パッケージ
オーバーウォッチ公式サイトへ
読者の評価
74
投稿数:32
レビューを投稿する
準備中
お気に入りタイトル/ワード

タイトル/ワード名(記事数)

最近記事を読んだタイトル/ワード

タイトル/ワード名(記事数)

LINEで4Gamerアカウントを登録
日本人初のオーバーウォッチリーガー,ta1yo選手にインタビュー。リーグ入りはあくまでスタートライン
特集記事一覧
注目のレビュー
注目のムービー

メディアパートナー

印刷2020/07/31 17:38

インタビュー

日本人初のオーバーウォッチリーガー,ta1yo選手にインタビュー。リーグ入りはあくまでスタートライン

 2020年7月22日,Blizzard Entertainmentがサービスする「オーバーウォッチ」PC / PS4 / Xbox One / Nintendo Switch)の日本競技シーンに嬉しいニュースが飛び込んできた。日本のta1yo選手が,オーバーウォッチリーグ2019の優勝チーム「San Francisco Shock」に加入したことが発表されたのだ。日本人選手のオーバーウォッチリーグ入りはこれが初めてのことであり,この偉業はオーバーウォッチの競技シーンを追っていたファンを大きく沸かせたのである。
 ta1yo選手はもともと,国内のプロチーム「JUPITER」のOverwatch部門に所属していた選手だ。国際大会では日本代表として活躍するなど,そのころから注目されていた選手であり,2020年1月にはアメリカの「Third Impact」に移籍して,アメリカでの活動を本格的にスタートさせている。

 今回は,「San Francisco Shock」への加入が決まったta1yo選手にインタビューを実施したので,その内容をお届けしよう。

「San Francisco Shock」公式ページ





4Gamer:
 オーバーウォッチリーグ入り,おめでとうございます。今のお気持ちはいかがでしょうか。

ta1yo選手 San Francisco Shock宣材写真
画像集#005のサムネイル/日本人初のオーバーウォッチリーガー,ta1yo選手にインタビュー。リーグ入りはあくまでスタートライン
ta1yo選手:
 ありがとうございます。リーガーになれたことは嬉しいのですが,これがスタートラインだと思っているので,ここから頑張っていかなきゃという気持ちですね。僕は世界一の選手になりたいので,ほかのリーガーのトップ層と張り合うまでは,まだ満足できません。

4Gamer:
 リーグ入りが決まったとき,周りの反応はいかがでしたか。

ta1yo選手:
 お母さんがすごく喜んでくれました。真っ先に電話で報告したら,泣きながら「おめでとう」って言ってくれて。今までずっと応援してくれてましたし,僕の一番のファンだと思ってます。両親の理解がなければここまでこれなかったと思いますし,本当に感謝しています。

4Gamer:
 San Francisco Shockからはどのようにオファーがあったのでしょうか。

ta1yo選手:
 San Francisco Shockとはコンテンダーチームの時から練習試合をしていて,その時にコーチの人たちと仲良くなりました。そこから話が発展していって,トライアウトしないかという感じで,今回オファーが来ました。

画像集#001のサムネイル/日本人初のオーバーウォッチリーガー,ta1yo選手にインタビュー。リーグ入りはあくまでスタートライン
4Gamer:
 リーグ入りとなると,これからは年俸制になるかと思います。実際にどれくらいもらえるのでしょうか。

ta1yo選手:
 リーグとの契約上,詳しくはお答えできないのですが,リーグの最低年俸が1年で5万ドル(日本円で約500万円)なので,それ以上という感じです。

4Gamer:
 最低年俸でも十分生活していける額ですね。San Francisco Shockへの加入が決まるまではどのような活動をしてましたか。

ta1yo選手:
 アメリカのコンテンダーチームに所属していて,そちらのゲーミングハウスで6か月活動していました。アメリカに来たのは今年の1月ですね。

4Gamer:
 アメリカに来てモチベーションの変化はありましたか。

ta1yo選手:
 ゲーミングハウスでの暮らしがそもそも初体験でした。いつもは実家の部屋で練習していたのですが,やはり人と接してやる練習はすごくモチベーションが高まりますし,お互いに切磋琢磨する仲という認識ができるので,プロとしての意識は高まりましたね。

