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ハロー!Steam広場 第62回:お涙頂戴の雰囲気ゲーかと思いきや……。死んで覚えるアクションゲーム「Ori and the Blind Forest」
ふと気が付くと君(=Steam)のことを考えてる,青春真っ只中のみんな集まれー!「ハロー! Steam 広場」は,PCゲームのダウンロード販売サイトSteamでリリースされた気になるタイトルやニュースを,筆者が独断と偏見でピックアップして紹介する,とっても有意義なコーナーだ。毎週欠かさずチェックすれば,Steamを立ちあげるたびに胸がキュンとなる上級Steamerにジョブチェンジできるかも。
ハロー!Steam広場 第62回は,ニブルの森に棲む小さな精霊を主人公にした横スクロールアクションゲーム「Ori and the Blind Forest」をメインに紹介しよう。ゲームのビジュアルからは想像できないほどの骨太なアクションに注目だ。このほか,下水道の都市伝説をテーマにしたホラーアドベンチャー「Tokyo Dark」もあるので,お見逃しなく。
雰囲気ゲーかと思いきやまさかの骨太アクション! 小さな精霊の奮闘劇「Ori and the Blind Forest」
今回は,Microsoft傘下のゲーム開発スタジオ Moon Studiosが手掛ける「Ori and the Blind Forest」(邦題:オリとくらやみの森)を紹介しよう。本作は,ニブルの森に棲む小さな精霊「オリ」を主人公にした横スクロールアクションゲームだ。
物語の舞台となるのは,オリの故郷であるニブルの森。この森は,ある日突然出現した怪鳥「クロ」によって光を奪われ,闇の世界に飲み込まれてしまう。運良く闇から逃れることができたオリは,ニブルの森に再び光を灯すべく,死に絶えた森の中を冒険することになるのだ。
幻想的なアートワークが目を引く本作だが,このゲームの真髄はむしろアクション性にある。一見するとカジュアルな“雰囲気ゲー”にも見えるのだが,そんな生易しいものではないことは,すでに編集部のMUがお伝えしたとおり。
したがって,雰囲気ゲーというよりも,トライ&エラーを繰り返して進む,いわゆる“死にゲー”といった方がしっくりくるはずだ。ただ,攻略ルートを見つけるまでの導線はしっかりと用意されており,なかなか進めなくてイライラするようなときでも,森の湿っぽい雰囲気と耳心地の良いBGMでなごむので,ストレスがまったく溜まらない。ゲームのテンポとしては,アメとムチが交互に来る感じだ。
ゲームは,いかにも「泣かせてやろう」という意気込みがひしひしと伝わるプロローグからスタートする。このシーンでは,移動とジャンプくらいしかできないので,自ずと操作より目の前で展開される物語に集中することになる。
しばらく進めると涙も乾かぬうちに,新しいアクションが開放される。アクションゲームとしての本番はそこからだ。
オリに用意されているアクションは,移動やジャンプを除いて9種類あり,物語の進行に合わせてに合わせてアンロックされる仕組みだ。一番最初に習得する「精霊の炎」は,自動で近くの敵を攻撃してくれるので,プレイヤーが狙いを付ける必要はない。そして「壁面ジャンプ」と「二段ジャンプ」を習得したあたりから,アクションゲームとしてのテンポがググっと上がっていく。
オリが覚えるアクションのなかでも,とくに面白いのが「打撃」だ。これは,敵の攻撃を打ち返す技となっており,その時の反動を利用して,返した方向とは逆にオリを飛ばすことができる。
打撃をうまく利用すれば,高い場所にも簡単に行けるほか,敵の攻撃を違う敵にぶつけるといった応用も効くので,個人的には操作していて一番楽しいアクションだ。
また,オリには成長要素も用意されており,能力を獲得して精霊の炎を強化したり,防御力を上げたりできる。オリをどう育てるかはプレイヤーの自由だが,序盤は精霊の炎を強化して,敵を素早く倒せるようにしておくと攻略しやすくなるはずだ。
ちなみに,本作はオートセーブに対応していない代わりに,特定のアクションを使う時に消費するエナジーを使って,好きな場所にセーブポイントを作成できる。これのおかげでトライ&エラーがしやすいため,なかなか攻略できないギミックに突き当たっても,すぐに投げ出すことがなくなるのだ。
本作をひと通りプレイして感じたのは,新しいアクションが開放されるタイミングが絶妙だということ。慣れてきたと思った矢先に新しいアクションが追加されるので,一定のモチベーションを保ったまま遊ぶことができるのだ。
アクションゲームに自信のある人にはもちろんだが,理不尽に難しいわけでもないため,雰囲気ゲーを好んでプレイする人にもオススメ。興味が湧いたならぜひ遊んでみてほしい。
「Ori and the Blind Forest」Steamページ(1980円)
東京の下水道には絶対入っては行けない扉がある。都市伝説をテーマにしたホラーアドベンチャー「Tokyo Dark」
「こんなゲームをリリースしたい」という開発者に対して,ユーザーが賛成か反対かを投票できるサービスがGREENLIGHTだ。今回は,日本に拠点を置くインディーズ系デベロッパ Cherrymochiの「Tokyo Dark」を紹介しよう。
本作は,東京を舞台にしたポイント&クリック型のホラーアドベンチャーゲームだ。主人公である女性探偵は,失踪した相棒の手がかりを探すなか,ある都市伝説を知ることになる。それは「東京の下水道には,一度入ると出られなくなる扉がある」というものだ。
これといった手がかりを見つけられないでいた彼女は,この都市伝説と相棒の失踪に何か関係があると確信し,その真相を追うことになる。
下水道にまつわる都市伝説といえば「巨大ワニ」が有名だが,どうやら本作の都市伝説はオリジナルのようだ。都市伝説好きとしては,どんなシナリオが展開されていくのかが気になるところ。なお,シナリオを担当しているJon Williams氏は,2011年に起きた東日本大震災の被災者であり,本作のシナリオは,そのときの体験をベースに作られたという。
シナリオには分岐点が多く存在し,エンディングも複数あるとのことで,一度のプレイでは真実に辿りつけないデザインのようだ。Steamでのリリースは2016年中を予定してるとのことなので,興味のある人はお気に入りに登録しておこう。
「Tokyo Dark」GREENLIGHTページ
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Ori and the Blind Forest(オリとくらやみの森)
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