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ハロー!Steam広場 第356回:戦争の爪痕が残る街の復興を目指すシミュレーションゲーム「WW2 Rebuilder」
「すちーむ」ってなぁに?というよい子のみんな集まれー! 「ハロー! Steam広場」は,PCゲームのダウンロード販売サイトSteamで公開されている気になるタイトルを,筆者が独断と偏見でピックアップして紹介する,とっても有意義なコーナーだ。欠かさずチェックすれば,シム語を完璧に翻訳できる上級Steamerにジョブチェンジできるかも。
戦争の爪痕が激しく残る戦地を片付け,壊れた街並みを自ら復活させる建築系シム「WW2 Rebuilder」
今回は,ポーランドのMadnetic Gamesが手がけるシミュレーションゲーム「WW2 Rebuilder」を紹介しよう。本作は第二次世界大戦をテーマにした作品だが,銃で撃ち合ったり,戦車で建物を破壊したりといった戦闘要素は存在しない。プレイヤーは銃の代わりに工具を持ち,戦車の代わりに重機に乗って,戦争によって破壊されたヨーロッパの各都市を復興させていくのだ。
街の各所には,かつて住民の生活を支えていたと思われる建物やインフラなどの“なれの果て”があり,その周囲を瓦礫が埋め尽くしている。当然,そのままでは手を付けられないので,まずは瓦礫の撤去から始めていくことになる。
小さなものは手で拾い,動かせないものは工具を使って解体する。そうして回収した石材や木材を再利用して,建物やインフラを修復していくのだ。街を再建するための資材すら,現地調達に頼らざるを得ない状況なわけだが,街の一部だったものが,また街の一部として生まれ変わる様子は,なかなかに感慨深いものがある。
瓦礫の片付けが一段落したら,いよいよ破壊された建造物の修復に取りかかる。と言ってもやることは簡単で,回収した資材を建物の壊れた部分に投入するだけだ。鉄道のレールなら金属を,壊れた壁ならレンガを,といった感じで適切な資材を当てはめていけば,あれよあれよという間に建造物がかつての姿を取り戻していく。大きな建物の修復ではレンガを組んで上から漆喰を塗るといった作業もあり,しっかりと大工をしている感が味わえる。
建物によっては「どのような形で修復するか」を選べることもあり,ある程度は自分好みの仕上がりにできる余地が残されているのは嬉しいところ。
フィールドには,建造物がどのように破壊されたのかが,フラッシュバック的な映像として流れる場所もある。単なる瓦礫の山であったものが,たしかに “戦争の爪痕”であることが認識できる瞬間であり,これがとにかく印象に残る。また,不発弾が落ちている場所もあり,それを安全に処理するためのミニゲームも用意されている。このあたりも,戦争の爪痕という設定を生かした演出だろう。
やはり戦争がテーマなだけあって重苦しい空気感は存在するが,ゲーム自体は「House Flipper」のように,気軽に遊べるお掃除シミュレーションになっている。シングルプレイ専用なので,「PowerWash Simulator」のように友達とだべりながら……というわけにはいかないが,黙々と集中して遊べる系のシミュレータなので,刺さる人には刺さるはず。ゲームのつかみが分かるデモ版もあるので,興味があればまずはそちらをプレイしてみてほしい。
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