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「Overwatch」新ヒーロー・モイラをBlizzCon 2017会場でプレイ。デザイナーを務めるスコット・マーサー氏のコメントと共に紹介
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印刷2017/11/06 18:03

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「Overwatch」新ヒーロー・モイラをBlizzCon 2017会場でプレイ。デザイナーを務めるスコット・マーサー氏のコメントと共に紹介

 BlizzCon 2017において,オンラインFPS「Overwatch」PC / PlayStation 4 / Xbox One)の新しいヒーロー「モイラ」と新マップ「Blizzard World」がアナウンスされたことは「こちら」の記事でお伝えしたとおりだ。そればかりか,イベントに参加したファン達に向けて,試遊出展が行われていた。

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 「Overwatch」は2016年5月のローンチ以降,Blizzard Entertainmentらしいファンへのアプローチにより,現在までに3500万ものプレイヤーアカウントを記録している。BlizzCon 2017では世界各地の予選を勝ち抜いてきた8チームが頂点を目指す「Overwatch World Cup」が開催されたが(関連記事),これに合わせて観戦しやすくなるさまざまな趣向を盛り込んだアップデートも行われている(関連記事)。

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 さて,26人目のヒーローとして公開されたモイラは,回復と攻撃を同時に行えるサポート型のキャラクターだ。彼女は遺伝子レベルでの人体改造の術を編み出したという有能な遺伝子学者だが,危険な研究に対して学会からは非難されることも多かった。そうした縁からオーバーウォッチの特殊部隊「ブラックウォッチ」に参加し,バイオティックを利用した兵器の研究に没頭することになったという経歴の持ち主だ。ソルジャー76の「バイオティック・フィールド」やアナの「バイオティック・ライフル」も,モイラが開発したテクノロジーを利用しているのかもしれない。
 ただ,モイラはやがてオーバーウォッチから追い出され,自分の知識欲を満たすためにタロンの資金提供を受けることになる。こうしてリーパーやドゥームフィスト,ゲンジ,マクリーらに超人的なパワーを授けることになったというのが,彼女のオリジンストーリーで語られている。


合同インタビューに応じてくれたのは,「Overwatch」においてプリンシパル・デザイナーを務めるスコット・マーサー(Scott Mercer)氏。Blizzard Entertainmentには1997年から在籍する古参のメンバーだ
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 Blizzard Entertainmentのタイトル,とくに「Overwatch」では新しい発表が行われる前にコミックスやゲーム内に何らかのヒントが公開されて,それがファンの間で話題となるパターンが多い。しかし,今回のモイラについては,まったく事前の情報はなかった。 この件について,同作のデザイナーを務めるスコット・マーサー(Scott Mercer)氏に尋ねると「私の知る限り,モイラに関する事前の情報は出ていませんでした。広報戦略にはタッチしていないので詳しくお話しすることはできませんが,ここまで大きくなったBlizzConであれば,十分にバズると考えられたのかもしれません」と回答してくれた。

 冒頭で触れたとおり,BlizzCon 2017会場ではモイラと同時に発表された新マップ「Blizzard World」を使って,PC版がプレイ可能になっていた。筆者が3マッチを体験したところでは,武器を持ち変えるという動作はなく,プライマリーウェポンでは左手(左クリック)から味方を回復する黄色のバイオティック・エネルギーを放出し,右手(右クリック)から相手を攻撃する紫色のエネルギーが放たれる。射程距離は6〜7メートルくらいの短いもので,黄色のエネルギーのほうが長く見えたが,ブース担当者の話では「どちらも同じ射程だと思う」とのこと。

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 非常に強力だったのが「バイオティック・オーブ」だ。前方に球状のエネルギーを放つアビリティで,味方を回復するもの,または敵にダメージを与えるものから選べる。壁や天井に当たると跳ね返るため,狭い空間であるほど効果的に活用できる。
 一方,ステルス状態のまま,短い距離を高速移動することが可能になるアビリティ「フェーズ」の効果は,リーパーの「レイス・フォーム」とトレーサーの「ブリンク」の中間といったところ。移動中は攻撃や回復ができないものの,ホットスポットから離脱したいときに使えそうだ。
 アルティメットの「コアレッセンス」は巨大なビームを放ち,味方は回復,相手にはダメージを与える。実際に計ってみたところ,ビームの持続時間は約9秒だった。

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 こうしたバイオティック・エネルギーは,モイラが背負っているタンクに蓄えられており,インタフェースには専用のバーが表示されている。回復のアビリティばかりを使用していると減っていく仕組みだ。エネルギーを充填するには攻撃のアビリティを利用するしかないので,モイラをヒーラー専用のキャラクターと捉えるべきではないだろう。

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「Overwatch」モイラ紹介ページ


 オープニングセレモニーにおいて,ディレクターのジェフ・キャプラン(Jeff Kaplan)氏は「モイラは“O.P.A.F.”というスペルです」というジョークを飛ばしていた。O.P.A.F.とは「Over-Powered As Fuck」(死ぬほど圧倒的)の略語で,オンラインゲームでよく使われるスラングだ。
 マーサー氏にその意図を聞いたところ,「実際にジェフがどういった意味合いで発言したのかは分かりませんが,強すぎるということはないと思います。DPS(Damage Per Second/1秒あたりの敵に与えるダメージ)ではゼニヤッタに及ばず,チームにおける使いどころが難しかったり,慣れるまで時間がかかったりするかも」と笑いながら答えていた。
 確かにモイラのプレイフィールはゼニヤッタとシンメトラを足して割ったようなもので,前線に投入できるヒーラーといった位置付けだろうか。今年に入り,大幅にキャラクター性能が変更されているマーシーと入れ替えてみるという選択肢もありだろう。

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 ここ最近,Overwatchのコミュニティでは「ダイブ」(Dive)と呼ばれる戦術がポピュラーになっている。ルシオやゲンジ,トレーサー,ウィンストンといった高速移動が可能なキャラクターが相手の懐に飛び込み,サポートキャラクターを一気に叩くというものだ。
 「モイラはダイブに何らかの方向性を与えるのか」という質問をマーサー氏に投げかけたところ,「そうしたメタゲームには十分に注意を払っている」としながらも,直接的にダイブをどうこうしようという意図はないとのこと。
 しかし,常に動き回っているヒーローを的確に回復していくサポート役の重要性は高いはずだ。また,モイラとゼニヤッタが組めば,ダイブ戦術を採用する相手に対抗しうる強力なコンビになるかもしれない。回復と攻撃のハイブリッドという特異な立ち位置となるモイラには,さまざまな可能性が秘められているだろう。

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 新マップの「Blizzard World」にも触れておく。遊園地のようなオブジェクトや建物の間に,「Hearthstone」の居酒屋風レストランがあったり,「Heroes of the Storm」の世界観を利用した「The Next Experience」というライドがあったりと,とにかく賑やかな雰囲気が特徴的だ。どうやらライドには乗れないようだが,風船の紐に銃撃が当たると上空に飛んで行くというギミックが確認できた。ペイロードとポイントキャプチャーのハイブリッドマップとのこと。

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 今回発表されたモイラとBlizzard Worldだが,近いうちにPTRサーバーで導入が始まり,正式に実装されるのは2018年初頭が予定されているようだ。モイラの登場によって,Overwatchのメタゲームがどのように変化していくのか,楽しみにしておこう。

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