4Gamer:
 アメリカでの生活はどうですか。

ta1yo選手:
 こっちに来てからは脂っこいものが多くて,おなかを壊すこともありました。でも,San Francisco Shockに加入してからは食事バランスが取れていて,前の暮らしに比べたらだいぶ良くなりましたよ。

4Gamer:
 今はチームハウスのようなところで生活しているのですか。

ta1yo選手:
 3人1組でアパートを借りていて,生活はそこでしています。そこから毎朝練習場に出勤する形ですね。

4Gamer:
 どのようなタイムスケジュールで一日を過ごしているのでしょうか。

ta1yo選手:
 拘束時間が11時〜20時までなので,11時までに練習場に出勤して,13〜20時くらいまではずっと練習です。

画像集#002のサムネイル/日本人初のオーバーウォッチリーガー,ta1yo選手にインタビュー。リーグ入りはあくまでスタートライン

4Gamer:
 仕事としてちゃんと管理されているんですね。

ta1yo選手:
 チームによって違うとは聞きますけど,San Francisco Shockは厳しいほうだと思います。

4Gamer:
 チームメンバーとのコミュニケーションはどうですか。

ta1yo選手:
 San Francisco Shockは10人中7人が韓国人ですが,みんな英語で話すのでそこまで不自由はないですね。

4Gamer:
 アメリカは日本以上に新型コロナウイルスの影響が大きいと思うのですが,リーガーとしての活動に影響はありましたか。

ta1yo選手:
 基本的にチーム関係者以外(選手10人,コーチ3人,マネージャー2人)と合うことはほぼないので,そこまで影響はないですね。ただ,精神面で安定しない選手とかもいるでしょうし,コロナがなければみんなと休日に街に出かけたり,食事に出かけたりして,もっと親睦を深められたと思うので,そういう面ではもどかしく感じます。

4Gamer:
 リーグに所属しているチーム同士で練習試合はするのでしょうか。

ta1yo選手:
 毎日していますし,できない日は二部リーグのチームと練習することもあります。

4Gamer:
 リーグ入りに至るまでの経緯も聞かせてください。日本ではオーバーウォッチの競技人口が少なく,活動を継続しているチームも多くありませんし,大会も活発に行われていたとはいえない状況だったかと思います。そんな中でプロとして活動することに踏み切るのはなかなか難しい決断だったかと思いますが,どのような思いでプロ活動を続けていたのでしょうか。

ta1yo選手:
 日本の競技シーンについては,僕がプロになった時からずっと衰退気味だなと感じていました。日本の大会で1位,2位を取り続けていたのですが,僕としてはもう少し高みを目指したかったんです。そこで,海外のチームに所属したいと踏み切ったのが去年10月あたりで,そのタイミングで二部リーグのチームからオファーがあったんです。正直な話,日本の競技シーンが衰退していくのは予測していましたし,現状衰退しています。なので,それを理由にして海外に挑戦しました。

4Gamer:
 国内で活動していたころは,練習試合を組むのも難しかったのでは。

ta1yo選手:
 そうですね。基本的に海外のチームとやっていました。日本のチームに勝つには,圧倒的に強い韓国のチームと練習したほうが効率的です。僕が日本でプロになって初めて所属したのがUSG Iridataというチームなのですが,そのチームは今まで日本チーム同士で練習試合していました。
 ただ,さらなる高みを目指すためには自分たちより遙かに強い韓国のチームと練習した方が効率的だと考えて,その後は積極的に海外のチームと練習するようにしてましたね。

画像集#003のサムネイル/日本人初のオーバーウォッチリーガー,ta1yo選手にインタビュー。リーグ入りはあくまでスタートライン

4Gamer:
 競技人口の多いタイトルに移ろうと思ったことはなかったですか。

ta1yo選手:
 それはなかったですね。僕が楽しんでプレイできるのはオーバーウォッチだったので。「APEX」もやってみましたが,オーバーウォッチの魅力を越すことはありませんでした。オーバーウォッチのように,個人技とチームプレイがこんなにも融合して成り立っているゲームは少ないと思いますし,そこにとても惹かれてプレイしているので,ほかのゲームに行きたいという気持ちはまったくありませんでした。

