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「サガ オーケストラコンサート2016」では,最新作「サガ スカーレット グレイス」の楽曲も! 歴代作曲家陣のトークも楽しめた東京公演の模様をレポート
1989年に発売された初代作品「魔界塔士サ・ガ」から27年が経過した今年,待望の最新作「サガ スカーレット グレイス」の発売を控えたタイミングで,「サガ」シリーズとして初のオーケストラコンサートとして行われたのが,今回の公演。
東京公演では,作・編曲家の山下康介氏の指揮のもと,東京フィルハーモニー交響楽団の演奏で,事前に発売されたオーケストラアレンジCD「サガオケ! The Orchestral SaGa -Legend of Music-」(関連記事)からの楽曲を中心に,全17曲が演奏された。本稿では2部に渡って行われた公演の,夜の部の模様をレポートする。
サガ オーケストラコンサート2016
日時:11月23日(水・祝) 夜公演 開場18:00 開演 19:00
場所:Bunkamura オーチャードホール
ゲスト:植松伸夫/伊藤賢治/藤岡千尋/笹井隆司/野々村彩乃
河津秋敏(スクウェア・エニックス)/市川雅統(スクウェア・エニックス)
指揮:山下康介
オーケストラ:東京フィルハーモニー交響楽団
作曲:植松伸夫/伊藤賢治/藤岡千尋/笹井隆司/浜渦正志
編曲:山下康介/亀岡夏美
主催:SQUARE ENIX
製作:PROMAX
※敬称略
セットリスト
<第一部>
1.魔界吟遊詩 -サガシリーズメドレー2016
2.世界への帰還 -エピローグ from 魔界塔士サ・ガ
3.父の背中を追って -バトルメドレー from サ・ガ2 秘宝伝説
4.時空の旅人 -フィールドメドレー from 時空の覇者 サ・ガ3
5.試される決意 -最終試練 from ロマンシング サガ -ミンストレルソング〜皇帝出陣 from ロマンシング サ・ガ2 メドレー
6.最強の栄光 -バトル2〜七英雄〜四魔貴族バトルメドレー from ロマンシング サ・ガ1〜3
7.戻れない道程 -ラストダンジョンメンドレー from ロマンシング サ・ガ1〜3
8.最終決戦! -ラストバトルメドレー from ロマンシング サ・ガ1〜3
<第二部>
1.戦闘領域 -バトルメドレー from サガ フロンティア
2.妖魔の夢 -アセルスメドレー from サガ フロンティア
3.時代の幕開け -オープニングメドレー from サガ フロンティア2
4.戦いの日々 -ノーマルバトルメドレー from サガ フロンティア2
5.限界の向こうに -アンリミテッド:サガメドレー
6.緋色の邪星 -from サガ スカーレット グレイス
7.胸に刻んで -from サガ スカーレット グレイス Vocal:野々村彩乃
8.これがいきもののサガか -サガバトルメドレー
<アンコール>
オープニングタイトル -from ロマンシング サ・ガ2
コンサートは歴代サガシリーズのメドレーでスタート。古くからのファンには懐かしい,ゲームボーイで発売された「魔界塔士サ・ガ」のシンプルながら美しい旋律のタイトル画面楽曲から,シリーズの名シーンが蘇るメドレーで,胸が高まるオープニングだ。
続くゲームボーイのシリーズ3部作は,当時の音源から豪華なオーケストラ曲へとアレンジされたギャップを楽しめたのではないだろうか。
曲間のトークには,サガシリーズの生みの親である河津秋敏氏と,初代シリーズの2作品の楽曲を手掛けた植松伸夫氏,さらには「時空の覇者 サ・ガ3」の作曲者,藤岡千尋氏と笹井隆司氏も登場し,開発当初の思い出を語った。
演奏を聴いた植松氏は「(27年前もの作品なので)気恥ずかしい」と照れつつも,「素敵なアレンジで,作曲者として誇りに思う」と賞賛。またそこで演奏された「魔界塔士サ・ガ」について,「あのゲームは8時間でクリアできるんだけど,その時間は河津さんが成田からハワイまでの飛行時間を意識して作った」と開発秘話を明かしたが,それに対し河津氏は「いえ,どちらかというと新幹線の博多までの時間です(笑)」と返し,会場は笑いに包まれた。
一方の「時空の覇者 サ・ガ3」では,作曲者が藤岡・笹井両氏に替わり,“ロック野郎”を自認するお二人によって,楽曲も全体的にロックテイストになったことが語られた。
