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「Overwatch World Cup 2018」は,韓国チームが圧巻のパフォーマンスを見せ3連覇を達成。大会MVPにはJJonak選手が選出
本大会はチーム対戦型シューター「オーバーウォッチ」(PC / PS4 / Xbox One)を題材とするeスポーツ大会。24か国の代表チームが参加した予選大会を勝ち抜いて,決勝大会に参加したのは,仁川予選を勝ち抜いた韓国とフィンランド,ロサンゼルス予選を勝ち抜いたアメリカとカナダ,バンコク予選を勝ち抜いたオーストラリアと中国,そしてパリ予選を勝ち抜いたイギリスとフランスの8か国だ。
決勝戦のマッチアップは,韓国と中国の組み合わせで,カナダとイギリスで争われた3位決定戦では,カナダが勝利している。
優勝した韓国チームは,「Overwatch League」の第1シーズン優勝チームとなったニューヨーク・エクセルシアから参加したLibero選手, JJonak選手,Anamo選手を含め,7人全員がリーグで活躍する百戦錬磨のプロゲーマー揃い。予選大会から1マッチも落とすことなく,決勝戦も4-0で圧倒し,優勝を決めた。
MVPに輝いたJJonak選手は,サポート役のゼニヤッタ使いではあるものの,正確なショットを持ち味としており,アナのようなスナイパーキャラクターも操る。今大会は,フィラデルフィア・フュージョンの絶対的なスナイパーとして活躍する,ウィドウメーカー使いのCarpe選手と組んだダブル・スナイパーの布陣を見せることもあり,次々とヘッドショットを決めていたのが印象的だった。
決勝の対戦相手となった中国だが,Overwatch Leagueにおいて,中国に本拠地を構える上海ドラゴンズがまったく振るわなかったことや,オーバーウォッチの中国サーバーが孤立しているために,中国以外の国で名の知られている選手が少なかったことが影響してか,人気的にはダークホース扱い。戦術面はユニークで,タンク系のキャラクターを多く使用する“トリプル・タンク”や“クワッド・タンク”と呼ばれる戦法を採用しており,他地域で見られないプレイスタイルで大会を勝ち上がっていた。
なお,昨年の同大会で初戦敗退だった中国チームだが,ほとんどのメンバーにビザが下りなかったことで,北米在住者などで構成した“寄せ集めチーム”といった状況だったという。決勝戦まで勝ち上がる能力を十分に持つとされていた,フィンランドとカナダに対し,マッチを与えることなく勝ち進んでいった実力からも今年のメンバーが“真の中国チーム”といって過言ではないのだろう。
想定外の戦術に翻弄された相手チームの選手からは「何をやってくるのか予想できなかった」という言葉も試合後のインタビューで聞こえてきたが,意外性のある戦術で勝ち進む姿を見て,ファンや観衆の中国チームに対する評価は大きく上がっていったようだ。
また,今後開催されるOverwatch League第2シーズンでは,新たに加わる8チーム(全20チーム)のうち,成都と杭州を本拠地とするチームが参加することになっており,今回の中国代表に選ばれていた選手たちも参戦してくる可能性は十分にありそうだ。
各国の代表選手やOverwatch Leagueで活躍しているプロゲーマーも場慣れした雰囲気で,固定ファンも生まれてきているオーバーウォッチのeスポーツシーン。ワールドカップもリーグ戦も韓国人選手の独壇場という状況において,今後はそこに一石を投じるような選手が登場することにも期待したい。
「Overwatch」公式サイト
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(C)2015 BLIZZARD ENTERTAINMENT, INC.
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