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ハロー!Steam広場 第321回:デッキビルドで映画のようなアクションが楽しめる「Fights in Tight Spaces」
「すちーむ」ってなぁに?というよい子のみんな集まれー! 「ハロー! Steam広場」は,PCゲームのダウンロード販売サイトSteamで公開されている気になるタイトルを,筆者が独断と偏見でピックアップして紹介する,とっても有意義なコーナーだ。毎週欠かさずチェックすれば,Nintendo Switchを欲しがる甥にGPD WIN 3をプレゼントして泣かれる上級Steamerにジョブチェンジできるかも。
デッキビルドで映画のようなアクションが楽しめる「Fights in Tight Spaces」
アーリーアクセスとは,開発途中のゲームを購入して,デバッガー兼プレイヤーとして参加できる,Steamの販売形態の1つだ。ハロー!Steam広場 第321回はイギリスのインディーズ系デベロッパ,Ground Shatterが開発を手がける「Fights in Tight Spaces」を紹介しよう。
本作は,凄腕のエージェントとなったプレイヤーが,ごろつきのアジトを壊滅させていくデッキビルドゲームだ。登場するカードは近接戦闘に特化しており,それらを使用すると,グーパンチで敵を殴り飛ばしたり,顔面を壁に叩きつけたりといった,バイオレンスなアクションが再生されるのが見どころだ。
ゲームの目的は,5種類あるステージをすべて攻略すること。各ステージには,雑魚と戦って新しいカードを入手する「戦闘」,カードを強化するための「ジム」,カード強化などで使うお金が手に入る「イベント」といった部屋が20以上存在し,最後のボス部屋をクリアすると次のステージへと進める。
スタートからゴールまで続く道は途中で分岐しており,左で戦闘をして新しいカードを手に入れるか,右に進んでカードを強化するか,といった選択によってもデッキの成長具合が変わってくる。
ゲームがスタートすると,プレイヤーはまず始めにデッキの種類を選ぶことになる。本作に登場するカードは大きく分けて,敵をぶん殴るための「攻撃」と,身を守るための「防御」,敵との距離を調整するための「移動」の3種類。最初はそれらがバランスよく組まれた「Balanced」というデッキしか使えないが,ゲームを繰り返しプレイしていくことで,反撃に特化した「Counter Striker」や,攻撃的なカードが多い「Aggressive」といった異なるデッキも選択できるようになっていく。
デッキビルドゲームの戦闘はサイドビューで描かれることが多いが,本作には4×4マス,またはそれ以上の広さのフィールドが用意されており,手札だけでなくフィールドでの位置取りなども考えながら戦うことになる。
戦闘が始まると,まず山札から5枚のカードが引かれる。カードにはコストやダメージが設定されており,1ターンに与えられるコスト(3)を使い切ると,相手のターンに移行するといった感じだ。すべての敵を倒せば次のエリアに進めるが,その前にHPがゼロになると最初のエリアからやり直しとなる。
本作はHPの回復手段が乏しいので,戦闘ではなるべく攻撃を喰らわないように立ち回るのがコツだ。ほかのデッキビルドゲームであれば,敵の合計攻撃力を計算して防御カードを使っていくが,このゲームはあらかじめ相手がどのマスに攻撃するかが分かるので,2コストを攻撃に使い,最後の1コストで移動して,攻撃範囲から逃れるといった戦い方が基本といえる。
さて,攻撃しようとしていた場所にプレイヤーがいなければ,敵は攻撃そのものを中断する。しかし,そこにプレイヤーではなく仲間がいると,プレイヤーと見誤って攻撃してしまうようだ。この“相打ち”を意図的に狙えるようになると,より効率的に敵の数を減らせる。具体的には相手との位置を入れ替える「スワップ」や,敵を前に押し出す「プッシュ」を使って,敵が攻撃を予定している場所にほかの敵を移動させられれば,相打ちが狙えるわけだ。
ちなみに,プッシュで押し出した敵が壁やほかのキャラクターに激突すると,追加のダメージが入る。また,ステージの外周マスのどこかに生成される「即死」エリアに敵を押し出せば,どんな強敵だろうと一撃で倒せてしまう。このようにプッシュは,戦略を組み立てるうえでも重要な効果なので,駆使して戦場をコントロールしていきたいところ。
位置取りのことばかり取り上げてしまったが,本来のデッキビルドゲームの面白さは,ランダムに入手していくカード同士のシナジーが噛み合いすぎて,「ずるいデッキ」が出来上がっていくその過程にあると,筆者は考えている。その点で言うと本作では,最初のデッキに収録されているカードがそもそも優秀なので,それらとシナジーするカードを運よく入手していければ,「開発者の意図を軽く超えるほどの強デッキが出来上がったしまった!」なんていう謎の優越感に浸ることもできる。
もちろん,そうそうあることではなく,次のステージあっさりとボコボコにされるのがオチなのだが,そういったところも含めて本作ではデッキビルドゲームの面白さを満喫できるので,この手のジャンルが好きな人はぜひ遊んでみてほしい。
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