力が上がる「鎧硬化」といった奥の手を出してきます。これに対抗するドラゴンアビリティは白竜様のもので,物理攻撃無効化&能力アップの効果を持つ「白竜の防壁」と,鎧硬化を解除しやすくなる「白竜の刃」をうまく活用してほしいですね。
4Gamer:
そして,最後には黒竜が控えていると。
木下氏:
PVの最後にも一瞬だけ姿が見えますが,あの姿から形態が変化していきます。もの凄い大暴れをしますので,楽しみにしていてください。
4Gamer:
どういった攻撃を仕掛けてくるのでしょうか。
木下氏:
“暗黒の大竜晶をはじめとした災いを誰が引き起こしているのか”という物語的な側面とシンクロした大技があります。また,覚者の生気を吸い取るような攻撃も見どころですね。吸い取られた生気が一定量に達すると,黒竜が覚者を世界ごと滅ぼすスケールの大きい攻撃を仕掛けてくるのですが,この攻撃に対し,プレイヤー側も対抗できます。黒竜が生気を吸い取ったら,こちらも引き戻すというような,綱引きのような攻防を楽しめると思いますよ。
松川氏:
こういうバトルをアクションとして楽しめるのは本当に凄い,と思っていただけるような,スペクタクル感あふれる戦いに仕上がっています。
4Gamer:
楽しみにしています。また,今回のアップデートではジョブ調整も行われているとのことですが。
松川氏:
ジョブについては実際に使用率などを見たうえで調整をしてます。開発メンバーも個人的にゲームを遊んでいるのですが,アタッカーといえばハイセプターとシーカーがほとんどというような状態が続いていましたから。
木下氏:
エレメントアーチャーは相手の弱点1か所を集中ロックする「魔眼転移」で攻撃性能がかなり向上しました。ソーサラーは詠唱時間を確保できないという声をいただいていましたので,「バックムーブ」の移動速度を上げたうえで,無敵時間も付与し,さらに魔法の射程を伸ばしています。ファイターは攻撃をキャンセルして盾を使った「流剣閃」「流盾翔」を出せるようになり,ウォリアーは「リベンジゲージ」が蓄積時の恩恵だった攻撃力1.1倍をデフォルトのものとして,さらに相手に攻撃を当てることでリベンジゲージの減少が止められるため,ゲージを維持しやすい仕様になりました。
4Gamer:
アタッカー系にはうれしいアップデートとなりそうですね。それでは,最後にアップデートを楽しみにしている覚者に向けてメッセージをお願いします。
木下氏:
これまでのシーズンとは一味違った,内容の濃いアップデートになっていますので,ぜひ楽しんで頂きたいと思っています。
松川氏:
年末年始は2週間ごとにメインクエストを配信させていただきます。宿敵との最終決戦をいろいろな感慨とともに楽しんでもらえればと思います。DDONは,4回目の年越しを皆様と一緒に迎えたいと思っていますので,よろしくお願いします。
4Gamer:
本日はありがとうございました。
アバドーン,バフォメット,黒騎士,そして黒竜との最終決戦に向け,物語と新システムがともに盛り上がるDDON。状況の揺らぎに合わせたリソース管理を行うエンドコンテンツである暗黒の大竜晶戦から,お得なリワードミッションまで,幅広い層が楽しめるアップデートになりそうだ。
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