インタビュー
終わりのない冒険と子作りが楽しめる(ようになるかもしれない)ダンジョン探索型ログRPG「Wizardry Schema」の開発/運営インタビューを掲載
ログRPGというジャンルを一言で説明するならば,スマホアプリでお馴染みのRPG的な“放置ゲー”に相当するもの,と言うのが適切だろうか。プレイヤーは,キャラクターの装備を整えパーティを編成し,ダンジョンでの行動指針を設定するだけで冒険(ダンジョンの探索/モンスターとの戦闘/財宝の収集/キャラクターの育成)が行えるのだ。本作はWizardryの名を冠したタイトルだけに,ちょっとしたミスが全滅につながる難度や,シリーズへのオマージュなどもしっかりと盛り込まれている。
そんなWizardry Schemaは,2014年7月にApp Storeにて配信開始となったのだが,その1週間後長期メンテナンスに突入し,しばらく遊べない状態が続いていた。メーカーからの正式なアナウンス(ローンチ時のプロモーション)もなかったため,不思議に思ったプレイヤーも多いのではないだろうか。
なぜWizardry Schemaはひっそりとしたスタートを切ったのか。そして,同作の今後の行方は……などなど,気になることを開発/運営チームにインタビューしたので,その模様を本稿で紹介していこう。
「Wizardry Schema」公式サイト
「Wizardry Schema」ダウンロードサイト(App Store)
各種不具合やチート問題に悩まされたWizardry Schema
継続的な対応でゲームの健全化を約束
4Gamer:
本日はよろしくお願いします。2014年7月に何の前触れもなくリリースされたiOS向けアプリ「Wizardry Schema」ですが,その後長期メンテナンスに入ってしまったり,メーカーからの大々的なプロモーションもなかったりと,少々不思議な滑り出しでした。まずは,リリース直後,Wizardry Schemaの運営を一時休止された理由と,復活に至るまでの経緯,そしてWizardry Schemaで現在発生している問題とその対応についてお聞かせください。
本作は2014年7月に正式サービスを開始しましたが,当時のバージョンはかなり不具合の多いものでした。それに加えてプレイヤーから,「触り心地が悪い」「もう少し軽くしてほしい」「操作のレスポンスが悪い」「落ちる!」といった意見が多数届いたんです。
これらの問題を,サービスを継続しながら修正するとなると,通常よりも余計に時間がかかってしまいますし,その間,不具合だらけのものを出しっぱなしにしなければなりません。それはまずいだろうということで,思い切って長期メンテナンスの実施を決断しました。
4Gamer:
それから約1か月後に運営が再開されましたね。
岩原氏:
はい。その1か月間で,当初不具合として報告いただいていた項目はすべて修正できたのですが,それ以外の不具合が散見されてしまい,結果的にプレイヤーの皆様にご迷惑をおかけしておりますことを,あらためてお詫びいたします。
4Gamer:
現在,問題となっている不具合にはどのようなものがあるのでしょうか。
岩原氏:
大きな問題は3つあります。1つめは,サービス開始直後(7月29日〜8月5日)からプレイしていた方を中心に,ゲームにログインできないという問題が発生しています。原因の特定に時間がかかっておりましたが,ご報告いただいた皆様のご協力を経て,いくつかの対策を施すことができ,多くのケースで改善されていることを確認しています。対策後も問題が継続している方には別途アナウンスさせていただきたいと思います。
2つめは,通信状況が悪いときにダンジョンに行くと,エラーが起きるという不具合です。このエラーはスタート画面で「データ同期」を行うことで解決されますが,冒険の所要時間が経過するまでは,結果を表示しようとしてもエラー表示になってしまいます。本来の冒険所要時間を過ぎればエラーなく帰還できるようになるのですが,こちらについては可能な限り速いタイミングでの修正を行えるよう,作業を進めています。
そして3つめは,一部のお客様から有料ポイントのチャージができないというお問い合わせをいただいております。こちらについても調査を進めています。
4Gamer:
そのほか,一部プレイヤーからチート問題に対する声も挙がっているようですが,そちらについてはいかがでしょうか。
岩原氏:
誰でも可能というわけではないのですが,ある程度の知識を持っている人であれば,アプリのデータを改ざん出来てしまう問題がありました。この問題に関しては,サーバー側に不正行為を防ぐ仕組みを導入し,クライアント側でのデータ改ざんを無効化しています。
また,不正行為者には確認次第警告を送り,アクセス制限をかけます。育てた冒険者や集めたアイテムが使えなくなってしまいますので,クライアントの改造は絶対におやめください。
4Gamer:
なるほど,チート問題についても当然把握しており,対策も講じていたわけですね。
岩原氏:
これらはすべて,運営と開発の不慣れから起きてしまった問題だということも,もちろん認識しています。通常のゲームプレイに支障が出ている皆様だけでなく,現在プレイされているすべての皆様にご迷惑をおかけしていることを,心よりお詫び申し上げます。今後も継続して対応を行ってまいりますので,引き続きよろしくお願いいたします。
では,長期メンテナンス前との違いについて教えてください。具体的に,Wizardry Schemaはどう変わったんでしょうか。
岩原氏:
単純に言うとボリュームです。メンテナンス前のバージョンではストーリーを4章までしか用意していなかったんですが,メンテナンス後のバージョンでは7章まで遊べるようになっており,ダンジョン数もほぼ倍に増えています。なので,やり込み要素は格段に増していると言えるでしょう。
また本作では,基本の種族が5つ(ヒューマン/エルフ/ドワーフ/ノーム/ポークル)あって,シナリオを進めていくことで2種族(フェアリー/ラウルフ)が増えるようになっていました。メンテナンス後のバージョンでは,そこに3種族(ムーク/ティターン/フェルパー)を加え,全部で10種類の種族が使用できるようになりました。
4Gamer:
おお,確かに大きなボリュームアップですね。そのほか,アプリの挙動に関する修正点はいかがですか?
岩原氏:
メニュー画面を開く際の時間を短縮したり,鍛錬/エンチャントの演出をスキップ可能にしたりして,全体的なテンポアップを図りました。加えて,アイテムの最大所持数を100個から200個に増やしていますので,かなり遊びやすくなったのではないかと思います。
ただ,ゲームの挙動はまだ遅い部分もあり,ストレスを感じているプレイヤーがいることも認識しております。引き続き動作速度の回線や,通信頻度の最適化を継続して改善していきます。
4Gamer:
ログRPGとはいえ,ゲームの本質はハック&スラッシュ(モンスターとの戦闘でアイテムを入手し,キャラを強化してさらに強いモンスターと戦うようなプレイスタイル)ですし,アイテム所持数の増加は地味に嬉しいポイントですね。
岩原氏:
クライアントが落ちるという点に関して,こちらで把握している原因は取り除きましたが,もちろん完璧とは言えません。落ちる回数は目に見えて減ったと思いますが,一つ一つの現象を確認しながら修正を進めている次第です。
そのほかのご意見/ご要望については現在検討中ですが,「こうしたら面白そうだよね」という要素に関しては,どこかのタイミングでいっぺんに実装しようと考えているので,楽しみにしていてください。
ウィザードリィとしては初のジャンル「ログRPG」
4Gamer:
この記事でWizardry Schemaを知ったという人もいると思うので,本作の概要について,あらためて教えてください。
本作は,いわゆる「ログゲー」「放置ゲー」と呼ばれるジャンルのRPGになります。プレイヤーは冒険者をキャラメイクしてパーティを編成し,装備を整えて,攻略したいダンジョンを選択し,そこでの行動指針を決めるだけ。冒険者は勝手にダンジョンを冒険し,一定時間が経過すると帰ってくるという,とてもシンプルな設計のゲームです。そこに,さまざまな施設を建設して街を発展させていく「村ゲー」的な要素を組み合わせています。
とはいえ,本作のベースはWizardryなので,世界観やデータ量は本格的なRPGと変わらず,やり込み要素もたっぷりと盛り込まれています。
4Gamer:
一般的なログRPGと比べて,ビジュアル面に凝っているところも特徴の一つですね。
岩原氏:
はい。同じタイプのスマホ向けゲームはいくつもありますが,Wizardryシリーズの資産を生かすという意味でも,ビジュアル面には注力しました。モンスターのイラストも,不確定な状態と,正体が判明した状態のものを用意しています。
4Gamer:
そういえば,モンスターや一部キャラクターのイラストは,バンダイナムコゲームスが配信している「ウィザードリィ 〜戦乱の魔塔〜」のものを使っているんですか?
