連載
ハロー!Steam広場 第350回:ネコを理解せよ!火星で猫ファーストな自動化ビジネスを仕立てる「ラーニング ファクトリー」
「すちーむ」ってなぁに?というよい子のみんな集まれー! 「ハロー! Steam広場」は,PCゲームのダウンロード販売サイトSteamで公開されている気になるタイトルを,筆者が独断と偏見でピックアップして紹介する,とっても有意義なコーナーだ。毎週欠かさずチェックすれば,本当に良いものを拾ったときは何も言わずにパーティを抜ける上級Steamerにジョブチェンジできるかも。
ネコを理解せよ!火星で猫ファーストな自動化ビジネスを仕立てる「ラーニング ファクトリー」
アーリーアクセスとは,開発途中のゲームを購入して,デバッガー兼プレイヤーとして参加できる,Steamの販売形態の1つだ。今回はロシアのゲームデベロッパ,Luden.ioが手掛ける「ラーニング ファクトリー」を紹介しよう。
本作は,「猫の,猫による,猫のための自動化工場」を作り上げることを目的とするシミュレーションゲームだ。プレイヤーは廃墟となった火星の都市に降り立ち,さまざまな猫向けの商品を製造から販売まで一貫して手がけ,猫が快適に暮らせるコロニーを築き上げていく。
ゲーム序盤の流れは,「Factorio」や「Satisfactory」といった多くの工場系シムと同じで,まずは周囲にある木や鉄塊をクリックして資源を入手しつつ,技術ツリーから初歩的な施設や輸送手段をアンロックして,量産体制を整えていく。
施設で生産した商品はストアに運び込まれ,お客(猫)のニーズとマッチすれば売れる。そうして手に入れたお金を使って研究を進め,上位の施設やアイテムをアンロックし,事業を広げていくことが,ゲームの継続的な目標となる。
本作の面白いところは,商品だけでなくお客である猫の輸送も必要だという部分だ。お客である猫は謎のワープゲートから次々と現れるのだが,自分で動くことはないので,ベルトコンベアなどを使ってお店まで運ばなければならない。
また,猫の種類によって求めているものが異なるので,1つのゲートから数種類の猫が現れた場合は,「猫分別器」にベルトコンベアをたくさんつなげて,ニーズに合わせたお店に猫を振り分けていこう。
ゲームの進行状況に応じて猫の種類やニーズが変わるため,輸送ルートは定期的に修正する必要はあるが,一度作った施設は再設置するのに一切のコストがかからないので,臨機応変に作り変えていける。また,ほかの工場系シムでは外敵から施設を守る要素もよく見られるが,本作ではそうしたイベントは起きないため,純粋に物流の構築に専念できる。
もう1つ,本作の大きな特徴となっているのが,タイトルにもなっている“ラーニング”だ。本作では技術をアンロックしていくと,「スマートストア」や「データストレージ」という機械学習用の施設が建設可能になり,ストアでの販売データを蓄積・分析して,商品の値付けを自動で行えるようになる。
施設稼働の直後はデータが不十分なため値付けもめちゃくちゃなのだが,時間が経つごとに精度が上がっていき,新たな猫や商品が追加されると一時的に不安定になる,といった感じで機械が学習する様子がリアルタイムで確認できるのが面白いところだ。
本作のデベロッパであるLuden.ioは,教育向けの作品を複数手掛けており,本作にも「ゲームを楽しみつつ機械学習を学ぶ」という側面がある。防衛や戦闘のシステムがないのも,機械学習に焦点を絞っているからだろう。基本的に生き物は猫しか登場しないので,ほのぼのとした工場系シムに興味のある人は,ぜひ本作をプレイしてみてほしい。
- 関連タイトル:
Steam
- この記事のURL:
キーワード
(C)2019 Valve Corporation.All rights reserved.