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ハロー!Steam広場 第217回:徹底してヒントを排した本格派ミステリーアドベンチャー「The Painscreek Killings」
「すちーむ」ってなぁに?というよい子のみんな集まれー! 「ハロー! Steam広場」は,PCゲームのダウンロード販売サイトSteamで公開されている気になるタイトルを,筆者が独断と偏見でピックアップして紹介する,とっても有意義なコーナーだ。毎週欠かさずチェックすれば,賞金首を見つけたときに備えて亀甲縛りの練習をしている上級ガンマンにジョブチェンジできるかも。
ハロー!Steam広場 第217回は,閉鎖された町「ペインスクリーク」で起きた殺人事件をテーマとするミステリーアドベンチャー「The Painscreek Killings」を紹介しよう。本作ではヒントが徹底して排され,プレイヤーは自身の洞察力でこの未解決の難事件の真相を追っていかなければならないのだ。
4Gamer公式キュレーター
※来週のハロー!Steam広場は,筆者取材のため休載となります。次回掲載は,11月9日となります。紙とペンの用意を。徹底してヒントを排したミステリーアドベンチャー「The Painscreek Killings」
今回紹介するのは,アメリカのインディーズ系デベロッパ,EQ Studiosが手掛ける一人称視点のミステリーアドベンチャー「The Painscreek Killings」だ。本作は2017年9月にリリースされたゲームだが,当時は英語しかなく,内容が内容だけに英語読解力が前提となりハードルが高かった。そこから一年を経て日本語が追加されたので,俄然おすすめ感が増している。
物語の舞台となるのは,閉鎖された町「ペインスクリーク」。小さな町だが,かつては活気にあふれており,資産家のチャールズ・ロバーツが市長を務めていた。しかし,チャールズの妻であるビビアン・ロバーツが何者かに殺害されて以来,住民は町から離れてしまい,今ではゴーストタウンと化している。
事件の犯人として逮捕されたのは,スコット・ブルックス。彼はロバーツ家の一人娘トリシャの恋人だったが,証拠不十分で釈放となっており,結局のところ事件の真相は謎に包まれたままだ。ペインスクリークの土地は,近々競売にかけられる予定で,そうなるとビビアン殺害事件は未解決のまま闇に葬られることになる。
そうなる前にこの事件をもう一度取り上げたいと考えたハワードタイムズのリチャード・ハリス編集長は,取材を兼ねた現地の調査に1人のジャーナリストを派遣する。それがプレイヤーである。
プレイヤーは,「誰がビビアンを殺したのか」「犯行の動機はなんなのか」「凶器はなんだったのか」という3つを調査すべく,ペインスクリークに単独潜入するわけだ。
このゲームの特徴は,徹底してヒントを排しているという点にある。ゲームをスタートした時点でプレイヤーはフリーローム状態であり,どこから調査していくかも自分で決めていく。開けられる引き出しはすべて開け,日記や新聞,貼り紙にはすべて目を通す。そうして手に入れた手掛かりやキーワードを,リアルで用意したメモ帳に記入し,それを元に推理を進めていくわけだ。
推理系のアドベンチャーゲームの中には,キーアイテムやキーワードが分かりやすく強調されるものもあるが,このゲームにそういった視覚的ヒントはまったくない。視覚的どころかまともなヒントらしいヒントは一切ないので,プレイヤーの洞察力・観察力がフルに試される。
些細なことに気付き,それが新しい発見となることもあれば,手掛かりを見つけたことで逆に謎が深まることもあり,ストーリーはもちろん,謎掛けやキーアイテムの配置場所1つとっても,綿密に作り込まれていることがわかる。
ネタバレになってしまうのでストーリーについてはあまり踏み込まないが,プレイを進めて感じたのは,この町で起きた事件は単なる殺人事件ではないとうこと。
新しい手掛かりを見つけて「こいつが怪しい」と感じても,別の手掛かりによってそれが否定されたりと,真相が見えそうで見えないもどかしさを感じることもあるが,諦めずに調査を続けていけば,自分の見つけてきた手掛かりがある瞬間に結びつくはず。一つ一つがプレイヤー自身の判断によるものだけに,この時のしてやったり感は格別だ。
“本格探索型ミステリーゲーム”と謳われているとおり,謎解きをしたり推理をしたりといったことが好きな人であれば,腰を据えてじっくりと楽しめるだろう。価格は1980円で体験版も用意されているが,10月30日までは70%オフの594円で販売されているので,興味のある人はこの機会に購入して,ペインスクリークで起きた未解決事件に挑戦してみてほしい。
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The Painscreek Killings
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