岩原氏:
そうです。両作はまったく異なるゲームですが,どちらも私が監修する“Wizardry Renaissance”プロジェクトに連なるシリーズ作品なので,いずれは連動コラボレーション企画なども実施してみたいですね。
4Gamer:
なるほど。しかし今さらですが,WizardryがログRPGになるとは思いませんでした。
初期のWizardryって,基本的には「ログを見るゲーム」だと僕は思っているんですよ。ダンジョン内を移動したり,コマンドを選択したりといった操作は必要ですけど,戦闘やクエストで重要なのはログ(テキスト)なので,ログRPGとの相性はかなりいいと考えています。
昨今のゲームはテキストを飛ばしてナンボみたいなところがありますけど,Wizardryはある意味“冒険者パーティをマネジメントするゲーム”ですから,バトルログやテキストをちゃんと読み,理解し,そこからより良い戦略を練る必要がありますからね。
4Gamer:
つまり,Wizardryの本質的な面白さは,Wizardry SchemaのようなログRPGでも再現可能である,というわけですね。
岩原氏:
おっしゃるとおりです。現在サービス中のPC向けMMORPG「Wizardry Online」は,「ガチでゲームをしましょう」というコンセプトの作品ですけど,Wizardry Schemaはできるだけ面倒かつ複雑な操作を省きつつ,より多くのファンにハック&スラッシュの純粋な面白さを味わってもらうためのゲームなんです。
4Gamer:
とは言いますけど,Wizardry Schemaも相当難しいですよね。油断するとすぐ全滅しますし。
岩原氏:
はい(笑)。Wizardryをヌルくしてしまうと,「それはもうWizardryじゃなくていいじゃん」という話になってしまいますし,エグいことはエグいですよ。キャラクターが死ねば一定確率でちゃんとロストします。
Wizardryならではの歯ごたえある難度は健在
4Gamer:
冒険者パーティを出発させてしまうと,あとは本当に見ているだけになってしまうので,とくに初見ダンジョンのドキドキ感がハンパないですね。
岩原氏:
ダンジョンにはモンスターだけでなく,おなじみのトラップも用意されていますからね。もし攻略に行き詰まってしまったら,ログをしっかりとチェックしてキャラクターの死因を特定することが大切です。
たとえば,毒のトラップが目立つダンジョンなら,毒に対抗するための装備品を用意したほうがいいですし,モンスターの魔法攻撃が痛すぎるようだったら,MR(魔法耐性)を高める必要があります。もちろん,パーティもダンジョンにあった編成にするべきでしょう。
4Gamer:
序盤は適当にプレイしていても問題ありませんでしたが,パーティ構成によっては,デルティス大蔵室や黄龍の神殿跡あたりから厳しくなってくる印象を受けました。
岩原氏:
先に進めば進むほど,情報収集と戦略の大切さが際立ってきますよ。往年のWizardryファンにも,確かな歯応えを感じていただけると思います。基本的には,死にながら覚えていくことになると思いますけど(笑)。
戦闘のロジックもWizardryを意識したものになっているので,「ああ,この感じは初代Wizardryで味わったな」みたいなことを,思い出されるプレイヤーもいるんじゃないでしょうか。
4Gamer:
ダンジョンでは,ランダムイベントが発生したり,「書物」のような特殊なアイテムがドロップしたりすることもありますね。
岩原氏:
はい。絶妙なランダム性はWizardryに欠かせない要素ですから,どんなに強い冒険者パーティでも,常に無事でいられるとは限りません。
書物は,ストーリー攻略には一切関係がないんですが,コレクション要素として楽しめるものになっています。世界観を楽しむためのフレーバーテキストのようなものですね。
コレクション要素といえば,本作には“アカシックレコード”というメニューの中で,プレイヤー情報やモンスター図鑑などが閲覧できるようになっているのも興味深いところです。
岩原氏:
モンスター図鑑は,コレクション要素でもあり,攻略に欠かせない要素でもあるんです。本作では,ダンジョンで遭遇したモンスターが図鑑に登録されていくんですが,モンスターの種類ごとに「知識率」が設定されていて,戦えば戦うほどその知識率が上昇していきます。
知識率の上昇に伴い,モンスターのグラフィックスが明らかになるほか,そのモンスターと戦闘する際の与ダメージ/被ダメージ補正なども発動します。
4Gamer:
知識率は,1種類のモンスターにつき何匹くらい倒せば100パーセントになるんですか?
