連載
目指すは課金プレイ派のボス打倒。スマホ向け「奴は四天王の中で最も金持ち」を紹介する「(ほぼ)日刊スマホゲーム通信」第714回
スマートフォンには相当な数のゲームが存在しているが,「じゃあ,どれが面白いの?」「そもそも,数が多すぎて好みのタイトルが探せない!」と思っている人も少なくないはず。 そんな問題を解決すべく,スタートした連載が「(ほぼ)日刊スマホゲーム通信」だ。話題の新作タイトルからネタ要素多めのオモシロ系まで,スマートフォンのゲームを片っ端からプレイして(ほぼ)毎日お届けする。
本連載の第262回で紹介した「あなたってよく見るとドブネズミみたいな顔してるわね」(iOS / Android)は,非常に堅実なシステムを採用しながら,ストーリーがとても秀逸で,印象に残る作品だった。
本日は,同作の開発を手がけたSYUPRO-DXの最新作「奴は四天王の中で最も金持ち」(iOS / Android)を紹介しよう。「あなたって〜」と同様にひねりが加えられた世界観だが,本作ではシステム面もなかなかユニークなものなっている。
iOS版「奴は四天王の中で最も金持ち」ダウンロードページ
Android版「奴は四天王の中で最も金持ち」ダウンロードページ
舞台は「ガチャ」と呼ばれる便利アイテムによって支えられている世界。何もかもがガチャで解決されるこの国では,「課金」により無類の強さを手に入れた通称「課金四天王」が世界を牛耳っていた。主人公は見事課金四天王を打ち崩し,世界の平和を取り戻すことができるのか……。
というのが本作のプロローグ。ソーシャルゲームを下敷きにした,ある種のメタ的世界観で,非常に風刺の効いた設定になっている。
課金すればするほど,ガチャを引けば引くほど強くなるという,笑えそうで笑えない世界観 |
移動は画面内の行きたい場所をタップするだけ。非常にスピーディーに移動してくれるので,ストレスは感じない |
ゲームでは,最大4人でパーティを組み,世界を冒険することになる。情報収集してダンジョンへ挑み,ボスを倒したら次の目的地へ……という流れを繰り返しながらラスボスを目指すのだ。
そして,本作最大の特徴となっているのが,ガチャを使った「ワザ」を駆使した戦いだ。
ワザは,属性を表す「上ガチャ」と,行動を表す「下ガチャ」の組み合わせによってプレイヤーが作るもの。たとえば上ガチャ「はかいの」に下ガチャ「ガトリング」を組み合わせると「はかいのガトリング」というワザになり,「赤」属性の強力な全体攻撃として使用可能。ここでガトリングを「ラブレター」に変更すると「はかいのラブレター」となり,今度は赤属性のHP回復ワザになる。こうしてさまざまな組み合わせを試して,必要なワザを作り上げていくのだ。
上ガチャの属性は「赤」「青」「緑」「白」「黒」の5種類。赤と青と緑は三すくみ,白と黒はお互いが弱点という相性になっている。各種ワザガチャの力が入った説明文にもぜひ注目してほしい |
キャラクターのステータスは「こうげき」「ぼうぎょ」「とくこう」「とくぼう」「すばやさ」の5種類。下ガチャには「ぶつり」「とくしゅ」の2種類があり,順にこうげき,とくぼうの数値が影響する |
「ぼうぎょ」と「とくぼう」が高いキャラクターを前線に置いてタンク役にし,「こうげき」や「とくこう」が高いキャラクターはアタッカーとして強力な下ガチャを装備させるなどといった戦略が重要だ |
初遭遇の相手の属性は不明だが,相手が攻撃したときの背景の色で属性を確認可能。いかに弱点属性を突けるか,いかに柔軟に多数の属性を用意できるかが,攻略のポイントとなる |
各種のワザはゲーム内に設置されている「ワザガチャマシーン」で入手できるほか,「ガチャショップ」で直接購入することも可能だ。ワザガチャマシーンから何が出るかはランダムで,「10連ガチャ」も可能,そして各種ガチャにはレアリティが存在と,この辺りは昨今のソーシャルゲーム風味だ。
仮想通貨「ドラゴンたからいし」を使ったレア4以上確定の「ギガガチャ」も存在。ここがいわゆる課金要素だが,筆者は無課金でもゲームクリアまで遊べた |
アイロニーにあふれた世界観,そしてガチャという要素をうまく取り入れた戦闘システムで,ほかにないプレイフィールとなっている本作。課金によって世界を支配するボスを倒すために,あくまで無課金で挑むか,それとも課金をもって課金を制すのかは,プレイヤー次第だ。
著者紹介:トリスター/目代将規
ゲームやアニメの書籍企画,編集,シナリオライティングや広告制作なども手がける編集プロダクション「トリスター」所属。スマートフォンならではのゲームや,一瞬で遊べてしまうゆるいゲームが大好物。好きなゲームのジャンルはRPGとアドベンチャー。“モンハン”好き。
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