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シーズン3の覇者はCYCLOPS OSAKAに決定。「日本eスポーツリーグ2018 Winter」オフライン決勝戦レポート
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印刷2018/04/04 15:09

イベント

シーズン3の覇者はCYCLOPS OSAKAに決定。「日本eスポーツリーグ2018 Winter」オフライン決勝戦レポート

 2018年4月1日,東京・豊洲のイベントスペース豊洲PITにて,eスポーツコミュニケーションズ合同会社主催によるeスポーツイベント「日本eスポーツリーグ2018 Winter」オフライン決勝戦が開催された。

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「日本eスポーツリーグ」公式サイト


 同イベントは,全国各地の5チームによって争われたオンラインでのリーグ戦を制した,「Overwatch」「FIFA 18」「BLAZBLUE CENTRALFICTION」(以下,BBCF)の各部門の成績上位チームが,シーズン覇者を懸けてオフラインでの決勝に臨むというもの。
 「Overwatch」部門の頂点を決める「オーバーウォッチ チャレンジカップ」では,1位のCYCLOPS OSAKA athlete gaming(以下,CYCLOPS OSAKA)と2位のNaturals北海道が,「FIFA 18」部門では,1位のあつや選手(名古屋OJA)と2位の黒豆選手(CYCLOPS OSAKA)が,BBCF部門では1位のフェンリっち選手(CYCLOPS OSAKA)と2位のイカメン選手(Naturals北海道)が対決し,その頂点が競われた。結果は以下のとおり。

「Overwatch」部門「オーバーウォッチ チャレンジカップ」


勝敗 選手/チーム名 リザルト
WIN CYCLOPS OSAKA athlete gaming 3
LOSE Naturals北海道 0
※ライバル・ルールのBO5形式。マップは最初のラウンドを1位通過のCYCLOPS OSAKAが選び,以降は敗者側が選択する。

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今大会では唯一のチーム戦となった「Overwatch」部門。結果はCYCLOPS OSAKAが圧倒的な強さを見せ,ストレートでの勝利となった
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「Overwatch」公式サイト



「FIFA 18」部門


勝敗 選手/チーム名 リザルト
WIN あつや選手(名古屋OJA) 5
LOSE 黒豆選手(CYCLOPS OSAKA) 4
※FIFA ULTIMATE TEAMモード / 6分ハーフ2試合の合計得点で勝敗を決定(同点の場合はPK戦で決定)

第1試合を3-0で制した黒豆選手だったが,第2試合であつや選手が猛追,逆転で勝利を手にした
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「FIFA 18」公式サイト



「BLAZBLUE CENTRALFICTION」部門


勝敗 選手/チーム名 リザルト
WIN フェンリっち選手(CYCLOPS OSAKA/使用キャラ:ジン=キサラギ) 10
LOSE イカメン選手(Naturals北海道/使用キャラ:アズラエル) 1
※2ラウンド先取で1セットとし,10セット先取制で勝敗を決定。

BBCF部門の前には,5月31日に発売予定の「BLAZBLUE CROSS TAG BATTLE」を使った,プロゲーマーのどぐら選手とかずのこ選手によるエキシビションマッチも行われた
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会場には「BLAZBLUE CROSS TAG BATTLE」の試遊台も
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圧倒的な強さのフェンリっち選手。最後のラウンドをアストラルフィニッシュで決め,CYCLOPS OSAKAに勝利をもたらした
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「BLAZBLUE CENTRALFICTION」公式サイト



 以上の戦績により41ptを獲得したCYCLOPS OSAKAが,今シーズンの覇者に決定。プレゼンターである新井愛瞳さん(アップアップガールズ(仮))とReijiさん(THE SIXTH LIE)から,各部門の優勝者へ,そして総合優勝のCYCLOPS OSAKAへトロフィーが贈られた。

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かつて見たeスポーツシーンを日本に――イベント主催・筧 誠一郎氏インタビュー


