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ハロー!Steam広場 第343回:鉄道の運行管理にフィーチャーしたシミュレーションゲーム「Rail Route」
「すちーむ」ってなぁに?というよい子のみんな集まれー! 「ハロー! Steam広場」は,PCゲームのダウンロード販売サイトSteamで公開されている気になるタイトルを,筆者が独断と偏見でピックアップして紹介する,とっても有意義なコーナーだ。毎週欠かさずチェックすれば,グラフィックスアップデートのせいで「Phasmophobia」が怖くて遊べなくなった上級Steamerにジョブチェンジできるかも。
鉄道の運行管理にフィーチャーしたシミュレーションゲーム「Rail Route」
アーリーアクセスとは,開発途中のゲームを購入して,デバッガー兼プレイヤーとして参加できる,Steamの販売形態の1つだ。今回はインディーズ系デベロッパ,Bitrich.infoが手掛ける「Rail Route」を紹介しよう。
本作は,鉄道の運行管理に焦点を当てたシミュレーションゲームだ。プレイヤーは列車が時刻表どおりに運行できるよう,路線図上に直接指示を出して運行をマネージメントしていく。クリア目標はとくになく,ゲームーオーバの条件も「列車同士が衝突する」ことだけ。最初こそ細かい指示出しで忙しいものの,そのほとんどは自動化していけるため,ある程度ゲームを進めれば自分で目的を決めてのんびり遊べるようになる。
ゲームは,いくつかの駅とホームを所有した状態でスタートする。この時点で,すでに複数の列車がそれぞれの時刻表にしたがって,プレイヤーの駅と線路を利用している。ただ,基本的にプレイヤーの指示がなければ,ホームに進入したり出発したりすることはない。この指示出しが遅れてしまうとダイヤの乱れにつながるので,序盤は列車ごとの時刻表を確認して,すぐに指示が出せるように構えておく必要がある。
そうした指示出しも,ある程度ゲームが進むと少しずつ自動化していける。そのために必要なのが「契約」で手に入るアップグレードポイントだ。
まず,すべての列車は「契約」に基づいて運行している。契約は一定時間ごとに5つまで自動生成され,そこには「A駅→B駅→A駅」といった運行スケジュールと,運行が終わるたびにプレイヤーに支払われる金額およびアップグレードポイントが示されている。こういった契約を締結させることではじめて,対象となる駅と線路に列車が走り出すわけだ。
ゲーム開始時点で運行している列車も契約に基づいたものなので,ある程度の運行を終えた頃には,アップグレードポイントがたまった状態になっている。要するに早い段階で指示出しの自動化ができるわけだ。
最初にオススメなのは「列車の自動受け入れ」である。これを自動化すると,指示を出すことなく列車がホームに入ってきてくれるので,出発段階での遅延を防げる。最終的には列車の受け入れから出発,線路の切り替え,往復時の反転切り替えまで,すべてを自動化することも可能だ。
アップグレードポイントは自動化だけでなく,UIの改良やシステムの開放といったところにも使用するため,あって困ることはない。ただ,最初から受けている契約だけではポイントの溜まりが遅いので,自動化と合わせて駅のホームや線路を増設し,新しい契約を受けられるようにしておくのがベストだ。
契約を増やすうえでのコツは,運行間隔を知ることだ。基本的に列車の運行間隔は1時間であることが多いので,運行間隔から実際の運行時間を差し引いた残り時間は,その路線がフリーになる。運行間隔が1時間で運行自体が10分で終わる列車なら,その列車を契約している路線が50分も空き状態になるということである。単純計算すれば,10分で運行が終わる列車の契約であればあと4つくらいは余裕があるわけだ。
また線路をアップグレードすると,その路線で出せる最大速度が変わるので,そうすると1時間のうちに走れる列車の数も増やすことできる。このように突き詰めていくことで,より効率的な路線を作れるわけだ。
もっとも,効率を突き詰めていくことだけがこのゲームの楽しみ方ではない。やたらと複雑な路線を作って,それをあえて手動で管理していくのも面白そうだし,秒刻みのダイヤを設計して,列車同士がギリギリを交差して通過していく様子を見てニマニマするなど,楽しみ方はとにかく人それぞれだ。
ゲーム的なやりごたえを求めるのであれば,開発者が作成した複雑な路線図で運行を管理する「時刻表モード」に挑戦してみるとよいだろう。鉄道シムの中でもスケジュール管理系が一番好きだと言う人にオススメできる作品なので,ぜひ遊んでみてほしい。
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