演奏は,スーパーファミコンで発売された「ロマンシング サ・ガ」シリーズのメドレーへと展開。コンサートの客層を見るかぎりは,このあたりの作品をとくに体感していそうな雰囲気があり,このシリーズからサウンド担当となった伊藤賢治氏の熱い楽曲のオーケストラアレンジには心が躍らされたはず。しかも全曲クライマックスの楽曲が中心で,否が応でも盛り上がる構成だ。
そんな伊藤氏はトークにも登場。スタジオ収録でオーケストラを使ったことがあるが,「ホールで,しかも生音で聴くのは今回が初めて。作曲家として本当に嬉しい」と,喜びの様子だった。司会の「今回演奏されていないご自身の曲で,オーケストラで聴きたい曲は?」という質問に対し,「下水道ですね」と即答した伊藤氏に対し,客席からも笑いを含めた大きな拍手が上がった。
また河津氏はサガシリーズを30-DELUXとのタッグで舞台化することにも言及。「現在制作中で,豪華な出演者がそろう大規模公演となる」と宣言し,来場者の期待を高めた。
サガシリーズ舞台版ティザーサイト
約20分の休憩を挟んでの第二部は,PlayStationで新たに展開された「サガ フロンティア」2作品と「アンリミテッド:サガ」の楽曲からスタート。
「サガ フロンティア」のファンにはなじみ深い“イトケン節”は健在ながら,ハードの内蔵音源でサウンドを演奏した最後のシリーズであり,伊藤氏も「オリジナル曲と大きく違って聞こえるのはここまで」と感慨深げにコメントしている。
また「サガ フロンティア2」「アンリミテッド:サガ」のサウンド担当である浜渦正志氏は,今回,スケジュールの都合で残念ながら不参加となったが,「製作当初は辛いこともありましたが,サガシリーズは今の自分の立ち位置を作った作品といって過言ではありません。とくに『サガ フロンティア2』は,シリーズのファンに背中をグイグイ押してもらったことが,今も思い出に残っています」と,コメントを寄せている。河津氏も「それまでとは違うものを作ってくれて嬉しかった」と,浜渦氏の功績を讃えた。
公演も終演に近づいたタイミングで,待望の最新作「サガ スカーレット グレイス」の楽曲の演奏だ。そのうち「胸に刻んで」は,同作のエンディング曲であり,この公演唯一のボーカル曲となった。歌うのは野々村彩乃さん。河津氏いわく「伸びのある歌声」が評価され抜擢された彼女は,オーケストラ演奏に負けないソプラノ歌唱で客席を圧倒。「(公演で歌を聴いた人は)ゲームで聴いてもらうことで,もう一度感動できるはず」と,河津氏も絶賛していた。
本編最後には,シリーズのすべてのファンに向けたバトル曲のメドレー「これがいきもののサガか」で会場大いに盛り上げる。今回の公演のために用意されたメドレーとのことで,来場者にとっては嬉しいプレゼントとなったのではないだろうか。
アンコールに選ばれたのは,「ロマンシング サガ2」オープニングの美しい旋律。客席からは喝采の拍手が鳴り続いた。
公演終了後には登壇者のコメントがいただけたので,そちらもお届けしよう。
市川雅統氏(「サガ スカーレット グレイス」プロデューサー):
公演を聴いていて,いちファンだったことを思い出して,涙が出そうになる素晴らしいコンサートでした。
河津秋敏氏:
ゲームは,音楽によるところがものすごく大きいということを,あらためて感じた公演でした。
植松伸夫氏:
サガシリーズ単独のオーケストラコンサートが実現していなかったというのが凄く意外でした。曲自体はほかのコンサートでも演奏されていましたからね。客席を見ていると,お客さんが目を閉じて聴いてくれているのが,凄く嬉しかったですね。
伊藤賢治氏:
ここに浜渦君がいないのが残念なのですが,歴代の作曲家陣と肩を並べて,同じ時間を共有できたのはとても幸せでした。
笹井隆司氏:
十分に堪能しました!
藤岡千尋氏:
自分の曲をオーケストラで聴けた喜びに加えて,客席のいろんな世代のお客さんの顔を見て,サガシリーズが愛されていることをあらためて実感しました。
野々村彩乃さん:
歌手として,このような場に参加できたことを嬉しく思います。ゲームの楽曲を皆さんの前で歌ったのは初めてだったのですが,本当に楽しく歌えて,いい経験になりました。ありがとうございました。
なお,このコンサートは12月10日に大阪公演も行われる予定だ。本稿掲載時点では,まだ一部のチケットサービスに前売り券が残っているようなので,関西方面にお住まいの方は,急いで確認してみよう。
「サガ オーケストラコンサート2016」公式サイト
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