4Gamer:
 お時間をいただきありがとうございます。まず,この大会の主旨について,簡単にご説明いただけますでしょうか。

eスポーツコミュニケーションズ合同会社 代表執行役社長 筧 誠一郎氏
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筧氏:
 「日本eスポーツリーグ2018」は,日本全国に散らばったフランチャイズチームの総当たり戦によって勝敗が争われる。いわゆるJリーグ方式のeスポーツ大会で,今回が3シーズン目にあたります。それぞれのチームは地元に拠点を持つ企業などによって運営されていて,現在は北海道/東京/名古屋/大阪/熊本の5チームがあります。

4Gamer:
 かつての「eスポーツ JAPAN CUP」の後継大会だと思いますが,筧さんはその頃からリーグ制にしたいとおっしゃっていたように思います。手応えはいかがですか。

筧氏:
 はい。やはり最初の頃はチームとしてまとまりがなく,技術的にもハイレベルとは言い難い部分がありました。しかし今回の「Overwatch」部門に出場しているNaturals北海道やCYCLOPS OSAKAのように,日本最高峰の戦いが見せられるまでに成長してきた。これはやはり,継続の賜物だろうと思っています。
 FIFAやBBCF部門は選手が元から強いのもありますが,チームの一員として観客から目を向けられることで,プロプレイヤーとしての自覚を持って,さらに腕に磨きがかかるというのは,私としても実感するところです。

4Gamer:
 ところで競技種目の3タイトルは,どういう基準で選ばれたのでしょうか。

筧氏:
 タイトルごとに事情は違いますが,例えばFIFAは「目指せFIFAフットボールアウォーズ」ということで,「eスポーツ JAPAN CUP」のときから継続しているタイトルになります。世界大会で優勝してフィジカルスポーツのアスリート達と肩を並べる場に,日本から選手を送り込みたい。そういう思いがあるんです。
 Overwatchは,ちょうどこのリーグが始まるタイミングで新しく登場した勢いのあるゲームということで採用しました。BBCFも同様に,新しいバージョンのリリースが重なったことで採用したタイトルです。メーカーさん側も一緒に盛り上げましょうと言ってくださって,競技タイトルになりました。

4Gamer:
 疑問なのですが,例えばBBCFなら,本日のエキシビションマッチにもあるように,間もなく新しいバージョンである「BLAZBLUE CROSS TAG BATTLE」PC / PS4 / Switch)がリリースされます。選手の多くはそちらに移行するように思いますが,次回はタイトルを変えることになるのでしょうか。あるいはほかのタイトルについても,採用タイトルが変わるということはありえるのでしょうか。

筧氏:
 それはありえます。人気タイトルというのは移り変わるものなので,そこはフレキシブルにやっていきたいです。

4Gamer:
 となると,選手やチームは困るのではないでしょうか。バージョンが変わる程度ならともかく,まったく別のゲームになったら,当然ながら契約が切られるような選手も出てきますよね。

筧氏:
 そうですね。そこは各チームのオーナーさんとお話をさせていただいて,その時々の状況と,リーグが発展するためにどういう形が一番良いのかを考えた中で,結論を出していくことになります。

4Gamer:
 次回「日本eスポーツリーグ2018 Summer」の競技タイトルは,もう決まっているのでしょうか。

筧氏:
 いえ。まさにこれから,オーナーさん達と話し合っていくことになります。もちろん,選手のことも考えたうえで,ですね。

総合優勝を勝ち取った,CYCLOPS OSAKAのメンバー達
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4Gamer:
 分かりました。では,ちょっと質問を変えて,本大会の競技種目は,まったく別ジャンルのタイトルで構成されていますが,これはなぜでしょうか。プレイする層も視聴するファンもまったく異なるので,あまり効果的でないように感じるのですが……。

筧氏:
 なるほど。私の理想としては,陸上競技大会のイメージなんです。砲丸投げもあれば100M走もある,棒高跳びもあればマラソンも……という風に,競技種目は全部違う。だけれども,選手が一生懸命な姿に人は感動すると思うんですね。

