インタビュー
「CLOSERS」はいよいよ“Episode:2”へと突入。現状と今後の展開を運営プロデューサー 関口悦昭氏に聞いた
今回,「CLOSERS」の国内運営を担当する関口悦昭氏にインタビューを実施し,2015年8月のサービス開始から現在までを振り返りつつ,今後の展開について話を聞いてきた。完成度の高いシナリオと爽快なアクション要素を軸に,新エリアやキャラクターの追加といった拡張を予定しているようだ。
「CLOSERS」公式サイト
サービスインからこれまでを振り返って
本日はよろしくお願いします。まずは,2015年8月のサービス開始から現在までを振り返っていただけますか。
関口悦昭氏(以下,関口氏):
おかげさまでサービスインからの初動はたいへん好評で,多くのお客様に「CLOSERS」を遊んでいただきました。しっかりと準備に時間を割いたこともあってか,想定以上の好調な滑り出しだったんです。
4Gamer:
それだけに外部からのサーバー攻撃によって,サービスの一時停止を余儀なくされたことが悔やまれます(関連記事)。
関口氏:
ええ……。9月15日から1か月弱,サービスを停止せざるを得ませんでした。「CLOSERS」を遊んでくれていた皆さんには,ご迷惑をおかけして申し訳ない気持ちです。
4Gamer:
サービス開始直後,「さあ,これから!」というタイミングで出鼻をくじかれた感がありました。
関口氏:
10月9日にサービスを再開できましたが,アクティブユーザー数が大きく減少したのは事実です。
4Gamer:
クローズドβテストの評判も良く,理想的な状態でサービスインを迎えられただけに残念でした。1か月近くサービスが止まれば,別のオンラインゲームを始める人も多いでしょうね。
その後,サービス再開以降の動向はいかがでしょうか。
関口氏:
昨年末から年明けにかけては,アップデートの頻度が足りなかったと感じています。「CLOSERS」のウリと言えば,キャラクターの個性とそれぞれ独自のストーリーですが,これにはどうしても開発に時間が掛かってしまいます。
4Gamer:
オンラインRPGの場合,テキストをあまり読まずにどんどん先に進んでいくプレイスタイルの人も多いと思いますが,「CLOSERS」はストーリーの評価も高いようです。
関口氏:
ありがたいですね。我々としても,ローカライズには妥協することなく,より良いものをユーザーの皆さんに提供したいと考えています。
4Gamer:
今年に入ってからは,2月にスラッシュ,3月にはレヴィアと新キャラクターが導入されました。
関口氏:
サービス再開からスラッシュの導入までは,いわゆるメジャーアップデートがない状態でした。新キャラクターの導入が離脱していたプレイヤーが戻ってくるきっかけになり,現在のアクティブユーザー数は安定しています。
4月以降も引き続きメジャーアップデートを実施しますので,現役の皆さんはもちろん,新規の方や休止中のプレイヤーにも「CLOSERS」を遊んでほしいと思います。
4Gamer:
第2のチーム「ウルフドッグ」のスラッシュが導入されたタイミングで,「CLOSERS」は“Ver.2.0”となり,プレイヤーが増えたということですね。
関口氏:
ウルフドッグのストーリーはダーティといいますか,王道を往く「ブラックランブス」とは違った面白さがあります。ただ,ユーザーからの反応が顕著だったのはレヴィアですね。レヴィアの導入によって,復帰された人,新規で始められた人は多いです。
4Gamer:
レヴィアは早い時期に情報が公開されたこともあり,実装を待望する声が大きかったと思います。見た目も麗しい女性キャラクターですから,興味を持った人が多いのは当然かもしれません(笑)。
関口氏:
直近のデータによると,現在使用されているキャラクターはレヴィアとスラッシュのツートップ状態です。その次にユリやミコトといった女性キャラクターが続きます。
今後,追加される3人目のウルフドッグメンバー「ハーピー」についてはいかがですか。
関口氏:
ハーピーは足技を主とした近接攻撃が得意で,ブラックランブスのJと対になる立ち位置のキャラクターです。NPCの反応がスラッシュやレヴィアとは異なりますので,ストーリー展開だけでなく細かな会話まで注目してみると面白いと思いますよ。
4Gamer:
確かに,使用キャラクターによってNPCのセリフが異なるのは,地味ながら開発工程が多くなりそうですね。新しい地域のNPCが増えたら,全キャラクター用のセリフを用意しなければなりません。
