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ハロー!Steam広場 第357回:タイムリミットは15分。4人を操作して恐怖の村から脱出するホラーゲーム「国際指定怪異123号 廃村」
「すちーむ」ってなぁに?というよい子のみんな集まれー! 「ハロー! Steam広場」は,PCゲームのダウンロード販売サイトSteamで公開されている気になるタイトルを,筆者が独断と偏見でピックアップして紹介する,とっても有意義なコーナーだ。欠かさずチェックすれば,女子シムだけのシェアハウスを神視点で一日中眺めてる上級Steamerにジョブチェンジできるかも。
タイムリミットは15分。4人を操作して恐怖の村から脱出せよ
今回紹介する「国際指定怪異123号 廃村」は,日本のデベロッパ727 Not Houndが手がけるホラー脱出ゲームだ。物語の舞台となる廃村はそれ自体が怪異であり,毎年どこからかさらってきた少女を生け贄のために幽閉しているという。プレイヤーの目的は,この廃村にとらわれた少女を15分以内に救出すること。そして,元凶である廃村を消滅させるのだ。
本作に登場するのは,少女救出のために派遣された3人の特殊部隊員と,幽閉された少女の計4名。プレイヤーはこの4人の操作を切り替えながら,ゲームを進めていく。具体的には,ゲームの前半で特殊部隊員を操作して少女を見つけ出し,後半で少女を含めた4人の視点を切り替えながら,村からの脱出を目指すという流れだ。
実際の脱出手順はけっこう複雑で,「全体マップで巨人の遺骸をシャベルで発掘 → どこかの廃屋に隠されている呪体と呼ばれる物体を回収,巨人に設置 → 遺骸にガソリンをまく → 少女が持つロウソクで火をつける」という行程を巨人の遺骸の数だけこなす必要がある。
ロウソク以外のアイテムはすべて屋内にランダムで設置されており,さらに呪体や少女は発電機を動かして開ける隠し扉の中に存在するため,なかなか思った通りには進められない。おまけに2つしか空きがないインベントリは,発電機を動かすための資材とガソリンによりすぐに埋まってしまう。
そして厄介なのが怪異の存在だ。怪異は廃村のいたるところを徘徊しており,プレイヤーを見つけると襲い掛かってくる。また,怪異はそれぞれ姿形だけでなく,特徴や対処方法が異なる点も注意しなければならない。例えば「御馳走」と呼ばれる怪異。それ自身には攻撃力がなく簡単に倒せるのだが,死ぬ間際に家にあるアイテムをほかの家にばらまくので,時間がないときに遭遇すると非常にうっとうしい。
なお,登場する怪異はステージによって異なり,ステージが進むほど一度に登場する種類も増える傾向だ。
では,怪異に遭遇したらどうすればいいのか。ふつうのホラー系タイトルならば,タンスなどに隠れてやり過ごすしかないが,本作でプレイヤーが操作するのは特殊部隊員――つまりライフルを持っている。ならば答えは簡単だ。銃口を怪異に向け,引き金を引き続ければよい。ただし,攻撃は屋内に限られるので,屋外で怪異に遭遇した場合はとにかく逃げよう。
スムーズにクリアするためにはチームプレイが必須だが,同時に操作できるのはひとりだけなので,作業中にほかの隊員がやられて,とたんにパニックになることもしばしば。隊員を死なせないようにうまく切り替えて立ち回ったり,操作していない隊員を安全に守る放置の仕方,それぞれの怪異の特徴を見極めた対処法を理解したりと,本作では学ぶべきことが多く,難度は決して低くない。
ちなみに,少女が閉じ込められている部屋の扉は,隊員が全滅すると自動的に開放される。難度は格段に上がるが,少女のみでもクリアはできるので,追い詰められてもあきらめずに道を切り開こう。
本作で重要なのは,タスクと時間の管理なのはわかってもらえると思うが,複数キャラの操作,複雑な脱出手順,キーアイテム探索の際のランダム要素などが,若干取っつきの悪そうな心象を与える。
とはいえ,ピクトグラムを使った動画のチュートリアルは,分かりやすく洒落っ気が効いていて,ルールの理解に役立つ。また出現する怪異の種類や,アイテム数などを自由に調整できる「私廃村」というステージを使って,操作や手順の予習をすることも可能だ。
雰囲気を盛り立てるレトロなグラフィックス,不気味な怪異たち,SCP財団(ホラーをメインにした共同創作コミュニティサイト)に影響を受けたと思われる設定……刺さる人には刺さる作品であることは間違いないので,興味がわいたらぜひプレイしてみてほしい。
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