トムス・エンタテインメントが今冬リリース予定の「風パズル 白猫と黒猫の夢見た世界」「恋パズル 100人のリアル彼氏彼女プロジェクト（仮）」を先行体験してきた

　トムス・エンタテインメントは，新作スマートフォンアプリ「風パズル 白猫と黒猫の夢見た世界」（iOS / Android）と「恋パズル 100人のリアル彼氏彼女プロジェクト（仮）」（iOS / Android）を今冬リリース予定であると本日（2014年11月14日）発表した。本稿では，発表に先駆けて開催されたメディア向け先行体験会で確認できた，両タイトルの概要紹介とインプレッションを紹介する。

　なお，トムス・エンタテインメントは，「ルパン三世」シリーズや「それいけ! アンパンマン」「名探偵コナン」といった作品を手がけているアニメ制作会社だ。ご存じの読者も多いと思うが，2014年に入ってからは「弱虫ペダル EXCITING ATTACK」（iOS / Android），「アイドリズム」（iOS / Android）の開発・運営を行うなど，スマホゲーム市場にも参入している。ちなみに同社は，セガサミーホールディングスの子会社である。

癒しの世界観を持つ「風パズル 白猫と黒猫の夢見た世界」

“スクロールのあるパズルゲーム”がハラハラ感を生み出す

　「風パズル」は，画面上にある六角形のパネル（風のかけら）をつないでパネルを消していくステージクリアタイプのパズルゲーム。ステージごとに目標スコアやパネル枚数といったノルマがあり，制限時間内に達成すればクリアとなる。
　そのストーリーは，白猫と黒猫が「失われた風」を取り戻すために，不思議な世界を旅するというもの。「そよかぜ」「すずかぜ」「つむじかぜ」「いぶき」など，すべてのステージに風を意味する名前がついていたり，背景で四季が表現されていたりと，全体的に柔らかいトーンになっている。
　なお，本作のテーマ曲「風ハ旅スル」は，ニコニコ動画で人気を博し，最近ではテレビCMの音楽も手がけるピアニスト・まらしぃさんによるものだ。


　パネルは全部で5色あり，同じ色を3枚以上揃えるとパネルが消えるという，いわゆるマッチ3パズルのスタイルを採用している。
　同時に4枚以上消すとどの色としても使える“マルチパネル”が出現したり，特定の手順でパネルを消すと周囲のパネルが巻き込まれるように消えたりするので，それらのテクニックを駆使して高得点を狙うことになる。消し方によってより多くのパネルを消せるギミックは複数用意されている。

両端にあるパネル同士をつないで消す「ウインドブラスト」は，周囲のパネルも一緒に消えるというもの	パネルを囲んで消すと発動する「トルネード」は，つないだパネルと同色のパネルがすべて消える	「ハリケーン」パネルを消すと，溜めたゲージを消費する代わりに強力な風を巻き起こして，大量のパネルを消せる

　本作がほかのパズルゲームと一線を画している最大のポイントは，プレイ画面が固定ではなくスクロールするという点だ。
　タイトルにもあるように，本作には“風”を意識させる演出が採り入れられており，パネルを消すごとに花や葉が舞うなど，随所に用意されている。
　また，何もしないでいると，時間とともにパネルが風に流され，画面外に消えていってしまうので注意が必要だ。なお，スクロールの方向（風向き）はステージごとに上下左右に変化する。

サービス開始時点では，100個のステージが用意されるとのこと

　実際にプレイしてみると，パズルゲームなのに画面がスクロールするというのが，予想以上に新鮮だ。
　パズルとしては，マッチ3タイプのシンプルなルールではあるが，ちょっと気を抜くと，消そうしていたパネルがスルスルと画面外に消えていってしまうので，けっこうアワアワさせられてしまった。また，テクニックを使った消し方にもコツがあり，見た目以上にプレイヤーの腕前が試されるので，遊びごたえも十分ありそうだ。

