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ハロー!Steam広場 第171回:かなりきつめのホラー表現がそそる,タイ産のホラーゲーム「Home Sweet Home」
「すちーむ」ってなぁに?というよい子のみんな集まれー! 「ハロー! Steam広場」は,PCゲームのダウンロード販売サイトSteamでリリースされた気になるタイトルやニュースを,筆者が独断と偏見でピックアップして紹介する,とっても有意義なコーナーだ。毎週欠かさずチェックすれば,伽椰子ばりの悪霊でもヌケる上級Steamerにジョブチェンジできるかも。
ハロー!Steam広場 第171回は,一人称視点のホラーゲーム「Home Sweet Home」を紹介しよう。プレイヤーが攻撃手段を持たず,逃げるしかないタイプのホラー作品だが,ビジュアルや演出の質は想像よりもずっと上で,プレイヤーはカッター女や餓鬼に追われ,かなり怖い思いをすることになる。なお,日本語訳については想像よりも斜め上だ。
かなりきつめのホラー表現がそそる,タイ産のホラーゲーム「Home Sweet Home」
今回はタイのインディーズ系デベロッパYggGameが手掛ける一人称視点のホラーアドベンチャー「Home Sweet Home」を紹介しよう。
本作の物語は,妻の失踪により精神的に追い詰められていた主人公ティムが,見知らぬ部屋で目を覚ますところから始まる。とりあえず部屋のドアを開けて薄暗い廊下を進んでいくと,女性の人影が視界を横切った。ここがどこなのかを尋ねるために追いかけるが,なかなか追いつけない。そればかりか,奥に進めば進むほど,周囲の様子もおかしくなっていく。
道中で拾った1996年9月28日付けの新聞には,女子大生の失踪事件についてが書かれていた。本作がホラーゲームであるということを踏まえて考えると,きっと先ほどの人影がその女子大生なのだろう。もはや嫌な予感しかしないが,追いかけなければゲームが進まない。
人影のものと思われる血の足跡を見つけ,それを辿っていく。すると,人影が廊下の奥にある部屋に入っていくところを目撃。部屋のドアを開けると,白いシャツの女性が背中を向けて立ちつくしている。やっと追いついたと思い声をかけると,女性の“首だけ”がゆっくりとこちらを振り向いた。
これはヤバイ。顔は血まみれだし,右手にカッターを持っている。ヤる気まんまんだ。何より,この首だけが振り向くという演出が,とてもジャパニーズホラーっぽくて精神的に来る。プレイヤーである筆者の心境とは裏腹に,道中での出来事にさほど大きなリアクションを見せなかったティムも,さすがに声をあげた。問題はその第一声である。
ふつうに英字幕で進めているとかなり良質なホラーゲームである本作だが,日本語字幕は相当怪しい。上の事例もそうだが,ティムがときどきオネエ言葉になることもある。それはそれで面白く,いわば日本人だけしか楽しめない一面なわけだが,純粋にホラーを楽しみたい人にとっては,雰囲気がぶち壊しになるので,致命的だ。きちんとホラーとして遊びたいのなら,オプションで字幕を英語にしておくことをお勧めする。
話を戻そう。かくして,追いかけていた謎の女性と対峙したプレイヤーは,逆に彼女から追い回される羽目になる。「P.T.」や「Amnesia」と同じく,プレイヤーには攻撃手段がないので,このような怪異と遭遇したら近くの部屋に逃げ込むか,ロッカーの中に隠れなければ助からない。
このゲームで重要なのは“音”だ。先ほどの女性であれば,カッターの刃を出し入れする時のチキチキッという音で,どの辺りにいるのかが把握できるようになっている。筆者のように怖いからといって小音でプレイしていると,カッター女の接近に気づかず突然襲われて余計に驚く羽目になるだろう。
日本語訳にはいろいろ問題があるものの,ホラーゲームとしてのビジュアルや演出は及第点を軽く超えるクオリティだ。「ARAYA」もそうだが,タイのデベロッパが作るホラーゲームはとてもレベルが高い。本作にはデモ版も用意されているので,少しでも興味のある人は,怖いもの見たさでプレイしてみるのもいいだろう。あとは日本語訳さえどうにかなれば,ホラーゲームとして言うことなしなのだが。
「Home Sweet Home」Steamストア(1680円)
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