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ハロー!Steam広場 第278回:群雄割拠の中世で自由に生きていくアクションRPG「Mount & Blade II: Bannerlord」
「すちーむ」ってなぁに?というよい子のみんな集まれー! 「ハロー! Steam広場」は,PCゲームのダウンロード販売サイトSteamで公開されている気になるタイトルを,筆者が独断と偏見でピックアップして紹介する,とっても有意義なコーナーだ。毎週欠かさずチェックすれば,放置ゲーを一日中操作し続けで睡眠不足になる上級Steamerにジョブチェンジできるかも。
ハロー!Steam広場 第278回は,ついにアーリーアクセスがスタートしたアクションRPG「Mount & Blade II: Bannerlord」を紹介しよう。グラフィックスやストーリーなどが大幅に進化した一方で“自由気ままに中世を生きる”という骨組みはそのまま。大概のロールプレイは許容される懐の深さは健在だ。
群雄割拠の中世で自由に生きていくアクションRPG「Mount & Blade II: Bannerlord」
トルコのゲームデベロッパ,TaleWorlds Entertainmentが手掛けるシリーズ最新作「Mount & Blade II: Bannerlord」(以下,Bannerlord)のアーリーアクセスが2020年3月30日にスタートした。
「Mount&Blade」といえば,プレイヤーが引き連れる騎馬隊の一団が,群雄割拠の中世で自由に生きていくというアクションRPGだ。その続編となるBannerlordでは,内戦によって弱体化した帝国において戦闘集団を率い,やがては王国を築き上げていくというキャンペーンが展開されていく。
グラフィックスやストーリー,AIなどが大幅に進化した一方で,“自由気ままに中世を生きる”という骨組みはそのまま。プレイヤーは戦国時代という激動の時代に降り立ち,商人として生きても良いし,各都市の闘技場を巡って最強のグラディエーターを目指しても良い。
Bannerlordでのキャラクターメイキングは,両親,幼少期,青年期,さらにはゲームが始まる直前の設定までを細かく選べるので,深いバックグラウンドを持つキャラクターを作り出せる。鍛冶職人の家に生まれて,子供のころはやんちゃ坊主だったが,大人になってからは人々を助けるために身を砕き,周りの尊敬を得るようになった――みたいな,割とありがちな設定でも,いちから自分で選択して作り上げていくと,思い入れもずいぶん違うものなのだ。
またバックグラウンドを選ぶときは,それに関連したステータスが上昇する。たとえば,「幼少期はやんちゃ坊主だった」ということにすると,その時点で戦闘ステータスが上昇するといった感じだ。こうしたステータスへの影響が組み合わさることで,最終的にバックグラウンドに沿ったステータスを持つキャラクターになるのが,本作の面白いところである。
裏を返せば,バックグラウンドとステータスが紐付いている関係上,なにかのステータスに特化させたいような場合には,生まれの選択肢がどうしても固定化してしまう。この点は,仕方ないとはいえ,少し残念に思えた。
戦闘システムは前作から大きくは変わっていない。近接戦闘では,マウス移動とクリックを同時に行い,マウスを動かした方向から武器を振るといった操作になっている。攻撃は上下左右の4方向から行うことができ,ガードするときは同じ方向にマウスを動かしてクリックで構える。
この操作による攻防の駆け引きが本作の魅力の1つなのだが,慣れないうちは一方的にやられるばかりで面白くない。なんならそのへんをぶらついている見るからにザコな野盗にすら,ボコボコにされたりする。ただ,そんな辛辣な世界に飛び出す前に,みっちりと戦闘訓練ができるので,まずはそこで戦闘のいろはを身体に叩き込んでおきたいところ。
一方で本作の華ともいえる騎乗戦闘については,戦場が広くなったため,より大きく動き回って戦えるようになった。グラフィックスや効果音のクオリティが上がっているためか,仲間の騎馬隊とともに敵陣に突っ込んでいくときの臨場感は前作以上だ。
もちろん騎馬隊vs騎馬隊の戦いも熱く,すれ違いざまに起きる一瞬の駆け引きには何度体験してもゾクゾクするカッコよさがある。
そして忘れてならないのが攻城戦だ。本作に登場する城のほとんどは奪うことができ,そのときに発生するのが攻城戦となる。流れとしては,攻城兵器とともに城門まで進軍し,門をぶち壊したり城壁を登ったりして城内へ流れ込む。
何百というユニットが城壁を挟んで弓を撃ち合ったり,城壁の上でせめぎ合ってる光景は圧巻の一言で,自分も指揮官として仲間と共に戦うのだ。城攻めともなると戦闘時間も長くなるが,そのぶん攻め落とせたときの達成感もひとしおだ。
自分のやりたいロールプレイによっては,勢力によるしがらみが鬱陶しく感じることもあるだろう。もっと自由に生きたいと考えるならば,ストーリーやクエストを無視して,我道を行くことも可能だ。
冒頭でも触れたとおり,本作ではどう生きるもプレイヤー次第。交易品を売り歩いてお金を稼いでも良いし,どこにも属さずに放浪の旅をするも良し。商隊を狙う山賊になっても良いし,安全に嫁探しをするために騎士隊を立ち上げても良い。大概のロールプレイは許容される懐の深さは,このゲーム最大の魅力といえるだろう。
制作アナウンスから約8年の歳月経て,ついにアーリーアクセスがスタートした本作。アーリーアクセスの期間は1年ほど予定されているが,コアプレイのほとんどは現状でカバーされており,少なくとも前作でできていたことのほとんどは十分に楽しめる。
シリーズに触れたことがなくても,本作からは親切なチュートリアルも用意されているので,自由気ままに中世を生きてみたいという人はぜひ遊んでみてほしい。
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Mount & Blade II: Bannerlord
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