時田氏:
100匹くらいですかね。ただ図鑑に載せるだけだったら,5〜6回倒せばいいので,図鑑に載せること自体はそこまで難しくありません。
岩原氏:
たまに知識率がゼロでも,名前やグラフィックスがハッキリすることがあるんですよ。昔のWizardryも,全部すべてのモンスターが最初から“未確定”だったわけじゃないので,そういう部分を残してみました。
あと,Wizardryシリーズ最大規模のアイテム数を誇っている点も,本作の特徴でしょうか。
岩原氏:
なんてったって,武器のグラフィックスが必要ないですからね! 文字だけで実装できちゃうから,能力さえ付けてしまえばいくらでも作れる。
4Gamer:
おっしゃるとおりです(笑)。
岩原氏:
たとえばロングソード1つにしても,「猛々しいロングソード」のような感じでさまざまな「冠」が存在します。冠の種類によってさまざまなエンチャントが付与されます。それとは別にエンチャントが付くこともあります。たくさんのエンチャントが付いている武具は大事にしたいですね。
4Gamer:
ざっくりとでいいんですけど,大体どれくらいの武具が登場するんですか?
時田氏:
組み合わせでいったら億は超えると思います。
岩原氏:
まあ,全部を収集するのはおそらく不可能だと思いますね。なので,アカシックレコード内に図鑑を用意するのはやめました。ただ,レアなものは見たら分かると思うので,お気に入りのものを各自でコレクションしてもらうのがいいかと思います。
4Gamer:
もちろん,Wizardryシリーズならではのユニークアイテムも存在するんですよね。
岩原氏:
「村なんとか」とか「カシなんとか」とか,いろいろありますよ(笑)。
上位職も含めると16種類のクラスが存在
その気になればレベル9999まで育成可能!?
4Gamer:
Wizardry Schemaでは,村に施設を建設することで,さまざまなシステムやボーナスがアンロックされていきます。上位職なども施設によってアンロックされる形だったと思うのですが,本作にはどれくらいの職業が用意されているんですか?
種族は先ほどお話ししたように計10種族となりますが,職業は16種類になります。基本職業はファイター/プリースト/メイジ/シーフの4種類で,上位職としてはバーサーカー/ロード/サムライ/モンク/ビショップ/シャーマン/ソーサラー/ドルイド/サモナー/アーチャー/バード/ニンジャの12種類が,それぞれに対応する施設を建設することで転職可能になります。今後,さらに強い最上位職も追加予定です。
4Gamer:
Wizardryシリーズということで,転職時のペナルティが気になるんですが,そのあたりはいかがでしょう。
時田氏:
歳をとったりはしないんですが,レベルが1に戻り,ステータスが半分になります。
4Gamer:
なるほど,ステータスは18以上まで成長しますし,できるだけ高いレベルで転職すれば,リカバリーも難しくはなさそうですね。
岩原氏:
ちなみにWizardry Schemaでは,その気になればキャラクターのレベルをレベル9999まで上げることができますが,職業固有の「クラス特性」は,ほかのクラスに継承させることはできません。しかし「クラススキル」は,習得したものを転職先にも持っていけるんですよ。
4Gamer:
つまり,すべてのクラススキルを習得している究極のキャラクターも,時間と労力さえかければ作成可能というわけですか。
ええ。とはいえ,クラススキルを装備する枠は限られているので,すべてのスキルを常に使えるようにはならないんですけどね。現職業を何にして,どのクラススキルを装備させるかで,キャラクターの特徴が決まるようなイメージです。
4Gamer:
うーん,途方もないやり込み要素ですね……。さすがはWizardryの名を冠するログRPGといったところでしょうか。
岩原氏:
終わりのない冒険を楽しむことは,RPGファンにとって1つの理想だと思うんです。しかしそういう作品を,一般的なスマホ向けRPGの形で開発することは事実上不可能ですよね。本作をログRPGにした理由は,まさにそこにあります。
4Gamer:
グラフィックスありきのデータではなく,テキストありきのデータをメインにすることで,アップデートの質と速度を高められる……ということですか。
岩原氏:
現状は質も速度も満足できるものではないかもしれませんが,運営開発一同,ログRPGとしては最高のものを目指して頑張っている次第です。
ソーシャルゲームの開発経験が役に立たない?