4Gamer:
 うーん,陸上というか……サッカーと柔道とカーリングくらい離れている気がします。

筧氏:
 そういう意味では,まさにオリンピックを見ているようなイメージですね。実際に,イベントを観て,ほかのタイトルに興味を持った,プレイしてみたらハマってしまったなんて声もよく聞くんですよ。これがまさに,私の望むところでもあります。

4Gamer:
 ああ,筧さんが目指しているeスポーツがそういうビジョンなんですね。海外のeスポーツ大会は,そういう形式が多いのでしょうか。

筧氏:
 eスポーツの大会には,二つの流れがあるんです。一つはメーカーが主催して,メーカー自らでタイトルを競技化し,それが大きくなったもの。Riot GamesさんのLeague of Legends World Championshipなんかはこのタイプです。もう一つは,北米のMajor League Gamingや,ESL主催のIntel Extreme Mastersなど。こちらは複合タイトルで開催されることが多いです。

4Gamer:
 筧さんがeスポーツ事業を始められた頃,前職である電通時代にeスポーツについて調べて,そこからハマったとおっしゃっていましたが,それはどんな大会だったのですか。

筧氏:
 あれは……11年くらい前ですね。最初に見たのは,Championship Gaming Seriesという北米の大会でした。株主がリーマンブラザーズで,リーマンショックとともに消えてしまったイベントなんですが,これが今僕がやってることの下敷きになっています。飲料メーカーや食品メーカーがスポンサーについて,ディレクTVが全世界に向けて放送する。まさに今やってることの巨大版ですね。

4Gamer:
 そのイベントを視察して,どんなところに魅力を感じたのでしょうか。

筧氏:
 まず一つはチームが地域を背負って対戦しているところですね。例えばニューヨーク対シカゴというような。もう一つは選手達が異種目の選手達を応援して,勝ったら皆で抱き合って喜ぶ,そういうチームとしての和の部分です。それと女子部門があったのも印象深くて,これもいずれやりたいと思っています。

4Gamer:
 ではまさに,日本eスポーツリーグはそれを目指しているわけですね。ところで,インターネットがある今の時代に,地域色がそんなに出るものなのでしょうか。

筧氏:
 もちろん対戦はオンライン上でやるわけですが,やはり実際に会って,会話をしながら練習しているチームは強さが違います。これはどのプレイヤーも口を揃えて言いますし,世界的に見ても事実です。CYCLOPS OSAKAが強いのも,皆が拠点に集まって,合宿生活を送りながら練習しているからというのが大きいですね。

4Gamer:
 ああ,それは確かに。

筧氏:
 ですからそういう拠点は絶対に必要で,僕はそれが各地方にあったらいいと思うんです。例えば野球のプロチームでも,阪神だったら拠点は兵庫ですが,選手達はいろいろ地域から集まってきていますよね。そうして地元を背負って戦うわけじゃないですか。

4Gamer:
 実際に,チームをサポートしている企業は地元企業が中心なのでしょうか。

筧氏:
 全部ではないですが,CYCLOPS OSAKAだとデイリースポーツさんがスポンサードしていますね。どぐら選手の結婚式を,そのデイリースポーツさんが取り上げたりとか。スポーツ紙でプロゲーマーの結婚式が報じられるのは,業界初だと思うんですけど(笑)。そういった地元を応援する雰囲気は徐々にできてきているように感じます。

4Gamer:
 分かりました。最後にeスポーツファンに向けたメッセージをいただけますか。

筧氏:
 eスポーツはこれから日本全国に根を張って,さまざまな産業を生み出していくことになります。皆さんもぜひ参加して,地元を背負って頑張るチームを応援してください。そういうシーンを,皆で作っていきたいと思っています。

4Gamer:
 ありがとうございました。

本イベントは「Virtua Fighter5 Final Showdown」の5on5大会「The 16th BEAT-TRIBE CUP」と併催となっていて,こちらも大きな盛り上がりを見せていた。こちらの大会のレポートは後日掲載の予定だ。お楽しみに
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