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ハロー!Steam広場 第49回:己を焼くため危険な冒険へと耳を踏み出すパンを描く「I am Bread」
「すちーむ」ってなぁに?というよい子のみんな集まれー! 「ハロー Steam 広場」は,PCゲームのダウンロード販売サイトSteamでリリースされた気になるタイトルやニュースを,筆者の独断と偏見でピックアップして紹介する,とっても有意義なコーナーだ。毎週欠かさずチェックすれば,ゲームをダウンロードしながらあれこれ調べている時間が一番楽しいと悟る上級Steamerにジョブチェンジできるかも。
ハロー!Steam広場 第49回は,食パンを主人公に据えたアクションゲーム「I am Bread」をメインに紹介しよう。プレイヤーは,こんがりと焼かれることを夢見る食パンを操作して,トースターのもとへ向かうことになる。このほか,Oculus Riftで宇宙飛行士の気分が味わえるシミュレーションゲーム「Astronaut Simulator」もあるので,お見逃しなく。
さまざまな障害を乗り越えて己を焼きに行くパンが主役のアクションゲーム「I am Bread」
アーリーアクセスとは,開発途中のゲームを購入して,デバッガー兼プレイヤーとして参加できる,Steamの販売形態の1つだ。今回は,手術シミュレーション「Surgeon Simulator」で知られるBossa Studiosの新作「I am Bread」を紹介しよう。
本作は,食パンを主人公に据えたアクションゲームだ。プレイヤーは,こんがりと焼かれることを夢見る食パンを操作して,トースターのもとへと向かう。
食パンは,マウスのドラッグ操作で引っ張れるほか,耳の四隅にはそれぞれキーが割り当てられており,対応したキーを押している間は,触れているオブジェクトを掴むことができる。
これをうまく利用して,オブジェクトを掴んでいる耳を軸に食パンを立てたり倒したりしながら移動させるのだが,なかなか思い通りに動いてくれず,あらぬ方向へ転がっていってしまうこともしばしば。
移動する時に注意すべきポイントは,掴むオブジェクトの質量だ。質量のあるテーブルや椅子であれば,掴まった状態で引っ張っても問題ないのだが,フォークや皿といった軽いものを掴んだ状態で食パンを引っ張ってしまうと,オブジェクトごと勢い良く吹っ飛んでしまう。したがって,食器の多いキッチンなどでは,何に掴まるかよく考えて行動しよう。
ちなみに,バターケースやジャムの入った瓶に突っ込み,その場でしばらく動きまわると食パンの表面に塗りつけることができる。バターを塗ると滑りがよくなり,平坦な場所を移動するのが楽になるので,見かけたら塗っておこう。ジャムに関してはイマイチ効果が確認できなかったが,壁に貼り付いたときに若干落ちにくくなる気がする。
本作は,あらゆるオブジェクトの挙動を物理演算で処理しているため,その結果引き起こされる予測不可能なアクシデントがゲームを面白く味付けしている。
例えば,冷蔵庫の扉に掴まって休憩していたら開いてしまい,そのまま中に閉じ込められたり,着地の勢いでスケートボードが走り出し,そのまま目的地に着いてしまったりなど,思わぬ展開によってピンチになることもあれば,助けられることもあったりする。
食パンは最終的に,焼いて食べられる状態にする必要があるので,“汚れ”には細心の注意を払いたい。食パンには,Edibility(直訳すると可食)と呼ばれるゲージが用意されている。ゲージは,パンが床に落ちたり,虫の群がるところに突っ込んだりすると下がっていき,0%になるとゲームオーバだ。
0%まで下がらずとも,パンの状態はクリア時のスコアに影響するので,なるべく清潔に保ちたいところ。まあ部屋中を歩きまわっている時点でアレだが……。
なんとかしてトースターのもとへ辿りついたら,後は焼くだけ……と思いきや,ここからが最大の難所だ。
トースターの上で食パンをまっすぐ立てて,投入口にストンと落とせば良いのだが,ここで微調節をしているうちに,トースターがバランスを崩して倒れてしまうことがある。パンに倒されるトースターというのもどうかと思うが,こうなってしまうとクリアできないので,落ち着いて操作しよう。
なお,トースターが配置されていない2番目のステージでは,ショートしたテレビの上で焼くことができる。テレビをショートさせる方法はネタバレになるので伏せておくが,ステージが進むに連れて,新しい謎解き要素が追加されていくので,ゴールを目指すだけの単調なゲームにはならないのが嬉しいところ。
本作が発表された当時,食パンを操作するゲームと聞いて「またバカゲーか」なんて思ったものだが,こうして実際に遊んでみると,意外にもしっかりとしたゲームになっていて驚かされた次第である。ゲーム中は,何に掴まってどうやって移動するかということで頭がいっぱいになるので,パズルアクションが好きならば,相当ハマれるかもしれない。
現バージョンでは,ステージが4つしかないものの,最初のステージから遊びごたえのある難度になっているので,興味が湧いた人はぜひ挑戦してみてほしい。
「I am Bread」Steamページ(980円)[税込]
Oculus Riftで宇宙飛行士の気分が味わえるシミュレーションゲーム「Astronaut Simulator」
「こんなゲームをリリースしたい」という開発者に対して,ユーザーが賛成か反対かを投票できるサービスがGREENLIGHTだ。今回は,宇宙飛行士の気分を体験できるシミュレーションゲーム「Astronaut Simulator」を紹介しよう。
ゲームの目的は,宇宙ステーションの修理や燃料の補給といったもので,宇宙人と戦ったり未知の惑星に降り立ったりといった要素は一切存在しない。
一見すると地味なゲームに見えるかもしれないが,本作の最大のポイントは,ヘッドマウントディスプレイ「Oculus Rift」に対応しているという点だ。
ゲームは,ヘルメット越しの1人称視点となっており,ヘルメットの湾曲による視界の歪みといった視覚効果にもこだわっているようで,通常のディスプレイで遊んでも十分に宇宙飛行士の気分を味わえそうだ。
Oculus Riftを所持しているという人は限られてくると思われるが,宇宙飛行士視点のゲームはなかなか貴重なので,興味のある人は“いいね”を押しておこう。
「Astronaut Simulator」GREENLIGHTページ
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