Wizardry Schemaの目指すものとは
4Gamer:
本作の開発はマイティークラフトが担当しているとのことですが,Wizardry Schemaの開発作業はいかがでしたか?
弊社はソーシャルゲーム開発を得意とする開発会社なんですが,最初に岩原さんからWizardry Schemaの企画書を見せてもらったとき,「はいはい,Wizardryのソーシャルゲームね」と思い込んでしまい,あとで困ったことになりました。
4Gamer:
確かに,Wizardry Schemaにはソーシャル要素が盛り込まれていますが,一般的なソーシャルゲームとは大きく異なりますね……。
岩原氏:
ソーシャル性でいうと,本作では各プレイヤーがお気に入りのキャラクターを“レンタル”できるんです。ダンジョン内ですれ違ったレンタルキャラクターを登録すると,7人目のパーティメンバーとして冒険に連れて行けるという仕組みです。
4Gamer:
スマホならではのライトな付き合い,というわけですね。
岩原氏:
はい。「アタッカー急募! ムラマサ装備のサムライ限定」みたいな話になると,ちょっと面倒臭くなってしまうじゃないですか(笑)。
そういった仕様を見て,まぁいわゆるソーシャルゲームだろうと思ってしまったんですが……実際にはこれまでの開発経験がほとんど役に立たないということに気付いたときは,さすがにゾッとしました(笑)。結果的に,ボリュームのあるRPGを一から作ったような感じですかね。
ソーシャルゲームにおいてはゲームデザインの軸になる“マネタイズ”周りの仕様に関して岩原さんに聞いても,「そんなことはいいから面白いゲームを作ろうよ」などと言われてしまうことが多かったですし,これは大変な仕事を任されてしまったな……と。
一同:(笑)
大杉氏:
常にそんな雰囲気でしたから,開発陣も苦労はしていますが,楽しみながら仕事をしていますよ。
岩原氏:
Wizardry Schemaにとって一番重要なのは,長く,多くの人に遊んでもらうことだと思うんですよ。プレイヤーが「こういう有料アイテム(サービス)があると便利だ」と理解してくれたときに,必要に応じてお金を使ってくれれば,いずれいい結果が出るんじゃないかなと考えています。
4Gamer:
なるほど。一プレイヤーとしてはとても有り難いお話しですけど……。
大杉氏:
私が言うことではないかもしれないですけど,心配になってきますよね。
岩原氏:
いやいや,お金を使わないでくれと言っているわけではないですよ! 余裕のある人は,ぜひ「冒険者ハント」(有料ガチャ)でポテンシャルの高い冒険者を狙ったり,「時短の書」のような便利アイテムを使ってみたりしてください(笑)。
さまざまなタイトルとのコラボ企画が進行中
今後は迅速なアップデートを目指す
4Gamer:
ちょっと気が早いかもしれませんが,今後の展開について,お話しできることがあれば教えてください。
今のところ年末年始あたりの実装を予定しているんですが,現在「相性システム」を開発中です。これは男女ペアを選択して宿屋に登録しておくと,宿泊期間と運,2人の相性などによって,男女の能力を受け継いだキャラクターが作れるというシステムです。
4Gamer:
回りくどい感じで説明していただきましたけど,つまり……子作りシステムですか。
岩原氏:
です(笑)。それぞれのキャラクターには「遺伝特性」というものがありまして,そのうち最大3つを子供に継承させることができるんです。
時田氏:
例えば力(STR)などのステータスが全然違う種族同士だと,高いほうのステータスを受け継ぎます。例えばエルフとドワーフからは,エルフの頭の良さとドワーフの力の強さを持った子供が生まれます。
岩原氏:
そして純血種,つまり同種族同士の場合は,すべての能力の上限値がプラスαされます。
4Gamer:
単なるネタかと思わせておいて,キャラ育成には欠かせないシステムになっているわけですね。続報を楽しみにしています。そのほかにはいかがでしょう。