4Gamer:
 ta1yo選手はオーバーウォッチをいつ頃からプレイしているのでしょうか。

ta1yo選手:
 オープンβテストのときに触って,このゲームはハマるなと思い,発売日にフルプライスで購入しました。当時高校1年生だったので,お母さんに跪いてお願いして買ってもらいましたよ(笑)。それまではずっと無料ゲーをしていたので,このようにお願いすること自体初めてでして,お母さんもそこまで言うなら,という感じで折れてくれました。そういう意味でも,ここまでこれたのはお母さんのおかげだと思って,感謝してます。

4Gamer:
 それまでは何をプレイしていたのですか。

ta1yo選手:
 「Team Fortress 2」や「CS:GO」をやってました。

4Gamer:
 チームフォートレスをやっていたのであれば,もともとオーバーウォッチへの適性もあったわけですね。

ta1yo選手:
 そうですね。チームフォートレスの競技シーンが衰退して仕方なくCS:GOを始めたのですが,やっぱりチームフォートレスのようなゲームがやりたいと思ってました。そんなタイミングで出たのがオーバーウォッチだったんです。

4Gamer:
 オーバーウォッチを始めた時からプロ入りを目指していたのですか。

ta1yo選手:
 実はプロになることを強く志願していたわけではないのです。プロゲーマーという存在を意識し始めたのは中学生の時で,その頃はCS:GOをプレイしていたのですが,競技シーンがとても活発で,プロの試合とかもよく見ていました。そこで,ゲームでお金を稼ぐということに憧れのようなものを抱いたのですが,CS:GOはそこまでうまくなかったので,遠い夢のように思っていました。
 そして高校生になってオーバーウォッチを始めたとき,ランクマッチでうまい人やプロ選手を相手に戦えていることに気づき,自分にもできるんじゃないかと思い始め,しばらくして日本のプロチームからオファーがあったんです。なので,成り行きといえば成り行きですね。

4Gamer:
 高校生でプロチーム入りしたんですね。学業との両立はどうでしたか。

ta1yo選手:
 難しかったですね。当時のチームメイトに聞いても分かるんですけど,チームでの写真撮影会とかあったときも隙あらば勉強していました。僕が誤って自ら進学コースを選んでしまったものですから,勉強しないと留年してしまうという状況に陥ってしまい…………。本当に両立は難しかったです。

画像集#004のサムネイル/日本人初のオーバーウォッチリーガー,ta1yo選手にインタビュー。リーグ入りはあくまでスタートライン

4Gamer:
 いろいろな苦労を経て,ついにリーグ入りという1つの目標を達成しましたが,次の目標はなんでしょうか。

ta1yo選手:
 まずは今年のリーグで優勝を目指します。来年はロスターが変わるかもしれませんが,新しいチームでも優勝したいですね。

4Gamer:
 ta1yo選手のリーグ入りは,日本で活動しているプロ選手にとっても励みになると思います。これからリーグ入りを目指す選手に向けて,何かアドバイスはありますか。

ta1yo選手:
 日本はどのゲームでも海外に比べて競技シーンは小さいのですが,そういう小さい環境の中でもスター性のある選手とかゲーム理解が高い選手はいます。僕が今まで戦ってきた日本のプレイヤーの中にも,全然リーガーに劣っていない選手が多かったです。なので,自分のシーンの小ささに潰されず,自分のプレイを磨いていけば,報われることはあると思うので,頑張ってほしいです。

4Gamer:
 ありがとうございました。

――2020年7月31日 収録


「オーバーウォッチ」公式サイト

  • 関連タイトル:

    オーバーウォッチ

  • 関連タイトル:

    オーバーウォッチ

  • 関連タイトル:

    Overwatch

  • 関連タイトル:

    オーバーウォッチ

  • 関連タイトル:

    オーバーウォッチ 2

  • 関連タイトル:

    オーバーウォッチ 2

  • 関連タイトル:

    オーバーウォッチ 2

  • 関連タイトル:

    オーバーウォッチ 2

  • この記事のURL:
4Gamer.net最新情報
プラットフォーム別新着記事
総合新着記事
企画記事
スペシャルコンテンツ
注目記事ランキング
集計:11月01日〜11月02日