インタビュー
成功の鍵はMODコミュニティにある。宇宙開発シム「Kerbal Space Program」の開発者にシリーズのこれまでとこれからを聞いてみた
今回4Gamerは,本作の統括責任者であるネスター・ゴメス氏と,KSP2のクリエイティブ・ディレクターのネイト・シンプソン氏に,KSPシリーズの「これまで」と「これから」についてメールインタビューをしたので,その内容をお届けしよう
4Gamer:
KSPは発売された2011年から今日(こんにち)まで,継続してアップデートが行われてきましたが,当初から長期にわたって開発を続けていくプランだったのでしょうか。
ゴメズ氏:
KSPが2021年になっても大型アップデートをリリースしているとは,誰も想像していなかったと思います。こうして開発を続けられているのは,我々のアップデートやコミュニティのMODに興味を持ち続けてくれている,たくさんのプレイヤー達のおかげです。
4Gamer:
SteamのWorkshopだけでも,7万以上ものMODが公開されていますよね。
ゴメズ氏:
MODコミュニティの形成はKSPの成功の鍵になると,開発初期から考えていました。なのでKSPは,MODが作られることを念頭に置いて開発したのです。なので,MOD制作者はプレイヤーのためにあらゆる種類のMODを作成できました。
長年にわたって多くのMODが生み出されましたが,もうサポートされていないものもあれば,別の制作者によってサポートが引き継がれているものもあります。もちろん,新しいMODも常に開発されています。KSPの大型アップデートが終了しても,しばらくはMODが存在し続けると思います。
4Gamer:
宇宙をテーマにした作品はたくさんありますが,その中でKSPはどのような立ち位置を目指して作られたゲームだったのでしょうか。
ゴメズ氏:
宇宙は誰の手にも届くものである。ということを,軌道力学を楽しみながら知っていただきたいという思いから,KSPを作りました。そのコンセプトはしっかりと,プレイヤーの胸に届いているかと思います。
4Gamer:
これまでの開発の中で,一番印象深かったエピソードを教えてください。
ゴメズ氏:
ロボットパーツをプログラムできる「Breaking Ground」という拡張をリリースしたのですが,その機能を使って作られたコンテンツが,プレイヤーからたくさん投稿されたのが印象的でした。実際に動くメカや,ロボット工学を使ったフラッピーバードのシミュレーターなど,驚かされる作品ばかりでしたね。
4Gamer:
KSP2についてもお聞きしたいと思います。本作ではマルチプレイに対応していますが,これは前作で要望が多かったのでしょうか。
シンプソン氏:
そうです。ファンの間では,KSPの初期のころからマルチプレイの要望が上がっていましたし,実際にマルチプレイを実現するMODも制作されています。また我々も,創造性と物理学の組み合わせは,同じ空間に複数の人がいることで,よりステキなものになると考えているので,今回は正式にマルチプレイを搭載することになりました。
4Gamer:
マルチプレイを実現するうえで難しい部分はありましたか。
シンプソン氏:
課題はたくさんあります。例えばタイムワープの問題にどう対処するかなどです。もちろんこういった問題はすでに解決しています。マルチプレイについては近いうちにもっと多くの情報をお伝えできると思います。
4Gamer:
MODコミュニティは引き続きサポートしていくのでしょうか。
シンプソン氏:
もちろんです。前作と同じくMODをサポートしていますし,より扱いやすいAPIを提供することで,初心者の方でも手軽にMODが作れるようにしたいと考えています。
4Gamer:
前作のMODはそのまま使用できるのでしょうか。
シンプソン氏:
残念ながらKSPとKSP2はまったく別のゲームなので,MODの互換性はありません。ただ,KSP2用に作り直せるような仕組みは考えています。
4Gamer:
それでは最後に,KSP2に向けた意気込みを教えてください。
シンプソン氏:
KSPが10年経っても健在であることを踏まえると,KSP2も10年はアップデートを続けていきたいと思っています。私たちは,よりブラッシュアップされた「建設・破壊・進化」というゲームサイクルが,より多くのプレイヤーに歓迎されるよう,開発を進めていきますので,楽しみに待っていてください。
4Gamer:
ありがとうございました。
「Kerbal Space Program」公式サイト
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