岩原氏:
村ゲーのパートにも,随時新要素を追加していく予定です。現状,必要なシステムやボーナスをアンロックするために施設を建てていくパートという扱いですが,いずれ,投資金額の桁が兆や京に届いたとき,村の姿がどのようになっているのか……楽しみにしていてください。
4Gamer:
京って……何桁なのかとっさに出てきませんよ。
岩原氏:
ええ,もはや表記できるのかなって思えるレベルですけど,とりあえずやってみます。施設としては,ちょっと怪しい建物なんかも追加していきますよ。
4Gamer:
(資料を見て)花びら大回転……?
岩原氏:
読まないでください(笑)。その施設にどんな効果があるのかは,これから考えるんですけどね。
そのほか,コラボ企画を含む新しい企画の準備も行っています。最近やったのは,「Wizardry Online」を初めとするGMOゲームポット運営タイトルの各GMの協力のもと,Wizardry Schemaにそれぞれのゲーム由来のアイテムを登場させるという内容です。今後は,「ウィザードリィ〜戦乱の魔塔〜」とのコラボや,他社の某ゲームとのコラボなど……企画内容が固まり次第お知らせしていきます。
4Gamer:
いずれは子作りが可能になるとのことですし,既存IPとのコラボもいろんな意味で楽しみにしております。初音ミクコラボは可能なのかとか。それでは最後に,Wizardry Schemaに期待している読者へメッセージをお願いします。
岩原氏:
一度はサービスを開始しておきながら,一か月もお休みをいただいてしまい,大変申し訳ありませんでした。まだまだ不具合もありますが,おかげさまで完成度は確実に高まってきています。
iOS版の不具合修正の目処がついたら,Android版の開発にも取りかかりたいですし,いずれはPCブラウザでも遊べるといいな,とも考えています。そのためには継続的に改善を重ね,Wizardry Schemaをより良いログRPGにしなければなりません。皆さんの率直なご意見/ご要望をお待ちしております。
時田氏:
本作のゲーム設計は,従来のWizardryに近いものを目指しています。プレイ中は,Wizardryの空気感をかなり感じられる内容になっているのではないでしょうか。
これまでWizardryシリーズを楽しんできた方はもちろん,Wizardryをプレイされていない方にも,Wizardryの魅力を十分に感じてもらえるタイトルになっています。街の発展や果てのないキャラクター育成システムなど,やり込み要素が満載のゲームですので,ぜひ一度プレイしてみてください。
棟方氏:
一か月の休止期間に関しては,本当に申し訳なく思っています。まだ不具合は残っていますが,ひと通りの修正は行いましたので,隙間時間にぜひプレイしてみてください。そして,徐々に完成形に近づいていき,果てなく広がっていくWizardry Schemaの世界を見てもらえたら嬉しいです。
運営面に関しては,一般的なソーシャルゲームよりも,PCオンラインゲームに近い形の施策をお届けできればいいなと考えています。そちらについてもぜひご期待ください。
大杉氏:
お客様からの声は,リリース直後からしっかりと受け止めています。ボタンの位置や,それを押した時のリアクションに関する不満点など,細かな部分に関しても順次対応しています。ゲーム性の部分だけでなく,ユーザビリティにもしっかりと意識を向けて開発作業を続けておりますので,Wizardry Schemaの今後にご期待ください。
4Gamer:
本日はありがとうございました。
「Wizardry Schema」公式サイト
「Wizardry Schema」ダウンロードサイト(App Store)
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