「風パズル 黒猫と白猫の夢見た世界」公式サイト

フルかフラレるか，恋の行方はパズルのみぞ知る？

「恋パズル 100人のリアル彼氏彼女プロジェクト（仮）」

　「恋パズル 100人のリアル彼氏彼女プロジェクト（仮）」は，画面上の数字をフリック操作で次々と合成していくというパズルゲームだ。本作では，プレイヤーのアバター同士が恋人・友人関係を深めていく（※現実の出会いを促すものではない）という仕組みになっていて，ここで“恋”が生まれるのだ。


　プレイヤーはゲーム開始時にアバターを作り，パズルのステージとなる街中や遊園地などのスポットで他プレイヤー（のアバター）と“カンケイ”を築いていく。“お金”と“魅力”で互いの関係性は変化し，“フッた”“フラレた”の疑似体験ができるという。試遊したバージョンでは未実装だったが，配信時にはアバターのカスタム要素も用意される模様だ。

　パズルとしては，4×4のマスの中に置かれた数字のパネルを上下左右にフリックし，同じ数字パネル同士を合成して大きな数字を作っていくというシステムだ。フリックするとパネル上の“お金”がすべて同方向に移動する。同じ種類のパネルを重ねると，合成されて繰り上がっていく。

基本の流れ。同じ数字パネルをまとめていくと，大きな数字になっていく

3つ以上同じ数字パネルがある場合，“チェイン”で一気にまとめられる

　序盤のステージに限って言えば，適当に左右にフリックしているだけでもクリアできるほどなので，小気味よくプレイできる。会場で話を聞いたところ，ステージが進むとフィールドに穴が開くといったおじゃま要素が入ってくるとのこと。同じ数字のパネルを2セット以上同時に合成するとコンボが発生したり，隣接したパネルを3枚同時に合成できる“チェイン”ルールがあったりと，普通の数字合わせパズルより歯ごたえがあるものになりそうで楽しみだ。

「恋パズル 100人のリアル彼氏彼女プロジェクト（仮）」公式サイト

　体験会後に，「風パズル」「恋パズル」のプロデューサーを務めるトムス・エンタテインメントの森田信尚氏と，「風パズル」の開発を担当しているクアドラソフトウェア代表の瀬古英司氏に，短い時間ではあるが話を聞くことができたので，ここでお伝えしておこう。
　森田氏によれば，「風パズル」「恋パズル」ともに，幅広い層に遊んでもらいたいという思いから企画されたタイトルで，気分転換として短い時間でも楽しめるゲームとして，パズルというジャンルを選んだとのこと。
　「風パズル」は“エコな雰囲気”，「恋パズル」は“リアルな恋人”と，それぞれのテーマは異なるが，どちらもプレイしてもらえるように，相互に遊ぶとより楽しめる仕組みを用意しているところなのだとか。

　瀬古氏によれば，「風パズル」では開発にかなり苦労があったという。
　同じ色を一筆でなぞるというコンセプトは当初から決まっていたが，なんと最初はスニーキングをモチーフにしたゲームだったそうだ。「敵に気づかれないように背後を進む」といった感じで考えていたのだが，開発中に発想に行き詰まってしまう。そこで「スクロールさせてみてはどうか？」というアイデアが出たことで方向性が変わり，現在の形になったのだという。

　森田氏は，「風パズル」にはつないで消すという仕組みにスクロールを，「恋パズル」には数字合わせにプレイヤー同士の関連性という“プラス”を加えていて，どこかで見たことあるだけのゲームではないので，配信されたらぜひ一度遊んでみてほしいとコメントしていた。

トムス・エンタテインメントの森田信尚氏（写真右）
クアドラソフトウェア代表の瀬古英司氏（写真左）

　今回のレポートは以上となる。両タイトルとも，応募者全員にアイテムが配布される事前登録キャンペーンが本日（2014年11月14日）から始まっている。また，事前登録者の中から抽選でプレゼントされる豪華な特典も用意されている。
　なお，本作の公式サイトでは事前登録キャンペーンを兼ねたWeb体験版が公開されており，どんなゲームなのか実際にプレイして確認できるようになっている（※Unity Playerのインストールが必要）。ゲームの内容が気になった人は，公式サイトにアクセスしてみてほしい。