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ハロー!Steam広場 第323回:魚になって汚染された池からの脱出を目指すアクションゲーム「fishy 3D」
「すちーむ」ってなぁに?というよい子のみんな集まれー! 「ハロー! Steam広場」は,PCゲームのダウンロード販売サイトSteamで公開されている気になるタイトルを,筆者が独断と偏見でピックアップして紹介する,とっても有意義なコーナーだ。毎週欠かさずチェックすれば,ペットショップにゲーミングマウスがいないことを知って愕然とする上級Steamerにジョブチェンジできるかも。
お魚になって食べたり食べられたりしながら海を目指すパズルアクションゲーム「fishy 3D」
ハロー!Steam広場第323回は,昨年の本連載でも取り上げた「pyramida」を手がけたSokpop Collectiveによるパズルアクションゲーム「fishy 3D」を紹介しよう。プレイヤーは,何らかの事情で下水の貯留池らしき場所に流れ着いた赤い小魚を操作して,海へとつながる出口を目指して泳ぎ進むことになる。
操作方法は,方向キーで移動,[X]キーで何かを食べる/くわえる,Z]キーで水中に潜り,離すとジャンプといった感じでシンプルだ。低い段差ならジャンプを使って飛び越え,閉じた水門があればヒモをくわえて引っ張って開け,もろそうな壁があったら爆弾で壊す……といった感じで細かいギミックを解きつつ先に進んでいくのがゲームの流れとなる。フィールドの各所にはパズルのような仕掛けがあり,移動できる範囲に必ずパズルを解くキーがあるはずなので,スイスイ周囲を泳いで探し回ろう。
ただし,ゲーム開始直後のプレイヤーは吹けば飛ぶような小魚なので,ギミックを見つけてヒモを引っ張ろうとしても,口が小さすぎてそもそもくわえられないのだ。なので,まずは壁に生えるコケなどを食べて,徐々に体のサイズを大きくしていく必要がある。そうして,一定のサイズに成長できれば,くわえるというアクションが開放され,謎解きができるようになるわけだ。
体がある程度まで成長すると,コケ以外にも卵形の餌のようなものや,周囲に泳ぐライバル魚も食べられる。生き物は逃げ回るので食らいつくのが少々手間だが,食事を繰り返しながらどんどん体躯が大きくなっていくのは,なかなかに愉快だ。
フィールドには,よく見る緑色の魚以外に青い魚もおり,こちらは肉食性で不用意に近づくとこちらが食べられてしまう。食われると即ゲームオーバーでやり直しとなるが,同程度かそれ以上にこちらが大きくなれば,相手も手出しできない。
ただし,体が大きいと狭い水路や金網が設置されている場所を通過できなくなる。汚水の中を泳ぐと体が小さくなっていくが,前述したとおり体が小さいと青い魚に狙われる可能性が高まる。ゲームのルール自体はシンプルだが,周囲の状況を確認しながら体のサイズを調節しつつ,パズルを解いてエリアを進んでいくといった感じで,意外と目配りするところが多く,やり応えは十分にある。
そんな本作は,Sokpop Collectiveの持ち味ともいえる,カジュアルなタッチで描かれる世界も魅力的で,とくに水辺の雰囲気などは,良く再現されているように感じる。また,見た目はコミカルに感じられるかも知れないが,食物連鎖の厳しさが容赦なく描かれ,この辺りには以前紹介した「pyramida」に通じるものを感じる。流れ込む(恐らく人間が出した)汚水で小さくなる……というのも,一種のブラックジョーク的なものだろう。
気楽にサクッと遊べるタイプのゲームだが,探すのが難しい月形のアイテムをコンプリートする要素もあるため,やり始めると意外とのめり込んでしまうかも。価格も320円と手に取りやすいので,お試しあれ。
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