関口氏:
そうなんです(苦笑)。本国(韓国)のサービスとの兼ね合いもあって逐一協議する必要はありますが,プレイヤーに評価されているポイントですから,今後も提案を惜しまずに本国と協議を重ねていきたいですね。
4Gamer:
継続的にスキルバランスの調整も行われていますが,調整の方針を教えていただけますか。
関口氏:
スキルの調整は,基本的に使い勝手の悪いスキルを上方修正していく方針ですね。原則,アップデートは本国の後追いで日本でも実施する形になっていますが,こうした調整については,順番を入れ替えてでも早く導入したいと考えています。
4Gamer:
ゲームバランスに関しては,サービスイン当初から「敵が弱い」という声が聞かれました。個人的にはストーリーの中盤以降になれば,それほど敵が弱い印象とは思わないのですが。
関口氏:
オンラインのアクションゲームをプレイしたことのない人でも楽しめる難度を目指しているので,コアゲーマーにとっては易しく感じられるのかもしれません。
4Gamer:
逆に敵が強すぎると,「この場面では,このスキルが必須」といった攻略要素が際立って,現在の魅力である「思うがまま自由に戦える爽快感」が失われるかもしれませんね。
関口氏:
そのとおりだと思います。「CLOSERS」は空中コンボのダメージが高く,アクションゲームが上手な人ほど爽快なバトルが楽しめるようになっています。逆にアクションゲームが得意ではない人に,コンボをつなげる楽しさをどう伝えるのか。それが今後の課題ですね。
日本と韓国でのサービス状況について
本国でのサービス状況について教えていただけますか。
関口氏:
韓国では昨年11月,アニメ化のプロジェクトが発表されており,「CLOSERS」というタイトルはゲームを遊んでいない人でも知っているほどに定着しているようです。
4Gamer:
アニメは2016年下半期に公開予定とのことですが,日本での展開はいかがでしょう。
関口氏:
現在,会社としてアナウンスできることはありません。ですが,個人的に興味はありますよ。もし今後,日本での展開が可能になったらの話になりますが,ゲームではステージの背景まで日本語化を行っていますので,修正作業に時間はかかるでしょう。けれども,そのときにはしっかり作り込みたいですね。
4Gamer:
今後の発表に期待しています。
日本国内に目を向けると,Webラジオ(「爽快!疾走!Radio!『CLOSERS』」)やニコニコ生放送(「ユニオンニュース」)といった継続的な活動が印象的です。
関口氏:
純粋に「『CLOSERS』をより多くの人に知ってもらいたい」という動機で始めたのですが,ユーザー数も安定しているので,今後も定期的に続けていきたいですね。
4Gamer:
関口さんが「ハルト」のモノマネをされている回(第4回「ユニオンニュース」)を拝見しました(笑)。このままの路線でぜひ続けてください!
ああ,あの回ですか(笑)。スケジュールが直前まで決まらないので,難しいところはありますが,ゲームを盛り上げるためなら何でもやるつもりです。
4Gamer:
運営方針についてもお聞きしたいのですが,韓国では通常ダンジョンでもコスチュームがドロップする一方,日本では曜日ダンジョンのような入場制限がある場所でしか手に入らない仕様になってますね。
関口氏:
ええ。コスチュームのドロップに関する仕様は,現在も開発側と協議をしているところです。コスチュームを集めるのも,ゲームの楽しみの1つですから,通常ダンジョンでも手に入るようにしたいですね。
ただ,開発側としては本国のユーザーも大切にしなければならない立場ですから……。
ひとまずの妥協案として,レヴィア導入時に「ユニオンウォッチ」というデイリーミッションを追加しました。今後は一般ダンジョンのドロップについても継続して交渉を続けて,日本のユーザーが楽しめる環境作りに努めていきます。
5月の大型アップデートで新章“Episode:2”へ進化
4Gamer:
それでは,今後の実装が予定されている新コンテンツを教えていただけますか。
関口氏:
現状,第1地域のアカツキからプレーンゲートまで,ストーリーに紐づくエリアの流れがあります。当分の間,これまでと同様にストーリーに合わせた拡張を予定しています。第5地域,第6地域とエリアを拡張しつつ,レベルキャップの解放,そして新キャラクターの追加を準備しているところです。
4Gamer:
ストーリーが魅力のタイトルですから,何の脈絡もなく難しいダンジョンが導入されるのでは戸惑ってしまうかもしれませんね。ただ,カジュアルさゆえにレベルキャップに達するのも早く,その後はプレーンゲート(最高ランクのエリア)を周回するか,新しいキャラクターを始めるしかないのは寂しいと感じます。
関口氏:
我々が提供するコンテンツが,プレイヤーの進行に追いついていない状況であることは認識しています。
4Gamer:
昨年末にはPvPモードがテスト導入されました。これはアップデートの合間を埋めるコンテンツになるのでしょうか。
関口氏:
PvPモードはβ版の意味合いが強く,今後の調整と拡張によってリニューアルを予定しています。本国では,フルに強化したプレイヤー同士のガチなPvPになっているのですが,日本ではそうした課金額に左右されるコンテンツが好まれないと考えており,日本に合った仕様を検討中です。
4Gamer:
本国のサービスでも,PvPよりストーリーやキャラクターに注力しているように見られます。そういえば,サービス開始前から話題になっていたMOBAスタイルのPvPモードも,昨年末に廃止になったようです。
関口氏:
PvP自体はあっていいと思いますが,やはりメインコンテンツとして成功させるのは難しいですね。まずは人気の土台となっているキャラクターとストーリーを充実させることが,当面の最重要課題だと思います。
4Gamer:
分かりました。
では,次回のアップデートはいつ頃になりそうでしょうか。
関口氏:
5月12日にブラックランブス側での第5地域を実装します。ウルフドッグ側は,できれば5月中に第5地域を導入したいですね。ただ,進捗状況を見ると,かなりギリギリのラインかなと。
4Gamer:
それでも,そう遠くない時期に導入されそうですね。
関口氏:
ええ。その後,夏休み前をメドに第6地域とハーピーを導入したいところですが,まだ第5地域の作業に掛かりっきりなので,具体的なスケジュールが出せない状況です。とはいえ,2月と3月のアップデートで好評をいただきましたので,そのスピード感で進められるように努力していきます。
4Gamer:
なるほど。第5地域について,公開できる情報があれば教えてください。
空港が舞台となるエリアですね。これまでの次元種ではなく,人間が相手の戦いになるのですが,ボスの「イリーナ」というキャラクターは人気が出ると思いますよ。
4Gamer:
「CLOSERS」のNPCは,脇役のキャラクターでも人気があったりしますね。
関口氏:
そうなんですよ。第1地域の「イナリ」は,サブシナリオがある程度ですが,意外なことに人気が高いようです。一度,人気投票をやってみると面白いかもしれません。
4Gamer:
個人的には,エリア間を疾走してくれる「ライナ」も印象に残っています。
関口氏:
ストーリーが佳境に差し掛かるとシリアスな展開になりますが,第1地域はまだユニークな会話も盛り込む余地があったので,印象に残っているのかもしれません。
ちなみにイリーナは戦っていて楽しく,服装にも特徴がありますので,皆さんの記憶に刻まれるのではないかと。開発チームも重要なキャラクターと位置付けているようで,今後に驚くような展開があるかもしれません。
4Gamer:
それは要チェックですね。ストーリーが進むということは,レベルキャップも解放されますね。
関口氏:
第5地域でレベルキャップは58から62へ,それに伴って装備も更新されます。第5地域から「Episode:2」という新しい展開に突入しますので,心機一転の意味も込めて「CLOSERS」を盛り上げていきたいです。
これまでのストーリーを振り返る機能の実装を検討していますので,休止中のプレイヤーにも遊んでもらいたいと思います。
4Gamer:
それでは,最後に4Gamer読者にメッセージをお願いします。
関口氏:
新エリアやストーリーを追加するメジャーアップデートと,各コンテンツの調整や不具合の修正といった細かいアップデートを並行して,「CLOSERS」を日本のプレイヤーが楽しめるタイトルへと成長させていきます。
現在,7人のキャラクターを実装していますが,ぜひ好きなキャラクターを見つけてプレイしてみてください。「CLOSERS」のウリである軽快なストーリーはもちろん,こだわりのアクションにも魅力を感じていただけるはずです。
4Gamer:
ありがとうございました。
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