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ハロー!Steam広場 第341回:一撃必殺に気を抜けない。間合い重視の剣戟格闘ゲーム「Hellish Quart」
「すちーむ」ってなぁに?というよい子のみんな集まれー! 「ハロー! Steam広場」は,PCゲームのダウンロード販売サイトSteamで公開されている気になるタイトルを,筆者が独断と偏見でピックアップして紹介する,とっても有意義なコーナーだ。毎週欠かさずチェックすれば,Switchをせがむ子供にSteam Deckの素晴らしさを説く上級Steamerにジョブチェンジできるかも。
一撃必殺に気を抜けない。間合い重視の剣戟格闘ゲーム「Hellish Quart」
アーリーアクセスとは,開発途中のゲームを購入して,デバッガー兼プレイヤーとして参加できる,Steamの販売形態の1つだ。今回は,「Gears of War」や「ウィッチャー3 ワイルドハント」でキャラクターのアニメーションを手掛けた,Jakub Kisiel氏が開発する「Hellish Quart」を紹介しよう。
本作は17世紀のポーランドを舞台に,近世ヨーロッパ各国の剣士達が決闘を繰り広げる格闘ゲームで,CPUまたはほかのプレイヤーと1対1での対戦が楽しめる。各キャラクターと武器はセットになっており,現バージョンでは,片手剣のスタンダードな男性剣士,曲刀を自在に操る騎兵,レイピアで高速の一撃を繰り出す女剣士など,計7人がプレイアブルキャラクターとして選択できる。ちなみに,キャラクター選択画面の端には表示されるが選べないキャラもいるので,開発が進めば選択肢がさらに増えそうだ。
本作をひと言で表すならば西洋版「ブシドーブレード」だ。ブシドーブレードは,どんな攻撃でも当たりどころ次第では一撃で勝負が決まる“一撃必殺”が特徴の格闘ゲームだったが,本作でもこれに似たダメージシステムが採用されている。
加えて本作では,刀剣が肌をかすめれば血が吹き出し,クリーンヒットするとその部分が欠損するなど,ゴア表現にも力が入っており,より真剣勝負の生々しさを感じられる。こうした描写が苦手な人は,オプションでゴア表現を切っておこう。
決闘が行われるステージは奥行きのある3D空間になっており,キャラクターは前後左右に移動できる。攻撃方法は,「右上から振り下ろす」「左上から振り下ろす」「右下から振り上げる」「左下から振り上げる」という基本動作のほか,攻撃動作に変化を加える「構え」と,決まると一撃で倒せる「掴み」がある。
どのボタンも押さなければオートガードが発動し,決められた順番でボタンを押すだけでコンボになるなど,格闘ゲームとして考えると操作は簡単な方だ。
すべての攻撃が致命傷になり得る本作では,自分と相手の武器のリーチ差を考えながら,間合いを調整することが大切だ。切っ先が当たるかどうかというギリギリの間合いで牽制し合い,スキを見て相手の懐に飛び込んで,コンボや掴みを狙う。飛び込もうとした矢先に相手の牽制が顔面にクリーンヒットすることもあれば,うまいこと相手を掴んでそのまま首を跳ね跳ばせることもある。こうした命がけの読み合いが,本作の醍醐味といえるだろう。
ゲームモードは,ひたすら敵と戦って連勝記録を更新していく「Survival」,使用キャラと対戦相手がランダムで選ばれる「history buff」,互いのキャラとステージを自由に選べる「vs」の3種類。ストーリーモードの実装も予定されているが,現状ではデモムービーが流れるのみなので,今後のアップデートに期待したい。また,キャラクターの見た目を変えるカスタマイズモードもあるが,こちらもごく一部のキャラの帽子や服を変更できるだけといった感じで,現状はテスト的な実装にとどまっている。
オンライン対戦に関しては,知り合い同士であればSteam Remote Play Togetherを使用すればいいが,マッチメイキングで相手を見つけたい場合は,外部のリモートデスクトップサービスである「Parsec」を利用する必要があるなど,少し取っつきにくい。ただParsecに関しては,ゲームクライアント内に統合する予定があるとのことなので,将来的にはオンライン対戦も手軽に楽しめるはずだ。
本作は,一般的な格闘ゲームのようにコンボを覚えたりといったことは必要とせず,操作も簡単なので,格闘ゲームが苦手な人にもオススメできる。経験者相手にまぐれ当たりで連勝できることもあり,フラットに遊べる対戦ツールとして見ても面白い作品だと感じた。一回の試合時間も短いので,友達と気軽に盛り上がれる格闘ゲームを探しているという人は,ぜひ本作を試してみてほしい。
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